マレーシアの社会変革を目の当たりにできる幸運

このたび、私たちが住まうマレーシアは社会体制が一夜にして変わった。しかも決して革命的でも過激でもなく、平和的に穏健な方法で世の中の仕組みが変わった。人間の一生なんて短いものだ。このような社会変革を実際に目にすることなどまずあり得ないことであろう。期待していたとは言えなんと幸運なことと心底思っている。

さらに、選挙前には誰しもが不安に思っていた、政権移譲時の混乱も擾乱もなにもなかった。恐らくマレーシアのこの平和的な社会変革は今後の世界の変革モデルとなり得るだろう。思わずマレーシアボレ(Malaysia Boleh)!と快哉を叫びたくなる。

前回のブログで書いた、オルタネートメディアのアクセスブロックはあの後まもなくすべてが解除されたようだし、これまでマレーシアへの入国が禁止されていたサラワクリボート主宰のルーキャッスルブラウン(Clare Rewcastle Brown)女史も自由にマレーシア入出国ができるようになったとのことだ。

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Ms. Clare Rewcastle Brown @ KLIA

本当に良かった。言論・表現の自由、報道の自由などは普遍の基本的人権であるべきで、これこそが民主主義の配当(Democracy Devidents)なのだ。



昨夕は、マハティール新首相から残り13名の閣僚名の発表があった。え、残り7名ではなかったのかと思ったが、新政府組織の統廃合やHARAPAN連合政権内部の思惑などもやはりあるのだろう、恐らく難しい閣僚人事であったのだろうと思う。そうか13名か、すると首相と副首相を入れて全部で15名の内閣だ。

もっとも、副大臣などを含めれば多分この倍ぐらいの陣容にはなるのだろう。それでもBN政権よりは遥かにコンパクトな内閣だ。国王の同意を得てそれぞれの宣誓式は月曜日になるとのことだ。

どれどれ顔ぶれをみてみよう。一時、マハティール首相が教育相も兼ねるとの情報もあった(実際マハティール氏はそう望んだらしい)が、それではマニフェストに反するとの反対意見もあり、氏はすぐさまそれを撤回したとのことだ。

意外なところでは、PKR副党首でスランゴール州知事を務めるMohamed Azmin Ali氏が経済相(Economic Affairs Minister)とのことだったが、本人は事前に知らされていなかったのだそうだ。まさかそんなことはあるまいと思ったが、そうか、それほど閣僚選びは直前まで揉めていたのかもしれないなとも思った。

しかしPKRのホープで人望も厚く、将来の首相候補とも目されているAzmin Ali氏が入閣すれば、HARAPAN政権にとっては将来に繋がるそれこそ希望(HARAPAN)の人事だ。本人もやる気満々のようだし、今後の活躍に期待したいものだ。

全般の顔ぶれをみると4党にも深く配慮した順当な陣容なのだが、若手が少ない気がする。それと、ボルネオ2党から一人も入っていない。しかし、この後副大臣ポストなどへの拡大閣僚人事もあるであろうし、今後に期待したいと思う。



今、巷では、ナジブ前首相の豪邸や豪華コンドミニアムなどに対する警察の強制家宅捜索やその押収品の話題でとにかくかしましい。かくいう私も、5月16日(水)の深夜から17日(木)未明にかけて、タマン・デュタ(我が自宅からも程近い)にあるナジブ邸前でのネットテレビの生中継を寝ずに見ていたのだが、捕り物劇がいつ始まるかとはらはらドキドキさせられた。

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Najib's Mansion @ Taman Duta

まるで時代劇の映画を観ているかのようだった。しかしよくよく聞いていると、テレビのリポーターも今後の成り行きもなにも分からずにいるようだ。ただ、ナジブ邸の前で張り込んでいたら突然何両もの警察車両がやってきてナジブ邸に入って行き、そのうち邸宅前の道路に警察の規制線が張られたものだから、すわ、一大事とばかりに生中継を始めたと言うのだ。

POLISCORDON.jpg

なんだ、ナジブ夫妻の逮捕情報が入ったのではなかったのか・・・と、半ばがっかりしたが、それでもまだ一縷の望みをネットテレビに託し、続々集まってくる近隣の野次馬たちと共に、結局朝まで寝ずの番をしたようなものだった。

POLICE RAID

翌日の信頼できるニュースによると、警察のこの強制家宅捜索は、1MDB関連の証拠品押収が目的だったようで、テレビ中継のあったナジブ邸の他、同時並行的にKL中心部にある複数のナジブ氏関連の豪華コンドミニアムに対しても行われたとのことだ。

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Pavilion Suites @ Bukit Bintang

昨日18日(金)には、市中心部の豪華コンドミニアムから、現金・貴金属入りのスーツケースが72個、高価ブランド品入りの段ボール箱がなんと284個も、警察によって運び出されたらしい。警察による押収品の詳しい発表はまだないが、このニュースを知った人々のSNS上の噂話は、まるで見てきたような講釈師のようでとどまるところを知らない。

その他にも、ナジブ邸にある20年もの間開いたことがないと言う鉄製金庫のことや、首相公邸などにあるその他8つもの金庫のことでかしましい。ナジブ邸の旧い大型鉄製金庫は警察によるドリリングでも開かず、プロの錠前屋を呼んでようやく昨日夕に開錠したが、残り8つの金庫は現在も開錠作業中とのこと。

もちろん金庫の中身は人々の噂話のもっともかしましいところだが、まだ警察による詳しい発表はない。そもそも、そんな情報の警察リークなんてある訳がないとか、いや、人々も知る権利があるのだから情報は公開されて当然だ、などについてもかしましい。いやはや、選挙後一夜にして社会が変革し、民主主義は確実に回復しつつあるのだが、なんだか世の中が急にかしましくなって来た。



いや、驚いた。GST撤廃を100日以内に行うとは聞いていたが、なんと6月1日から始めると言うのだ。となると、あとちょうど2週間しかない。これって、本当にできることなのか?しかし、マハティール首相もダイム元財務大臣も明言している。

とりあえずGSTを0%にすると言う。現在の6%が0%になるだけのことだが、事業者にとっては大変なことだろうと思う。ちょっと考えただけでも様々な問題が頭に浮かぶ。6%GSTにて仕入れた在庫品はどうする。GST込みの原材料価格で仕入れされた加工品の販売価格はどうなる。まさかGST撤廃後にGST含みの価格では販売できないだろう。

となると、6月1日から6%のGST分だけ物価が下落するかについての単純計算は厳しいところだろうと思う。一方、電気代やガス代、水道代や下水道代、電話・通信・インターネット代金などは単純に6%のGST分がなくなるだけだから、消費者にとってみれば実に嬉しいことだ。

しかし、今日の記者会見でダイム元財務大臣が言っていた、数か月後にはSSTを復活させると。となれば、本当に僅かの間のTAX HOLIDAYなのかも知れない。しかし、GSTと以前のSSTでは課税対象範囲が異なる。ここがどうなるのかで消費者物価が変わってくる。歳入確保の観点からみれば大層難しいところとは思うが、消費マインドアップのためにも頑張ってもらいたい、、なんて虫のいいことばかり考えている。

ではまた。。

追記(2018.5.20 0850)

昨日アップしたブログに肝心のことを書くことを忘れてました。
それは、このたびの王権恩赦を受けて晴れて自由の身となったアンワル元副首相(マレーシア人の多くは"アノワル"と発音=Datuk Seri Anwar Ibrahim)のことです。かつての政敵から一転、あり得ない同盟を組んだマハティール氏とアンワル氏、間違いなく今回の選挙戦におけるマレーシアツナミの原動力です。そんなアンワル氏が晴れて自由の身となった。氏のサポーターの喜びようは尋常ではなさそうです。氏の今後の身の処し方も大いに気になるところですが、まずは静養と静観と言うところでしょうか。

↓晴れて自由の身となったアンワル氏へのインタビュー動画(Financial Times 2018.5.19)です。









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t-ikesan

・雪国山形から南国マレーシアへ
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