一昨日のマレーシア・キニの記事を読みながら正直言って腹が立ちました。周りからは、この国の国民でもなく、税金だってロクに納めていない人間なのだから腹を立てるなんて意味ないよ、と言われるのですが、私としては、正義と不正義が逆転しているようなこの国の今が許せないのです。

だってそうでしょう、これまでの国内外メディアの数多くの記事を素直に読む限り、ほぼすべての信頼できる情報が、世界政界史上類のない巨額汚職と言う国家要人の重大犯罪の存在を明らかに示しているのに、なぜ未だに疑惑が疑惑のままで一向に前に進まないのだろう?

疑惑の中心人物や関係人物が堂々とあり得ない正義を主張し続けていて、このままシラを切り通せば、疑惑が疑惑のままで終わるとでも思っているかの節がありありで、不可解で不可解でしょうがないのです。

それにしても改めて思うことは、日本ではこんなことが決して起こらないし、起こる筈もない。日本と言う国の政治システムや国民意識がいかに成熟しているかの証左です。でもこの国の政治システムや国民意識はまだまだ未成熟、と言うか発展途上です。だからこそ、そうであってはいけないのだと主張し活動を続けている一部の人たちを、この国に住まう外国人の一人として陰ながら応援したいのです。

以下、マレーシア・キニ、2016年4月26日の記事の紹介です。



Najib says Citizens' Declaration to oust him is legally wrong
ナジブ首相、自分を追い落とすための"市民の宣言"は違法、と主張

Malaysiakini
Published 26 Apr 2016, 10:34 pm Updated Today 1:50 am

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Prime Minister Najib Abdul Razak said the petition to oust him, dubbed the 'Citizens' Declaration', is wrong in law.
ナジブ首相は、「自分を追い落とすための市民の宣言と呼ばれる嘆願は、法的に間違っている」と言った。

In his state of the union speech on live television tonight, Najib stressed that Malaysia was a country that has rule of law and said the declaration went against this but avoided specifically mentioning the Citizens' Declaration.
今夜(4月26日)のテレビ生放送の一般教書スピーチで、ナジブ氏は、マレーシアは法治国家であることを強調し、「宣言はこの法律に違反している」と語った。しかし、彼は市民の宣言(の違法行為)に対する具体的な言及は避けた。

"We must remember that this is a sovereign and independent country with rule of law.
「我々は、この国が法の支配による主権・独立国家であることを忘れてはならない」

"Meaning we cannot do as we please by urging the rakyat to act outside the limits of the law and what is enshrined in the federal constitution.
「この意味は、我々は、国民をして法の範囲と連邦憲法の定めを逸脱させようとするような好き勝手なことはできないと言うことだ」

"This includes making certain declarations - supposedly to collect signatures as a referendum for uncertain purposes.
「このこと(許されない好き勝手な行為)は、なにか特定の宣言を行い、目的不明の、恐らく国民投票的な署名集めを行うことも含んでいる」

"Know that all this is wrong in terms of the federal constitution and the country's laws," he said.
「これは連邦憲法とこの国の法律に違反することだと言うことを知りなさい」と彼は述べた。

Najib likened the actions of his opponents to prodding a hornet's nest but said he remained a big hearted person.
ナジブ氏は、こんな彼の反対派の行為を「蜂の巣を突っつくこと(大騒ぎさせるだけのこと)」に例えたが、自分は寛容な人物だから(これを黙って見過ごしているのだ)と語った。

The address today is an annual event for Najib to update on his transformation plan which he initiated after coming to power in 2009.
今夜の(ナジブ氏のテレビ生放送による)声明は、彼が首相就任の2009年以降に開始した(この国の)変革プランについての現状を語る年中行事の中でのことだった。

The Citizens' Declaration was initiated by a group of 45 eminent leaders including former premier Dr Mahathir Mohamad.
市民の宣言は、マハティール元首相を含む著名人45名のグループによって開始された(ナジブ首相の追放)運動である。

The movement is now seeking one million signatures from the public in a bid to pressure the conference of rulers to remove Najib as prime minister.
運動は、ナジブ首相を追放するため、(王族による)統治者会議に圧力をかけようとして、現在市民から100万の署名集めを行っている。

Mahathir had accused Najib of corruption and vowed to unseat him. Najib denied any wrongdoing.
マハティール氏はナジブ氏を横領で訴え、彼を辞任に追い込むと誓っているが、ナジブ氏は全ての不正行為を否定している。

"At this time, there are certain groups that are creating disturbances and chaos, trying to make things unnecessarily difficult and doing everything to test our patience.
「現在、騒動と混乱をもたらしている特定のグループがいて、ものごとを不必要に難しくし、我々の忍耐力を試そうとあらゆることをしている」

"However, at this point I still choose to be magnanimous and lead the government that is also a magnanimous one," he said.
「しかし現時点では、私(ナジブ首相)はまだ寛大であり、これまた寛大な政府をリードしている」と彼は述べた。

Najib stressed that his government will not be distracted by these developments will remained committed towards fulfilling the country's development plans.
ナジブ氏は、「彼の政府は国の開発計画を成し遂げる方向にあり、この開発意思には幾許の揺らぎもない」と強調した。



いやいやいや、なんと言うか、噴飯ものだと思いませんか?「市民の宣言」運動が憲法違反だとか法律違反だなんて、よく言えたものですよね。違法の該当条項もなにも示さず、ただ違法だ、違法だなんて、子供の教育にも悪い。もし、本当にそう思っているなら、ナジブ氏子飼いの法執行機関を使って、100万の国民を逮捕してみたらどうですか。

自分は寛大だから見て見ぬフリをしているのだ、なんて思わず失笑してしまいそうです。いつかの記事で厚顔無恥か、寡廉鮮恥かと例えましたがまさにそのとおりだと今更ながら思います。

・・・なんて腹を立てながら、記事の後ろについている読者コメントを読んでいたのですが、・・・・・・・・うーん、すべてのコメントが私と同じ怒りのコメントですよ。ただのひとつもナジブ氏擁護のコメントはありません。

もちろん、マレーシア・キニの読者コメントですから、そこはある程度割り引かないといけないのかも知れませんが、私は、これがこの国の市民の今の素直な気持ちを代弁していると思いますよ。もちろん民族に関係なくです。(周囲の知人・友人と話しているとそれを如実に感じます) でも、このことがなぜ政権トップに届いていないのか、摩訶不思議と言うほかありませんね。

以下はマレーシアキニの記事に付いた読者コメントです。4月27日、夜7時時点で62のコメントが投稿されていましたが、その一部を最新投稿コメントから抜けなく順にいくつかピックアップしてみました。ご参考までにどうぞ。



comments

Vent
You are either ignorant Najib or dont wish to know of the fate that has befallen many a cruel and corrupt leader. The 'Citizens' Declaration' is a very mild response to all your and shenanigans. In the Phillippines they stormed the presidential palace when they couldnt stand it any more. And in Rumania Ceaușescu and his wife Elena were shot by a firing squad after they tried to flee. And how about Sadam Hussein's ignominious end or how Gaddafi died like a dog on the street? But we Malaysians are a reasonable lot and will spare you the last three scenarios. Just surrender!
あんたは無知なのかそれとも多くの冷酷な汚職リーダーが落ちた運命の事実を知りたくないのか。「市民の宣言」なんて、あんたの・・偽善にしてみれば柔和なもんだ。フィリピンでは我慢に耐えかねた人々が大統領官邸に押し寄せたし、ルーマニアではチャウセスク(大統領)とその妻エレナが逃亡しようとして銃殺された。サダム・フセイン(イラク大統領)の不名誉な最期はどうだ。そしてカダフィ(リビア最高指導者)は路上で犬のように野垂れ死んだのだ。しかし我々マレーシア人はもっともっと合理的だ。せめて最後の3つのシナリオ(ルーマニア、イラク、リビアのシナリオ)は免じてやるから、とっとと降伏しろ!
3 hours ago

Santana
The citizens' declaration will show how much the rakyat love the PM and the FLOM both of you have cause the misery of the life of the ordinary rakyat whilst you are enjoying your ill gotten billions at the expense of the ppl, mahathir knows what is going on in the country and he knows that najib by killing all the institution under his thumb AG,IGP and lately the judiciary so what choice does he has to get rid of najib ?
「市民の宣言」は国民がどれほど首相とFLOM(First Lady of Malaysia=首相夫人)を愛している(皮肉?)かを示すものだよ。あんたたちが、騙し取った数十億もの国民の金で楽しんでいる間、あんたたちが普通の人々にどれだけ悲惨な生活を強いたのか。マハティールは、この国に何が起きているのか、そしてナジブの掌中にある法務(司法)長官や警察長官や最近では司法組織によって調査機関(MACCなどの)が抹殺されているかを知っているのだ。だから、ナジブを引きずり下ろすためにはどんな手段を選択しなければならないのかだ。。
3 hours ago

Pat88
"We must remember that this is a sovereign and independent country with rule of law." Yes indeed.......so you should be behind bars for what you have done so far!!
「我々は、この国が法の支配による主権・独立国家であることを忘れてはならない」 そう、そのとおりだ・・・・だからあんたはこれまでしたことのためにムショ(刑務所)に入らなければならないのだよ。
4 hours ago

Anonymous 1281621434255574
Normal people will step down under this situation but you need a citizen declaration to do it. Even this, we still can't pull you down. Don't talk about legal or illegal. Just wait for election
普通の人ならこの状況では辞めるだろうよ。だけどあんたの場合は「市民の宣言」が必要なのだよ。これでもまだ我々はあんたを辞めさせられないでいる。合法とか非合法なんて言うなよ。黙って選挙を待ってろよ。
5 hours ago

Mamadias
When laws are abused by ruling powers then morality kicks in. So since this country prides itself in morality then its only morally right do the right things. Hope you understand this basic tenets of Islam you bugis warrior..
法が政権力に乱用される時は道義も破られる。この国は道徳的なプライドが高い国だから道徳的に正しいことのみが正しいことなのだ。あなた(ナジブ氏)は、ブギスの戦士(訳者註:ナジブ氏の出自とされている)としてこの基礎的なイスラム教義を理解することを望む。
6 hours ago

Eagle
In any democratic country the PM would have resigned long ago. Only a shameless PM like you would stay and still protest your innocence. You better go and take your Ros Mamma with you.
他のどんな民主主義国家でもとっくの昔に辞めてるよ。あんたみたいな恥知らずの首相だけ居残って無実を主張しているのだ。去った方がいいよ、ロスママ(訳者註:ロスマー首相夫人)を連れてね。
6 hours ago

Anon1
When laws have been abused, when unjust laws are passed, when the government itself is involved in illegal and fraudulent transactions, when law enforcement agencies fail to act, why should it matter that the ousting of a bumbling kleptocrat is via legal means or not?
法律が乱用された時、不当な法律が可決される時、政府自体が違法で詐欺的な行為に関わっている時、法執行機関による執行ができない時、ブンブン言う詐欺的政治家を追い落とすことが合法的かどうかなんてなぜ言うのだ、重要なことではないだろう。
6 hours ago

Cookie Lyons
'Cash is King' zero integrity PM, shameful. Do the country a favor, just GO.
金がすべてだ、なんて清潔さゼロの首相だ、恥ずかしい。ちょっと国からお願いがあるんだけど・・・・ただ去ってくれよ。
6 hours ago

boeyks
Magnanimous from a Ketuanan Its like seeing cows can jump over the moon or the cow had done something wrong Just listen to some of the AGM speeches !!! My foot !!'
最高権威者(ナジブ氏のこと)が寛大なんて、牛が月を越えて跳ぶのを見るようなものだ、または牛がなにか間違いをして年次総会のスピーチを聞くようなものだ。そんなことはあり得ない!
6 hours ago

Pahatian
What the people do is wrong and whatever you do is right. Do I miss out something? Food for thought.
人々がやることは間違っている、そしてあんたがすることは何でも正しい。私はなにか見落としてるかな、判断材料とか。。
7 hours ago



以上、最新コメントから抜けなく10コメントをコピペしてみました。この後にも同種コメントが延々と続くのですが、目下のところ、全てが怒り・否定のコメントのみです。ナジブ氏肯定のコメントはただの1件もありません。マレーシア・キニの編集部で意図的に編集しているのなら別ですが、そうでないなら、まだこの国の国民意識は健全だ、そう思いたいです。

ではまた。。

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Give Up Driving, Take Public Transport And Save Money - Is It Worth The Trouble?
車通勤をあきらめて公共交通機関通勤で金を節約するって?-それって苦労する価値あるの?

これは実は、昨年(2015年)10月下旬にマレーシアンダイジェスト(The Malaysian Digest)と言うオンラインメディアに掲載された記事のタイトルなのですが、記事はKLに勤務するサラリーマンの通勤事情を赤裸々に物語っていて大変興味のある内容でした。

なので、そのうちブログで紹介したいと考えていたのですが、その後、小説の世界のようなマレーシア政界疑獄に嵌ってしまったお陰で、つい延び延びになっていたのです。

ところが先日、この記事を裏打ちする ような話をローカルの知人からたっぷりと聞かされたものだから、俄かにこの記事を思い出して今回のブログの題材となった、まぁそんな訳です。

例によって英文記事の原文を添えますが、今回もかなり大雑把に意訳していますのであらかじめご了承下さい。



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Some of us need to wake up even before the sun rises and take a cold shower just to prepare ourselves to face the dreadful daily traffic jams.
一部の車通勤者たちは、なんとまだ暗いうちに起き、冷たいシャワーを浴びて毎日恐ろしいほどの交通渋滞に立ち向かう準備をしなければならない。

Rather than choosing the obvious solution, taking public transportation like, LRT, Komuter, LRT, just naming a few, most Malaysians would rather be stuck in their own car in the traffic jam than getting too-close-too-comfort with strangers in LRT.
しかしそれでも多くのマレーシア人は、LRTやKTMやMRTと言った公共交通機関による通勤手段を選ばない。電車やバスの車内で見知らぬ人と接触したり近づきすぎる不安よりは、渋滞で車が身動きできなくても自分の車での通勤にこだわるのだ。

But, on 15 October 2015, eighteen highways raised toll rates by a significant amount, and how do Malaysians react to it? With outrage followed by resigned acceptance as most commuters living in the Klang Valley where the most affected hikes are, know they don't have any other option.
でも、2015年10月15日に18本の高速道路料金が大幅値上げとなったことに、人々はどう反応するであろうか?もっとも厳しい値上げとなったクラン・バレー地区(KL及び周辺地区)に住む大部分の通勤者は、怒りとあきらめの中で、彼らには他のいかなる選択肢もないと言うことを知っている。

In fact, 'significant increase' is an understatement because the hikes saw toll rates more than doubling in some cases!
この高速道路料金の「大幅値上げ」と言う文言は、実際にはこれでも控えめな表現だった。なぜなら蓋を開けてみたら中には2倍の料金値上げもあったのだ。

Before the heat of toll hikes had time to cool down, Malaysians are hit with another transportation fee hike, this time involving LRT and Monorail fares.
高速道路料金値上げの話題がまだ静まらぬうち、マレーシア人は、今度はLRTとモノレールの料金値上げ報道を目にした。

Local media reports in early October state that Land Transport Commission (SPAD) chairman, Tan Sri Syed Hamid Albar had announced that SPAD had written to the prime minister about the proposed increase in fares for LRT and Monorail services requested by Prasarana (a wholly government-owned company which runs the LRT and Monorail services in Kuala Lumpur).
The revised fares is expected to be announced before 31 October.

ローカルメディアは10月初旬、陸上輸送委員会(SPAD)のHamid Albar委員長がLRTとモノレールの運営会社(政府全出資会社)の要求により、料金値上げ申請を行ったと報じたのだ。料金改正は10月31日までに公示される予定と言う。

Malaysians are seeing their transportation costs rise even as they are just barely surviving by the end of the month and rather than devising counter measures, the government asks us to cut our spending, or in other words, “ikat perut”.
10月末までにかろうじて生き残ったマレーシア人は、今度は公共交通費の値上げに見舞われる。政府は対策を講じるでもなく、我々に出費を切り詰めろ、つまり「胃袋を小さくしろ」と言うのだ。

While public transportation has never been the first choice for millions of Malaysian commuters, will the drastic toll hike finally force many cash-strapped employees to consider switching to taking the bus and public transits?
これまで何百万人のマレーシアの通勤者の第一の通勤手段ではあり得なかった公共交通機関なのに、高速道路料金の思い切った値上げは金に困った多くの勤め人にバスや公共交通機関の利用を強制するのであろうか?

How much money can they hope to save by switching given that public transport fares are set to rise as well.
All in all, is it still worth all the money that we can save, sacrificing time and comfort by taking public transportation?

今回、公共交通料金も値上げするとなれば、車通勤から電車・バス通勤に変更したからと言ってどのくらいの節約になるのか?大体、車通勤の時間と快適さを犠牲にしてまでも公共交通手段に変更し金を節約する価値はまだあるのであろうか?



My 2-Hour Commute Journey By Public Transport
私の2時間の公共交通機関通勤体験の旅

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In order to really understand what most Malaysians experience when forced to use public transportation, I decided to attempt going to my office, which is located in Sri Hartamas, by taking public transportation; which involved a combination of bus, LRT and Monorail.
毎日の通勤に公共交通機関を利用せざるを得ない場合、大部分のマレーシア人が何を経験するかを理解するため、私はスリ・ハタマスにあるオフィスに、バスとLRTとモノレールを利用して実際に通勤してみることにした。

By the way, I’m staying at Pandan Mewah in Ampang.
My morning began at 5:45am, followed by a quick shower, performing Subuh prayers and grabbing my breakfast , all in less than 40 minutes.

ところで私の住居はアンパン地区のパンダン・メワにある。朝5時45分に起床し、素早くシャワーを浴び夜明けのお祈り(Subuh prayer)の後に朝食を摂るが、この間40分もかからない。

I left my house at 6:25am and took 2-minute-walk to the bus stop. Luckily I don’t have to wait long for the bus to arrive. At 6:32am, the bus set off towards the Cempaka LRT Station (Ampang Line) where I arrived at 6:57am. The bus fare cost me RM0.80.
6時25分に家を出てバス停まで徒歩2分、 幸運にもバスが到着するのを長く待つ必要はなかった。6時32分にバスは出発し、LRTアンパンラインのチェンパカ駅に6時57分に到着した。バス料金は80セン(24円)だった。

While inside the bus, I talked to John who is working in Human Resources at a company near KLCC.
“It’s much easier to take the bus and train to go to my office. I mean if you look outside, you have to face traffic this early in the morning. At least you can take a quick nap inside the bus,” he joked.

バスの中で、KLCC近くの会社に勤めているジョンと会って話した。彼は、"バスと電車通勤の方がずっと簡単だよ。外を見てごらん、こんな朝早くから道路は混んでるんだ。でもこっちは車内で居眠りだって出来るんだぜ"と冗談を言った。

Then I asked him how much it would cost him to commute from home to work, compared to driving your own car where you spend perhaps RM60 a week for petrol.
それから私は、"バス・電車通勤っていくらぐらいかかる?車通勤の場合はガソリン代が多分週にRM60(1800円)ぐらいだろうけどね"と彼に尋ねた。 

“True, but you have to think about the toll and parking fees. Some places have monthly parking fees, but it’s too expensive, would you rather spend like RM170 on parking fees alone or on public transport fares?” he asked.
"そうだね、でも車の場合はそのほかに高速道路料金と駐車料金もかかるよね。場所によっては月極めの駐車場もあるけど凄く高いよ。駐車場代だけで月RM170(5100円)も払える? それともバス・電車代だけにする?"と私に聞いてきた。

“I can drive to work, but I have to pay RM2.50 for toll and spend almost RM20 on parking. I work in human resource and the pay is not much, so you do the math,” he explained further.
"ボクは車通勤もできるけど、毎日高速道路代にRM2.5(75円)、駐車場代にRM20(600円)も払わなくちゃならないんだよ。会社の給料はそんなに高くないし、計算したら分かるよ。"とジョンは私に詳しく説明してくれた。

At 6:58am the train arrived and I spent around 15 minutes squeezed shoulder-to-shoulder with strangers until I arrive at the Hang Tuah LRT station where I have to walk towards the next connection and at 7:19am managed to get on the Hang Tuah Monorail in order to proceed to the KL Sentral station. The fare was RM3.50
6時58分に電車が到着し、私は見知らぬ人と肩と肩を寄せ合いながら次の乗換駅のハング・トゥアまでのおよそ15分間を過ごした。ハング・トゥア駅ではモノレールに乗り換えるためにちょっと歩かなければならなかったが、7時19分発、KLセントラル行きのモノレールになんとか乗ることができた。電車賃は全部でRM3.50(105円)だった。

I reached KL Sentral station at 7:28am and I have to proceed to exit the NU Sentral building. Since I have never taken the bus before, I had a hard time looking for the place to wait for the bus. Finally at 7:41am I located the bus stop and waited for the U83 bus that will take me to Plaza Damas Shopping Centre.
モノレールは7時28分にKLセントラル駅に到着し、私はヌー・セントラルビルの外に出た。これまで私はここでバスに乗ったことがなかったので、バス停を探すのが大変だったけど、なんとか7時41分にはプラザ・ダマスショッピングセンター行きのバス停を見つけてU83番のバスを待った。

Unlike waiting for the LRT and Monorail, waiting for the bus to arrive was excruciating. There was no roof or seats, and its was an uncomfortable wait together with the long queue of people standing in line.
LRTやモノレールとは異なり、バスが到着するのを待つことは耐えがたいものだった。バス停には屋根もなく座る場所もない。私は人々の長い列の中で不快な気持ちで立って待っていた。

While waiting, I chatted with another commuter who was on her way to Publika.
“I work as a retail assistant at one of the shops in Publika and I rather take the public transport than drive because I have to spend more for toll and parking,” Suraya told me.

バスを待っている間、パプリカショッピングセンターに行く途中だと言う通勤者と話した。パプリカの中のお店のセールスアシスタントとして働いていると言う彼女スラヤは、"高速道路や駐車場にたくさんのお金がかかるので、私は電車とバスを利用してるの"と話してくれた。

I also asked her if she ever feel uncomfortable when riding the train or the bus. “Of course I have. So far thank goodness I have never been harassed but squeezing with other guys is not comfortable at all. But I have to endure it because I want to save money from paying toll everyday,” she asserted.
私はまた、電車やバスは不快に感じないかと彼女に尋ねたが、彼女は"もちろん不快だけど、有難いことにこれまでセクハラを受けたことはない。しかし見知らぬ男の人と一緒にぎゅうぎゅう詰めになるのはもちろん不快なこと。 でも耐えなければならない。なぜなら、毎日の高速道路代などを節約してお金を貯めたいから"と彼女は主張した。

Finally at 7:50am the U83 bus arrived and it took me another 33 minutes to reach the office.
7時50分にようやくU83バスが到着し、そして私はオフィス到着までさらに33分を要した。

There you have it; I spent almost 2 hours to reach my office and forked out RM5.80 and going back home was pretty much the same so in total I spent RM11.60 on public transport fares for a day so a month average out to RM255.20 (RM11.60 x 22-working days).
そんなわけで、私はオフィスへの到着にほぼ2時間をかけて、RM5.80(174円)を出費した。そして帰宅にも同じだけかかるわけだから、合計で一日RM11.60(348円)の公共交通機関通勤費となり月にすれば、RM255.20(RM11.60×22稼働日)(=7656円/月)となる。

When I reached the office, my officemate asked me, was it worth the journey? My answer was a big fat NO!
オフィスに着いた時、同僚が"旅する価値はあったかい?"と聞いてきたが、私の答えは"トンデモナイ!"だった。

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Public Transport vs Private Car Commute
公共交通機関通勤 vs 自家用車通勤

We could ditch our car or motorbike if we have a proper developed public transport system like in other countries like Germany or Japan.
わが国にもドイツや日本のように良好に整備された公共交通機関があるならば、我々は車またはモーターバイクをどぶに捨てることができる。

Like I said before, taking the LRT or Monorail was easier than getting a bus but the connection between where the public transit stops and where we want to arrive at is sorely lacking as bus frequencies are low and inconsistent.
私が前に述べたように、LRTまたはモノレールに乗ることはバスに乗るよりも簡単だ。しかし各公共交通機関の接続が極めて悪い。これは特にバスの運行頻度が少なくかつ安定的でなく当てにならないためだ。

Like I have described in detail about my one day public commuting experience, it seemed that driving your own car is much better than switching from bus to LRT to Monorail then to bus again. Who in their right mind would choose public transport if they have their own car?
私のある日の公共交通機関利用による通勤体験で詳しく述べたように、バスからLRTに、LRTからモノレールに、そして再びバスに乗り換えなければならない公共交通機関通勤よりは自家用車通勤の方がずっと良いように思える。自家用車を持つ人間で、まともな神経の持ち主ならば誰が公共交通機関を選ぶであろうか?

For that, I asked my colleague who drives to the office daily.
そのため、私は毎日自家用車通勤をしている同僚に尋ねた。

He spends about RM50 per week for his petrol hence on average he would spend RM200 on petrol per month. He usually takes the Loke Yew Toll which cost him RM2 per trip.
彼は週にRM50(1500円)をガソリン代に使う。月にすると平均RM200(6000円)だ。それに通常、ローク・ヨー料金所を通るので1回につきRM2かかる。

Once reaching the office, he has to pay RM10 for parking from 8am until 5pm. He also mentions that he would usually spend 1 hour and 30 minutes commuting from and to work. That of course depending how heavy the traffic is on a particular day.
Working on basic calculation, so his expenditure would be RM200 (petrol) + RM88 (toll – RM4 x 22 days) + RM220 (parking-RM10 x 22 days) = RM508.

オフィスに到着したら、8時から5時までの駐車代としてRM10(300円)払わなければならない。車通勤に要する時間は1時間半だが、もちろんそれは道路の混雑状況によって異なる。毎月の通勤費用をざっと計算してみると、ガソリン代がRM200(6000円)、高速道路料金がRM88=2640円(RM4×22稼働日)、駐車場代はRM220=6600円(RM10×22稼働日)、合計でRM508(15,240円)となる。

“But I can leave the house at a reasonable hour and I feel comfortable in my car seat,” he said.
“You can’t help but feel stressed because of the traffic jams, but you can choose to ignore them. For me, I’d turn the radio up and have a solo concert in my car,” he suggested.

しかし車通勤ならそこそこゆっくりの時間に家を出ることができ、車の中は実に快適だ。確かに交通渋滞はストレスだろうけど、カーラジオの音を大きくし、車の中の一人だけのコンサートでそれを無視することができるのだ、と彼は語った。

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So here is the bottom line comparing public transport to private car commute.
公共交通機関通勤と自家用車通勤の比較の要点は次のとおり。

If I decided to take public transport, I have to spend RM255.20 and I have to get used to being like a can of sardines and use 4 hours to commute back and forth between home and workplace or I spend RM508, and only spend less than 3 hours on the road, completely comfortable in my own car.
公共交通機関通勤を選択する場合、費用は月にRM255.20(7,656円)で済むが、イワシ缶のようなぎゅうぎゅう詰めに慣れなければならず、往復4時間も使わなければならない。自家用車通勤はRM508(15,240円)かかるが3時間未満の通勤時間だし、自家用車の中は完全に快適だ。

With that being said, it is up to you which mode of transportation that you want to use, save some cash but you have to sacrifice quite a lot of time and comfort, or save a little bit of time but you have to fork out almost double the amount in cash.
If given the choice, would you conclude like I did that its really not worth it to brave the long hours, discomfort and inconvenience just to save a few hundred ringgit a month? Of course, if you add up the amount spent for a year, it would still come to over RM3,000. For the less fortunate and lower income groups, that is still a lot of money which could be put to better use.

と言うわけで、いずれの交通手段を選択するかは本人次第だが、僅かの金を節約するために多くの時間と快適さを犠牲にするか、あるいは少々の時間を節約するために約2倍の通勤費を払うかのどちらかだ。選択できるならば、あなたは私と同じような結論、つまり月数百リンギットの金を節約するために長時間の通勤や不快や不便に果敢に立ち向かうなんて意味がないとの結論に達するであろうか?もちろん年間の節約費用はRM3000(90,000円)にもなるわけだから、不幸な人々や低所得層にしてみれば、大きな金額ではあるのだが・・・

Is The Money Saved Worth The Sacrifice In Time And Comfort?
時間と快適さを犠牲にする節約は価値があるか?

The World Bank’s 12th Malaysia Economic Monitor: Transforming Urban Transport report published in June 2015 finds that Greater Kuala Lumpur residents spend a crazy 250 million hours a year stuck in traffic and travel 29 km/h slower on average during morning peak hours, costing 1.1-2.2% of the gross domestic product (GDP) in 2014, or a dizzying RM12.7-24.7 billion in losses (including delay costs, fuel wasted and economic cost of emissions), as well as a reduction in subjective well-being.
世界銀行の第12次マレーシア経済モニターは、 2015年6月に発行した都市交通の変遷報告の中で、グレーター・クアラルンプール(KL首都圏)の住民が1年のうち交通渋滞に巻き込まれて過ごした時間は2億5000万時間、朝の交通ピーク時間における(車の)走行速度は平均で(常態よりも)29km/hも遅く、それは2014年の国内総生産(GDP)の1.1-2.2%またはRM127-247億の損失(遅延損失、燃料経費及び二酸化炭素放出対策経費など)であり、主観的幸福度を減少させていると指摘している。

The report highlights that nearly 75% of Malaysians live in cities, have a high reliance on cars (estimated two cars per resident in KL) combined with inadequate public transport has led to congestion and low public transport usage (only 17%, compared to Singapore’s 62% and Hong Kong’s 89%).
報告は、マレーシア人のほぼ75%が都市圏に住んでいることを明らかにした上で、KLでは公共交通網の整備が不適切なため、住民は一家に2台所有する自家用車に高く依存せざるを得ず、これが道路の交通混雑と僅か17%(シンガポールは62%、香港は89%)と言う低い公共交通機関利用率を招いていると指摘している。

Is anyone at all surprised by these findings?
これらの調査結果にいったい誰が驚くか(否誰も驚かない)?

Both Singapore and Hong Kong already have a developed MRT system and plenty of stations located near to every single major housing development and more importantly the connections are seamless, making it so convenient to take the public transport instead of driving.
シンガポールと香港はいずれも先進のMRTシステムを導入しており、数多くのMRTの駅がすべての主要な住宅団地に隣接している。さらに大切なことはMRT各線の乗り換え接続が際めてスムーズなことだが、これらが車運転よりも公共交通機関に乗ることを極めて便利にしている。

Having put the public transport system in place, these two governments also ensure that the costs associated with driving private cars is way too high to ensure that their cities are not congested with private vehicles.
公共交通システムの導入にあたり、これら2都市(シンガポールと香港)の政府は、住民が自家用車に乗る場合のコストを(政策的に)高く設定したため、結果として自家用車による道路混雑は余り起きていないのだ。

For example, the prohibitively expensive costs of parking in Hong Kong and the high cost of car ownership and tax imposed on driving into the city centre in Singapore serve as effective deterrents to private commute.
例えば、香港における法外に高い駐車料金や、シンガポールでは、自家用車の高い所有経費や都心へ乗り入れに対する課税などが、自家用車通勤に対する効果的な抑止力として作用しているのだ。

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↑先進国とは、貧しい者でも車を持てる国ではなく、裕福な者が公共交通を利用する国のことだ。(ガスタホ・ペトロ、ボゴタ市長)

When the MRT Malaysia is completed, perhaps the government could make that gentle nudge in the form of increased parking costs and central business district taxes to discourage Malaysians from driving to work...but ONLY when the public transport system is up to par.
マレーシア版MRT(現在建設中)が完成するとき、政府は、自家用車通勤を抑制するための方策として、駐車料金を密かに高く設定したり、市内中心商業地区における乗り入れ税などをそっと導入したりすることができるかも知れないが、しかしそれは公共交通システムが標準のレベルになっていればこそのことだ。

We occasionally hear of our elected lawmakers and government leaders trying out public transportation, but maybe they should make it a habit and get down to the ordinary rakyat's level on a more regular basis in using public commute.
我々は時折、議員の先生方や政府首脳の方々が公共交通に試乗したことを耳にする。しかしそれ(公共交通機関通勤)は習慣づけられなければならないし、国民一般が通常の通勤手段として公共交通機関を使えるレベルにしないといけない。

They seriously need to personally experience using public transportation rather than depending on data on a piece of paper to get the REAL picture and the reason why Malaysians prefer to stick to using their cars if they have a choice.
彼ら(議員や政府首脳)が、マレーシア人はなぜ、公共交通利用の選択肢があったとしても、自家用車通勤にこだわるかの実際の理由を、紙の報告書に頼るのではなく、個人的に公共交通を経験して知ることは真に必要なことだ。



以上、マレーシア、と言うよりここKLの通勤事情についての興味ある記事を紹介しました。冒頭に説明したように記事は昨年10月に掲載されたものですので、費用計算の元になるデータがやや古い(特に電車・バスの料金がこの半年でかなり値上がりしています)ことは否めませんが、通勤事情の全体図に変化はありません。

一見高度に発達した都市交通システムのように見えるのですが、私自身、3年半生活してみて、東京などと比較すると不便極まりなく、逐一の不便は枚挙に暇がありません。

どこに行くにも、なにをするにも効率的でない。つまり無駄があると言うことなのですが、なるほどこの辺りのことが先進国とそうでない国の差異なのかといまさらながら気付かされています。

それではまた。

前回記事で書いたPACの1MDB報告書の議会提示のことですが、案の定、BN(与党連合)サイド、とりわけUMNO及び政府部内からはまるで鬼の首でも獲ったかのような戦勝ムードのステートメントのオンパレードです。

「これで非民主的な政権転覆を狙う反対派の主張が誤りだと証明された」とか「不毛な議論は止めて国家国民のため前を向いて進むときだ」とか、さらには「ナジブ首相はこれまでよく耐えてくれた」などと言うとんでもない活字が主流メディア上に踊っているものだから、私なぞは益々憤慨して、お陰で正常に戻っていた血圧が再上昇しそうです。

やはり、政府の厳しい検閲下ある主流メディアはこんな時はクソの役にも立ちませんね。首相や現政権に対する提灯記事ばかりでこんなの読んだらストレスが溜まるばかりです。(しかし彼らとて生活がかかっているわけですから、お上に目をつけられて廃業に追いやられたらと怖れる気持ちは良く分かります)

マレーシア・インサイダーが先月(2016年3月)廃業に追い込まれてからは、孤軍奮闘の感があるマレーシア・キニとて内心ハラハラドキドキものではないでしょうか。丹念に記事を読んでいると、執筆者さんのそんな、書きたくても書けない忸怩たる思いが伝わってくるような気がします。

ところで、現政権は、自国民に読ませたくない、目に触れさせたくないオンラインメディアをいまだにブロックしているわけですが、前にも書いたように、賢いネットユーザーなら誰でも知っていることですけど、こんなブロックいくらでも突破できるのです。

私の大のお気に入りだったマレーシア・クロニクルにせよ、あるいはマレーシアのホィッスルブローワーとして世界に名を上げたサラワク・リポートにせよ、正面からアクセスするとブロックされてしまいますが、ちょっと迂回することによって簡単にアクセスができるのです。(一番簡単な迂回方法はグーグル翻訳をプロキシサーバーとして利用することだと思いますが、詳しくはこちらをどうぞ。)

なので私はお気に入りのサイトがブロックされた以降もブロックを迂回して、これまでどおり気になる記事をチェックしているのですが、4月10日のサラワク・リポートの記事を読んで久々に溜飲を下げました。

既にアクセスブロックされている同紙ですので、心置きなく何でも書ける状態なのでしょうか、今回のPACリポートに関し、見事な謎解きをしてくれているのです。

今回はそんな「サラワク・リポートが解き明かす1MDBの怪」と題して同紙の記事を紹介してみたいと思いますが、記事はかなりの長文ですので、ところどころ少々端折った意訳(要訳)としていますが悪しからずご了解下さい。



PM's Signature (And Only His Signature) Was On Every Decision Of 1MDB
1MDBのすべての決裁文書に首相の単独署名
Sarawak Report
10 April 2016

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↓ナジブ首相の署名
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All last year Najib and his circle were demanding that Malaysians 'be patient' and wait for the findings of the Auditor General's report into 1MDB to be completed.
昨年一年間、ナジブ首相とその周辺は国民に対し、1MDBの件は会計監査院報告が終了するまで待てと言っていた。

When it was finally completed, twelve months later, they declared it an 'Official Secret'!
会計監査院報告はそれから12ヶ月を経てようやく終了したが、今度はそれを公務秘密(非公開)に指定したと宣言した。

To make their meaning as clear as possible, prominent PKR MP, Rafizi Ramli, was arrested on the steps of Parliament last week for threatening to reveal further information about Tabung Haji payments to 1MDB, which they had also handily classed as an 'Official Secret' ,
野党PKRの著名なラフィジ議員が、先週、公務秘密の暴露容疑で逮捕されたが、そのことはこの意味をより明確にした。(誰も公務秘密を暴露してはならないということ)

Therefore, the Parliamentary Accounts Committee report has presented a highly important remaining insight into the scandal, even though MPs were denied a great deal of crucial information with respect to what they identified as a missing US $ 7 billion (RM28 billion) from the fund. This is the total figure which 1MDB has invested in mysterious foreign companies, for which they have zero financial information provided to either the PAC or the Auditor General (whose report the MPs HAVE been allowed to see, but not publicize).
PAC報告には行方不明の70億米ドル(280億リンギ)に関する決定的な情報はなかったが、スキャンダルを見通す上での重要なことがらを明らかにした。この70億米ドルとは1MDBが得体の知れない外国の会社に投資した金額の総額だったが、1MDBはこの外国会社の財務・会計資料をPACにも会計監査院にも一切提出していない。



The amounts are missing, according to PAC member Tony Pua:
1MDBの行方不明資金の内訳(PACメンバー、トニー・プア議員)

• The sums of US $ 700 million and US $ 330 million, which were misappropriated toGood Star Limited, a company unrelated to the purported 1MDB-Petrosaudi joint venture in 2009 and 2011.
・1MDBとペトロサウジの合弁企業とは無関係のグッドスター社に支払った7億米ドル及び3億3000万米ドル

• US $ 3.51 billion, which was paid to a British Virgin Islands (BVI) incorporated Aabar Investment PJS Limited "Aabar (BVI)" in the form of collaterals, options termination compensation and further unexplained "top-up security" payments despite obvious doubts over who Aabar owns (BVI).
・英国領ヴァージン諸島(BVI)にあるオーナー不詳のアーバー投資ファンドに支払った35億1000万米ドル

• US $ 940 million worth of "units" which was parked at the Swiss branch of Bank BSI Bank in Singapore.
・シンガポールのBSI銀行スイス支店に留め置かれた9億4000万米ドル相当のユニット

• another US $ 1.56 billion of investments by 1MDB's wholly-owned foreign subsidiary, 1MDB Global Investments Limited, which also could not be verified by the Auditor-General.
・1MDBの海外完全子会社の1MDBグローバル投資ファンドによる15億6000万米ドルの投資(会計監査院未確認)



The PAC report detailed how CEO Shahrol Halmi had shockingly defied his Board to go ahead with expensive borrowing and investments such as the Petrosaudi joint venture, which had been specifically vetoed by board resolutions pending further research - all confirmation of the course of the concerns which Sarawak Report has reported extensively over the past year.
PAC報告は、前CEOのシャロル・ハルミ氏がいかにして社の取締役会を無視して、巨額の借入れや投資を行ったかを詳述しているが、それらはこの1年サラワクリポートが報じてきたことだ。

The PAC committee has therefore recommended that Halmi be criminally investigated.Furthermore, it has made another crucial set of recommendations, which require the dismantling of an unusual clause governing 1MDB, namely Section 117 - also the abolition of the company's so-called Advisory Council.
したがってPACは、前CEOのシャロル氏をさらに刑事的に調査することを勧告した他、1MDBの運営管理を定めた異常な117条項の廃止及び同社経営諮問委員会の解散を勧告した。



Section 117
(1MDB会社定款)第117条

The significance of the PAC demand for the removal of the provisions of Section 117 has so far been downplayed, particularly by Najib's supporters, who have suggested that the report totally exonerated Najib and "proved" he had no responsibility for the disastrous decisions of 1MDB. This could not be further from the truth.
これまでのところ、PACの117条項の廃止勧告はナジブ首相の支持者たちによって軽視されている。なぜならPAC報告で首相の疑惑は晴れ、首相に1MDBの最終的な同社の取引決定権はなかったことが証明されたからだと言う。しかしこれはまったくの誤った見方だ。

The clause, according to the evidence of the committee, was introduced into the articles governing 1MDB in September 2009, at the time when it was officially converted from its original title and purpose as the Terengganu Investment Authority and re-named 1MDB.
(会社定款の)117条は、ファンドが2009年9月にテレンガヌ投資庁から公式にその名前が1MDBに変わった時、会社定款に書き加えられた。

Section 117 of the total transferred power over the newly fashioned 1MDB into the hands of the Minister of Finance, who is named as the sole shareholder and signatory of the company. Furthermore, it goes so far as to specifically forbid the normal representation of officials from the Ministry of Finance to sit on the Board of the company, even though it was supposed to be a 100% subsidiary of this department of state.
117条は財務大臣を唯一の株主とし会社の署名者とすることを規定し、1MDBを完全に財務大臣単独の管理・監督下に置くことを規定した。そのため117条は1MDBが政府の完全子会社でありながら財務官僚の同社の取締役会への出向を禁じている。

There could be only one reason for this extraordinary ban against Finance and Treasury officials from participation in the running of 1MDB, and that is that the new Minister in charge (ie the sole shareholder and signatory / the PM himself) wanted to be free of any oversight or interference from departmental experts regarding his decisions over the fund.
この驚くべき条項導入のただひとつの理由は、財務大臣(首相兼務)が単独で行う1MDBの事業意思決定に関し、金融・財務の専門家からのいかなる助言も干渉も排除したかったからなのだ。

This extraordinary provision applies to only one other company controlled by the Ministry of Finance, Sarawak Report has been informed. And that company is none other than SRC International, which is the other scandal hit enterprise, which Najib also set up under the 1MDB and then financed with RM4 billion borrowed from the KWAP pension fund - money that has also been almost totally unaccounted for.
この特異な条項は、もうひとつの財務省完全統制下の会社にも適用されたとの情報をサラワクリポートは入手している。それはSRCインターナショナルと言う名の政府の完全子会社だが、やはりナジブ首相が創設し、KWAP年金ファンドからの借入金40億リンギが行方不明というスキャンダルを抱えている。

Finance Department officials have confirmed that as a result they had no oversight whatsoever over these companies, which were supposedly public concerns controlled by their department, and which had moreover raised billions in loans that were guaranteed by the Malaysian Government, thanks to letters of commitment signed by the Minister of Finance.
財務省当局の官僚たちは、その結果として1MDBとSRCに対する一切の管理・監督を行っていなかったことを認めたが、財務大臣の署名はマレーシア政府の保障を意味し、1MDBの借入金をさらに数十億も増やすこととなった。



Dazzling with 'big names'
目が眩むような大物(ビッグネーム)揃い

In a clear attempt to side-step concerns about these unusual provisions under Section 117, the Prime Minister / Finance Minister set up a third tier of 'governance' for the company, which was supposed to act as a counter-balance to this deliberate lack of oversight.
117条と言う特異な規定に対する周囲の懸念を回避するため、首相兼財務大臣は会社の管理・監督機能の意図的な欠如を補う第3の統治機関を準備した。

This was the so-called Advisory Board of which he was the self-appointed Chairman.
これがナジブ首相が自ら委員長を買って出たいわゆるアドバイザリーボード(経営諮問委員会)である。

The names on this Advisory Board, consisted of a dazzling array of international bigwigs, with the seeming purpose of over-awing potential critics into silence - they were all Najib's best political and business contacts from around the world (France's richest businessman, Berhard Arnhalt; the remarkably wealthy Prime Minister of Qatar; the Head of Mubadala in Abu Dhabi, amongst others).
この1MDBの経営諮問委員会の陣容は、予想される周囲の批判を威圧するため、フランスの最も金持ちビジネスマンとして知られるベルハルト・アムハルト氏、著しく裕福な中東のカタール首相、アブダビのムバダラ開発会社会長他、世界に名だたる、大物がその構成メンバーとして名を連ねているが、彼らはすべてナジブ首相の政治上及びビジネス上の親しい知己であった。

Who would dare to call into question such a star line up of heavy-weights, putting all their guidance and expertise into the management of Malaysia's great investment enterprise? It appears nobody in Malaysia indeed did so. Except, the PAC report confirmed, this committee of luminaries has never once met!
このようなヘビー級のスターメンバーが顔を連ね、その権威ある専門的助言を行う経営諮問委員会に対して誰が口を挟むことができようか。実際、誰もそんなことをしなかったようだ。だが、PAC報告によると、この経営諮問委員会は今までただの一度も会合したことはないのだそうだ。

Only its Chairman, Najib, was therefore in place to give orders, determine investments, sign documents and make decisions. He had clearly set the whole structure up this way, in order to deliberately to sidestep the normal checks and controls of company management, thereby enabling himself to assume total dictatorial control over the way the billions raised by this fund were spent.
よって諮問委員会トップのナジブ氏がただ一人、命令し、投資を決定し、取引書類に署名する立場にあった。彼は明らかに意図的に、会社経営の通常のチェックや管理・監督を忌避して、数十億にも及ぶファンドの資金を完全独裁的に制御するからくりをこのようにして作り上げたのだ。

One wonders why?
人は、なぜ?と疑問に思う。

The consequences of this approach can be very clearly seen, according to the investigations reported by the PAC. Shahrol Halmi, who had been recruited from the accountancy firm Accenture to head up the fund, when it was originally pulled together by Jho Low on behalf of his friend Najib, knew exactly who was the real boss.
PACの調査報告はこのような(ナジブ首相の)アプローチ結果を明らかにしている。ナジブ首相の友人のジョー・ロー氏の仲介で、1MDBのCEO(最高経営責任者)としてアクセンチユア社(世界最大のコンサル会社)からリクルートされたシャロル・ハルミ氏は誰が本当のボスであるかを正確に知っていた。

Indeed, when the original Board representing Terengganu (who had put up its future oil revenues as collateral for lending) protested at reckless and expensive borrowing proposals, Shahrol Halmi just ignored their orders and went ahead without board permission to borrow RM5 billion from AmBank.
実際、テレンガヌ投資庁から引き継いだ本来の取締役会が無鉄砲な高利の借り入れ提案に反対した際、シャロル・ハルミ前CEOはそれを無視し、取締役会の許可なしでAmBankからの50億リンギの借り入れを前に推し進めた。

That cost RM5 billion in Malaysia will have a staggering RM15 billion in total costs by the time it is finally paid back, says the PAC report. And most of that money was Channelled into the company Good Star Limited, which have now confirmed the PAC had nothing whatsoever to do with 1MDB's joint ventures.
返済時には総計150億リンギにもなるという驚異的高利の借入金の50億リンギのほとんどがグッドスターと言う名の会社に投入されたが、そのグッドスター社は1MDBとペトロサウジとの合弁企業体とは何の関係もない会社であったことがPAC報告で確認されている。



Orders from over-ruled Najib 1MDB Board, thanks to Sec 117
117条項によってナジブ首相に覆された1MDB取締役会(の決議)

The PAC reports gave the excuse that Halmi them when questioned about this by a jaw dropping defiance against his own Chief Executive Board. He referred to Section 117, which he explained to the PAC members over-ruled the authority of the Board.
PACのリポートは、この呆れた取締役会の(決議の)無視は前CEOのハルミ氏によるものだとしているが、彼はPACに対して、取締役会の権限は117条によって覆すことが出来るのだと説明している。

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シャロル・ハルミ前CEO

There is only one way to interpret this explanation.
このことの意味はたったひとつしかない。

What was Halmi was therefore saying that under the provisions of this Section 117 he had obeyed the higher authority of the sole shareholder and signatory of the company, who specifically under the clause, must authorize any significant investment or other decision by the company.
前CEOのシャロル・ハルミ氏がPACメンバーに説明したことは、彼は117条項が規定している会社の唯一の株主で会社の署名者である、より高位の権威者に従ったということだ。そして同条項に基づき1MDBのいかなる重要投資やその他の意思決定もその権威者によって承認されなければならないということだ。

It means that although the 1MDB Board had told Halmi to halt the plans to borrow RM5 billion given the ridiculous rates, Najib, the grand new Finance Minister / Prime Minister in charge of the fund, had counter-ended him to take no notice and go ahead anyway. Halmi, in accordance with the rules of the company, had obeyed the boss who had also recruited him, namely Najib.
このことは、1MDBの取締役会が、馬鹿げた高利で50億リンギの借り入れを行うことを止めるようハルミ前CEOに忠告したにもかかわらず、ファンドの新たな権威者即ち首相兼財務大臣が、取締役会を無視して押し進めるようにハルミ氏に指示したと言うことだ。ハルミ氏は、会社定款に従い、彼を採用した彼の真のボス、ナジブ首相に従ったのだ。

There is no other way to interpret Halmi's reference to Section 117 as his reason for defying the board, not just on this occasion but on numerous other occasions with respect to the Petrosaudi joint venture in 2009. For example, he refused to halt the deal until a proper valuation of Petrosaudi was obtained, as had been requested, and he refused to send the money back when Board members discovered USE $ 700 million had been sent to Good Star Limited, which was unrelated to the Joint Venture.
これ以外に、ハルミ氏が自身の取締役会を無視した理由を問われた際、117条項に言及した理由が見当たらない。なにもこの事例に限ったことではない。この他、2009年のペトロサウジとの合弁企業体に関する数多くの件でも同じだ。例えば、彼はペトロサウジ社の適切な評価が得られるまで取引は停止した方が良いと言う忠告を拒否し、グッドスターと言う名の会社に対して既に送金した7億米ドルの返金要求を拒否した。このグッドスター社は、1MDBとペトロサウジの合弁企業体とはなんら関係のない会社であった。

This is all very clearly spelled out in the report by the PAC and so makes a mockery of attempts to claim that it did not hold the Finance Minister cum Prime Minister totally accountable for this fraud, which was launched just weeks after he had stepped into his new position of power in April 2009.
これらのことがPAC報告書に鮮明に詳述されていることは、報告書には首相兼財務大臣の責任に関する言及がないのでナジブ氏には一切の責任はないとする主張を一蹴するものだ。このことは2009年4月に彼が首相の座に着いた数週間後から始まっていたのだ。

Interestingly, Halmi was in fact back-dating the existence of these provisions in the articles of 1MDB at the time he made these excuses to the PAC in 2015, because Section 117 was not added to the company's articles of association until the change-over from its status as the state fund to 1MDB in September of 2009 - just days before the signing of the Petrosaudi deal, but weeks after Halmi had defied his original Board by borrowing all that money!
興味深いのは、前CEOシャロル・ハルミ氏が、昨年(2015年)のPACに対する彼自身の責任に関する釈明の中で、この1MDB会社定款117条の存在を遡って説明していたことだ。なぜなら、2009年9月にテレンガヌ州の投資ファンドが1MDBと言う政府系投資ファンドとして新たにスタートする前までは、すなわち1MDBがペトロサウジ社との取引に署名する数日前まではこの条項は会社定款には存在していなかったが、その数週間後に彼はこの借入金に関する社の取締役会の意思に逆らったからだ。(訳者註:117条がいつ書き加えられたかを知る手がかりか?)

Never mind, it just goes to show the naked truth about the way that 1MDB was conceived and run by Najib and his side-kick Jho Low from the very start. Halmi knew who he was supposed to take his orders from and to hell with the letter of the law - in Malaysia, where the PM had total control such matters could be fixed.
気にしないでいい。それは1MDBがスタート当初からナジブ氏と盟友のジョー・ロー氏に操られていたと言う真実を物語るものだ。前CEOシャロル・ハルミ氏は誰が彼の命令者かを知り、マレーシアの法律など首相がいかようにも操作できるのでクソ喰らえだと思っていたのだ。

According to reports, Halmi is still telling people that Najib is 'unshakable', so he considers himself 'safe'.
PAC報告によると、前CEOのシャロル・ハルミ氏は未だに首相の地位は揺るぎないと周囲に語り、自身も安全と考えているのだ。



Kings and State to State Partnership
国王及び国対国の協力関係

The technique of 'fixing' things by asserting power and grandeur under-pinned the entire strategy of 1MDB. The PAC has analyzed this Jho Low-constructed bluff (already exposed by Sarawak Report).
圧倒的な力と威光によってものごとを決するテクニックは1MDBの全体戦略を一貫していた。PACはこれをジョー・ロー氏が作為したハッタリだと分析したが、この件は既にサラワクリポートが報じたことだ。

In short, 1MDB did not just do investment deals, it engaged with powerful and impressive friendly states in 'government to government' diplomacy (supposedly), making any questioning or criticism of Najib's actions appear - well churlish and unpatriotic!
要するに、1MDBは単なる投資取引をしているのではない、強力で印象的な友好国との(恐らく)政府間外交をしているのだ、だから、ナジブ氏の重要取引決定に対する疑念や非難は、礼儀知らずで非愛国的なことだ、と思わせていたのだ。

Thus the Petrosaudi deal was described to the 1MDB Board as a crucial state to state venture with none other than the Kingdom of Saudi Arabia. Manager Casey Tan even briefed the Board that the Petrosaudi had been set up in 2000 and personally belonged to King Abdullah.
かくして(1MDBと)ペトロサウジ社との取引は、サウジアラビア王国との重要な二国間取引だと1MDBの取締役会に説明されていた。(1MDBの)当時のケーシー・タン上級取締役はペトロサウジ社は2000年に設立されたアブドゥラー国王の個人所有の会社だとまで述べていた。

This was a total lie, just as managers had previously lied that the Abu Dhabi Mubadala fund was investing in Iskandar in May 2009 (which was immediately denied) and later in 2013 lied that Abu Dhabi's Aabar was investing in a 'strategic partnership' in Kuala Lumpur's so-called Tun Razak Exchange (which remains unbuilt).
しかしこれは全くの嘘であった。これはアブダビのムバダラ投資ファンドがイスカンダルプロジェクトに投資を行っていると言う2009年5月の嘘や、アブダビのアーバー社がKLのトゥン・ラザク・エクスチェンジプロジェクト(国際金融ハブプロジェクト:TRX)に戦略的パートナーとして投資していると言う2013年の嘘と同じだ。

Emails obtained by Sarawak Report, sent between 1MDB's lawyers Wong & Partners and Petrosaudi's legal team at the time, make totally clear who the beneficial owners and decision makers were on each side of this deal, since the correct details needed to be given to the banks receiving the money:
サラワクリポートが入手した1MDBとペトロサウジ社の弁護士たちとのやりとりのメールは、誰が資金の受益者(受取人)で誰が送金の意思決定者かを明らかにしている。なぜなら資金受け取り銀行はこれらの正確かつ詳細な情報を必要とするためだ。

The Form A is sent to JP Morgan about beneficial ownership of the Joint Venture presents solid confirmation:
JPモーガン社に送信されたフォームA↓(受益者識別情報登録書)が、合弁企業体双方の受益者(受取人)を明らかにしている。

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No sign of King Adbul - just his seventh son, then a jobless ex-pilot
サウジのアブドル国王の名前はない。代わりに国王の7番目の息子氏(当時無職の元パイロット)の名が記されている。

As PAC member Tony Pua, who has seen the secret Auditor General's Report, has put it:
公務秘密の会計監査委員会報告書を読んだPACメンバーのトニー・プア議員は次のように述べた:

Dato 'Seri Najib Razak's signatures are littered all over 1MDB as he was the ultimate decision maker who signed off resolutions to sack 1MDB's auditors, Ernst & Young and KPMG, to invest US $ 1.83 billion in the failed Petrosaudi joint venture, to borrow US $ 6.5 billion of bonds via Goldman Sachs and to overpay for the RM12.1 billion of power assets.
1MDBの監査業務担当会社(アーンスト・ヤング及びKPMG)との業務契約解除決議を承認するとした1MDBの最高意思決定者のナジブ氏の署名が、1MDB社(の関係書類)のあちらこちらに散乱しているが、このことが結果として1MDBがゴールドマン・サックス社を介して65億米ドルの融資を受けたり、18億3000万米ドルを失敗したペトロサウジ社との合弁事業に投資したり、総額121億米ドルの電力資産(発電所等)の買収に過払いする結果を生んだ。

So, what is this all bluff and bluster about the PAC report letting the Prime Minister off the hook? Because if He had not signed every single transaction of 1MDB, then none of the above could have happened under the rules of the company itself.
それでいて、首相の疑惑は晴れたかのようなPAC報告に関する(プロナジブ派の)はったりとこけおどしは一体なんなのだ?なぜなら、もしも首相が1MDBの各取引を承認していなければ、上記のようなことは会社定款上起こりえなかったのだ。



No foreign bank statements!
海外銀行口座取引明細が添付されてない!

There is a final aspect to the damning evidence of the PAC, which is matched, the report says, by the findings of the Auditor General. This is the persistent refusal of 1MDB to produce any statements or evidence whatsoever to account for the expenditures of those foreign companies and accounts into which so much of 1MDB's public money was placed (ie US $ 7 billion).
PAC報告には(1MDB問題解決の)動かぬ証拠となる最終側面がある。それは会計監査報告ともマッチしている。それは、1MDBが頑として拒否しつづけている海外銀行口座取引明細書などの証拠書類の提出だ。提出を拒否し続けている理由は、(提出すれば)外国企業への支払い明細や70億米ドルなど多くの1MDBの公的資金が送金された口座に関わる情報が明らかとなり、それが動かぬ証拠となるからだ。(訳者註:提出しないことが逆に動かぬ証拠になっていると言うこと)

There can only be one conclusion as to why Arul spent the entire year and pretending he did not understand the following simple question: 'Please show us the bank statements'.
(現CEOの)アルル・カンダ氏が、なぜ1年もの長い間、バンクステートメント(銀行口座取引明細書)を提出せよと言う調査側の簡単な要求の意味が理解できないフリをし続けているのかと言うただひとつの結論に達する。

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アルル・カンダ現CEO

The obvious answer was that he simply does not have them. And the reason he does not have them is that 1MDB's money had been deliberately siphoned out through these companies to third parties entirely - they were nothing to do with 1MDB!
明白な答えは、彼は単純にそのバンクステートメントを持っていないと言うことだ。そしてなぜ持っていないかと言うと、送金した資金が第三者によって意図的に吸い取られたからなのだ。1MDBとはなんの関係もない第三者にだ!

This was the reason why Kanda, in his early days in the job last year was forced to fax a forged copy of a bank statement for Brazen Sky account in Singapore to BSI bank, which was supposedly holding a billion dollars for 1MDB.
これが、なぜカンダ氏が、昨年(2015年)の早い時期に、シンガポールのブレーズン・スカイ社(1MDB子会社)の口座に凡そ10億ドルの残高があるとのでっち上げバンクステートメントをBSI銀行にFAXせざるを得なかったかの理由だ。

Kanda asked the bank if the statement was true and (according to a letter from Singapore investigators obtained and published by Sarawak Report) the bank was forced to reply that the information was wrong. Kanda did not have the correct bank statements!
カンダ氏はステートメントが本物かどうかを銀行に尋ね、そして(サラワク・りポートが入手し公表したシンガポール調査機関からの書簡によると)銀行は情報は誤りだったと答えることを強要されたのだ。したがってカンダ氏の手元には、正しいバンクステートメントはなかったのだ!

Likewise, Good Star Limited, which received US $ 700 million of 1MDB's original billion 'investment', belongs to Jho Low, according to extensive research by Sarawak Report, which Jho Low has never contested.
同様に、サラワクリポートによる広範囲な調査によれば、1MDBの当初の10億米ドル投資のうちの7億米ドルを受領したグッドスター社はジョー・ロー氏がオーナーである。(氏は今までこれに決して反駁していない)

For the first time we reveal the bank transfer note
我々(サラワク・リポート)は初めて↓銀行送金ノートを明らかにする。

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1MDB has no idea what happened to the money sent abroad
1MDBは、海外送金した資金がその後どうなったかは全く知らないのだ。

For this reason the PAC report specifically condemns 1MDB and Shahrol Halmi, who persisted in claiming that belonged to Good Star Limited Petrosaudi, but were never able to produce any documentary evidence that it did.
このためPAC報告は、特に1MDBと、送金された資金はペトロサウジのグッドスター社のものだからと主張し続けている前CEOのシャロル・ハルミ氏を非難している。しかしハルミ氏は自身の主張を証明する証拠書類をなんら提出していない。

Neither could 1MDB produce any evidence that the company Aabar Investments PJS Limited (BVI) was linked to the Aabar's sovereign wealth fund in later 'joint ventures', where than US $ 3.51 billion was paid in return for a for a loan guarantee of just US $ 3.5 billion!
また1MDBは、アーバー投資PJS社(BVI)が後に合弁企業となる政府系投資ファンドのアーバー社とリンクしていると言う証拠書類はなにも提出できなかった。35億米ドルの債務保証として35億1000万米ドルも支払ったのにだ!

What kind of a finance manager was Najib to sign off on a deal like that? What could have possessed him? Could he have ever been allowed to do such a thing if any of his tiresome apparatchiks from the Finance Ministry been looking over his shoulder?
こんな(無茶苦茶な)取引を承認していたナジブ氏は一体どんな会計責任者なのか?なぜ彼が会計責任者なのか?財務省の小うるさい役人が彼の肩越しに監視していたらこんなことが果たして許されていただろうか?

Of course, last week The Wall Street Journal published the information telling that no less than US $ 150 million went from this Aabar Investments PJS (BVI) went straight to the movie production company belonging to Najib's step-son Riza Aziz in Hollywood.
先週ウォール・ストリート・ジャーナルが1億5000万米ドルを下回らない資金がこのアーバー投資PJS社(BVI)から、ハリウッドのナジブ首相の義理の息子氏が所有している映画製作会社に直接送金された、と報じた。

Now this is one thing (at last) that does start to make perfect sense!
これが、今、完全に(ついに)意味をなし始めたことのひとつなのだ!(訳者註:問題解決の糸口が見え始めたと言うこと)

Add to that the remarks of the Swiss head of the Financial Investigation Agency FINMA at the end of last week. He said:
加えて、先週末、スイスの金融調査庁(FINMA)のトップが次のコメントを発表している

"We are not talking here about small fry, but what looks like blatant and massive corruption ... .suspicious cash flows linked to the Malaysian sovereign fund 1MDB. FINMA has carried out investigations into more than 20 banks in connection with these cases, and has opened seven enforcement proceedings ... we are not dealing here with shades of gray. The evidence points to clear cases of corruption. "[ Mark Branson ]
我々はここ(スイスの調査機関)で雑魚(の収賄など)を調査しているのではなく、露骨で大規模な汚職・・・マレーシアの政府系ファンド1MDBにリンクする疑わしい金の流れを捜査している。FINMAは関連する20以上の銀行を捜査して、7件の(犯罪に対する)法執行手続きを開始した。我々はグレーに包まれた取引はしない。(我々の得た)証拠が明確な汚職犯罪を示しているからだ。(マーク・ブランソン)

At which point, who in Malaysia can give a shred of credence to the claims by such fellows asTengku Adnan, Umno secretary-general, that the PAC report has "proved" that the Prime Minister had nothing to do with the decisions at 1MDB or that he has some way been "slandered"?
いつ、そしてマレーシアの誰が、テンク・アドナンUMNO事務局長が主張する「PAC報告は首相が1MDBの決定を行う立場にはなく中傷に過ぎないことを証明した」などと言うことを少しも信用できようか?(訳者註:まったく信用していないと言うこと)

And who can believe pathetic Halmi's sad insistence that nothing wrong or illegal ever happened at 1MDB?
そして、1MDBには間違ったことも違法なことも何も起こっていない、などと言うハルミ前CEOの哀れを誘うような感傷的な主張を誰が信じようか?

Even as Najib's inner circle are now being quoted saying "someone is going to have to go inside for this." No one is likely to be taking bets on that someonei!
今ではナジブ首相の側近でさえ、「いずれ誰かは中に入らなければならないだろうが、その誰かのために賭けに応じる者はいそうにもない!」と語っていると伝えられている。(訳者註:誰かとは誰のことか、中とは何処のことかは未確認)



フゥー、やっと終わりましたが久しぶりの長文でしたね。訳文を書いてるほうの私も疲れましたが、読んでいただいた方も大変お疲れになったことと思います。

特に海外における資金操作や内外の関係会社・銀行・人物などが極めて複雑に絡み合い、何度繰り返し読んでも(当記事だけでなくありとあらゆる関係記事を読んでも)解らないこともあって些か苦労しました。(意訳文などの誤りに気付かれた方は遠慮なくご指摘下さい)

しかし、なんですね、こんなことばかり書いているとどんどん読者が減って、終いには誰も読んでくれる人がいなくなるのかも知れませんね。・・・・・でもいいのです。これに関してはかなりマニアックかなと自分でも思っているのですが、なんせ本ブログのタイトルがひねくれ団塊・・・ですから。(笑)

でも、いよいよ大詰めが近いと思いませんか?なんとしても最終章を見届けたいのに、早くしてくれないと、待ってるうちにこっちが呆けてしまったら元も子もないですモンね。(笑)

ではまた。。

この国の普通の国民同様、私もご他聞に漏れず、昨日一日、この日の来るのを待っていました。なんのことかと言いますと、今や世界的に悪名を馳せるマレーシアの2大メガスキャンダルのひとつ、1MDB問題の調査報告書を、PAC(公共会計委員会)が議会(下院)に提出すると言う約束の日だったのです。

1MDB問題のことについては、最近では日本を含む世界中のメディアでその詳細が連日報道されていますので、最早知らない人はいないのではないか思うのですが、ナジブ首相が就任直後に、国の経済成長を促進する目的で創設した100%政府出資の投資会社(投資ファンド)のことです。

ところが1MDBは、その期待とは裏腹に、約6年間と言う短期間に一兆4000億円もの巨額の借金を抱えたことが昨年判明し、産みの親であるナジブ首相兼財務大臣が同社の経営諮問委員会のトップを務めていることもあって、その乱脈経営振りや使途不明の巨額資金とナジブ首相との関係などに数多くの汚職疑惑が噴出し、爾来、内外の衆目に晒されてきたのです。

しかし振り返ってみれば、首相や多くの大臣が1MDBの問題は12月(昨年の)までには決着が着くと言っていたのに、ここまで遅れたことには誰も何も触れず、問われれば、綿密な調査には時間がかかる、の一点張り。挙句の果てにはこれが権力の乱用でなくて何であろうかと、子供でも分かるあからさまな調査・捜査妨害の数々は今もなお進行中です。

しかし昨日のPAC報告書で、本当に1MDB問題の真実が明らかになるのであれば、この国の民主主義や正義はまだ少し希望が持てる、私はそう思っていました。

ご存知かも知れませんが、PACのメンバーは与党議員だけではありません。委員長以下9名の与党議員、そして残り5名の野党議員で構成されています。中には例のメディアに露出の激しいDAP(民主行動党)のトニー・プア氏もいますし、なので、大いに期待していました。

ところが蓋を開けてみて正直がっかりでした。もちろん106ページに及ぶという調査報告書そのものが読めるわけもなく、私は複数メディアの関連記事をチェックしただけなのですが、その内容には腑に落ちないことが山ほどあるし、ホントにこれが何百時間もかけて調査した結果なのか、と思うほどなのです。

報道によると、この調査結果を受けてナジブ首相がさも勝ち誇ったように、どうだ、やっぱり私の言ったことは本当だっただろう、マハティール氏は明らかに間違いだった、と高らかに声明文を発表したとのことです。

この国にも日本のような議会のテレビ中継があれば全国民がこぞって見るだろうに、そんなものはなぜか一切ないものだから、メディアの報道に頼るしかないのですが、えっ?1MDB問題の調査報告書って、たったこれだけ?と思うぐらいあっけのない記事だけなんです。

それに、なぜ野党議員からの関連質疑に関する記事がないのか不思議です?

下衆の勘ぐりによれば、だから昨日と言う日取り設定だったのかも知れませんね。昨日は4月7日、2016年マレーシア下院通常国会の第1回会期(3/7~4/7)の最終日だったんです。なるほど、報告を最終日にセットしたのは関連質疑をさせないための策略だったのではと思いたくもなります。

なんかいつかもこんなことがあったような気がするけど、もしこれが本当だとするとあまりにも卑怯じゃありませんか。

いやもちろん、報告内容が真実ならば、それはそれで受け容れざるを得ないのですが、こんな内容じゃ山ほどある不思議にはとても答えていないと思うし、それに野党議員からの質疑には一切答えようとしない首相や閣僚たちだから胡散臭くてとても信じたくないんですよ。

PAC報告後の首相の声明文って、これ、きっと紙に書かれた文書をただ報道陣に配っただけですよね。大体これが真実だというなら、首相自らが問題の1MDBの経営諮問委員会のトップなんだから、堂々と記者会見を開いて質疑に応答すれば良いではないですか。

PACREPORT.jpg
(photo by Malaysia kini)

PACの報告内容は、1MDB問題と首相との直接的な関わりはないとして首相の責任にはなんら言及がなく、首相口座に預金された資金は1MDBから支払われたものではないとの従来の主張をダメ押ししたようなものだから、首相側にとってはバラ色の内容。そして1MDBの経営問題の責任は前CEOや現経営陣にあるなどと言うもので、とても鵜呑みにできるものではなさそうです。

早速、元マハティール首相がコメントを出していました。

Dr M: Najib's right, it's actually RM50b not RM42b
マレーシア・キニ(2016.4.7)

↑これどういうことかと言うと、ナジブ首相がその声明文で「マハティール氏の言う420億リンギの使途不明金は完全に間違いだった」と述べたことに対する氏の揶揄です。曰く「ナジブは正しい、(私が言った)420億リンギの使途不明金は間違いで、実際には500億リンギの使途不明金だったのだ。

これなどは、マハティール氏は、PAC報告書にある不明資金の逐一の使いみちはどれも信ずるに足らんと言うことなのでしょう。

そう言えば一昨日の夕方、この1MDB問題に詳しくて野党随一の若手論客として知られる、PKR(人民正義党)事務局長のラフィジ氏が国会議事堂の正面ゲートを出たところで警察に逮捕されましたね。逮捕容疑は、秘に指定された公資料の暴露なのだそうですが、氏は1MDB問題に関し同社現CEOのアルル・カンダ氏とワントゥワンのディベートを挑発していたほどですから、ナジブ派から見れば相手にしたくない人物だったのでしょうね。

しかし、なんでもかんでも逮捕したり、ブロックしたりして口封じをして、それでいていけしゃあしゃあと、権力の乱用など絶対していない、表現の自由や民主主義は守るなどと公言しているわけですから、まぁなんと言うか、げに恐ろしきは金や地位に目が眩んだ人たちと、それを許している稚拙なマレーシア社会ですね。



先日、またWSJが情報を小出ししてましたね。例の映画、The Wolf of Wall Streetですけど、あの制作費用はやっぱり1MDBなのだそうです。資金の流れのポンチ絵などを見ると確かに具体的で信憑性があると思ってしまいます。もちろん、1MDBもナジブ首相の義息氏など映画会社の関係者も全否定してますが、否定すればするほど、然らばなぜ司法に訴えないのだ?と誰もが思う素朴な疑問に突き当たります。

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私は今までこの映画のことは何も知らなかったのですが、WSJの連載記事のお陰で興味を持ち、この前なんと3時間もかけてフルで観てしまいましたよ。この映画、マレーシア国内では上映禁止指定されているとのことですが、マハティール氏が言ってたほどのポルノ映画ではなかったし、ドラッグアディクトに関しても驚くほどのことはない、と言うか、まぁ普通のハリウッド娯楽映画だと思いますね。

wolfofwallstreetmovie01.jpg

この映画、主演のレオナルド・ディカプリオがアカデミー主演男優賞を受賞した作品だそうですし、それなりに楽しめました。興味のある方は是非こちらからご覧下さい。(PCのHDでとてもきれいな画面でご覧いただけます)



でも昨日のPACの調査報告書ってなんだったんでしょうね。今朝の最大手フりー英字新聞紙(ザ・サン)上には、この件が一面トップで報じられているのですが、ざっと見渡してみると、1MDBの借金の総額とその内訳、前CEOを含む経営陣の乱脈経営とその責任追及(現経営陣の総退陣)、経営諮問委員会の廃止、1MDBの全子会社の政府(財務省)移管が主な内容で、前にも書いたとおり、どこにも首相の責任に言及している記事はありません。

それどころか、、調査の結果、いかなる不正行為を為したものも厳罰に処す、と言うナジブ首相のコメントが大きく書かれていますし、さらにこの調査報告書を受ける形で、関係閣僚の玉虫色のコメントもたくさん掲載されています。

こんな記事には、無理やり幕引きを図ろうとするナジブ派の意図が見え見えですけど、これで多くの国民は納得させられてしまうのですかね???

いやいや、私もそうですけど、多くの国民はけっして騙されないし、まったく腑に落ちていませんから!

しかし、国内では信用のおける調査結論が出ないとなれば、残る手立ては海外勢による調査しかないということ・・・・ですか。。

いやまったく、げに恐ろしきは未成熟の社会ですね。今、私はここマレーシアで、日本に居ては決して体感することがないであろう民主主義の崩壊に直面している気がします。(ちと大袈裟過ぎますか?)


ではまた。。

私がこのブログで続けているマレーシア政界スキャンダルの件、事態が大きく動いているようには見えないのですが、毎日毎日活字から目が離せないほどに話題が盛りだくさんです。

特に最近、オーストラリアのABCが本格参入してからの攻防戦は、ますます緻密を極めてきたようで、攻守双方共に様々な謀略や策略が見え隠れする長編サスペンスドラマの様相を呈してきています。

お陰さまで、そんなニュース記事を逐一チェックしていると、それだけで日がな一日過ごしてしまうこともあり、まったく私は何しにこの国に来たのだろうとフト我に返ることもある今日この頃です。

しかし今日の話題はこの件ではなく、前回に続き、駐車違反に関する私自身の実体験リポートです。マレーシアの交通違反のことなど、既に多くの方の記事がネット上に溢れていて特に目新しいこともないと思うのですが、私の視点でリポートしてみたいと思います。



さて、前回はどこまでお話しましたかね。。そうそう交通警察署の所在のところまででしたよね。これって、不思議に直ぐ探せないのですよ。こう見えても、私はネット検索の速さでは昔から人後に落ちないとひそかに自負しているのですが、そんな私(´・Д・)」が真剣に探してもなかなか見つからないのです。ひょっとしたらこの類の情報は意図的に表に出していない?

そんなバカな、と思うところもあって前回ブログではあえてクランバレー(KL及びKL周辺地区)内のトラフィックポリスを載せてみました。もし中に間違いなどがありましたならば遠慮なくご指摘下さい。

以下、実体験リポートの続きです。



前回書いたように、市役所(DBKL)の大幅ディスカウントは本当でした。でもずっと前のJPJ(速度違反)ではおずおずとお願いしても拒否されましたね。では警察はどうなんだろう?うわさどおりノーディスカウントなのだろうか?機会があったらそれを自分で確かめてみようとずっと思っていたのです。(幸か不幸か今回は警察チケットだったので、ようやく念願のチャンスを得た、と言うことなのでしょうかね(^∇^)ノ

と言うことで、切符を切られた翌日(3月23日)、早速出向きましたよ、うだるような暑さ(最近ずっと猛暑続きでその日も朝から汗がしたたり落ちる暑さでした)の中、チャイナタウンの直ぐ近くにあるトラフィックポリスに。。

車を道路の対面にある民間駐車場に停めて、トラフィックポリス↓に歩いて入ります。

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↑ゲート左横にガードハウスがあって、おまわりさんが2、3人駄弁ってました。私が持参した違反通知書を見せると、直ぐ前にある2階建ての建物を指差すので、軽く会釈して建物内に入ると、中には待合室のような部屋があって、例の何処にもあるノンボルチケットメシンでチケットを取ろうとしたところ、近くにいたおまわりさんが私が手にしている書類を見せろと言う。

書類を一瞥した彼は、私に英語で今日は払いに来たのか?と言う。私がそうだと答えると、ならばそれはここではない。外に出てこの建物の後ろに廻れと言う。

一礼して外に出た私は、2階建ての建物の後ろにある4階建ての警察庁舎の1階の角にそれらしき場所を確認。

↓ここです、この1階の左角です。(写真がピンボケですね)

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ありました。確かにここ↓です。"KAUNTER BAYARAN DAN SEMAKAN SAMAN"と言うのは”支払いカウンター及び反則金チェック処”とでも訳しておきましょうか。(笑)

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しかしいつも感じるのですが、この国の役所は全部マレー語だけの表記・表示で、外国人には決して優しくないですね。私はいつもこのことをローカルの知り合いに口説くのですが、日本だって同じようなものだろうと反撃されてしまいます。

えー?日本の役所って日本語だけじゃないですよね。それも英語の他に、最近では中国語や韓国語も目にするような気がしますけど。。

やっぱり他人に対する気遣いとか思いやりにかけても日本は先進国ですよ。この国、いや多くの国も日本を見習って欲しいですね。

でも、この国に住む我々外国人は、やっぱりマレー語の読み書きの基本ぐらいは知らないといけないと思いますね。私の周囲の日本人の中には、マレー語などの現地語は覚えるつもりもない、などと言う人たちも少なからずいるのですが、これなど不遜極まると思いますね。

よその国に来て、その国の国語を知らず、人を知らず、そして文化や歴史を知らずしてなんのための外国暮らしなのか?と私は思います。少なくとも私はそうありたくはないと思いながら日々を過ごしています。

ちょっと話が横に逸れましたが、部屋の中に中に入るとこんな↓感じでした。

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いつものとおりにノンボルチケットをゲットして順番を待ちます。

そしてまもなく、呼ばれたカウンターにてトドン被りのマレー女性(担当者)とご対面です。

私が、持参した書類(違反通知書)を彼女に差し出すと、それを見ながらなにやらキーボードを叩いていましたが、私に向かって、”Mau bayar saman, encik?(今日は反則金のお支払いですか?)”とマレー語で尋ねてきました。

最近私は現地マレー人に負けないぐらいに肌が黒く日焼けているせいか、半分はマレー語、あと半分はマンダリンで話しかけられます。英語で返事をすれば多くの場合は相手も英語に切り替わるのですが、この日はマレー語で始めてみました。

以下参考までにカウンターの彼女との一問一答です。(記憶のまま)

"Tak boleh bayar hari ini."
今日の支払いは無理です。

"Kenapa tak boleh bayar? Saya datang ke sini untuk nak menerima diskaun."
どうして?ディスカウントしてもらおうと思って来たのに。

”Data ini belume sampai lagi. Orang yang memberi saman belume masukkan data dalam system kami.”
このデータはまだこちらに届いてません。担当者がデータをまだシステムに入力していないのですよ。

"Huh? Belume sampai lagi? Saya datang yang lebih awal untuk menerima diskaun."
えー?まだ届いていない?ディスカウントしてもらおうと早く来たのに。

"Yah. Sila tunggu sehingga minggu depan."
ええ、来週までお待ち下さい。

"Huh? Kalau tak bayar dalam awal mesti bayar lebih tinggi ah?"
えーっ?だって早く払わないと高くなるんでしょう?

"Ya, jenis kesalahan encik seksyen satu, bayaran seratus lima puluh ringgit, tapi jika bayar lewat, bayar lebih ah, tiga ratus ringgit."
ええ、あなたの違反はセクションワンなので150リンギですが、支払いが遅くなれば300リンギになりますよ。

”Huh? seratus lima puluh ringgit? Boleh lebih murah?”
え?150リンギ?もっと安くならないの?

"Tak boleh. No diskaun."
無理です。ディスカウントはありません。

(注:ここからは英語です。マレー語は私のポンコツ脳内トランスレーターが会話についていけなくなったのです(○´・Д・`)ノ)

”Ah? I 've heard a lot of stories from my associates, they were given a discount rate if they pay earlier. Are you sure no discount?”
えっ?だ、だって私の知り合いはみんなディスカウントしてもらったって言ってるよ。ホントにディスカウントはないの?

"Yes, I'm sure. Because the rate is according to the section and your offence is section one, so one handred fifty, no discount. "
ええ、違反金額はセクション(違反種)によって決まります。あなたの場合はセクションワンだから150リンギ、ノーディスカウントです。

な、な、なんとこの彼女、ノーディスカウントの一点張りです。もっともその日はどうせ支払いできないのだから、また改めて来たら、違う担当者かも知れないし、担当者によって言うことが違うってことはこの国ではよくあることだし・・・・など、頭の中でぐるぐると思考をどうどうめぐりさせながら、「と、とりあえず、わ、分かりました」と言って、このひねくれ団塊、日本男爺(男児ではない)、すごすごと引き返さざるを得ませんでした。

うな垂れてカウンターを離れようとした私に、彼女、来週また来てね、もっとも来週になったらPOS(郵便局)でも支払いできるから、わざわざココに来なくてもいいんだけどね、だってさ。

いや、これはこれはご親切に、あ、ありがとう、と言いながら、半分悔しさを滲ませながら家路に着いたのでありました。

しかし、つらつら考えるに、警察とJPJはディスカウントしないって話、これも本当だったんだ。でも確か、どこかで誰かが言ってた、警察でうろうろしてると必ず声かけてくるへんなお巡りがいるから、彼に頼むとディスカウントしてくれるよ、って話、これは本当かどうかは検証できませんでした。だって、誰にも声かけられなかったし。。

この後、駐車料金6リンギ(1時間3リンギ、この日は1時間を若干オーバー)を払って帰ってきましたが、この日学習したことは次のとおり。

①交通警察に余り早く出向いてもデータがシステムに入力されていないので支払いはできない

②データ反映に要する日数は、チケットを発行した担当官がいつ入力するかに拠るが、平均3~4日

③データがシステムに反映されているかは自宅でも確認できる(MyEGの利用)

④駐車違反の基準反則金は15日までが150リンギ、16日以降は200リンギ、31日以降は300リンギ

⑤市役所はこの基準反則金のディスカウントが可だが、警察とJPJはノーディスカウントらしい(※)
※この件は未だ確信が持てません。警察やJPJでのディスカウント経験をお持ちの方がいたら教えていただきたいものです。

⑥わざわざ交通警察に出向いてもノーディスカウントなら最寄のPOSやあるいは自宅PCでのMyEG支払いが断然便利(※)
※ただし違反キップに対し何か文句をつけたい、例えば身に覚えがないとか、何か特別にアピールしたいことがある場合は別です。

そう言えば、昨年のことですが、知り合いに頼まれて、自宅に届いたと言う警察からのサモンを携えて、本人に同行してブキットアマン(警察本部)に出向いたことがあります。サモンには違反の日時・場所が記載されていたのですが、本人にはまったく身に覚えがないのだそうです。警察本部の担当部署に行って書類を指し示し、これはどういうことかと声を荒げたのですが、なんと担当官曰く、きっとプレートナンバーの二重登録だな、たまにあるんだよ、ですって。。え、ウソッ、そんなことってあるの?いやはや呆れましたね。

日本では絶対考えられないことだけど、ここは日本ではないのだ。何があっても不思議でない、そのぐらいの覚悟が必要だなぁ、なんて二人で冗談言いながら帰ってきたことを思い出します。

さて自宅に戻り、MyEG(My e-Government:電子政府※)のWebサイトを早速確認してみました。
※電子政府とは、主にコンピュータネットワークやデータベース技術を利用した政府を意味し、行政の効率化やより一層の民意の反映・説明責任の実行などを目指すプロジェクトのこと(wikipedia)ですが、最近は日本でも盛んですよね。

このMyEGの利用には、当然のことながら先ず登録が必要です。
これは↓MyEGの登録画面です。

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↑Registration Type→MyEG→Individualにチェックすると、自動的に下方にAccount Information(アカウント情報)及びPersonal Information(個人情報)の入力画面が開きますので、必須入力項目(赤のアスタリスク)には必ず入力してSubmit(送信)すればそれで登録完了です。

意外にすんなりできますのでみなさんもトライしてみて下さい。これを登録しておくことにより、交通違反の検索・支払いの他、運転免許証の更新、自動車保険の更新、道路税の更新そして、なんと車の名義変更なども出来るようになるらしいですよ。(ただし、駐車違反の反則金支払いの他は未体験ですので自己責任でどうぞ)

そして↓これが:警察の交通違反検索画面(Summons Service→Enquiry)です。

ここに到達するためには、MyEG→LOG IN FORMでUsernameとPWを入力し、GoTo(Service Menu)のドロップダウンリストからPDRM(マレーシア警察)を選択(選択肢にはJPJ、MyRoadTax、DBKLなどがあります)してログインします。

↓違反検索画面を拡大してみました。

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↑Search SummonsではVehicle Noを選択、Vehicle Plate TypeはMalaysiaにチェックです。そして、自分のVehicle Noをタイプインして、IC NumberのところはパスポートNoを入力します。最後に表示されているセキュアワードをそのままタイプインしてCheck Summonsをクリックです。

すると↓このような検索結果が出てきます。

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もしなにも違反が登録されていない、もしくはまだデータが反映されていなければ、"The Summons haven't record the system.(違反はなにも記録されていません)"と表示されるはずです。(そうです、なにもわざわざ警察にまで行かなくてもここで確認ができるのです)

↑、ここには違反者氏名、パスポートナンバー、登録違反数、車両番号、担当地区警察本部名、違反番号、違反日時、違反執行日時、違反内容、基準反則金額、最終反則金額などがしっかりと記載されてきます。

日本にもこのようなシステムがあるのかどうか私は知りませんが、うーん、いい意味でのMalaysia Bolehじゃないですか、なかなかやるもんですね。

私がオンラインでこれを確認したのが3月24日ですから、違反3日目にはデータが反映したということですね。さてさて、ここまでは良く分かりました。

以前、JPJのサイトでも違反検索ができるということを記事(JPJオンラインツールで確認できること)にしましたが、今確認してみたらあのシステムもまだ生きてますね。

しかし、JPJだけでなく警察や市役所管轄の違反検索や支払いも一発でできるこのMyEGの方が優れモノですね。

ここからさてどうしようか。。このままProceed(進む)をクリックすると支払い画面にすすめそうだけど、ちょっと悩みました。どうせ警察に出向いてもディスカウントが望めないならここで支払いしてしまった方が楽に決まってる。でも本当にディスカウントがないのか確かめた方が良くはないか?と私の中のひねくれモンがしつこく呟いています。

えぇぃ、めんどくせぇ、払っちまえ!と私の中のめんどくさモンがひねくれモンを押し切りました。

Proceedボタンをクリックです。するとまたこんな↓同じような画面が出て来て・・・

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そして↓これです。

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おー、E-Service Chargeなんてのもとるんだ、へっ、しかもこれにGSTまでついてる。えらい!あんたは偉い!e-Governmentでしっかり稼いで、どこかの誰かの巨額使い込みを埋め合わせしてね。。(笑) 支払い合計152.12リンギだってさ。。

Proceed e-Paymentをクリックして、↓この画面です。

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支払い方法のオプションは、クレジットカードまたはオンラインバンキングの2通りです。
クレジットカード使用の場合は↓STEP1でカード情報を入力し、STEP2、STEP3と進みます。

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私は今回、オンラインバンキングで支払うことにしましたので、MyEGからCIMBクリックスを選択し自分のアカウントにログインした後、オンラインバンキングを行います。↓

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↓支払い口座、支払い金額、支払い先などを確認し、最後にTAC(※)をタイプインしてSubmit(送信)します。
※TACとはCIMB銀行のTransaction Authorization Code(取引承認コード)の略で、第三者への支払い(送金)などの際に入力を求められるセキュりティコードです。日本などではOTP(ワンタイムパスワード)とも言われています。

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これで良いのですが、最後にタイプインするこのTACのことについて、私のブログメール宛てに、よく分からないので詳しく教えて欲しいとのリクエストも何件かありましたので、この場を利用して少々説明してみたいと思います。



以前、CIMBのこのTACのことについて、まだまだ分かっていなかった銀行(CIMB)手続きのことと題してごたくを並べました。今日は、その補完をしてみたいと思います。

CIMBのTACの受け取り方は3種類あって、その1は携帯電話のSMSで受け取る方法、これはマレーシア国内の通話圏内であればなにも問題がないのですが、問題は海外(たとえば日本など)に居る場合です。もちろん海外にいてもSMSを受け取ることができる環境にあって、事前にその手続きを完了していれば別なのですが、どうもこれが面倒のようです。

その2と、その3は銀行が用意したデバイスを使用する(Tac on Device)か、自身のスマホなどのデジタルデバイスに専用アプリをダウンロードして使用する(Tac on Mobile)かの違いだけで仕組みは同じ、時間同期(CIMBの場合)型ワンタイムパスワードです。

つまりアカウントホルダーののデバイスと銀行の取引認証サーバの時間設定を同期させて、設定した時間間隔(例:1分)ごとに絶え間なく変化するセキュリティコードを永久に生成すると言う代物です。これは、携帯電話の通話圏外であろうが地球上のどこにいようが問題ではありません。

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取引に必要なTACは例えWIFIなどに繋がっていなくても、手元にあるデバイスがこのように↓教えてくれるのです。

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現在では、このTACが受け取れない、または生成できないと、どこの国のどこの銀行でもほとんどのオンラインバンキングは不可能になってきているようです。ご多分に洩れずマレーシアのCIMB銀行でもそうです。取引だけでなく、例えば取引金額の上限額の変更などの設定変更や、なんらかの原因で一旦取引がサスペンド(停止)されてしまった口座のアクティベート(取引再開)もできないのです。

CIMB銀行に取引口座をお持ちのかたは、是非このTac on Mobileをお勧めします



と言うことで、MyEGに対するオンライン支払は成功です。↓Transaction Summaryにも"成功"と出ています。

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えーっと、領収証はあるのかいと思う間もなく即、発見・プリントしました。↓これです。

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ふーっ、これで一安心ですね。しかし150リンギ、いや正確には152.12リンギとはちと高い授業料だったですね。

みなさんも駐車違反で捕まるとき(?)は警察管轄のところではなく、市役所管轄のところで捕まりましょう、なんて言っても管轄がどこなんだか良く分からないんじゃ、運を天に任せるしかないですよね、ったく。。。

ふぅー、今回もちょっと長く書きすぎたかもしれないな、眼がしょぼついてきたのでちょっと一休みします。。  ではまた。。