清々しい新緑の日本から一転、ムッとする熱気のマレーシアに戻った途端、暑さのせいで老年性脳内細胞減少症が急激に進行したのかどうか、昨日(5月28日)のマレー語レッスンとその後の失態はまるで悪夢のようでした。

KLセントラルのブリックフィールズにあるYMCA/KLのマレー語クラスレベル5(上級クラス)は、私を含めて10人ほど生徒が在籍しているのですが、年齢構成は14歳から70歳まで、まるでジジィとババァとオヤジとオバンと娘と孫が一緒に勉強しているようなモンです。

それに国際色も豊かで、今回のクラスは偶然にもひとりとして同じ国籍の生徒はいませんし、全員共通語の英語にしてもそれぞれ独特の訛りや癖があるし、まぁ相当に異色のクラスであることは間違いないです。

でも私はこのクラスがとてもお気に入りです。クラスメートの中には初級クラス(私はレベル2からのスタートです)からずっと一緒に学んできたシンガポーリアンやスイスやサウジアラビアンやジャーマンもいますし、最近クラスに合流したイスラエリの大学教授は私よりも年齢が二つ上で、私は彼にクラスの長老の座を喜んで譲りましたが、みなとてもいい人たちばかりです。

年齢や国籍・人種などは一切関係なし、お互いにリスペクトし合い切磋琢磨しています。クラスのレッスンは3時間通しで、しかも進みがとても速くてきついのですが、いつかマレー人のようにマレー語を上手に話せるようになりたい、そんな一心でみなとても真剣に学んでいます。

でも昨日のレッスンは悪夢でした。まず冒頭、ラズマン先生(マレー)が私に日本滞在中のできごとを発表しろと言うのです。もちろんそんなこともあろうかと幾分予期していましたが、ぶっつけ本番でもなんとかなるだろうぐらいに安易に考えていました。

ところが話し始めてみると、マレー語の単語やフレーズが思うように出てこない。な、なんで?まるで脳みそが半分欠けてしまった呆け老人のようです。いや焦りました。マレー語が出てこないところをなんとか英語で補いながらその場を凌ぎましたが、その後の授業にも思うようについて行けず焦りまくりでした。

記憶を辿ろうとしてもその先が真っ白で先に進めない。確かに憶えていたはずのマレー語の語彙がどこかに消えてしまった、そんな感じなのです。え?これって呆けの兆候ですか?

そ、そんな・・・呆けって突然にやってくるもんなんですか?そういえば、最近とみに記憶力が悪くなってきた気がするし、それに注意力も散漫になってきた。あぁ嫌だ嫌だ。まだ呆けたくないですよ。

しかし、これがまだ習い初めのマレー語だから言い訳ができるけど、もし英語とか日本語にまでこんなことが進むようなら私の人生も終わりに近いってことだ。

なんてことを一人考えながらYMCAから帰ってきたのですが、家に帰ってきて、とあることに気が付きました。あれ?運転免許証がない!昨夜確かに財布の中に入れた筈のマレーシア運転免許証がない! これって入れ忘れやしまい忘れの勘違いか? はたまた落とした?盗られた?

それから、私は家の中や車の中などありとあらゆるところを必死に探しまくりました。でも、ない!確かに何処にもないのです。昨夜からの記憶を辿ってみましたが、財布から免許証を出した記憶などないし、思い当たる節もまったくない。

と言うことは、どこかで財布を尻ポケットから出した際に免許証カードが滑り落ちたか。。はて、どこで?(多分盗られたものではないだろう、なぜならクレジットカードやATMカードはなくなっていないのだから)

いや、困った。・・・・・・・・・・・とりあえず運転免許証がないと確かにまずい。はて、どうすれば良いんだろう?と考え、インターネットで関連情報をチェックした結果、警察届けを出せばそのコピーが最長2週間の仮免許証になるらしいことが分かり、週明けの月曜日に警察に紛失届け(Police report for a lost of driving license)を出し、そのままJPJで再発行してもらおう、と決意しました。

ま、これらのことについてはあらためてリポートしたいと思いますが、それにしても、げに怖ろしきは老人呆け+気の緩みですね。いやいかんいかん、何事にも注意深く気を引き締めてかからないといけない、と真剣に、今度こそ本当に真剣に思っています。



さて、刺身三昧の酒田と富山の旅から帰った私は、次にいつもの飛び切り古い仲間たちと新緑の高尾山に遊びました。

高尾山なんて何十年ぶりだろう。。集合地点の京王線高尾山口駅前に立って周りを見渡してみましたが、駅舎は最近建て替えられたものらしくモダン過ぎて、お陰でちっとも昔の記憶が蘇らずにここでも一抹の不安(呆けの不安)を感じた私です。

高尾山、、、と言えば、そうだ、ケーブルカーだ。ケーブルカーに乗れば昔を思い出す筈。。。

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でもケーブルカーに乗ってみても、はて奥多摩の御岳山だったか、この高尾山だったか、遠い昔のケーブルカーの記憶も曖昧模糊としてフォーカスがボケたまま。そういえば私って、若いときから遠い昔の記憶が定かじゃない。

こりゃ私の脳細胞のどこかが欠落しているのかも知れないな。まぁ、でも近場の記憶は人並みぐらいだから、、、、えっ?最近はそれすらも危ういのじゃないかって?

そ、そうなんすよね、でも、久しぶりに会った古い仲間たちとケーブルカーに乗ってこんなこと考えているのはオレだけかな。。外見は様々だけど、みんな同級生だから年齢は同じ筈だし、みんなそれぞれ悩みがあるんだろうな。。

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フト我にかえると周りの木々の新緑がいかにも眼に優しくて、普段眼を酷使している私としてはなにより有難い。そしてこの清涼な空気、熱帯のマレーシアじゃこんなに清々しい空気にはめったにお目にかかれない。大きく深呼吸をしてあらためて感じた日本の素晴らしさでしたね。

高尾山の帰りは、誰が言い出したのか、歩いて下ろうだって?なんのなんのこんな下りの坂道、まだまだへっちゃらだぜぇぇ、と言いながらも膝がガクガクしてたのは誰?登ってくる幼稚園児や小学生たちとすれ違いながら、思わず苦笑いを浮かべていたのは誰?

これ↓は、下る途中でみつけたシャガの花。そう言えば以前、鳥海山や月山の山花に思い入れていたことが今ではとても懐かしい。いつの日か、マレーシアからまた日本に戻り住み、再び山花を愛でる日が来るのだろうか。。

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マレーシア在住の日本人たちの中には、マレーシアで骨をうずめたいと仰る方たちも少なからずおられます。でも私は、人生の最終章はやっぱり故国日本で過ごしたい。そして、こんな可愛い山花を眺めながら最期を迎えたいのです。。なんて、またまた辛気くさいことを言ってしまってすみません。

さて、古い仲間たちとの今日の語らいランチは、高尾山麓の懐石料理「うかい竹亭」です。

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竹林を抜ける風が運ぶ小川の水音、幽玄の美に満たされ、その静けさにゆったりと身を浸し、深いくつろぎを感じながら四季折々の味わいを楽しむ。豊かな山水に囲まれた奥高尾の山里、その山道にひっそりと佇む「うかい竹亭」(うかい竹亭のホームページから引用)。

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堪らなくいいですね。私はこんな純和風の佇まいが大好きなんです。

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あぁ、眼に優しい木々の新緑、そして庭一面の草花や水の流れのささやきと匂い、なにもかもが素晴らし過ぎます。ありがとう、T.S君、今回も思い出に残る素晴らしいセッティングです。

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石灯籠も石畳もいい。しばらくここにじっと身を潜めていたい気分です。

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離れ座敷の畳廊下も素晴らしい。

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そして、ここが本日のランチョンルームです。

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今日の古い仲間たちは私を含め総勢16名、前回2年前の川越の時も同じぐらいの人数でしたが、いつもこうやって集まってくれる。実に嬉しいですね、いつかも書きましたが、時空を超えて、瞬時に何十年もの昔に戻る往年の少年少女たち。

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落ち着いた純和風の佇まいの中、しょほしょぼの目にも、節くれだった心にも、そしてほとほと弱った胃袋にも優しい懐石料理。

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庄内や富山の刺身三昧も忘れられない思い出だけど、たまにはこんな上品な懐石料理もいい。

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これ、鮎の塩焼きですが、なんと川背海腹の盛り付けで出てきましたよ。川魚は背を手前、海魚は腹を手前に盛り付けるという古風な作法です。私は、そんな古風な盛り付けに拘る「うかい竹亭」は今回が初めてなのですが、きっといつかまた来てみたいと思います。

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と言うことで、総勢16名の往時の少年少女たち、落ち着いた純和風の佇まいで上品な懐石料理ランチを心行くまで楽しみましたが、最初のうちこそ、静かに上品に、食べ・飲み・語っていたのですが、そのうち時間が経つにつれ、酔いがほどよく廻るうち、次第にいつものオヤジ、オバンに変身し、最後にはやっぱり元のジジイとババァの正体を曝け出して、我こそは人生の修羅場を潜り抜けた「兵(つわもの)」だと言わんばかりの騒々しい宴会場と化してしまったことは、まぁ、ほとんど予期のとおりでした。(笑)



さてこれからはおまけのリポートなのですが、用事のついでに久しぶりに築地場外市場に立ち寄ってみました。

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市場の賑わいは相変わらずなのですが、昔と変わったことは、外国人観光客が増えたことですよね。それも、中国人や韓国人が多い。雑踏を歩いていて聞こえる言葉でそう感じました。

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そう言えば、本市場が秋に豊洲に移転するんだそうですね。あの小原庄助さんを思い出しましたが、なんせ急なことでもあり、そんなこと無理、無理と判断し、本市場見学は諦めました。

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う、これ?「ほたて串、うに&かにのせ」って?

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なんと贅沢な、帆立貝の串にカニ肉とウニを豪快に乗っけた網焼きですって。。千円と言う値段も値段だけに、外国人が果たして買うかどうかだな、なんて眺めていたら、なんと飛ぶように売れるんですね、こんな贅沢品が。。いや驚きました。

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こ、これ、茹でたてタラバ蟹と毛蟹ですよ。。ううっ、喰いたい。。でも無理、高すぎる!

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これ珍しくないですか、ドライド甘海老ですって。いかにもカルシゥムいっぱいって感じでつい買い気が起きたのですが、試食させてもらえなかったので止めました。

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そして、これ↓なにか分かりますか?お寿司の顔をしたオカキですよ。見た目はちょっと驚きですが、なんのことはない、一個一個の袋にお寿司の写真が印刷されてるだけのオカキです。それでもこりゃ珍しい。私もつい2個買いました。

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これを先日のYMCAのマレー語クラスでみなに配ろうとしたら、誰かが、私は生魚が食べられないからいらない、、だと。。アハハ、これ袋の印刷だよって言ったらキョトンとしてた。



次もおまけのリポートですが、帰りの成田空港でのこと。イミグレの長い列の後ろに並んでいたら、知らなかったけど、いつの間にか自動化ゲートなるものができていてガラガラに空いてる。そこを悠々と通り抜ける人をみて、遅ればせながら私の好奇心もメラメラです。

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自動化ゲートの側に立っていた、係りのオッサン(私と同年代ぐらいの)に聞いたら、事前登録すれば今日からでも利用できるとのこと。こりゃ、登録しないではいられない。オッサンに教えてもらったとおりに、登録用紙に必要事項を記載してカウンターのいかにも意地悪そうなオバン(多分定年前か定年後の再雇用かも)に提出。このオバン、いかにも面倒くさそうな素振りで手続きしてくれて・・・、結果、パスポートの末項にはこれこのとおり。。

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お陰で長い待ち列には付かずに自動化ゲートを無事に潜り抜けた私ですが、待てよ、出国スタンプはどうなるんだろう?出国スタンプが押されてないと、例のクレカ付帯の海外旅行傷害保険を使いたいときに困る。

あわてて、ゲート越しにあのオッサンに尋ねたところ、事務室で押してもらえと言う。良くみれば、自動化ゲートの入り口にその旨が書いてある。なるほどなるほど、やっぱりこういうことだよなぁ、なんて一人納得した私でした。



さて、今日の最後は今流行のクロームキャストについてです。

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この件、詳しくは、しばらく使ってみてから改めてリポートしたいと思いますが、ざっと見た限りではなかなかのものです。

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これは、我が家のテレビにクロームキャストをセットした写真です。むかって左がHDMI差し込み、右が給電用USBポートです。

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セッティングが終了すると、こんなに綺麗な画像が現れました。

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このクロームキャスト、スリングボックス経由で送られてきたストリーミングビデオを、My better halfのアンドロイドスマホのスリングプレーヤとスマホに新たにDLしたグーグルキャストを使用して、テレビに転送(キャスト)すると言う、信じられないほどの先進的な優れものです。

昨日と今日いっぱい試してみましたが、今のところ快適です。画質も大変綺麗で今までのノートPCやタブレットPCからHDMIケーブルでテレビ出力するやり方とまったく遜色ありません。

今後、使い勝手や問題点などをいろいろ試してみたいと考えています。

ではまた。。





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今、1年3か月ぶりに一時帰国中で、今日(5月19日)は富山県氷見市にきています。今回もまた、2週間程度の慌ただしい日本滞在なのですが、酒田と富山での墓参りや親戚挨拶廻りの他、孫たちや古い仲間たちとの再会と語らい、それにもちろん美味しいお酒と旨い刺身をたらふく味わって帰りたいと考えています。なので今回ブログは、酒田から富山にいたる刺身三昧の旅の写真リポートです。

埼玉の長女宅から、松戸に住む古い仲間の車に便乗した私は、常磐道・東北道・山形道を経て古里酒田に向かいました。季節はすでに5月半ば、桜はとうに散ってしまったけれど木々の青葉と山々のグリーンが目に優しく、そして澄んだ爽やかな空気が実に嬉しいくるま旅です。

今回の酒田での宿は、同乗しているアウディの持ち主、KY君の別宅です。彼は、本拠が松戸なのですが、酒田の実家をそのまま維持していて、松戸と酒田を気儘に行き来しているという贅沢なリタイア生活を送っているのです。

車が好きで、長距離の運転も全然苦にならないと言いう彼の言葉を真に受けて、私はまことに楽な旅をさせてもらいました。

酒田到着は深夜でしたが、さっそくコンビニで買い込んだ酒と肴で乾杯です。くぅー、う、旨い。。KY君、実にマメで世話好きな男です。昔から人が良くて世話好きなことはもちろん知ってますが、まさかこんなにマメな男だとは知らなんだ。

酒の肴には私の好物のイカの塩辛やシナベキュウリなども手際よく並べてくれて、深夜にしては十分すぎる爺×2の宴会でした。

明けて翌朝、先だってマレーシアでどっさりお土産いただいた東村山の小原庄助さんに負けじと朝風呂浴びてから、酒田名物海鮮市場での朝めしです。ここの朝めし(朝定)、私も酒田在中は良くお世話になりましたが、なにしろ魚屋直営なのでものが新鮮、そして掛け値なしに旨いのです。

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もちろん刺身あり、煮魚あり、煮びたしあり、それに酒田名物どんがら汁と温泉たまごなどの朝定はボリュームたっぷりながら驚きのリーズナブル価格です。

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うん、やっぱり庄内浜の魚は旨い。そうだ、と思い出して、朝めしのあとは、以前足繁く通い、魚の目利きや捌きなどを習い憶えた近くの魚市場に行ってみることにしました。ここです、酒田魚市場です。

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おー、おー、やってるやってる。。。トロ箱前にセリの最中でした。

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トロ箱の中を覗かせてもらうと、こりゃなにかな?ホタテの下はクロダイかな?

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奥はヒラメ、手前はなにかよく見えず。

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これはメバルですね。

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おほっ、美味そうな庄内浜地獲れヒラメ。。

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真鯛や目鯛などいろいろあるが、とにかく魚の活きがいい。こんなに新鮮では目利きの必要もなさそうなものだけど、そんな中から飛び切り活きのいい魚を選ぶのだから美味しくない訳がない。KLの市場の魚たちとの雲泥の差をまざまざと見せつけられました。

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巨大なKL魚市場を見慣れた目には、あれっ、こんなに小っちゃかったっけ? というぐらい小ブリな酒田魚市場。でも魚好きには堪らない活きのいい美味い魚の宝庫です。

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おぉ、これは大ぶりのワラサ。これぐらいだと味はデカい寒ブリにも負けてない、と思います。見ているだけで涎が出てきました。

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久しぶりに目の保養をした後、じじい二人は近くの酒田日和山公園に移動、公園では19日から始まる酒田まつりの山車の台座の準備中でした。周りには満開のツツジが朝日に映えて、実に見事な庄内5月の演出でした。

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今日の天気予報は曇り。なので鳥海山は見れないだろうと諦めていたのですが、予報が見事に外れ、お陰でこれこのとおり。久しぶりの鳥海山は、この時期にしてはやや残雪が少ないものの、今も昔も変わらぬ秀麗な姿を誇らし気に見せてくれました。

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この後父母が眠る墓地の掃除と墓参り、そしてこの日のお昼は、別の古い仲間たちと、酒田で一番人気の日本料理店「ほたる」での語らいランチです。

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セットランチにしては、白身のお造りなどもあってとってもオシャレ、なおかつ美味しい。やっぱり、本物の日本食はいい。美味しいだけでなく見た目も実に美しい。やっぱり、KLのなんちゃって日本料理とは比べようがないほどで、雲泥の差だワイな。。

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これは古い仲間の一人、先日マレーシアにもやってきた大和尚の寺の庭に咲く藤の花とツツジ、これもお見事。

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この寺はなぜかいつ来ても心が洗われる。和尚の話もいい。いつ聞いてもなるほどと頷ける、そしてタメになる。

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これは、朝の酒田海鮮市場でKL君が今夜の二次会用にと買ったホウボウのお造り。ホウボウって魚ご存知ですか。この辺りじゃ今が旬で思わず唸るほどに旨い刺身です。

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この魚、最近では全国のあちこちの魚屋の店頭で売られているようですが、白身(ピンク)の身肉はコリコリ・プリプリ、噛むと仄かに甘く歯触りも実に良い。少々愛嬌のあるその顔に慣れてくると、コチのように角丸の体形ゆえに、思い切って大名おろし。写真のように姿造りにしてよく喰らいましたわ。

私は久しぶりにホウボウを味わい満足至極です。ホウボウって海底の砂地をエビのような足と胸ビレを使って、ほうぼう這いずりまわる。だからホウボウ? いやいやそうじゃないらしいですよ。這いずり廻リながら、浮袋で鳴くのだそうです。"ほうぼうほうぼう"ってね。だからホウボウ?

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こいつはご存知日本海庄内浜地獲れヒラメ。マレーシア産ヒラメはなぜか全然美味しくないけど、こっちのはやっぱり美味い。

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これは、昨夜の二次会の残り物朝ごはん。KY君、張り切り過ぎて刺身買い過ぎ、スキヤキも庄内名物孟宗汁も作り過ぎ、かくして私は毎食げっぷが出るほどの刺身三昧。いやぁ、お陰で1年分ぐらいの刺身食ったかも。。。

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酒田での予定を無事にこなし、次はMy better halfの待つ富山へ移動。酒田から富山へは、昔は確か、白鳥って名前の大阪行きの直通特急列車があったはずなのだが、今はなし。お陰で、新潟、長岡、直江津、上越妙高の各駅でそれぞれ乗り換えなければならず、いや不便なこと不便なこと。

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しかし、楽しみの一つにしていた北陸新幹線は、やっぱり思ったとおりに素晴らしい。

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しかもプラットホームもどこもかもクリーンで、安全で人に優しいシステムだし、やはりマレーシアとは決定的に何かが違う。久々に日本の先進技術や高品質のサービスの一端に直に触れ嬉しい気分でした。

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デザインもさることながら、いたるところに感じる細やかさ。こりゃ外国人にはとても真似のできないことだろうと、とても誇らしくて一人で悦に入ってました。

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My better halfの生れ故郷で、久しぶりに両親のお墓にお参りした後、親戚中が集まりここでも刺身三昧、寿司三昧。あぁ、満足・満腹。これでもう2年分ぐらいの刺身食ったかなぁ。。

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さすがに富山湾の海の幸。同じ日本海側でありながら、酒田では獲れない白エビや寒ブリもたっぷりいただいて、まだ日本滞在の半分も過ぎていないと言うのに、既にベルトが締まらないほどにお腹でっぷりの体たらく。

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この調子で食ってばかりいちゃ、日ごろ厳しく罵っているマレー人並みの体形になるかも知れない、との恐怖感もあって、氷見海岸にある温泉場、氷見温泉にやってきました。

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しかし、能登半島の付け根部分、富山湾の西側に位置する「魚魚(とと)のまち氷見」の魚は飛び切り美味しくて、、、、、

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富山湾を一望する露天風呂に浸かり腹ごなしをした後は、またまたたらふくの魚づくし。かくして、嬉しいけれども、食べ過ぎ恐怖の刺身三昧はまだまだ続くのですちゃ。。(つづく)



5月7日に投・開票が行われたマレーシア・サラワク州の州議会議員選挙は当日の夜10時ごろには大勢が判明し、最終的にはBN(与党連合)が72議席、野党(DAP、PKR)が10議席と言う結果でした。

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与党側の議席占有率は87.8%で、これは、与党側の前回州選挙(2011年)の議席率78.9%(議席数56)からすると飛躍的な数字です。他方、野党側にしてみれば、たったの12%(10議席)の議席率で、目標にしていた3分の1(33.3%)以上には遠く及ばない結果に終わったわけです。

この選挙結果を受けて、案の定、与党側、特にナジブ首相ご一行様の喜びようは大層なものらしいです。国内の有力メディア上には、サラワク州の州首相が州民の信任を得たと言うのは言わずもがなですが、これでなぜナジブ首相が国民の信任を得たことになるのかまことに不思議な文言がでかでかといたるところに踊っています。

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これで2年後の国政選挙での勝利も見えた、などとあまりに周りが大喜びしているのでナジブ首相本人が、大喜びするのはまだ早い、と諌めているなどの記事もあったりして、私は不思議を通り越して、言いようのない虚脱感に襲われています。

しかしながら、一方の国内代替メディアや外国メディア、それに識者やウォッチドッグと呼ばれている民主活動家グループは、このサラワク州選挙はマレーシアの各州の中でも極めて悪辣で非民主的だと以前から報道・主張してきていましたが、今回の選挙を通じて、「サラワク州においては金と力が選挙を支配すると言う伝統的な手法がなんら変わっていない」と言う一様なコメントを出しています。

以下に紹介するのは、そのような中でも、実際に現地入りし、ご自身の目と耳で観察・取材したと言う、ブリジッド・ウエルシュ氏(トルコ・イペック大学政治学教授他)の記事です。

記事はニュー・マンデラ(New Mandera)と言うオーストラリア国立大学系の東南アジア各国情勢に特化したニュースポータルに掲載されたものですが、長年サラワク州の選挙を見て来たと言う氏の観察と分析は十分信頼に足る情報であり、反論の余地のない権威あるものと感じましたので、その一部を要訳して紹介してみたいと思います。



It’s raining money in Sarawak
金の雨が降るサラワク

BY BRIDGET WELSH, GUEST CONTRIBUTOR – 6 MAY 2016
ブリジッド・ウエルシュ(客員寄稿者) 2016年5月6日

POSTED IN: MALAYSIA
マレーシアにて寄稿

From projects and vote-buying to patronage and betting, money politics in Sarawak is raining everywhere. But, as Bridget Welsh reports, there is little concern for the long-term damages as candidates and voters seek to cash in.
(国家)プロジェクト(の約束)及び(現金等による)票買いから(個人や組織への)後援・支援(贔屓の約束)や選挙賭博まで、サラワクでの金権政治は、いたる所で金の雨が降っている。しかし、ブリジット・ウェルシュがリポートするように、候補も有権者も金儲けに執着していて、長い眼で見た社会損害(自由で民主的な政治社会への損害)にはほとんど関心がない。

More than any other state in Malaysia, Sarawak’s elections have been seen to be determined by money. Vote buying and patronage are deeply intertwined in the state’s political fabric, as many voters look at the election period as one of festivity and entertainment.
マレーシアの他のどの州よりもより、サラワク州の選挙は金で(勝敗の)すべてが決まる。 多くの有権者は選挙をお祭りか娯楽のひとつとしか見ておらず、票買いと贔屓(の約束)は州における政治構造の中で深く絡み合っている

Booze is purchased, and bounty is shared. Projects are announced, and even more ‘development’ promises are made in arguably one of Malaysia’s most neglected states.
酒(サラワク産ライスワインなど?)が買われ、補助金や義援金が分配され、(国家)プロジェクトが発表される。そして、さらに多くの"発展"の約束がおそらくマレーシアで最も軽視されてきた州の1つ(註:サラワク州のこと)でなされている。

The 2016 campaign is similarly being affected by the use of resources and highlights how uneven the playing field is in this election. Given the seriousness of the 1MDB scandal and the use of these tainted funds in Malaysia’s 2013 election, understanding the role money plays in determining the electoral outcomes is more important than ever. Money politics in Sarawak is not only intense; it is expensive. There is no question that the ruling coalition Barisan Nasional (BN) is using its control and access to resources to assure a victory in this Borneo state.
2016年の選挙運動は(これまでと)同じように、資源(金や物資など)が牛耳る選挙運動であり、これがこの選挙がいかに不公平かを際立たせている。1MDBスキャンダルの重大さや2013年の総選挙における不正資金の使用を考えた時、選挙結果を決定する金の役割を理解することはこれまでになく重要だ。サラワクの金権政治は激しいだけでなくとてつもなく金がかかる。与党連合(BN)はこのボルネオ島サラワク州での勝利のために、この金を自在にコントロールしているのだ。

Less autonomy, more dependence and projects
自治権の縮小、(連邦政府に対する)より多くの依存と(国家)プロジェクト(の呼び込み)

One important development in the 2016 Sarawak campaign is the dominance of money from the federal government. The retirement of former Chief Minister Abdul Taib Mahmud has reduced the amount of Sarawak-based political resources able to fund the election. Current Chief Minister Adenan Satem is relying heavily on federal funds for assistance, and this accounts in part for why he has allowed Prime Minister Najib Razak, under a scandal clad cloud, to play such a prominent role in the campaign. Money talks, especially in the ‘cash is king’ Najib government.
2016年のサラワク選挙運動における1つの重要な進展は、連邦政府から得た金による支配だ。前タイブ州首相の引退は選挙に使うことが出来るサラワク州の資源(予算)を制限した。なので現アデナン州首相はその分を連邦政府の資金援助にどっぷり依存しているのだ。このことが、スキャンダルに塗れたナジブ首相に今回選挙運動の重要な役割を任せている理由であり、特にナジブ政権は"現金は王様"と言うほど金がすべての政権なのだ。

Funding from the federal government takes multiple forms. Promised ‘development projects’ are the most common. Deputy Prime Minister Zahid Hamidi announced this week that federal funds promised to Sarawak reached RM20 billion (US$5 billion) of which RM16 billion is part of a multi-year project to construct the Pan-Borneo highway. These allocations come from a variety of ministries, with education, defense and rural development among the most prominent, and are often part of the 11th Malaysia Plan announced last year.
連邦政府からの資金援助はさまざまな形で行われる。選挙期間中の"(国家)開発プロジェクトの約束"は最も一般的だ。ザヒドi副首相は、サラワク州に約束した連邦政府の開発資金は既にRM200億(50億米ドル)に達し、その中のRM160億は何年にも及ぶパン・ボルネオハイウェイ建設国家プロジェクトだ。これらの予算配分は連邦政府のさまざまな省で行われ、教育・防衛・地方開発の各省が重要どころを担う。これは昨年発表された第11次マレーシア計画の一部でもある。

The use of development to sway Sarawak voters is not new, as it has been a long-standing practice. Voters regularly face the stark choice of losing road access, funds for housing and a potential new hospital if they vote against the incumbent government. Unlike the peninsula, Sarawak continues to lack basic infrastructure and services, especially in rural areas.
サラワクの有権者の心を揺さぶる(国家)開発プロジェクトの約束(の選挙戦術)はなにも今始まったことではなく、長年に渡り行われてきたことだ。有権者が現州政府(与党連合)への反対投票を行うなら、道路も、住宅も、新しい病院もなにもできない。半島(西マレーシア)とは異なり、サラワク州は特に農村部において基本的な生活基盤やサービスが不足し続けているのだ。

Project announcements are explicitly tied to political support, almost always featuring local BN politicians and a federal minister as the announcer. Najib has been the most prominent ‘gift giver’. This campaign the amount of money promised has reached new heights. Excluding the highway, voters in Sarawak are looking at an average per voter project allocation of nearly RM5000 (US$1250).
(国家)プロジェクトの発表は有権者の政治的支持(与党支持)にはっきり結びつくので、その発表は地元与党連合(BN)の政治家と連邦政府の大臣が共同で行う。ナジブ首相は最も重要なプレゼンター(ギフト提供者)であった。今回選挙期間中に約束された資金援助は過去最高額に達し、これは、ハイウェイの建設費用を除き、有権者一人当たり平均でRM5000(1250米ドル)の分配を受けたことと同じだ。

The politicisation of development projects takes two forms. They are strategically applied to areas where races are competitive. Consider for example the promised new bridge in Kampong Long Lama in Telung Usan (RM70 million) or the repairs to long houses in Limbang (RM50 million). The closer the contest, the more the promises and visits to hand out largesse.
開発プロジェクトの政治化は2つの形をとる。彼ら(与党連合側)は、選挙戦が厳しい地域に戦略的にこれを適用する。例えば、テルン・ウサン地区のロング・ラマ村には新しい橋の建設(RM7000万)を約束したり、リンバンではロングハウス(伝統長屋)の補修プロジェクト(RM5000万)を約束したりした。選挙戦が接戦であればあるほど頻繁に訪れ多額の資金援助を約束するのだ。

These political allocations also target specific communities. Najib promised the 341,000 RELA (People’s Volunteer Corps) members of Sarawak RM20 million for new uniforms. This is almost a third of the electorate, in a group that is seen to be closely aligned with the government. Similarly, there are promises to military and government personnel, with announcements of a new headquarters (RM 20 million) in Lanang and RKAT homes in Miri (RM94 million). Security personnel in Sarawak make up 25,022 0f the electorate, as early voters in many competitive contests, such as Dudong in Sibu.
これらの政治的な資金分配はまた、特定の組織・団体をターゲットにしても行われる。ナジブ首相はサラワク州RELA(国民義勇軍=予備役のような組織)の34万1000名のメンバーに新しい制服(RM2000万)を約束したが、このRELAは実にサラワク全体の有権者の3分の1に当たり、現政府と密接な関係を維持している。同様に、軍人と政府職員に対してはラナンに新庁舎建設(RM2000万)を約束したり、ミリにRKATホーム(軍人住宅)の建設(RM9400万)を約束した。サラワク州の軍や警察などの保安要員は有権者中25,022名で、シブのドドンなど多くの接戦地域において期日前投票が行われた。

Another key element of the targeting of voters involves strategic allocations to schools, churches, mosques and long houses. The state government has matched many of the religious donations that now reach over an estimated RM50 million, including promises to 110 churches in competitive Ba’kelalan. In return, posters and flags are often on display, with a striking number of churches in this election flying BN colors.
有権者を対象とするもう一つの鍵となる要素は、学校、教会、モスク及びロングハウス(伝統長屋)に対する戦略的な資金配分だ。州政府は、現在RM5000万に達した宗教的寄付金をもって接戦地域のひとつであるBa’kelalanに110の教会を約束した。その見返りとして、選挙期間中、数多くの教会には与党連合(BN)のポスターが貼られ、BNの旗が舞っているのだ。

アデナン州首相の写真と与党連合(BN)の旗が舞う市内

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Costly vote-buying and constituency engagement
高くつく票買いと選挙区における約束

Money politics in Sarawak extends directly to individual voters beyond promises and projects. Voters are also given money and other favors directly. The amount of money involved here is estimated to reach well over RM1 billion. As in GE 2013, the Sarawak polls has featured regular ‘free’ dinners. These are not under the 1MDB label as occurred in West Malaysia, but are clearly organised by BN officials wearing their signature navy blue.
サラワク州における金権政治は、開発プロジェクトや資金分配の約束の他、直接個々の有権者にまで及んでいる。有権者は現金やその他のもてなしを受けるが、このための資金はゆうにRM10億を超えている。2013年の国政選挙の時と同じく、サラワク州では選挙期間中、無料で食事が提供される。サラワク州においては西マレーシアとは異なり、1MDBスキャンダルの影響下にはなくネイビーブルーのおそろいのシャツを着たBNのスタッフによって明確に組織されているのだ。

Thousands are given a free meal, and prizes are raffled off as voters are encouraged to support the incumbent coalition. Many leave with a door prize of RM1000 or even higher. To put these funds in perspective, the Najib government has announced a new monthly minimum wage of RM920 during the Sarawak campaign. Amounts given are more than some monthly wages, and there is more expected on the final day of polling.
一度に何千もの人々が無料で食事を提供されるほか、現職候補への支持を取り付けるための賞品くじもある。食事会場入り口で配られたくじに当選した多くの人々はRM1000かそれ以上の賞品をもらうのだ。また、ナジブ政権はこれに呼応して、サラワク選挙期間中の最低賃金を月RM920にすると発表した。これまでに与党連合(BN)を支持する有権者に与えられた様々な金品の総額は、人々の一ヶ月分の収入を上回るものだが、投票日当日にはさらなる金品が期待されている。


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Betting is back
選挙賭博の復活

The final dimension of money politics involves a different empowerment of local business, a resurgence of the local underworld. Funds are being reportedly used through betting to sway votes in some close urban contests. This system works by a financial backing of the odds that creates a situation where the person wins money if the results are in the favour of the financial backer’s choice of candidate.
金権政治の最終的な広がりは異なるローカルビジネスへの権限付与、つまり地元闇社会(犯罪社会)の復活にまで及んでいる。伝えられるところでは、都市部の接戦地域にあっては票を得るために選挙資金が賭博を通じて使われている。このシステムは賭け率への財政支援によって機能する。つまり資金提供者が選択する高いオッズの候補者が当選した場合には、その候補者に賭けた有権者に対してオッズに応じた賭け金が支払われるのだ。

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What is also clearly affecting the campaign is where some of the candidates are using their own money. The number of millionaires running is much higher than in West Malaysia. In some cases, as appears in the seat of Repok, the candidate is splashing funds in an unprecedented manner. Some of the wealthy candidates appear to have links to the underworld and are seen as local ‘gangster’ figures. Voters are questioning ties to the underworld and sources of funding.
選挙運動に明らかに影響を及ぼしていることは、候補者の何人かがどこで彼ら自身の金を使っているのかということだ。百万長者の数は西マレーシアよりも東マレーシアが遥かに多い。中には、レポック選挙区の議席争いに見られるように、候補者が前例のない方法で金をばら撒いている。富裕な候補者の中には闇社会との関係があるかに見える候補者もいて、ローカルのギャングスターと見られている。有権者はこれらの候補者の闇社会との関係や選挙資金の出所に疑念を抱いている。

From projects and vote-buying to patronage and betting, money politics in Sarawak is raining everywhere. In fact, in some constituencies, there are floods of funds. The amount collectively spent to woo the 1,138,650 voters has exceeded that of any state election in Malaysia. Easily one can estimate that the funds in this Sarawak election for slightly over one million voters are reaching at least at third of what was spent in GE 2013 for slightly over 13 million voters.
(国家)プロジェクトの約束と票買いから後援・支援の約束(贔屓の約束)や選挙賭博まで、サラワク州においてはいたるところで金権政治の雨が降っているが、実際、いくつかの選挙区では資金が氾濫している。サラワクの1,138,650人の有権者の票を得るために費やされた選挙資金は、マレーシアのどの州の選挙をも上回っている。百万を僅かに越えるだけの有権者人口のサラワク州選挙が、1300万有権者人口による第13回国政選挙に費やされた選挙資金の約3分の1に達しているのだ。

The massive injection of federal funding, including both projects and patronage, combined with mysterious election slush funds and splash local spending reinforces the view that this election is being bought. The Najib government appears to be willing to spend this amount to assure its political survival. The impact of Najib’s ever-increasing electoral spending only makes the electoral system more uneven and creates serious distortions in the priorities for development and well-being of Malaysians, including Sarawakians.
連邦資金(プロジェクトと後援・支援を含む)の投入と不可解な選挙裏金とが組み合わさり、派手な地元の金遣いがこの選挙が金で買われた選挙だと言う見方を堅固にしている。ナジブ政権は、自身の生き残りのために喜んでこれらの資金を提供しているように見える。ナジブ氏の絶えず増大する選挙費用は、選挙システムをより不公平にし、マレーシア人(サラワク人を含む)の発展と幸福のための優先順位に重大な歪みを作るのみだ。

There is little regard to the damages money politics is causing Malaysia as unlike the rain, it is tied to a Najib reign.
普通の雨降りとは異なり、金権政治の金の雨がマレーシアに及ぼす危害について人々に関心はなく、それはナジブ首相の統治手法に由来している。



うーーーーん、これはとんでもありませんね。ナジブご一行様もサラワクの与党連合のみなさんも、悪辣すぎて声もでません。こりゃとても、選挙と呼べる代物じゃないですね。Bersihの皆さんが選挙制度の改革を叫んでいる理由が痛いほどわかります。

もっともこれは今に始まったことではなく、昔から続いている伝統的手法とのことで、今回の結果も戦う前からおよそ検討がついていたことなのだそうですが、これじゃあ、世界はマレーシアの2020年の先進国入りなぞとても認めるわけにはいきません。

と言うよりマレーシアの恥さらしですよ。5月8日のマレーシア・キニの記事には、今回選挙における摩訶不思議な投票率のことが出ていましたが、それによると、投票日当日、夕方の4時までは毎時、現在投票率の選管発表があり、夕方4時の時点で52%。ところがそれ以降は発表がぱたりと途絶え、深夜になっていきなり70%が発表されたとのこと。4時以降の途中経過は未だに黙して語らずなのだそうですが、これなど票の不正操作があったのではないかと疑われても仕方がないですよね。

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いずれにしても、2大メガスキャンダルに揺れるナジブ首相が、国内最悪の金権選挙にさらなる肩入れを行い、灰色どころか真っ黒な選挙結果をして、これで国民の信を得たも同然とは良く言ったものです。

しかしこのことは、国内外のすべての人たちがじっと見ている。いずれ手厳しい結果になる、と良識ある誰もがそう感じているのです。

ではまた。。


昨年7月のサラワクリポートとWSJの報道以来、この国の政界トップの桁違いの汚職疑惑に興味を持ち、各種メディアの記事を追い始めてから約10ヶ月が経ちますが、元来、政治などにさほどの興味があるでなく、ましてマレーシアと言う良く分かっていない国の政界事情など、私のようなド素人に簡単に解るわけもありません。毎日が不思議不思議の連続です。

今日(5月4日)、マレーシア・サラワク州の州都クチンでナジブ内閣の定例閣議(the weekly cabinet meeting)が行われたそうですが、これなどもなぜサラワク州で閣議なのだろう?と不思議に思いました。

その閣議出席のため、内閣の全閣僚(37名)がサラワク入りしているのだそうですが、南シナ海を挟んで遥か彼方のボルネオ島にナジブ首相以下全大臣が集まっておられる訳ですね。

これって何のためと思います?ご存知かも知れませんが、目下サラワク州は5年に一度の州議会議員選挙戦の真っ只中にあります。今週の土曜日(5月7日)が投票日と言うことで与野党の陣営が激しく選挙運動を繰り広げている最中なのです。

その慌しいサラワク州の州都クチンで閣議だって?これって事情をよく知らない誰もが不思議に思いますよね。でも、言われて見ればなるほどの簡単屁理屈なんです。

昨日のマレーシア・キニの記事タイトルに"Cabinet meeting in Kuching to support S'wak - Zahid"とありましたが、これは早くから現地入りしているザヒド副首相↓が、閣議はサラワク州をサポートするためのものだと記者発表したのだそうです。

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どういうことかと言うと、さらに早い一ヶ月以上前からからサラワク入りし、アデナン州首相を密着応援しているナジブ首相の提案なのだそうですが、アデナン氏の選挙戦を総力を挙げてサポートするため、アデナン氏のビジョン(選挙公約)に対して、連邦政府の全閣僚がコミットメントするのだそうです。

つまり閣議は名目で、実態はサラワク州与党連合への選挙応援なのですね。内閣総動員で州選挙の応援に駆けつけるなんて、日本で言えば、沖縄の県知事選挙応援のために首相以下全大臣が東京から那覇に一斉に飛ぶようなもので、ちょっとどころか大いに違和感ありありですよね。

なんと大袈裟なと思いましたが、これにはやっぱり裏がありました。しかし、我々がこれらのことを理解するには、まずサラワク州の選挙事情のことなどを知る必要がありますが、これについては、森下明子氏(日本学術振興会特別研究員・京都大学)が、「なぜサラワクとサバではBNが「圧勝」したのか(2008年マレーシア総選挙の現地報告と分析)」と題して氏の分析結果を公表しておられます。大変興味深く信頼に足る分析だと思いましたので、参考までにその一節(抜粋)を紹介したいと思います。



今回のマレーシア総選挙において、「大敗」した国民戦線(BN)が獲得した連邦下院議席数は140(総議席数222)であったが、そのうち4割に近い54議席がサラワクとサバの議席であった。サラワクBNは連邦下院31議席中30議席を獲得し、サバBNは25議席中24議席を占めた。

サラワク州の政治は、基本的にクアラルンプールの政治とは連動せず、サラワクBNが連邦下院に連邦BNを支持する議員を多く送り込み続ける限り、クアラルンプールのBN首脳部はサラワクの政治に干渉しないできた。

今回の総選挙におけるサラワクBNの圧勝は、これまでの選挙と同じく、基本的にBN候補による票買いと賭博の利用によってもたらされたといわれる。票買いは特に投票日の2、3日前から頻繁に行われ、村では小額のところで1人10~50リンギット、町では野党の党勢が強いところになると、BNのボランティア・スタッフに登録すると最大で1人1500リンギットが支払われたという。また賭博の利用とは、選挙期間中、町のあちこちで今回の総選挙で誰が当選するかが賭けられ、賭けの元締めと通じたBN政治家が配当金資金提供者となって、BN候補に高いオッズがつけられた。そうすると、賭けに参加した人たちの大半は高いオッズのBN候補に賭け、投票日には、賭けに勝つために、友人や隣近所の人々にもBN候補への投票を促した。BN候補が当選すると、BN候補に賭けた人びとには賭け金が倍になって返ってくる。言ってみれば票買いの変形パターンであり、こうした賭博がサラワクのいたるところで行われたという。

(以上、森下明子氏「2008年マレーシア総選挙の現地報告と分析」から引用)



いや驚きました。票買いと賭博ですって。。こんなことが堂々と行われているんですね。元々、森林資源や海洋資源が豊富なことも相俟ってガチガチの保守地盤なのだそうだから、なにもしなくても与党連合の勝利は揺るぎそうにもないのになぜ?と不思議に思います。

しかしながら、上の分析結果(抜粋)は2008年マレーシア総選挙時のこと。その後の2013年、つまり直近の総選挙をみてみると、BNの連邦下院議席数はトータルで7つ減らして133(総議席数222)、そのうちの47議席がサラワクとサバの議席、サラワクBNは31議席中25議席、サバBNは25議席中22席、と言う結果でしたから、サラワク州は5議席、サバ州では2議席、2008年選挙よりも減っていると言うことは、BNが減じた議席の全部がボルネオ島の議席数と言うことなんですね。

さぁ、そこでナジブ首相の登場なんです。2年後のマレーシア総選挙を控え、最早"まな板の鯉"状態の首相にとって頼りになるのは東マレーシア、つまりサラワク州とサバ州です。西マレーシア(半島マレーシア)の各州は、首相のスキャンダルが津々浦々にまで周知されていることから普通に考えればまことに分が悪い。ところがボルネオ島はKLからは物理的に遠いこともあって、現下の2大メガスキャンダルのことなどあまり話題にはなっていないらしい。

2年後の国政選挙においてナジブ氏が生き残るためには、2008年の総選挙同様の活躍をボルネオの2州に期待しないわけにはいきません。特ににサラワク州は、マレーシアの他州とは異なり、州選挙の実施サイクルが国政選挙と同期していません。つまり独自の周期で州議会選挙を実施しているのですが、それ故、今次サラワクの州議会議員選挙は2年後の国政選挙の前哨戦とも言われています。

ナジブ氏としては、その前哨戦の今回サラワク州選挙においては何が何でも、アデナン州首相率いる与党連合に圧勝いやできれば全勝してもらいたい、そして野党を完膚なきまでぶっ潰してもらいたい。そのことが、2年後の国政選挙におけるボルネオの議席回復を確実にし、ひいては自身の生き残りに繋がる、いわば自身の政治生命を賭けた戦い、と考えているのではないでしょうか。

もちろん首相がこければ大臣もこける、首相以下全大臣の、生き残りを賭けたなりふり構わぬ必死の形相が見えるようですが、それにしてもザヒド副首相の、選挙で与党連合が勝ったら(地域に)学校をプレゼントする、なんて約束は、まるで国民の税金を使って堂々と票買いするようなものではないですか。

もちろん最後には現金ばら撒きによる票買いと賭博なのでしょうが、可愛そうなのは野党の候補です。だって、半島マレーシアから野党のリーダーや、民主活動家たちが応援演説などのためサラワク州に入ろうとしても、大勢の方がイミグレでシャットアウトされ入れないのだそうですから。

なんでこんなことが可能かって?そうなんですよ、ボルネオ島の2州は、中央政府との協定により、パスポートコントロールを含む高度な自治権を有しているため、州政府の独自判断でこんなこともできるのです。

だから、与党の候補は首相以下全大臣の応援付き、しかも各大臣は国税をふんだんに使ってヘリコプターや軽飛行機などで広大なサラワク州の全土を飛び回り与党候補に密着応援ですよ。こうなると野党の候補は最初からハンディを背負っているようなものですが、5月7日の開票結果は彼らの思惑どおりにさて与党の全勝となるのでしょうか。

マレーシア・クロニクル(ブロック中)の記事にありましたが、まったくサラワクの州選挙は世界でも名高い最悪の犯罪選挙運動(Criminal Election Campaign)に他なりません。しかしこうなると、民主的どころか犯罪の巣窟のようなとんでもない選挙であって、民主的で穏健なイスラム国家=マレーシア、と言う私のこれまでの思い込みは180度改めざるを得ませんね。

しかし、それもこれもこの国の富を搾取するひと握りの悪代官たちが元凶なのだと思います。ほとんどの国民は評判どおりに穏健で平和な人たちです。

それを言いことに悪びれもせず堂々と汚職犯罪を重ね知らぬ存ぜぬの一点張り。それに気付き声を上げる一部の政治家や活動家らに対しては法を乱用しまくり、力づくで押さえつける。

まったくこの国の悪代官たちのことを知れば知るほど腹が立ってきますが、それでもやがては日本のように本当に民主的で平和な国に生まれ変われることを期待しつつ、その日が来るのを穏健で平和な大多数の国民と共に待つことにしたいと思います。

今日の最後に、今回サラワク州選挙でどれほどの議席を獲得できるのかどうか、圧倒的に強大な与党連合に健気にも立ち向かうサラワク州最大野党のサラワク民主行動党(Sarawak DAP)の今回選挙キャンペーンソング&ビデオ「ダイヤモンドドリーム」を紹介します。



ではまた。。