みなさん、こんにちは。

本記事をアップする予定の3月29日、実は私は旅行中で自宅にはおりません。インターネットも携帯電話も繋がらないであろうボルネオ島の真正ジャングルの中を一日中彷徨い歩いているだろうと思います。(このブログは予約投稿しています)

そうです、またあの国境なきひねくれオヤジ軍団の冒険旅行です。軍団と言ってもたった3人だけなのですが、いずれ劣らぬひねくれ者で、どこからどう見ても見紛うことなきオヤジ、いやジジィのくせに、なぜか気だけは少年のように若いのです。

今回は、ボルネオ島中央奥地の少数民族を訪ねて歩く7泊8日ジャングル踏破の旅です。サラワク州のミリから小型飛行機で高原の村バリオに入り、そこからインドネシアとの国境の村まで真正ジャングルを歩く計画です。ちょっと大袈裟ですが、無事に生還することができれば、スマトラ島バイク旅に続くシリーズ第2弾の旅ブログを綴る予定です。



さて本題ですが、今日はスズキ、コシナガマグロ、スマ及びサワラ×2の5種を紹介します。

トップバッターはこれ↓です。

イカン・シャカップ(Ikan Siakap)
日本名:なし(英名:Barramundi、マレー名:Sikap putih/Sikap hitamシャカップ・プティ/シャカップ・ヒタム)

実はこの魚、日本のヒラスズキと体形が似ているので私は便宜上スズキと呼んでいる。いや私だけでなく、当地の日系スーパーの魚屋さんなどでもローカルスズキなどの名で売られているが、正確に言えばスズキではない。どちらかと言うと、日本名アカメの近種だと思うのだが、スズキの方が万人に親しみやすいので私もそう呼んでいる。

スズキ01

↑は、一年を通じてどこの市場でも魚屋さんでも豊富に見かけるシャカップ・プティ(プティはマレー語で白)。体色が明るい銀灰色で尾鰭が黒、頭部に比して体高が高く側偏しているのが特徴。魚体長は35-80cm超。この種は目が小さく光を当てると赤く光る。鮮度の識別は鮮紅色に近い鰓の色と体表のぬめりと輝き。価格はキロ12-18リンギ程度で安定している。ただ3キロ超の大型は25リンギを超えることもある。日本のスズキは河口や汽水域に棲むことが多いが、このシャカップは海流が洗う外洋に面した荒磯から沖合に多い。なので日本のスズキのような泥臭さは一切なく、刺身でも焼きでも美味。特に刺身は身質はやや固いが見た目も美しく味もいい。マレーシアで毎晩旨い刺身を喰らいながら一杯やるにはこれが一番。なぜならいつでもどこでも豊富に売られ、刺身クオリティを探すことも比較的容易でなにより安いのが良い。再度言うがこれは一押し。

↓は魚市場でたまに見かけるシャカップ・ヒタム(マレー語で黒)。

スズキ02

画面左隣のシャカップ・プティと比べれはその違いが容易に分かる。価格も食味もプティにほぼ同じ。





イカン・トンコル・ヒタム(Ikan Tongkol hitam)
日本名:コシナガマグロ(英名:Longtail tuna、マレー名:Tongkol hitamトンコル・ヒタム)

私はこれ以外のマグロにこちらの市場や魚屋さんでお目にかかったことがない。最初はメジマグロ(クロマグロの幼魚)かと思ったが、改めて同定してみてコシナガマグロと分かった。昨年訪れたスマトラ島西海岸のパダンの路上市場では、メジマグロの少し大きいものが売られていたので、マレーシアでも水揚げはあるのだろうと思うが、不思議なことに市場などには出ていない。

tuna_R.jpg


コシナガ02

イカン・トンコルは中国語で血の魚を意味しているそうな。なるほど血合いの多い魚には違いないが、異様に安い価格で売られていて不思議でならない。Web魚図鑑によれば魚体長は1mほどにまでなるそうだが、売られているものは25cm程度の小型のものから40-50cmの中型が多い。価格はキロ9-15リンギで安値安定している。体は紡錘形で、胸鰭はそんなに長くはない。体側下部に散在する白色斑が小さく密に分布すること、もしくはその白斑が連続して横帯のように見えることが最大の特徴。

鮮度の見分けは他の魚種同様だが市場では鰓の鮮紅色にはめったにお目にかかれない。なぜなのだろうと考え尋ねたところ、ほとんどが冷凍もので入荷するらしい。ただ下処理されないままの冷凍らしく解凍して売り場に並ぶころには鮮度が既に落ちている。刺身クオリティのコシナガマグロに出会うには、冷凍ものではなく生を探す必要があり市場によってはなかなか難しいが、鮮度が良ければ刺身は美味でメジマグロに決して負けてはいない。赤みは強くなくピンクに近い。身質は少し軟らかいが、うま味もあり、脂の甘さもあって美味。また腹の部分の皮は薄いので炙ってたたき風にしてもうまい。





イカン・トンコル・プティ(Ikan Tongkol putih)
日本名:スマ(英名:Mackerel tuna、マレー名:Tongkol putihトンコル・プティ)

トンコル・ヒタム同様、価格が信じられないほど安い。しかもトンコル・ヒタムよりこちらのトンコル・プティの方がまだ安い。日本でスマと言えば高級魚。タタキはもちろん刺身も飛び切り美味い。

スマ01

スマ02

魚体長1m前後になるそうだが、市場などで売られているものはコシナガマグロ同様、小型から中型が多い。大型のモノにはまだ出会ったことがない。背の部分に斜めの縞模様があり、胸鰭下に灸を思わせる黒い斑紋があるのが最大の特徴で容易に識別できる。ただ私は、以前一度このスマの刺身クォリティに出会ってから、執念を持って長い間刺身クオリティのスマを探し続けてきたが、これもコシナガマグロ同様、市場を選ばないとなかな難しいことに最近になって気が付いた。鮮度が良ければ、血合いは大きいが刺身もタタキも極上で病みつき間違いなし。





イカン・テンギリ・ブンガ(Ikan Tenggiri Bunga)
日本名:サワラ(英名:Spotted spanish mackerel、マレー名:Tenggiri Bunga/Papanテンギリ・ブンガ/パパン)

日本名をサワラとしたが厳密に言うと学術的分類も学名も少々異なっている。しかし外形もなにもかもまったく同じで、違いは特にないように見える。後述のヨコシマサワラと共に、当地の市場や魚屋さんの常連魚。大きいものは1メートルを超える。細長く、剣状。全体が銀色で、側面中央部に黒灰色の丸い斑紋が不規則に並び識別は容易。

テンギリブンガ01

テンギリブンガ02

サワラはサバ科の魚で足が早い。なのでKL内外の市場でも魚屋さんでも刺身クォリティを探すとなるとなかなか難しい、いや無理かも知れない。ただ漁港近くの産直市場などであれば鰓が赤く魚体も固い新鮮魚に出会える可能性がある。刺身クォリティの識別は、身がしっかりして固いもの、目が澄んで体色(銀色)が光り、もちろん鰓の赤いものを探すが良い。魚体を押して柔らかいものは刺身は無理。価格はキロ25-30リンギ程度。大型で鮮度の良いものは高い。刺身は中型から大型ものが良い。脂が乗ってねっとりと甘い。上品かつくせのない味わいで大変美味。もちろん切り身にして幽庵焼きなどなんでも美味い。





イカン・テンギリ・バタン(Ikan Tenggiri Batang)
日本名:ヨコシマサワラ(英名:Narrow-barred spanish mackerel、マレー名:Tenggiri Batangテンギリ・バタン)

魚体長は2mを超すこともある大型種でテンギリ・ブンガよりも大きいものが多い。体側中央部の暗色横帯(注:縦ではない。魚は頭部を上にして縦横を表す)があることで容易にブンガと区別できる。ブンガもバタンも小型のものは30cm程度から出ているが平均40-60cm。たまに1mを超えるものも売られている。

テンギリパタン01

↓上2本がテンギリ・ブンガ、下の1本がテンギリ・バタン。

テンギリ01

↓テンギリ・バタンの鰓チェック。これは刺身クォリティ、身も締まっていて申し分なし。

テンギリ04

刺身クオリティの識別方法もも食味もブンガにほぼ同じでクセがないが、ブンガと比較するとやや水分が多く、旨みに欠ける気がする。しかし切り身にするとブンガと見分けが付かない。もちろん焼きも煮も秀逸。漁港近くの産直市場でなら刺身クォリティに出会えるかも知れない。




以上、今日はスズキ、コシナガマグロ、スマガツオ及びサワラ2種の紹介でした。まだまだ紹介したい魚はたくさんあるのですが、国境なきひねくれオヤジ軍団の冒険の旅から無事生還し、その旅ブログを書き終えてからまた再開したいと思います。

ではまた。。




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さて今回はマレーシア魚市場辞典のその3です。

私は今までKL内外の魚市場に足繁く通い、いろいろ不思議に思うことなどを調べたり、人に尋ねたりしてきたのですが、未だに理解できないことや納得できないことが少なからずあります。

前回のイカン・ニョニョもそのひとつですが、今回取り上げるタイ系(形)の魚もそうです。

実はタイ系(形)の魚って数が半端じゃなく多いんだそうですね。学術的分類によるタイ科だけでなく形が似ているものや食味などが似ているものを含めると、タイと名の付く魚は日本で知られているだけで300以上もあるのだとか。。

こちらの市場やスーパーの魚やさんの店頭に売られているタイ系(形)もいろいろあって、よく見るとそれぞれ形や体色が少しずつ違うのですが、市場の人間に魚の名前を聞いてもいつもメラとジェナハックの二つだけ。たまにメラ・ブサーとかジェナハック・ビアサなどと看板立ててる店もありますが、それは魚種ではなく大きさ(型)のことです。

要するにこちらでは、細かな魚種などにはみなさん全然拘っていないのでしょうね。ま、それもいいでしょう。どうせ魚の形がすっかり変わるほど煮たり、焼いたり、揚げたりするのだから、そんな細かな魚種・魚名なんてどうでも良いことなのでしょうね。(笑)

でも、このメラとジェナハックって、その分類区分が未だにはっきりしない。何がどう違うのかがなかなかピンと来ないのです。

最初は単純に体色で区分けしているのだろうと思ってました。メラ(マレー語:赤)はその名のとおり赤いタイ系(形)の魚。一方のジェナハックは赤以外の色のタイ系(形)の魚、、、、と言うなら納得なのですが、ところがジェナハックの方は暗灰色や明灰色だけでなく中には赤い色のタイ系(形)の魚もある。

どちらも同じような形をしているし、特に大きくて赤い色のメラと、同じように赤い色のジェナハックって、どっちがどっちかが良く分からない。

私ってこんなことにいつまでも悩むんですよね。それぞれじっくり識別してみると、メラもジェナハックもほとんどがGenus Lutijjanus、つまりフエダイ属の魚なんですね。しからばその中で線引きできる何かがあるのだろうかと探してみたけど、そんなものはどうもなさそうでずっと不思議に思っているんです。

日本であれば、これはマダイ、こっちはアマダイ、そしてこいつはキンメダイだとか、みなさん細かな魚種や魚名を気にするでしょう? 魚種によって食味も違うし、造りなどの見栄えも違う。300以上もあるタイ系(形)の魚を十把一絡げにして、これはタイだと魚屋が答えたら多分私は怒りますよ。

不思議ですね。でもこれ英語圏では、メラもジェナハックも全部一緒くたにしてスナッパー(Snapper)で通っているらしい。Snapperの中のRed SnapperだとかGolden Snapperと言った区分だけのようなんですね、、、、、、、、と、ここまで考えたところで、お、そうかとちょっと閃きました。

そうか、メラはスナッパーの中のレッドスナッパー(Red Snapper)だけを指し、ジェナハックがその他のスナッパーなのかも知れない。そう仮説して調べてみると、確かにレッドスナッパーは赤いタイ系(形)の魚(wikiによると、フエダイ属だけでなくメバル科とかキンメダイ科の一部の赤魚も含まれる)で、ジェナハックと言うのはスナッパーのマレー語名だ。

そうか、だからヒメダイ(Crimson snapper)とかヨコフエダイ(Malabar blood snapper)などの赤い体色の魚も、その他のスナッパーとしてジェナハックに含まれるんだ。うん、ひょっとしたらそうなのかも知れないな、、、と今現在は思っているのですが、私のローカルの友人・知人にこんなことを聞いても誰一人興味を持つ者もいないし、未だ確証は持てず仮説のままです。(既にお分かりの方がおられたら是非ご教示下さい)

ただ近いうちに、縁あって政府魚業局(Department of Fisheries Malaysia)の漁業専門家の方とお話しできる機会を持てそうなので、その際にはこんなお話もしてみようかと思っています。

それで今日は、当地の魚市場などで売られている、このタイのような形をした魚を取り上げますが、客の目線で見ると、このタイのような形の魚はメラとジェナハックだけじゃないんですね。もうひとつグルグルと言うローカル名の魚があって、実はこれはイサキ科の魚なんです。

メラやジェナハックと同じ区画で売られていることが多く。ちょっと見にはジェナハックと間違えてしまいそうですが、よく見るとジェナハックよりは明るい銀白色が多く、グルグルと識別できます。

と言うことで、今回は市場でよく見るメラとジェナハックとグル・グルなどを紹介したいと思います。



イカン・メラ(Ikan Merah)
日本名:なし(英名:Red Snapper、マレー名:Merahメラ)

注:Red SnapperとはNorthern red snapper、Southern red snapperの他、メバル科、キンメダイ科の一部の赤色魚の総称(wiki)

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これは市場と言わずスーパーの魚屋コーナーと言わず、どこでも見かけるイカン・メラ=レッドスナッパーです。レッドスナッパーはメキシコ湾で獲れるノーザンレッドスナッパーなどが有名ですが、こちらで売られているものは近くで獲れる東南アジア産のもの。ただ、日本近海では獲れないので和名はありません。日本のマダイとはまったくの別物です。魚体長は30cmから1mを超える大型のものまである。でも注意すべきは、市場やスーパーの魚売り場によっては、ジェナハックとして分類されてしかるべきヒメフエダイやヨコフエダイも、体色が赤いことからイカン・メラ=レッドスナッパーとして売られていることもあるのです。こんな時には私の分類区分の仮説が否定された気分でちょっとややこしいのです。

鮮度の見分けは他の魚種と大して変わりませんが、魚体に張りとヌメリがあり体表が光っているもの、目がクリアーなもの、もちろん鰓が赤いもの、そしてここも大事なのですが、腹を押してみて跳ね返るぐらいのものが良いのです。価格は型によって異なりますが、中型のものはキロ25-30リンギ程度。刺身の食味は鮮度が良ければ、固からず柔らかからず、身肉が薄いピンクで血合いも美しく、日本のマダイに劣らぬほどの美味と私は思っています。

追記(2017.7.9):イカン・メラの価格 RM33-35/Kg (2017.7.9 K.Selangor公設市場調べ)




イカン・ジェナハック(Ikan Jenahak)

市場に並べられているジェナハックは暗灰色か明灰色が多いのですが、前述したように中には黄赤の魚やピンク魚、そして赤銅色の魚まであるんですよ。最近では私も少しずつメラとの見分けがつくようにはなってきましたが、最初はどっちがどっちだかさっぱり分からなくて、???を連発してました。



日本名:カドガワフエダイ(英名:John's snapper、マレー名:Jenahak tandaジェナハック・タンダ)

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これはジェナハックの代表選手的存在かも知れません。オンラインフィッシュサプライヤーさんのフィッシュリストには、ジェナハック=Jhon's Snapperと載っているぐらいですからね。鮮度を見分けるコツは体表が濡れて輝いているもの。目がクリアなもの、鰓が鮮紅色のもの、腹を押してみて硬いものなどです。魚体長は30-50cm程度。価格はキロ20-30リンギぐらいです。鮮度の良いものは刺身にして抜群。身質は適度に腰があり旨みもある。血合いはピンクで身肉は白。ジェナハックの中でも私の大の一押し。



日本名:なし(英名:Yellowstreaked snapper、マレー名:Jenahak jalur kuningジェナハック・ジャルア・クニン)

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これもジェナハックコーナーではよく見るフエダイ科の魚。明灰色が多い。鮮度見分けはいずれもカドガワフエダイに同じ。体表が濡れて輝いているもの。目がクリアなもの、鰓が鮮紅色のもの、腹を押してみて硬いものが良。型はカドガワフエダイよりもひと回り大きいものが多い。価格は同じ。食味はカドガワフエダイよりやや劣る気がしたが、ひょっとしたら鮮度が劣っていたのかも知れない。




日本名:ヨコフエダイ(英名:Malabar blood snapper、マレー名: Merah mata hitamメラ・マタ・ヒタム)

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これは、市場やスーパーによっては「メラ」として売られている場合もあり、ずっと???でした。体長1メートル近くになる大型種だそうだが、売られているものは30-50cm程度。全体に赤っぽく腹にかけて赤銅色に光る。体高が高く体表には斑紋がない。魚体に張りと艶があり鰓が鮮紅色が良い。退色したもの、目が濁ったもの、腹が柔らかいものは古いので避ける。価格はキロ25-30リンギ程度。刺身にすると透明感のある白身でやや繊維質だが味が良い。

追記(2017.7.9):ヨコフエダイの価格 RM32-33/Kg (2017.7.9 K.Selangor公設市場調べ)





日本名:ヒメフエダイ(英名:Crimson snapper、マレー名:Jenahak pucatジェナハック・プチャ)

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これも、市場やスーパーによっては「メラ」として売られている場合がある。だが、残念ながら私はこれまでこの魚の鮮度の良いものに出会ったことがない。卸売市場で良くみかけるが、大体が体表に張りがなく腹が柔らかい。ただ、ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑によると、鮮度が良ければ透明感のある白身で血合いも美しく、刺身にして抜群の味わいだそうだ。魚体長は30-50cm。価格は他のメラに同じ。





イカン・グル・グル(Ikan Gerut-gerut)

これも前述したが、この魚はジェナハック(カドガワフエダイ=Jhon's Snapper)と見間違いやすい。ただしよく見ればこちらの方が明らかに明るいシルバーか明灰色なのでジェナハックとは区別できる。



日本名:ホシミゾイサキ (英名:Silver grunt、マレー名:グル・グル・ペラGerut-gerut perak)

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追記(2017.7.9):ホシミゾイサキの価格 RM22/Kg (2017.7.9 K.Selangor公設市場調べ)

日本名:マダラミゾイサキ (英名: Saddle Grunter、マレー名:グル・グル・セボコGerut-gerut sebokoh)

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売られているものは25-35cm程度。残念ながら食味はまだ確認できていない。価格はキロ20リンギ前後。





イカン・メラ・ボリン(Ikan Merah Boring)
日本名:センネンダイ (英名:Red Emperor、マレー名:イカン・メラ・ボリン(Ikan Merah Boring)

センネンダイ01

センネンダイ02

センネンダイ03 (2)

フエダイの仲間では体高が高い方。体側には暗赤色帯があるが成長するにつれ薄くなる。幼魚期は鰭が長く、暗赤色帯がよく目立つ。魚体長70cmにもなる大型種だが、市場では小型や中型種が多い。鮮度の見分けは赤味の強いもので目が澄んでいるもの。鰓が鮮紅色のモノ。触ってヌメリがさらっとしていて張りのあるもの。写真3番目のものはセンネンダイの幼魚期のもの。刺身は透明感のある白身で、その透明感が長続きするというのだが、未だ鮮度の良いセンネンダイに出会ったことがなく、食味は未経験。





イカン・ピンジャロ(Ikan Pinjaro)
日本名:チカメタカサゴ(英名:Pinjalo snapper、マレー名:Merah pinjaloメラ・ピンジャロ)

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市場ではよくみる魚。頭部が丸みを帯びている赤い魚なのですぐわかる。背鰭は薄紅色で棘条上縁は黄色、胸鰭は鮮紅色、腹鰭は黄色っぽい。背鰭・臀鰭の縁辺は黒く縁どられる。市場では体長20-40cmのものが多い。価格はキロ20へ25リンギ程度。食味を試してみたが、鮮度が必ずしも最良ではなかったせいか、身肉が柔らかすぎた。





イカン・カカップ・バツ(Ikan Kakap batu)
日本名:マツダイ(英名:Tripletail、マレー名:Kakap batuカカップ・バツ)

マツダイ01

マツダイ02

ローカル名のカカップ・バツのバツとは石のこと。体色が黒いことからクロダイかと思ったが、これはマツダイ科のマツダイ。体高は高く、尾鰭が3つあるように見えることから英名でトリプルテールと呼ばれている。体色は幼魚は茶褐色~黄色で、成長すると黒くなる。体長80cmに達する大型魚だが、市場や魚コーナーで見るものは30-50程度。価格はキロ25前後が多い。身肉はピンクで血合いが美しいので、刺身ではえる。脂は皮下に層を作る魚のようで脂がのっていればそれなりに美味。




以上、今日は市場でよく見るタイ系(形)の魚を紹介しました。しかしながら、鮮度が十分で刺身クオリティの魚がどこの市場でも簡単に見つかるかと言うと、それはかなり厳しいと言わざるを得ません。産地(漁港)から直送された魚が並ぶ卸売市場にしてもそれは同じです。しかし、市場や時間帯などを選べば、この南国でも確かに刺身クオリティーの魚を探すことは不可能ではありません。

先日の日曜日(3月19日)に訪れた、とある市場ではなんとめったに見ない型の良いマゴチが10本ほど売られていました。マゴチは刺身にすると美しい白身がコリコリしてとても味わい深く美味しい魚です。早速買って帰った方の弁によると、昆布締めが特に美味しかったそうですが、そんなお話を伺うと、マレーシアの地魚を刺身で食べよう倶楽部(仮称)を自称しつつある魚好きの私は堪らなく嬉しい気がするのです。

次回はスズキ(Barramundi)、サワラ、マグロ、カツオなどを紹介してみたいと思います。
それではまた。。



さて、今日はマレーシア魚市場実用辞典のその2ですが、前回に引き続きアジ科の魚を紹介したいと思います。前回はアジ科の小型魚を取り上げましたが、今回はアジ科の中・大型魚です。

しかし、前回から思いつきで始めたこの実用辞典ですが、意外に難しいものがあって正直言ってかなり苦労しています。

辞典と称するからには、魚種・魚名の同定には私としてはできる限りの正確性を期したい訳で、これまでは大体この魚はこんなところだろうぐらいで良かったのですが、仮にも辞典に載せるにはそうは行きませんよね。なのでブログに書く前に、魚の同定を再確認したい訳ですが、中には一筋縄では行かない魚もあるのです。

これが日本の魚市場ならば同定できない魚などないですよ。魚種や魚名は市場の誰に聞いてもすぐ分かる。ところがこちらの市場では、売っている側の人間でもあやふやな魚がある。例えば、今回のアジ科のイカン・ニョニョと言うローカル名のこの魚、尋ねる相手によって微妙に、いやまったく違うこともある。ある人はアンダマンアジを指し、またある人はロウニンアジやギンガメアジやマルヒラアジを指す。ローカルの図鑑も、そしてフィッシュサプライヤーの商品リストでさえも一様ではない。

さらにややこしいのは、ニョニョと言う魚の他にニュニュと言う魚もあって、二つは異なる魚だと説明する者もいるし、いや同じ魚だと主張する者もいる。

要するにここマレーシアの市場では、ヒラアジ系は全部一緒くたにニョニョとかニュニュとか言っても間違いではないのだろうと、今では思っていますが、あくまでこれは筆者個人の意見です。もしそうではないとのご指摘やご意見がおありの方は是非その旨をご教示いただければあり難く思います。

そんなわけで前もってお断りしておきたいのですが、この辞典で取り上げる魚の、特にローカル名の正確性については、マーケットの魚売り場で魚名の看板を立てて売られている魚以外はあまり期待しないで欲しいのです。いや、ここマレーシアではそれぐらい大雑把でも構わないのだと言うことでお許しをいただければと思います。(今回はイカン・ニョニョと言う同名のヒラアジだけのオンパレードですが気にしないでください。ローカルの方たちにはそれで十分通じるのだと思っています。



アジ科の中・大型魚

イカン・ニョニョ(Ikan Nyok nyok)
日本名:マルヒラアジ(英名:Coastal trevally/Shortfin trevally、マレー名:Demuduk Cupakデムドゥックチュパッ)

マルヒラアジ01

マルヒラアジ02

これは、市内のスーパーマーケットの魚売り場ではほとんど見ないが、卸売市場やウェットマーケットでは良く目にする魚。30-50cmほどの魚体長だがたまに1mもの大型の似たようなヒラアジを目にすることもある。でもそれはこのマルヒラアジではなくロウニンアジと言う大型魚だ。マルヒラアジは他のヒラアジ同様に側偏(左右に平たい)し、名前の通りおでこから吻にかけて丸みがある。良く眺めると案外ひょうきんな顔にも見える。体色は概ね銀白色だがたまに黒っぽく見えることもある。刺身で食べれば脂が適度にのっていて噛みごたえもあり非常に美味。これは一押し間違いなし。

追記(2017.7.9):マルヒラアジの価格 RM27/Kg (2017.7.9 K.Selangor公設市場調べ)



イカン・ニョニョ(Ikan Nyok nyok)
日本名:ヨロイアジ(英名:Longfin trevally、マレー名:Demuduk Putihデムドックプティ)

ヨロイアジ10

ヨロイアジ02

たまに卸売市場で目にする程度で、その他のマーケットではほとんど見かけない。魚体長は30-50cmほど。マルヒラアジとの区別は頭部背縁の輪郭が直線状であること及び背鰭・臀鰭の軟条のうち数本が長く伸びていること。日本のリュウキュウヨロイアジとほぼ同じ。食味はマルヒラアジと同等と思われるが、未だ未経験。



イカン・ニョニョ(Ikan Nyok nyok)
日本名:ヒシヨロイアジ(英名:Longnose trevally、マレー名:Demuduk Muncungデムドックムンチュン)

ヒシヨロイアジ01

ヒシヨロイアジ02

これもヨロイアジ同様、たまに卸売市場で目にする程度、と言うか、ヒラアジ系は同じ箱で、イカン・ニョニョとして一緒に売られていることが多いので、気が付かないことも多い。この魚の特徴は、英名のLongnose trevallyどおりに尖った吻や高い体高及びその菱形の体形にある。また、吻端が鈍く、鰓蓋上部に小さな黒斑がある。体調もヨロイアジ同様30-50cmほど。食味もおそらく同様と思われる。



イカン・ニョニョ(Ikan Nyok nyok)
日本名:アンダマンアジ(英名:Bludger trevally、マレー名:Demuduk nyiur-nyiurデムドックニュニュ)

アンダマンアジ02

アンダマンアジ01

このアンダマンアジはヒラアジの中では体高が比較的低く紡錘形で、どちらか言うとマルアジに近い。卸売市場やウェットマーケットでも良く見かける。30-90cmほどにもなるアジ科の中・大型魚。触った感じが他のヒラアジに比して柔らかく、市場に並べられていても既に傷みが見える場合もある。身肉は他のヒラアジよりも赤みが強く血合いも濃いが、マルヒラアジなどとは異なるアジ特有の酸味と甘みがあり、鮮度が良ければ刺身も悪くない。いつか、この魚名を売人に尋ねたら、ニュニュと言った。私がニョニョではないかと聞き返したら、いやニュニュだと答えてくれた。なるほど、マレーの学名はDemuduk nyiur-nyiurなのでこれは本当かも知れないが、未だ確証はない。



イカン・ニョニョ(Ikan Nyok nyok)
日本名:ギンガメアジ(英名:Bigeye trevally、マレー名:Belokok putihベロコップテ)

(注)こちらの学術書やサプライヤーのフィッシュリストにはこのBigeye trevallyがIkan Nyok Nyokだと書いてあるので、おそらくそれが正しいのだろうと思う。しかし、普通のマレー人たちが言うイカンニョニョはヒラアジ全体を指して言ってるようにも見えるので、あえてこの魚のみをイカン・ニョニョだと断定はしなかった。

ギンガメアジ01

ギンガメアジ02

卸売市場ではよく見る魚。体長60cm前後になる。体高はさほどでもなくこれも紡錘形に近く、目は吻に近い。尾鰭、背鰭は黒く、そしてなにより黒く直線的な稜鱗(ぜいご)が良く目立つ。また、鰓蓋の上部に小さな黒斑があり、型の小さいものは尾鰭の後縁が黒く縁どられ、不明瞭な暗色の横帯が6本前後ある。鮮度の良いものは血合いがやや濃いものの身肉がピンクでシマアジに似て刺身も非常に美味と言われているが私自身はまだ食していない。



イカン・ニョニョ(Ikan Nyok nyok)
日本名:ロウニンアジ(英名:Giant trevally、マレー名: Belokok mamungベロコッマム)

ロウニンアジ01

ロウニンアジ02

私は以前これをマルヒラアジの大型種だろうと単純に思ってた。魚体長は軽く1mを超え、最大1.7mにもなると言う。卸売市場でもめったに見ない魚だが、刺身にすると血合いは赤いが身肉は透明に近いのだと言う。しかし腹周りの脂のたっぷり乗った身肉は白濁して旨みが強く、アジ科特有の風味がわずかに残るがとても美味とのことなので、いつか機会があれば是非食してみたいものだ。



イカン・ニョニョ(Ikan Nyok nyok)
日本名:クロヒラアジ(英名:Blue trevally、マレー名: Belokok biruベロコッビル)

クロヒラアジ10

クロヒラアジ12

これもめったに見ないアジ科の魚。ヒラアジの中でも全体的に黒ずんで見えるためにクロヒラアジと言う。魚体長は40cm前後が多い。体側には暗色帯が7~9本あり、これが全体的に黒ずんで見させている。以前卸売市場で発見し、一本買って帰ってじっくり同定した。さっそく刺身で食してみたところ血合いは赤いが身肉は透明感のある白身できれい。ただ脂はあまりのっておらずマルヒラアジより旨みは劣る。



以上、今回はアジ科の中・大型魚を取り上げてみました。もちろんアジ科の魚はこの他にもあるのですが、私がこれまで魚市場やスーパーマーケットなどの魚やさんで実際に目にした魚、つまり店で売られているもののみを書いています。次回はタイ系の魚を中心に紹介する予定です。

いやしかし魚は奥が深いですね。正直言って、この私が、このマレーシアでこれほど魚に入れあげるとは思ってもいませんでした。少ない小遣いを遣り繰りしながら、当地では高価とされる魚をせっせと買い求めてはひたすら捌いて食ってみる。これってちょっと異常な世界でしょうかね。私はちょっと危ない世界にはまり込んでいるのでしょうか。

朝早く、と言うか真夜中に近い真っ暗闇の中、危うく車で黒猫を踏んづけそうになりながらも足繁く卸売市場に通う私です。服や身体だけでなく、愛車にも魚の臭いがついて離れず、夜明け前の台所で一人魚を捌く我が身を振り返る時、いささか尋常ではないなと自嘲したりもしています。

余談ですが、今日のお昼はミッドバリーの和食やさんでした。そこは数あるミッドバリーの和食やさんでも名が通ったお店で、決してなんちゃって和食レストランではなかった筈です。

写真メニューの中から美味しそうな江戸前のちらし寿司を選んで注文したのですが、これが信じられないほどのなんちゃって江戸前ちらし。なぜかと言うとちらしの具がまるでお粗末極まりない。ネタはサーモンと白マグロがメインにゆで海老1枚など。ヒラヒラ舞い散るネタの薄さも情けないが、江戸前とは冗談かと思うほど写真とは全く異なるネタ使い、しかも白マグロとは許せない。

みなさんは白マグロってご存知ですか?これは知る人ぞ知る、当地のなんちゃって和食やさんの定番刺身(寿司)ネタですよ。実はこれ最初に聞いたときはてっきりビンナガだろうと思っていたのですが、出されたものを実際に食してみたら、身肉が白すぎることとあまりに脂っこすぎて、これは絶対ビンナガじゃないとすぐに気付いた私です。店員にコレなにと聞いたら、ホワイトツナとかバターフィッショだとか言う。え、えーっ、おい、そりゃ違うだろう?、

改めて調べてみたら、これ日本じゃ販売と食用が禁止されているバラムツかアブラソコムツと言う深海魚じゃないの?なぜなら身肉の白さと脂っこさは普通じゃなくて、他にはこんなの見当たらない。そうだとしたら、これ、少し食べる分にはいいが、たくさん食べたらその脂が体内で消化されずに後で大変なことになるらしい。でも食感がまるで大トロのようなのでなにも知らない人は白マグロも結構旨いじゃないかと騙される。

なので私はそれ以来、白マグロと称するものを刺身や寿司で出す店は「江戸前」ではなく「左前」の店だと思ってる。店が左前なので高価な本物の刺身をネタに使えず白マグロのようなフェイクものを出すのだろう。

そう言えば、お昼時だと言うに店はガラガラ。ちょっと前まで大勢の客でにぎわっていた店なのに、あぁ、この店ももうダメなのか。。それにしても、朝に紅顔ありて夕べに白骨となるじゃないけれど、なんと回転の速いこの業界だこと。白マグロを出すぐらいならなぜに安価な地魚を使わないのだろうと、ここでも不思議に思うひねくれ団塊なのでした。

以上、今日はこれでお・し・ま・い。




突然ですが、今回から何回かに分けてマレーシア魚市場実用辞典(仮称)を書いてみます。

私は恥ずかしながら、年を経るごとにますます食欲旺盛となり、肉も魚も、やさい・・・・・もなんでも好んで食べるのですが、ご承知のように最近では魚、特に生魚(刺身)には意地汚いほどの思い入れがあります。

しかし、当地のマレーシア人たちにはなぜあんな生臭いものを生で食べるのかと不思議がられます。それもその筈、彼らのほとんどは生まれてこの方、生臭い魚を煮る・焼く・揚げるなどしてしか食べたことがなく、鮮度の良い魚はなんの臭いも発しないと言うことを知らないのです。もっとも、さもありなんです。最近でこそ流通が進歩したせいか、鮮度の良い魚がここKL内外の市場でも入手できるのですが、昔はとてもこのようではなかったでしょう。

でも流通が進歩したと言っても、日本のコールドチェーンのような低温流通システムはまだまだのようで、例え産地直送の卸売市場と言えども、すべての魚が新鮮とは限りませんし、市場側も魚を生で食べることを前提にしていないため、鮮度管理が十分ではなく常温で並べられているうちにみるみる鮮度が落ちていくのです。当然、この魚は生(刺身)で食べられるか、などと質問してもいい加減な答えしか返ってきません。

そこで鮮度の見極めは自己責任で、となるわけですが、その前に、果たしてこの魚が刺身で食して旨い魚なのかどうかとか、これは何科の魚でなんと言う名前なのだろうと大いに気になるわけです。

私も最初のうちは大いに悩みました。売られている魚種が当然ながら南方系ばかりで、日本の魚市場、特に見慣れた関東以北のそれとはまるで違います。それに市場のほとんどでは周辺国からの外国人労働者が多く、英語はおろかマレー語でさえきわめてブロークン(だからBahasa Pasarと言う)でなかなか意思の疎通が難しいのです。

おそらく、マレーシアに初めて来られた多くの日本人の方がそう感じていらっしゃるのではないでしょうか。

私は、これまでも市場で売られている様々な魚を見て、触って、臭いをかいで、これはと思う魚は買って持ち帰り、写真データなどを照合しては魚種や魚名の識別に多くの時間を割いてきました。まさかマレーシアに来てこんなことをするとは思ってもいなかったのですが、元々市場巡りは好きなので苦にならないどころか結構楽しいのです。金はないが時間だけは売るほどもある定年後人生に乾杯です。

でもその際に気づいたことは、マレーシアにはこれと思う実用の魚図鑑がないことです。学術目的の専門書はあるようですが、市場で売られている魚を生で食べたいと思う私のような人間にマッチするものがどこを探しても見当たらないのです。

そこでこのひねくれ団塊は考えました。だったら自分で作れば良いではないか。それも立派なチャレンジになる。もちろん自分自身の知識・経験の備忘録にもなるし、かつ同好の方たちの参考にもなるだろう。

ただし、これはもちろん飽くまで専門家でもないど素人の私の限られた知識と経験によるものでまったくの趣味の範囲です。すべてが私自身の価値観と味好みによる独断に基づくもので、その内容の正確性を保証するものでは決してありません。、

そんなことを承知のうえで参考情報としてご覧いただければと思いますが、まあ、長々とした能書きはこれぐらいにして本題に入ります。

辞典は何回かに小分けして記述します。もちろん当地の市場で売られているすべての魚を網羅できる筈もありませんが、私が市場に通い識別と食味が確認できている魚から順次に記述して行きたいと思います。

と言うことで、第一回はとりあえず、マレーシアの魚市場でよく目にするいわゆる大衆魚の小型のアジ科(一部サバ科)の魚から初めてみます。



アジ科(一部サバ科)の小型魚

最初にアジ科(一部サバ科)の新鮮魚の見分け方です。これはどの魚にも共通していますが、腹を触って硬いもの、体表が輝いているもの、鰓(エラ)が鮮紅色のもの、目の色は澄んで黒いものが良いと言われています。ただし、目が白濁していても鮮度の良いものもありなかなか難しいのです。

イカン・セラー(Ikan Selar)
日本名:マテアジ(英名:Yellowtail scad、マレー名:Selarセラー)

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これはどこの市場でも普通に見かけるローカルにも人気の魚。一見マアジのように見えるが実はマアジではなくマテアジ。体長20-25cm。体側に10本ほどの薄い横縞があり、稜鱗(ぜいご)はメアジ同様尾鰭近くの直線部のみだが、メアジよりはやや長い。キロ15-30リンギ、売られている市場や魚店によって値幅が大きい。東南アジアでは主要な食用アジとして多く獲れるが日本では稀。食味は刺身も焼きもマアジに比べて格段に落ちる。特に刺身は脂がほとんどのっておらず旨みもない。フライか唐揚げがマッチベター。




イカン・セラー・クニン(Ikan selar kuning)
日本名:ホソヒラアジ(英名:Yellowstripe scad、マレー名:Selar kuningセラー・クニン)
(註:”クニン”とはマレー語で”黄色”のこと)(以下同じ)

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体長15-20cm。これも市場でよく見るアジ科大衆魚の代表選手。マテアジに比してひと回り小型のものが多い。体側の明瞭な黄色の縦帯(イエローストライプ)と鰓蓋(えらぶた)の比較的大きな黒斑が特徴的。テルメアジよりもひと回り小さく、体側のイエローストライプが目の上部から始まる点で区別できる。刺身も焼きもマテアジよりはマシだが小さすぎて捌きが面倒。キロ10-15リンギ程度で安価。



イカン・ロロン・クニン(Ikan Lolong Kuning)
日本名:テルメアジ(英名:Ox-eye scad、マレー名:Lolong kuningロロン・クニン)

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テルメアジ

体長22-25cm、セラー・クニンよりひと回り大きいものが多い、市場や魚店ではセラー・クニンと混在して売られていることもある。体側のイエローストライプが目の後ろから伸びていることで、セラー・クニンと区別できる。目が大きくイエローストライプのないものはメアジにも似ているが、側線湾曲部の鱗数が少なく、その後方の稜鱗(ぜいご)の直線部がメアジと比較して明らかに長いが柔らかい。食味も価格もセラー・クニンとほぼ同じ。マテアジよりはマシだがマアジに比べれは落ちる。



イカン・マタ・ブサー(Ikan Mata Besar)
日本名:メアジ(英名:Bigeye scad、マレー名:Lolong mata besarロロン・マタ・ブサー)
(註:マレー語でMataは目、Besarは大きい)

メアジ

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体長22-30cm。この魚も当地の市場の常連魚。目が大きく、体高がちょっと高く側扁(左右に平たい)している。稜鱗(ぜいご)は尾鰭近くの直線部のみで短かい。体側に黄色の縦帯(イエローストライプ)があるものとないものがあるが市場では圧倒的にないものが多い。鰓蓋を開くと、肩帯下部に突起がある。食味はマアジに比べてやや落ちるが刺身も焼きもマテアジよりは美味。キロ10-18リンギ程度。



イカン・チンチャル(Ikan Cencaru)
日本名:オニアジ(英名:Torpedo scad、マレー名:Cencaruチンチャル)

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体長25-45cmと他のアジ科大衆魚よりひと回り大きいものが多く、黒っぽく見える。英名のTorpedo(魚雷)は言い得て妙。目は吻にとても近い。稜鱗(ぜいご)は一直線に体長の半分ほどあり大変硬く、切り取る時は要注意(私は何度かこれで指を切った)。尾柄部は長く細い。価格はキロ8-10リンギ程度でアジ科の中では最も安価。身は赤みが強いのでローカルには好まれないが、鮮度が良ければ刺身は美味。でも焼きは身も皮も硬くおすすめできない。



イカン・マボン(Ikan Mabong)/イカン・ケンボン(Ikan Kembong)
日本名:グルクマ(英名:Indian mackerel、マレー名: Mabong/Kembung borekマボン/ケンボン・ボレ)

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これはアジ科ではなくサバ科の魚。市場などではアジ科の大衆魚と同じ区画で売られている。普通、体長25-35cmでサイズ的にもちょっと見にはアジ科の魚と間違えてしまうが、型の大きいものはやっぱりサバだと識別できる。触った感じがアジ科よりも柔らかい。足が速い魚なので余程鮮度が良いものでないと刺身は無理。鮮度落ちの場合は二枚に下ろし振り塩にして数時間ほど寝かせた焼きが旨い。キロ15リンギ程度。

出典: 
ぼうずこんにゃくの市場魚介類図鑑
WEB魚図鑑
Fish Species Identification Guide in Malaysia
Southeast Asia Saltwater Fish Identification
Saltwater fish species of Malaysia and SEA



以上、今回の第一回魚市場実用辞典はここまでとしますが、ここで実用お魚TIPをひとつ。サバ科の魚と言えばマサバです。旬のマサバは刺身にしても、しめ鯖にしても美味しいし、ふっくらとした塩焼きもたまらないですよね。でもここは南国マレーシア、近海で獲れる生サバなどあろう筈もありません。

しかし当地の日本食レストランなどでは結構美味しいサバの塩焼き出してるし、あのサバはどこから来ているんだろうと、最初はちょっと不思議に思い、あちこちの市場を探してみましたがどこにもないんですね。

でもいろいろ調べるうちおよその見当がつきました。こちらの方たちが好んで食べるサーモンも、塩焼きが美味しいサバも、ほとんどがノルウェーからの冷凍輸入で、国内に専門のサプライヤーがいくつもあるのです。以前、サーモンのサプライヤーを訪ねる機会がありましたが、それはそれは大きくて立派なサプライヤーさんでした。。

そうかレストランや、モールの魚やさんで出しているサーモンやサバは、こんなサプライヤーを通じて入ってきてるんだと、その時知りましたが、こんなサプライヤーさんは、例えば私が訪れたユーロ・アトランティックと言う業者さんは、数がまとまれば私たち一般の消費者にも売ってもらえるのだそうです、数がまとまれば、、ですけど。

しかし、もっと気軽に美味しいサバを買えないものかといろいろ探し回りました。その結果、TESCOにはあるにはあるのですがクォリティがよろしくない。NSKではめったにお目にかかれないし、その他の小さなスーパーでは売ってない。卸売市場にはもちろんない。

でも意外なところで美味しいサバを見つけました。それはTTDIの魚やさんです。最近まで気が付かなかったのですが、ノルウェーサバの看板もありましたね。そこでは店頭に出てなくても裏の倉庫に冷凍のままストックしてるらしく、言えば出してきてくれるのです。値段がTESCOよりもかなり高めだったので最初は躊躇したのですが、買って帰って焼きにしてみてビックリ。

こりゃ、日本のマサバとまったく変わらない。脂がのって、身がふっくらとして実に美味。もちろん刺身やしめ鯖にはできないが、塩焼きはこれで十分。と言うことで、今、我が家の冷凍庫には切り身にしたノルウェーサバのパックがたくさん入ってます。(もちろん各種の刺身柵もその他の魚パックもたくさんたくさん入っています)

ごめん、こんなこと書いてたら、またサバの塩焼きが食べたくなりました。今晩の夕食は、煙の出ない日本製フィッシュロースターで脂ジュージューこんがり焼いたノルウェーサバをビールの友にしようなんて、密かに考えているひねくれ団塊でした。

ではまた。。(魚市場実用辞典はこれからまだまだ続きます)

追記(2017.3.7)
マレーシア魚市場実用辞典で紹介する魚の価格(リンギ/キロ)はあくまで参考価格です。それぞれの魚の価格は、魚の型(大きさ)、鮮度、時期、売られている場所などによって大きく異なることをあらかじめご了解下さい。