栄枯盛衰は世の習い、と言うけれど・・

栄枯盛衰は世の習いとは言うけれど、つい数日前まであれだけ奢り高ぶり、権勢を振るっていたナジブ前首相のなんと華奢で卑小な人間に見えること。選挙に負ければタダの人、どころか、彼の場合は財産資産はもとより、命までをも剥奪される怯えもあるのだろうが、数日のうちにこれだけ劇的に身の処し方が変わる人間もそうざらにはいないだろうと思う。

私は今、マハティール新首相による新内閣のメンバー発表前のキニTVの中継映像を見ているが、その感想も含めて、実況中継的に思うところを綴ってみたい。

集まったメディアの数も凄いが、以前のBNの記者会見会場とは雰囲気が随分違うことに気付かされる。各メディア同士、なぜか和やかな雰囲気なのだ。メディアのみならず、警備のポリスたちも穏やかだ。以前はとてもこのようではなかった。

今朝がた、HARAPAN(DAP)の当選議員が、今までの鬱憤晴らしなのかも知れないが、TV3の放送免許を即刻取りあげるべきだと発言した。すぐさま、当該議員のFBには多くのネット市民によるコメントが溢れたが、大方は、それは良くない、そんなことをすれば前のBN政府と変わらなくなる、報道の自由は、法に触れない限り守られなければならないと言うものだった。

まさにその通り。HARAPANもDAPも報道の自由は守ると選挙公約に掲げており、議員の発言はすぐさまDAPのトップリーダー(Lim Kit Siang氏)によって諫められた。これなど、一議員によるフライングのようなものかも知れないが、この新政府は真っ当だ、そう感じさせるに十分な出来事だった。

その他、今朝方はスパン空港にメディアと市民の一団が群がった。そのわけは、昨夜SNS上に、ナジブ夫妻が翌日(今日)国外逃亡するとのまことしやかな情報が拡散されたことが理由だ。ご丁寧にも、SNSにはナジブ夫妻の乗るプライベートジェット機のリークされたと言う飛行計画が掲載され、それによると今朝10時にスパンからインドネシアのジャカルタに飛ぶと言うものだった。

そのニュースの真偽を確かめようとしたメディアも少なくなかった。マレーシアキニもそのひとつだ。キニは、移民局にも確認したそうだが、同夫妻はこの時点でまだイミグレのブラックリストには載っていなかったそうだ。(今現在はブラックリストに載っていて出国不能となっている) まだ国外逃亡が可能だと読んだメディアと市民の一団が、それを阻止しようとスパン空港で待ち受けた。しばらくして一台のベルファイアー(ナジブ氏の所有と思われる)が現れ、それを一団が取り囲んだ。

SUBANGAIRPORT.jpg

しかし、結局その車にナジブ氏夫妻は乗っておらず、後程、そのような飛行計画は実在しないとの当局の発表があった。

今、UMNOの総裁がナジブ氏から前副首相のザヒド氏に交代したとのニュースが飛び込んできた。それもあり得る話だが、ザヒドに交代して何になる。昨夜のUMNO党大会では、敗戦の責任をとって直ぐ総裁を辞任しろとの、若手グループからナジブ総裁に対する激しい突き上げがあったそうだ。これはその結果なのであろうが、ザヒドだって同じ穴のムジナだ。

もう国民はUMNOを見限っている。選挙結果がそのことを示している。まだ分からないのかと言いたい。少々トップ役員人事を弄ったからと言って、国民はもうUMNOを認めない。解党的な出直しが必要と言うことがまだ分からないのであろうか。

今朝のスパン空港の出来事に関し、後ほどニュースが流れた。ナジブ前首相のツイッターによると、ナジブ夫妻は、驚くことに実際インドネシアに2日間の旅行を計画していたとのことだ。その目的は久しく会っていない家族との慰安旅行だそうだが、同氏のツイッターはそれを改めて知ったネット市民によるとんでもコメントで炎上した。

お、今、マハティール新首相が記者会見場に登場した模様だ。現在、午後3時半、随分待たされたが、午前中に始まったHARAPANの4党連合トップ会談がようやく終了したのだろう、いよいよ新閣僚の名前発表だ。

newcabimet.jpg

マハティール新首相の声が良く聞き取れないのと、PKR党首のWan Azizah氏の姿が見えないのが気になるが、最初に3人の名前が読み上げられた。DAP のLim Guan Eng氏(Lim Kit Siang氏の子息でペナン州の州知事を勤めていた)が財務大臣、アマナ政党総裁のMohamad Sabu氏が国防大臣、そして、元副首相でPPBM総裁のMuhyiddin Yassin氏を内務大臣に起用するとの発表だ。

この3閣僚を中心にして新内閣、BN政権に比して小さな内閣を切りまわすのだと言う。その内閣には10人の閣僚が必要だが、残り7人はまだ未定だ。いろいろな難しい問題があるので、あらゆる要素を考慮して残り7人を決定し、改めて発表すると、新首相は述べた。

え、PKRからは何故誰も入らない?副首相にWan Azizah氏が就いているそれで良しと言うのだろうか。改めて居並ぶメンバーを見てみると、PKRの若手リーダーたちの姿がない。何故だ?ひょっとして事前ミーティングでなにかあったのだろうか。

もしそうならとても残念なことだ。やっぱり4党の思惑がそれぞれあってなかなか一筋縄では決められないのだろうか。しかし、速やかに新内閣を機能させないと、政権内部のシャッフルを始められない。期待が大きいだけに責任も大きい。

終始和やかムードの記者会見ではあったが、記者会見そのものはもっと上手く運べなかったものかとも思った。司会進行のモデレータがいない、なので矢継ぎ早で、脈絡のない記者質問が飛んでくる。慣れてないとは言えもっと上手くやれるはずだ。今後に期待したい。

新首相の背後にずっと立って寄り添っていたPPBMの若手ホープSaid Saddiq氏、DAPの論客Tony Pua氏や初当選だが気鋭の若手女性議員の顔も見えていた。余りある能力の人材を最大限に活用して、この難局を乗り越えて欲しい。そう願わざるを得ない、本日の記者会見だった。

追記(2018.5.12 22:45)

やはり私の予感は的中したようだ。その後、PKR副党首のRafizi Ramli 氏のDr.Mに対する不満がニュースとなり、HARAPAN内部の問題が暴露されたようなイメージだ。しかし果たして記事の内容は正確なのか、党首のWan Azizah氏はどう見ているのか、そもそも4党の党首会談には参加していたのではないのか、などの疑問も噴出していてまだまだ状況の細部は見えていない。

さらに、マハティール新首相は、既に、来週火曜日に恩赦による釈放が決定したアンワル氏との面談を終えているとの情報もあり、とすればアンワル氏の妻(PKR党首のWan Azizah氏)や氏の長女(PKR副党首のNurul Izzah Anwar氏)も同席したと思われることから、残り7人の閣僚人事も含めて調整が済んでいるのではないかとの見方も少なくない。いずれにしてもこのような不協和音はとても残念なことで、新政権にとって思わぬ足枷になる危険も孕んで居よう。国のため、国民のために党利党略を超えた政権運営を切に願う。

ところで、例のナジブ夫妻の海外逃亡未遂事件だが、マハティール新首相が記者の質問に応えて、私が未然に防いだ、と述べたことから、やっぱり作り話ではなかったとの認識がネット上に広がっている。

↓ナジブ夫妻が搭乗予定だったプライベートジェット機だそうだ(スパン空港で待機中)

najibprivatejet.jpg

↓今日昼頃のナジブ氏のFB投稿記事

najibtwitter.jpg

Saya telah dimaklumkan bahawa Jabatan Imigresen Malaysia tidak membenarkan saya dan keluarga ke luar negara. Saya menghormati arahan tersebut dan akan bersama keluarga dalam negara.
(私はマレーシア移民局から、私と私の家族は出国が認められていないとの情報を受けた。私は当該指示を尊重し、家族と国内において過ごすことにする)

↑これ、なんか妙に素直じゃありませんか。。今更、猫を被ってもどうにもならないとは思うけど、すべては身から出た錆、これから延々と続くであろう茨の道を気丈に生きて行って下さい。


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