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新HARAPAN政権への期待と不安

月並みな言い方だが時の流れはまことに速いもので、あの歴史的なPRU14(第14回総選挙)からもう明日で1週間となる。もっとも投開票日当日から5連休が続いたことから、新政権下のマレーシア社会は昨日の月曜に始動してまだたったの二日しか経っていない。

なので新HARAPAN政権に対する国民の期待と不安はまだまだ混沌としていてまったく先が見えていない。だがしかし、この国に住んでいると、それでもなにがしかの変化を感じ取ることは出来る。例えば、国内メインストリームメディア(主流メディア=大手メディア)の顕著な変化だ。

メインストリームメディアの顕著な変化

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これまでは、マレーシア国内のプリント/オンラインメディアは、The Star、New Straits Times、The Sun、Berita Harian、Harian Metro、Utusan Malaysia、China Press、Sin Chew Dailyなどのメインストリームメディアと、Malaysia kini、Malay mail、Malaysian Chronicle、Sarawak report、Malaysian Insiderなどのオルタネートメディアに区分され、特にメインストリームメディアは政権政党(BN内各党)の完全統制(または所有)下にあったことから、その報道内容はどれもまるで政府広報と見紛うばかりの画一的なものであった。

したがって、私などはメインストリームメディアには一切目もくれず、せっせとオルタネートメディアを読み漁っていたのだが、ところが、ナジブの巨額盗用疑惑が明るみとなって以来(私がこのマレーシア政界疑獄シリーズを書き始めて以来)、まずサラワクリポートがアクセスブロック(DNSブロック)され、次いでプリントメディアのエッジマレーシアが出版停止となったりして、次々と悪名高きMCMC=マレーシア通信マルチメディア委員会(Malaysian Communications and Multimedia Commission)の餌食となっていったのだった。

ところが今回61年も続いたBN政権から新HARAPAN政権に交代してそのタガが見事に外れた。マハティール新首相も記者会見で何度も言っている。報道の自由は守る。たとえそれが政府にとって耳障りなことであっても、事実に基づくことであれば、書きたいことは何でも書けばよい、それが意図的かつ反社会的な扇動記事でない限り、政府はなんのアクションも取らないと、明言したのだ。

これにメインストリームメディアがすぐさま反応した。各社とも思い思いの記事、つまり同一の対象記事であっても、取材方法や記者の受け取り方・感じ方などにも拠るのだろうが、ちょっとずつ違う記事を書き始めたのだ。なので、私にとってはチェックする対象メディアの数が劇的に増えた。しかしこれがあるべき姿であって、嬉しいはずなのだが、反面どのメディアのニュースを信用し、採用してよいのやら少々戸惑っている。

ところで、このMCMC委員会を統括する通信マルチメディア省(Ministry of Communication and Multimedia)の大臣だったナジブの腰巾着のような男、サレー(Salleh Said Keruak)の顔が見えないが、あいつはどこに行った?私はあの男が生理的に大嫌いである。とぼけた顔も嫌いだが、さもしたり顔の憎まれ発言を聞くたびに不快になる。まだ、DEDAK喰い(収賄)捜査の対象にはなっていないようだが、一刻も早い身柄拘束を望む。

さて、前政権でアクセスがブロックされていたオルタネートメディアはそれぞれ無事にアクセスが解除されたのだろうか。

しかし、ちょっと調べてみたところ、まだ解除されていないメディアサイトもいくつかあるようだ。サラワクリポートもまだ全解除にはなっていないようだし、おいおい、MCMCさんよ、これじゃダメだよ。だから、言ってるじゃないか、早くトップを交代して内部組織をシャッフルしないといけないって。。

マハティール新首相も高齢を押して精一杯頑張っておられるのでしょうが、残り7名の閣僚も早く決めていただき、一日も早い旧政府組織のシャッフルをお願いしたいものです。


GSTを撤廃してマレーシア経済は本当にやって行けるのか

次に、新HARAPAN政権の経済政策に関することで、今国民の一番の関心は、GSTの撤廃であろう。でも、国内外にGSTを撤廃して本当にマレーシア経済が立ちゆくのかと言う不安もある。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは政権交代をマレーシアにとって未知の領域と指摘。GSTの撤廃や燃料補助金の再導入といった公約をマレーシアの財政と国際収支に影響を与え、市場のメカニズムをゆがめるなどと批判した。

マレーシアは5月10日と11日を休日にしたせいで、5日連続の金融市場休場となった。ある専門家は週明けのマレーシア市場は株・通貨ともに下落圧力が強まる、と予想していた。

だがしかし、果たしてどうだったであろうか。昨日(5月14日)と今日(5月15日)のマレーシア金融市場をみると、株にしても通貨にしても専門家の言う動揺はほとんど見られない。逆に新政権のここ数日の政策や新組織立ち上げ声明によって、既に市場の信頼を勝ち得たようにも見えるのだ。

マハティール新首相の肝入りで創設された政権助言のための有識者評議会(Council of Eminent Persons)のDaim元財務大臣もZeti前マレーシア中央銀行総裁も、GSTを撤廃したとしても財源(歳入)は十分確保できると断言している。どのような手立てを講じるのか知る由もないが、大いに期待したいものだ。


GSTからSSTに戻って、消費者物価は下がるのか、上がるのか?

ところで、今巷では、新政権交代後100日以内に公約通りにGSTを廃棄して以前のSSTに戻ったら、物価は下がるのか、上がるのかとの議論が盛んだ。実は、これは2015年4月のGST導入のときにもあった。あの時は結局、下がるものも上がるものもあるとの、良く分からない当局説明だった気がするが、蓋を開けてみれば、確かに物価は右肩上がりに上がってきた。

ご承知のとおり、GSTは多段階課税でSSTは単段階課税の税システムだが、そのことが物価に直接に影響することはない筈だ問題はGSTは登録事業者制でSSTはそうではないことだ。年間の課税売上高が50万リンギット未満の事業者はGST課税は出来ないはずだが、どうもこの辺が極めて怪しい。さらに、そんな数多の事業者が原材料費にも課税されるとして最終小売り値を吊り上げることだ。

GSTが廃止されSSTに戻ると言うことは、最終売上高にのみ課税されるのだから、一例を上げればレストランで100リンギ(++)の食事をしたとして、GSTであれば、(100+100*0.1(サービス料=チップ))*1.06(GST))=116.6リンギの支払いとなるが、SSTでは、100*1.16=116リンギで良い筈だ。つまり、このような場合は少々下がると言うことになる。
(追記:上記の例は6%サービス税の課税対象レストランでの飲食例を取り上げています。SSTの100*1.16の0.16の内訳は10%のサービス料(チップ)+6%のサービス税です)

最近の物価高騰のイメージはまた、スーパーマーケットなどでの販売価格にも顕著に現れている。これは、理論的にはあり得ないこととは思うが、GSTの多段階課税による原材料費の価格上昇により販売品の最終小売価格も上昇していることだ。さらにこれまで、基本的に生活必需品は免税かゼロ課税と当局は説明してきたが、免税・ゼロ課税であるべき生活必需品はとてもこれだけではカバーしきれない。したがって庶民の眼には、GST制度の導入が物価上昇の真犯人と映るわけだ。

もちろん、物価上昇の原因はGSTではないと力説する専門家も少なくない。しかし私は、直接の原因ではないにしろ、制度導入の陰に隠れた見えない原因があるのではないかと素人ながら感じている。

では、SSTに戻ったら?それは分からない。登録事業者制度が廃止されどの事業者も同じテーブルに立つ。しかし、一旦上昇した価格が元に戻ることが果たして起こり得るのか。多くを期待してはならないとも思う。(参照マレーシアの消費税(GST))

ではまた。。

追記(訂正):
SSTについて誤った記述及び誤解を与える記述をしてしまいました。お詫びして追記・訂正いたします。(2018.5.22)



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t-ikesan

・雪国山形から南国マレーシアへ
・異文化生活辛くもあり楽しくもあり
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