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小説より奇なるあり得ない最強コンビ?

Kudos, Dr Mahathir and Anwar, for seeking justice, says Australian paper
正義を希求するマハティール元首相とアンワル元副首相(現在服役中)に喝采と豪紙

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An Australian newspaper has praised Pakatan Harapan chairman Dr Mahathir Mohamad (first left) and jailed opposition leader Anwar Ibrahim (second left) for working together to bring Prime Minister Najib Razak and Umno to book for the 1MDB scandal among others. – The Malaysian Insight file pic, January 10, 2018.

今回のタイトル、これ何のことかと言うと"MALAYSIAN IN SIGHT"の1月10日付記事に、Kudos, Dr Mahathir and Anwar, for seeking justice, says Australian paperとの見出しで、The Australianと言う豪紙が、このコンビを評して"Malaysia's unlikely alliance (マレーシアのあり得ない同盟) "であり"Stranger than Fiction (小説より奇なり) "と報じて称賛していると言うのです。

タイトルに"最強"を付け足したのは私ですが、まさに最強のコンビであろうと私も思うからです。



ところで第14回マレーシア総選挙(GE14)はいつ?なのか。

マレーシア総選挙つまりマレーシア下院議会の選挙は同国憲法の定めによって、5年の下院議員の任期が満了となる本年6月24日の自動解散日、またはそれ以前に首相専権による解散が行われた場合にはその日から60日以内に実施することになっています。

したがって次期総選挙が遅くとも8月22日までに行われることは明らかなのですが、現ナジブ首相は任期満了まで待つことなく解散権を行使するものとみられていて、巷の噂によると、その時期は2月16日の中華新年の後ではないかと言われています。となると、総選挙はその後60日以内に実施されなければならず、早ければ2月下旬から3月早々、遅くともラマダン月が始まる5月中旬までには終えるだろうと言われています。

マレーシア下院選挙は、半島部で165議席、ボルネオ2州(サバ州とサラワク州)で57議席の全222議席を争う完全小選挙区制選挙です。約3200万のマレーシア国民のうちの21歳以上の登録者が選挙権を有していますが、都市部と農村部、そして半島部とボルネオ2州では恣意的な選挙区割りと人口比により1票の重みの格差は最大で9倍もあるのだそうです。

選挙は首相府省管轄のマレーシア選挙管理委員会(EC)によって行われますが、クリーンで公正な選挙の実施を求めて活動しているNGO組織のBERSIH2.0によると、前回第13回の総選挙においてはプロセスが不明確で秘密裏に行われた国内郵便事前投票などで大規模不正(大幅な投票改ざんなど)があったのだそうです。BERSIH2.0は、今回はさらにその不明確なプロセスが特に軍、警察、消防を含めた公務員組織に拡大されつつあるとして、ECに対して強く抗議しています。

このような状況の中、次期総選挙に対する国民の関心は高まるばかりですが、現最大与党(UMNO)及び与党連合(BN)の間では、ナジブ首相と周辺を取り巻く前代未聞の巨額汚職疑惑などどこ吹く風、御用メディアや御用アナリストたちも皆が口を揃えて、今次総選挙においても現与党サイドの勝利は揺るぎないとする見方が大勢を占めているのです。これはなぜか?

その理由は単純です。この国の最大特徴は多民族国家であると言うこと、そしてその最大人口はもちろんマレー系です。各政党は主に民族ごと、宗教ごとに結成されており、最大多数を占めるマレー系政党のUMNOと、UMNOの勝ち馬に乗るその他の政党からなる与党連合(BN)の政権基盤は60年もの間、堅固かつ盤石に維持されてきました。

対する野党側は、非マレー系民族(主に中華系)を主体とする政党と、宗教色を濃くする政党、そして民族色や宗教色を排して改革を希求する政党などから成りますが、各党ごとに異なる思惑が先行するのみで、現在まで一度も一枚岩としてまとまったことはありません。

今回総選挙においても与党側の見方は変わらず、例えかつて22年間もこの国の首相を務め未だに影響力のあるマハティール氏がマレー系の政党を新たに立ち上げ、野党連合(PH)に合流したとしても、まさか野党の一枚岩など決してあり得ないとする見方が大勢なのです。

ところが先日の日曜日、大方の予想に反して齢92歳にもなるマハティール氏を、野党連合が選挙に勝った場合の首相候補に担ぐことで一致したとの野党連合のまさかの発表がありました。

ナジブ首相の巨額資金の不正流用や盗用犯罪疑惑が明らかになって既に2年半以上にもなると言うのに、国民の疑問の声には一切答えようとせず、それどころか強権を駆使して疑惑を覆い隠すナジブ首相と政権政党の権力の乱用は目に余る、このままではこの国(マレーシア)の民主主義は荒廃し将来は望めないと、老体に鞭打ってまさかの政界復帰した氏の情熱に他の野党幹部たちが動いたのです。つまり小異を捨てて大同団結しようと、これまでは絶対にあり得ないこととされてきた野党の一枚岩が、現実のものとなって目の前に現れたのです。

以来、特に与党側にかなりの動揺が走っているかに見えます。その証拠に連日連夜、与党側の各閣僚や有力政治家によるマハティール氏と野党側への口撃が鳴りやみません。もちろん御用メディアと御用アナリストたちもそれに追随して情けないほど姦しい。かつては与党UMNOの総裁であり、マレーシア首相を22年も務め上げて、マレーシアの今の繁栄を築いたと誰もが認める氏に対してこれだけ口汚く罵って恥ずかしくないのかと思うほどです。



ではここで、なぜDr.マハティールとアンワル氏による同盟が、豪紙の言う"Malaysia's unlikely alliance (マレーシアのあり得ない同盟) "なのかについて、先に述べた"MALAYSIAN IN SIGHT"の1月10日付記事を紹介してみたいと思います。(和訳は筆者ですがこれまで同様、必要に応じて意訳しています)

FORMER prime minister Dr Mahathir Mohamad and his former deputy Anwar Ibrahim should be applauded for attempting to bring Prime Minister Najib Razak and ruling political party, Umno to book for their role in the financial scandals that have made Malaysia look bad to the world, said an Australian broadsheet.
マハティール元首相と彼の元副首相を務めたアンワル氏(服役中)のコンビは称賛されてしかるべきだ。なぜならマレーシアを世界の中の悪者に見せている金融不祥事(巨額資金不正流用/盗用疑惑)の元凶である現ナジブ首相と政権与党UMNOに鉄槌を下そうとしているからだ、と豪紙「The Australian」(以下The Australianと言う)は書いている。

The Australian, in an editorial today, said in the face of 1MDB’s US$4 billion corruption scandal that was linked to the prime minister, there was an "incontrovertible" need for a strong opposition to contest the next general election, which is due by August but which could take place as soon as March.
「The Australian」は今日(1月10日)の「社説」の中で、今年3月から8月までの間に実施される予定の(マレーシアの)次期総選挙において、現首相に直結する1MDBの40億米ドルの汚職スキャンダルに、正面から立ち向かう強力な野党が必要だと説いている。

"That nation’s stability is of immense importance to our region, which is why Australia has close defence and security ties with it," said The Australian.
マレーシアの安定は、我が国(豪州)とこの地域にとって非常に重要であり、だからこそ我が国は防衛と安全保障上の緊密な関係を(マレーシアと)築いている。

Dr Mahathir and Anwar, it said, had formed an unlikely alliance to dislodge Umno from government, where the powerful Malay party had enjoyed a 60-year unbroken run.
Dr.マハティールとアンワル氏は、60年間決してその座を明け渡すことなく政権政党を謳歌している強力与党のUMNOを(政権の座から)引きずり下ろすために、この"あり得ない"同盟を結成した。

"Dr Mahathir will lead the campaign of the fractious Pakatan Harapan, Malaysia’s main opposition coalition. Should he win, he will seek a royal pardon to allow Anwar to take over as prime minister."
Dr.マハティールは、マレーシア最大の野党連合で気難しい政党からなるパカタン・ハラパン(PH)を率いて選挙戦をリードすることになるが、野党連合が選挙に勝利した場合は、服役中のアンワル氏に(暫定的な)自らの首相の座を明け渡すための王権恩赦(ロイヤルバードン)を求めるのだと言う。

It noted that 93-year-old Dr Mahathir is at the same age Zimbabwean president Robert Mugabe was when he was deposed, and that de facto opposition leader Anwar had been the "ruthlessly targeted" and the victim of "dubious allegations that saw him jailed" for "trumped up charges".
Dr.マハティールの(今年)93歳と言う年齢は、ジンバブエのロバート・ムガベ大統領が辞任した時の年齢と同じだ。そして事実上の野党指導者アンワル氏は、無慈悲にも(時の政権から)標的にされ冤罪の疑惑もある中で投獄され続けている犠牲者だ。

Dr Mahathir became prime minister in in 1981, the start of 22 years of authoritarian rule in Malaysia. He stepped down in 2003, but not before he had fallen out with and accused Anwar, who was then his deputy and the financial minister, of sodomy and corruption.
Dr.マハティールは1981年に首相に就任し、マレーシアでは22年間の長期にわたる権威主義を貫いた。 氏は2003年に辞任したが、その間、当時自身(Dr.M)の副首相兼財務大臣を務めていたアンワル氏をソドミー(同性愛)と汚職の罪で告訴した。

Anwar was sentenced to nine years in jail for sodomy in April 1999, a conviction that was overturned in 2004. He is currently serving a five-year jail sentence after he was convicted of a second sodomy charge in 2015, and is due to be released early in June on grounds of health.
アンワル氏は1999年4月にソドミー刑法で9年間の服役を言い渡され、2004年に一度逆転無罪の判決を得たが、2015年には2度目のソドミー罪で有罪となった後、5年間の服役を言い渡されて現在に至っている。しかし健康上の理由から、 本年6月の早い時期に放免される予定。

"An opposition under the leadership of a hard-headed, controversial warhorse such as Dr Mahathir (as recently as May he insisted the US and Israel were responsible for 9/11) faces an uphill battle against Najib’s Umno. Polls show race-based politics still reflect overwhelming support in the Muslim-Malay community for Umno," said The Australian.
Dr.マハティールのような強硬な論議を呼ぶ老兵(最近では米国における9/11のテロは米国とイスラエルに責任があると主張している)のリーダーシップの下では、野党連合は、ナジブ首相率いるUMNOとの選挙戦では厳しい戦いを強いられることになるだろう、と
みられているが、それはUMNOがいまだにムスリム-マレー地域社会の圧倒的な支持を得ていると(現政権よりの)世論調査結果が示しているからだ、と「The Australian」は書いている。

It remains to be seen whether the previously inconceivable alliance of Dr Mahathir and his one-time deputy Anwar will win the battle, it said.
これまでにはとても考えられなかったDr.マハティールとアンワル元副首相の(あり得ない)同盟関係が今回の選挙戦で勝利するかどうかはまだ未知数だ。

"But Dr Mahathir and Anwar deserve credit for seeking to bring Najib and Umno to book for 1MDB and other scandals that have damaged Malaysia’s standing in the world.
しかしDr.マハティールとアンワル氏の、世界におけるマレーシアの立場を損ねている1MDBスキャンダルやその他のスキャンダル(論争)に、ナジブ現首相とUMNOを引きずりこもうとしていることは称賛に値する。

"The corruption surrounding the 1MDB scandal must be front and centre in the election race."
1MDBのスキャンダルを取り巻く腐敗(に関する論争)は、常に選挙戦の最前線と中央になければならないのだ。



以上、The Malaysian Insightの1月10日付け記事を紹介しましたが、22年もの長きにわたり政権トップの座にあったマハティール元首相。在任中には強力なリーダーシップを発揮して、東南アジアではシンガポールに次ぐ優等生と言われるほどにマレーシア経済を押し上げたマハティール元首相は、確かに強権を使って政敵を捻じ込めたこともあったようで、いまだに信奉者も多いが、アンチDr.Mも多いようです。

中でも、宿敵ともいわれるほどの人物が実は現在服役中のアンワル氏です。アンワル氏は、マハティール政権における教育大臣や財務大臣兼副首相を務めていた改革派の大物政治家で、その切れ味鋭い才覚と能力はマハティール氏も高く評価し、半ば自身を脅かす存在とも受け止めていたようです。ところが、事実かどうかは疑義のあるところですが、突如としてソドミー(同性愛)疑惑が発覚し、モラル上後継の首相には不適の烙印を押したのも実はマハティール元首相なのです。

以来、アンワル氏は数次にわたる法廷にて実刑判決を受け現在も服役中ですが、アンワル氏が立ち上げた野党PKR党の実質的党首として改革を求める国民の間では絶大な人気があるのです。誰もが認める改革派のリーダーであり、野党が政権をとった際の首相候補であることには変わりないのです。

したがって現野党連合(パカタン・ハラパン)内の最大政党であるPKR党には、いまだにマハティール元首相を許さないとする幹部党員も多くいて、これが理由で一枚岩などあり得ないこととみられていたのです。こんなマハティール元首相とアンワル元副首相、長年の宿敵同士のコンビなど誰が想像したでしょうか。

マハティール元首相は特にマレー系国民の間ではいまだに絶大な人気があり、UMNOのハートランドとされる半島農村部においてもUMNOに負けず劣らずの集票が期待されます。それに加えてアンワル票です。アンワル元副首相もマレー系出身で、マレー系の政権でなければ不安と感じる多くのマレー系国民の中のアンチDr.Mの集票が期待できます。

このようなことからこの2人のコンビは最強と言えます。

ただし、記事中にもありましたが、あり得ないほどの強力コンビが登場したとしても、それで選挙に勝てるかどうかは未知数です。与党サイドのアナリストや世論調査によれば、今なおナジブ陣営は"盤石"だそうですし、既に始まっている現金バラマキ作戦や恣意的な選挙区割りの変更など、与党側に有利となる選挙戦術がこれでもかと繰り出されるのでしょうが、せめて公正・公平な選挙が行われるよう乞い願うばかりです。

ではまた。。



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