今日はマレーシア政界疑獄シリーズをひと休みして、久しぶりにごく普通の話題を書きます。

実は先日(3月22日)の昼、昼食に立ち寄ったあるイタリアンレストラン近くの路上で、駐車禁止の違反チケットを切られてしまいまして、恥をさらけ出すようですがそれに纏わる一連のお話をしてみたいと思います。

その場所(Bukit Damansara)はウィークデーの昼ごろはいつも超混雑していて、一方通行の道路の両側にはDBKL(KL市役所)が管理する路上コインパーキングがあるのですが、ここは常にほぼ満杯です。

その日も案の定、満杯・・・・だったので、いつもの通り、道路左側のずっと奥の方、つまりコインパーキングのない路上(注:シングルイエローラインあり)に停めました。

ご存知かとは思いますが、マレーシアではシングルやダブルのイエローラインは駐車禁止のサインです。でも、特にシングルラインについてはほとんど守られていないのが実情です。ローカルの方の中にはシングルラインは駐車OKだけど、ダブルはダメだよ、なんて真顔で言う人もいるほどなのです。(笑)

いつもそうなのですが、その日もコインパーキングがぎっしりなのでシングルラインの路上にもたくさんの車が停まっていました。と言うことで、私はそのシングルラインの一番先頭に車を停めたのです。今までも、この位置に車を停めてランチに行ったことは幾度もありますが特になんの問題も経験していません。

たまに駐車違反の取締りを目にすることはあるのですが、大体は列の最後方に限っていて、前の方、特に先頭位置なぞ絶対安心だワイと確信していましたし、なんせこんなに多くの車を一挙には取り締まれないだろう、とタカを括ってました。

ところが、先日ランチを終えて車に戻ってみると、なんかヒラヒラしたものがワイパーに挟まれているではありませんか。多分なにかのチラシだろうと見てみると・・・、がーん、駐禁の違反チケットではありませんか。。

な、な、なんと。。うーん、、ついに来たか。。しかし敵もさるものやるもんだワイと思いましたが、実は訳あって、いつかこの時がくることを半ば期待(?)していたこともあり、あんまり驚きもせず腹も立たずに即諦めた私です。しかし・・・・え?これ、DBKL(KL市役所)じゃないじゃん、PDRM(マレーシア警察)のチケットじゃん。Oh, No!オー、ノー!

マレーシア在住の方はよくご承知かとは思いますが、こちらの交通違反の取締り権限は警察だけではなく、市役所などの地方行政府、そしてJPJと呼ばれる運輸省道路交通局にもあるのです。

どうもそれぞれの管轄権限の区分けとか境界は、いくら調べても良く分からない(ネットを調べてもローカルに聞いても分からない)のですが、違反の種類や場所あるいは時間などによって、あるときはDBKL(KL市役所)だったりMBPJ(ペタリンジャヤ市役所)だったり、またあるときはPDRM(マレーシア警察)だったり、はたまたJPJ(道路交通局)だったりするわけです。

いつかのスピード違反のときは、書留郵便で届いたJPJからのサモンレター(コンパウンド=違反金支払い命令書みたいなもの)だったので、支払いもJPJまで実際に出向いたのですが、期待していたディスカウントは一切なく、泣く泣くレターに記されていたとおりの300リンギを払ってきた苦い経験を思い出します。

ネット上に溢れているマレーシア在住日本人のブログには、違反金のディスカウント情報がわんさか出ているのにどうしてなのだろうと不思議に思っていましたが、そのうち少しずつ分かってきました。

それによると、違反金額は大元では違反種ごと、車両区分ごとにしっかりと定められています。どなたかのブログに記されていたような各取締まり執行機関ごとに違反金額が異なるなんてことはありません。ただし、その徴収方法などの規則の運用については各機関に任されているようなので、実際の支払い金額に差異がでてくるのでしょうね。

↓2013年7月に施行され現在も有効な交通違反の新反則金一覧表(New Traffic Summons Rate)です。

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Laman Interaktif Trafik PDRM

↑全てマレー語表記の一覧表ですが、要約すれば、違反種は大きく4区分に分類されていて、さらに車両区分ごとに細分化されています。今回該当のシングルイエローラインの駐車違反は、KATEGORI KEDUA(セクション2)のSemua jenis kenderaan(モーターバイクを除く全車種)に区分され、15日以内に支払えば150リンギ、16-30日が200リンギ、31-60日が300リンギです。それを超過した場合のことは書かれていませんので、多分裁判所への出頭と言うことになるのだと思います。(ここは推測)

また、上の表の冒頭に明記されているのですが、”The more you delay, The more you pay(支払いが遅れれば遅れるほど違反金は高くなる)”とその運用方針も定められています。

ただし、その細部はルールの執行を担当するそれぞれの機関に任されているようなのです。

そして、うわさ話やローカル知人の話、そしてネット上に溢れる英語や日本語ブログを集約すれば、市役所での支払いにはディスカウントがあるらしい、警察とJPJはほとんどディスカウントには応じないらしい、と言う朧気(おぼろげ)な情報です。

なるほどと思う反面、日本人会コミュニティにおける伝聞情報(うわさ話)はとても信用できるものではないし、ネット上のブログ情報にも根拠レスの無責任情報が多く溢れているのが常なので、いずれこの件は自身の眼と耳で確認する以外にないと思ってました。(したがって、いつか必ず来るであろうこの機会を半ば心待ちにしておりましたのです、ハイ。。。)

そんな中、今回の駐車違反チケットです。違反金を払うのはもちろん癪なのですが、この際ついでにいろいろな興味と疑問をこの眼と耳で確認してみることにしました。

以下は、転んでもただでは起きないひねくれ団塊の駐車違反対処に関する実体験リポート(備忘録)です。



先ずは、今回の違反チケット↓を見てください。

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違反チケットと言っても実はこれは違反通知書(Notification)であって、サモン(summons)ではありません。なので、支払うべき違反金も裁判所への出頭のことについても書かれてはいません。

それよりもトップのロゴマークに注意です。ロゴマークの下にPOLIS DIRAJA MALAYSIAと書かれていますが、そう、これは警察発行の違反切符です。あのエリアはてっきり市役所管轄かと思っていたのにそうではなかったのですね。いつか、DBKLの制服のおじさんがコインパーキングに停めてある車を覗き回っていたのを目撃したので、あそこは間違いなくDBKL(KL市役所)管轄。でもコインパーキング以外の路上は警察の管轄・・か、うーん、これはややこしい。。

そういえばいつか知り合いの方が、ソラリス・モントキアラで違反チケットを切られたと言ってましたが、やっぱりこれと同じ警察発行によるものだったようです。私はコインパーキングのあるような住宅地や商業地はほとんど地方行政府管轄だと思っていましたが、となるとこれは誤解だったのですね。

この違反通知書には手書きの見にくい文字がなにやら書かれていますが、判読すると私の車のプレートナンバー、違反駐車の場所、期日・時間、違反の種類、道路税番号と有効期限のようです。

下のほうには、この通知書を受領した者は、以下の空欄に個人情報を記載し警察に届け出ること、と書かれていますが、こんなことはプレートナンバーから容易に判明することだと思うのでここは無視することにしました。

最下段にはこの違反はコンパウンダブル、つまり金で解決することができるのだと、堂々と書かれていて、その支払いはいずれの交通警察のカウンターでもできる、そして”The more you delay, The more you pay(支払いが遅れれば遅れるほど違反金は高くなる)”と結ばれているのです。

”冗談じゃねぇって”、堀内孝雄風に叫びたくなりましたが、市役所ではなくて警察に切符切られてしまったということが不幸でしたね。

と言うのは、つい先日(2週間ほど前)、知り合いの女性に頼まれて、違反チケット(DBKL発行の”サモン”と呼ばれる違反金額(150リンギ)が明示されたもの)を持って、DBKLに一緒についていったのですが、そこではやはりうわさ通りにディスカウントがありました。

以下はその時のDBKLでの実体験リポートです。



DBKLはご存じのようにジャラン・ラジャ・ラウト沿いにMenara1とMenara2の二つの建物がありますが、一般駐車場はそごうデパート寄りのMenara2の北側にしかありませんので、車で行く場合には注意が必要です。

↓事前に聞いて知っていましたが、Menara1とMenara2の間の路上にあるドライブスルーの違反金等支払いボックスです。

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↑ここに車で到達するためには、Menara1の左側から建物の後ろを時計回りに回り、この一方通行路に出てくる必要があります。その時は、二つあるうちの左側のボックスしかオープンしていませんでしたが、なるほどここで車に乗ったままで支払いが済ませられれば簡単だろうなと思いました。しかし当日は、あえてここは利用せず、建物内の支払いカウンターに突入です。

↓支払いカウンター前の通路です。KAUNTER BAYARAN(支払いカウンター)のサインボードがあるので容易に分かります。

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↓ここです。

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↓支払いカウンター入口です。

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↓支払いカウンターの内部です。

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中に入り、さてどうするのかなと見渡してみると、左側の10数人程度の待ち行列の先に小部屋があって、中の係官に一人ずつ呼ばれているようです。ハハンと思い、行列の最後尾の人に尋ねてみると、ここで違反金が決定されるのだと言う。なるほど、ここでディスカウント交渉をやるのか・・・・

順番がきて件の女性とともに小部屋に入りました。中のデスクに座っていた中年オジサンの係官、彼女に、開口一番、"From where?"だと。。彼女、すかさず小声で、ジャ、ジャパンと答えていましたが、するとそのおっさん、ニヤニヤしながら、"Ok, tiga puluh ringgit lah"ですと。

なんと150リンギの違反金を30リンギにディスカウントすると言うではありませんか。おーびっくり、8割の大幅ディスカウントです。側で突っ立って見ていた私、思わず、ティ、ティガプルーリンギ?とドモってしまいました。

その後、親切なそのおっさんは、チケットのRM150をRM30に訂正し、サインを書き入れて、ハイ、あちらのカウンターで支払って下さいって。。

彼女大喜びしてました。違反金を支払って喜ぶ人はそういないのではないかと思いますが、ディスカウントってそれほど人を喜ばせるものなんですね、そして、その違反チケットを支払い窓口に示して無事にミッションコンプリートとなったわけですが、やっぱりディスカウントのうわさ話は本当でした

もちろんMBPJなどのKL以外の市役所のことは分かりませんが、これはDBKLでのトルーストーリィです。あ、そうそう例のドライブスルーでのディスカウントはどうなのでしょうね。次の機会には是非このことを試してみたいと思っています。それにMyEG(電子政府)によるオンライン支払のこと。特にMyEGについては、周囲の日本人の支払い成功話を聞いたことがないので、機会があれば是非トライしてみようと思っています。



で、次は私自身の話しです。

あーぁ、駐車違反でつかまっちゃったよ、でもDBKLだろ、早く行けば30リンギだろ、たいしたことないよ。だったら今度はドライブスルーでも試してみようかな、なんてことが一瞬脳裡を過ったのですが、なんと良く見ると、この違反チケットはDBKLではない。PDRM、警察だ。おいおい、ディスカウントはないのかい?どうなんだ?なので、Oh, No!だったんですよ。。

ところで、みなさんはKL周辺の交通警察(Traffic Police)ってどこにあるかご存じですか?

実はこれ探すには結構根気が要りますよ。PDRMのHPを見てもどこにも書いてないし、Googleで検索してもピンポイントのサイトがなかなか見つからない。もちろん英語でもマレー語でもです。このことはローカルの方の掲示板をみても同じですよね。

そもそも交通警察と一般の警察では何が違うのか。日本では交通警察とかツーリスト警察とかの区分はないので、私たちには特に分かり難いのですが、交通事故のリポートは交通警察署にいかなくてはならないのか、それとも普通の警察署で良いのかなどについてはローカルの方たちですらかなりコンフューズしているようです。

でも調べていたらこんなサイト→Mycen.mymapsがありました。

ただし、このサイトの情報は必ずしも最新情報にupdateされていないようなので、あくまでも参考でしかないのですが、KL及びKL近郊の交通警察署を以下にリストアップしてみます。(注:①Balai Polis Trafik Jalan Tun H.S. Lee以外の交通警察署については、実際にこの眼で確認したものではありません。住所や電話番号なども上記サイトによる参考情報です)



①Balai Polis Trafik Jalan Tun H.S. Lee

↓ここは、ジャランバンダル交通警察署とも呼ばれ、みなさんも良くご存じのチャイナタウン近くにある有名かつKL周辺では最大の交通警察署です。

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Address: Jalan Tun H.S. Lee, 50000 Kuala Lumpur
Tel: +603 2071 9999

↓KL周辺最大の交通警察と言っても、敷地が狭隘で建物も古くてかなりしょぼい感じですが、いつもたくさんのパトカーや白バイのお巡りさん、それに違反金支払いに来たお客さん(?)などでとても混雑しています。

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↓交通警察署の入口を通り過ぎた反対側から見ています。

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警察署の中にはもちろん一般車駐車場はないのですが、心配はご無用です。上の写真のちょうど向かい側のところに大きな民間駐車場があります。↓1時間3リンギとそんなに安くはないのですが、仕方がありません。

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↓駐車場の中は結構広いので、探せば空きは必ずあります。

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②Balai Polis Trafik Ampang Jaya

↓アンパンジャヤ交通警察署です。アンパン・ジャヤと言うより、アンパンタウンのジャラン・アンパンとジャラン・ブサーとの交差点近くにあります。

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Address: Jalan Besar, Pekan Ampang, 68000 Ampang, Selangor
Tel: +603 4293 2763



③Balai Polis Trafik Shah Alam

↓シャーアラム交通警察署です。ここはシャーアラム地区警察本部の交通部(Traffic Branch of the Shah Alam District Police Headquarters)とも呼ばれ、シャーアラム第11警察署及びシャーアラム地区警察本部(the Shah Alam Section 11 Police Station and IPD Shah Alam)と同居しています。

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Address: Jalan Persiaran Damai, Seksyen 11, 40000 Shah Alam, Selangor
Tel: +603 5510 2222



④Balai Polis Trafik Petaling Jaya

↓ペタリンジャヤ交通警察署です。公式にはペタリンジャヤ地区警察本部交通部または交通支部と呼ばれています。地区警察本部及びペタリンジャヤ警察署と同一敷地内にあります。

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Address: Jalan Penchala, 46050 Petaling Jaya, Selangor
Tel: +603 7966 2260



⑤Balai Polis Trafik Kota Damansara

↓コタダマンサラ交通警察署です。

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Address: Jalan Cecawi 6/18、Kota Damansara, 47810 Petaling Jaya、Selangor
Tel: +603 6140 4538



以上がなかなか分かり難いKL周辺の交通警察署のリストアップでした。ただし、チャイナタウンにある交通警察以外は単なる参考情報ですので、実際に行かれる場合はご自分でアップデートを確かめて下さい。

さて私は今回、違反チケットをゲットした翌日にうだるような暑さの中、チャイナタウンの交通警察署に出向いたわけですが、案の定と言うべきか、期待どおりと言うべきか、やはりすんなりとは行きませんでした。

と言うことで、この物語はここからが本番です。その2では、ブログタイトルに示したMyEGでのオンライン罰金支払いの手順などの詳細を書いてみたいと思っています。次回を乞うご期待!

その2に続く・・・

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最近の私のこのブログの話題が、マレーシア政界スキャンダルのことばかりでつまらないと思われる方もおられるかも知れないので、今回は違う話題にしようと考えて準備もしていたのですが、ここにきて政界スキャンダルに関するニュースが毎日目まぐるしくて、正直言って追いかけるほうも大変なのです。

そんな中、やはりタイミングよくマレーシアの今をお伝えするには、ニュースは旬のうちにと考え直し、今回もまた政界疑獄シリーズとなりました。悪しからずご了解下さい。

↓遅ればせながら本シリーズに登場する実在の人物一覧のほんの一部です。

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↑ナジブ首相の足元の人物は、なにを隠そうナジブ夫人と前夫との間のご子息、つまりナジブ首相の義息のリザ・アジズ氏です。本日の2番目の記事に登場しています。



恥ずかしいことですが、ついに世界約200ヶ国で約2300万の人々に愛読されていると言う米国のタイム誌にまで登場してしまいましたね。

何がって、このマレーシアの名前のことですよ。と言ってもこれが初めてのことではなく、つい最近3月2日にも、”どうにも止まらぬマレーシア首相の汚職疑惑”(Corruption Allegations Continue to Build Against Malaysia’s Prime Minister)と題して(注:和文の題は筆者の意訳)、その詳細が掲載されていましたから正確にはこれで2度目の登場ですね。

早速マレーシア・キニも3月18日の記事でそのことを取り上げていましたが、もう何をかいわんやですね。

タイム誌に今回、名だたる汚職国家として取り上げられたのはマレーシアを含めて5カ国。ブラジルを筆頭に、以下マレーシア、南アフリカ、中国、そしてロシアの国々です。

別に汚職度をランク付けされたわけではないのですが、今、国中が大騒ぎで今夏のリオのオリンピック開催まで危惧されているブラジルに伍して、マレーシアが2番目に登場していることは、大変恥ずべきことで不名誉極まりないことだと主張するマレーシア・キニに私も同意です。

と言うことで、今日は先ず初めに、3月17日付けのタイム誌の該当記事を紹介したいと思います。



These 5 Facts Explain the State of Global Corruption

これらの5つの事実が世界規模の汚職を物語る

TIME published March 17, 2016

As Brazil grapples with an earth-shaking corruption scandal, (here's) a look at the state of global honesty
ブラジルは今地球を揺るがすほどの汚職スキャンダルと格闘しているが、世界的な正直の度合いはどうであろうか。

You can learn a lot about a country’s politics by looking closely at its corruption scandals. Who is investigating whom? What do the investigators really hope to achieve? And what do the investigations tell us about the country’s true balance of power? These five facts offer examples and answers.
その国の汚職スキャンダルを注意深く観察すればその国の政治が分かる。誰が誰を捜査/調査し、捜査や調査によって何を成果として得ようとしているのか?そしてその捜査や調査の結果が、国内の真のパワーバランスに関し、何を言わんとするのか?以下の5つの事実が例と答えを示唆している。



以下のタイム誌の記事ですが、マレーシア以外については割愛します。興味のある方はそれぞれリンクを貼っていますのでそちらでお読み下さい。なお、私のブログのこれまでのニュース記事の翻訳文(和訳文)について、ある読者の方からご意見をいただきました。「意訳と言いながら直訳に近い訳文で、時には難解なときもあるのでもっと平易で理解容易な和訳文をお願いします」とのご指摘です。確かに仰るとおりですので、今後は可能な限り原文の意図する範囲でなるべく理解容易な和訳に努めます。



1. Brazil
These 5 Facts Explain the State of Global Corruption



2. Malaysia
2. マレーシア

That’s not the case with Malaysia. In 2009, Malaysian Prime Minister Najib Razak established a sovereign wealth fund called 1Malaysia Development Berhad (1MDB) to help the country attract foreign investment and boost its economy.
しかしマレーシアの場合はそうではない(訳者註:ブラジルとは異なるという意)。2009年にマレーシアのナジブ首相は、外国投資を呼び込みマレーシア経済を促進するという目的で、ワンマレーシア開発会社(1MDB)と言う政府系投資ファンドを設立した。

Long story short, by 2015, 1MDB owed investors $11 billion. As investigations of the state fund got underway, it was revealed that $681 million dollars had been deposited into Najib’s personal account.
途中の経緯を割愛し短絡的に言えば、2015年までに1MDBは投資家に対し110億米ドルの債務を抱えることとなり、その1MDB対する調査の中で、6億8100万米ドルがナジブ首相の個人口座に預金されていたことが判明した。

The prime minister copped to the money transfer, but claimed it was a “gift” from the Saudi royal family, about $620 million of which he says he has returned.
首相は資金が自身の口座に預金されたことを認めたが、それはサウジアラビアの皇族からの贈り物であり、そのうちの6億2000万米ドルは返金したと主張した。

Two weeks ago, the 1MDB investigation uncovered that the total routed into Najib’s personal account was actually about $1 billion.
(今から)2週間前、1MDBに関する調査の中で、ナジブ首相の口座に最終的に預金された総額は実際には凡そ10億米ドルであったことが明らかになった。

Malaysia is a de facto one-party country. All of the country’s six post-independence prime ministers have come from the United Malays National Organization (UMNO). That’s why Najib owes his position to his party, not to the Malaysian people—good news for a man currently polling at 23 percent, the lowest ever for a Malaysian head of government.
マレーシアは事実上一党独裁のような国だ。過去の6人の首相はすべて統一マレー国民組織(UMNO)から出ている。だから、ナジブ氏はその首相としての地位を、国民ではなく自身が所属する政党から負託されているのだ。そしてこのことは直近の世論調査によると僅か23%と言う史上最低の首相支持率でしかない男にとっては都合の良いことなのだ。

He has spent the last half-decade strengthening his position within UMNO, and the past year since the 1MDB scandal broke purging his party of potential adversaries.
ナジブ首相は直近の5年間をUMNO内での彼自身の地位の強化に費やし、そして昨年、1MDBのスキャンダルが噴出してからは彼の潜在的な敵性分子の追放を徹底した。

This past summer, Najib fired his attorney general, who had been leading the 1MDB investigation. Malaysia exemplifies how corruption drives can fall short in countries with a single political party and weak governing institutions.
昨夏、ナジブ首相は、1MDBの調査チームを率いていた法務(司法)長官を解任した。マレーシアは、一党独裁かつ貧弱な統治機構を持つ国においては、汚職撲滅闘争がなかなか成就しないことをよく例示している。



3. South Africa
These 5 Facts Explain the State of Global Corruption



4. China
These 5 Facts Explain the State of Global Corruption



5. Russia
These 5 Facts Explain the State of Global Corruption



いかがでしたでしょうか。しかしこのタイム誌の記事は要点をついていると思いませんか。30以上もの大小政党がひしめくマレーシア議会を一党独裁と決め付けることは余りにも乱暴ではないかと思う反面、議会制民主主義とは名ばかりで、実質的には建国以来の政権与党であるUMNOの勢力が余りにも突出し過ぎていることが、現在のマレーシア政界、いや政界のみならずマレーシア社会全体の膿を産んでいる、とでも言いたげな記事ではありませんか。

ナジブ首相や彼の周囲の政治家たちが国民よりもUMNOを向いていることは、自己保身に躍起な彼らの政治家としての知恵なのかも知れませんが、このことがマレーシア政治の根幹的な問題のような気がしてなりません。

しかし、前回総選挙(GE13)で劣勢を噂されながらも蓋を開けてみれば意外にすんなりと勝利したUMNO、その背景には何があったのであろうか、現下のスキャンダルは当然の帰結なのかも知れませんね。

ただ、このタイム誌の記事の言う「マレーシアは、一党独裁かつ貧弱な統治機構を持つ国では汚職撲滅闘争がなかなか成就しないことをよく例示している。」との一文がとても気になります。

今ようやく芽生えてきた汚職撲滅運動の芽が育たず、花も咲かず、実が結ばないままに枯れてしまうことは、このマレーシアにとって極めて不幸なことです。一部の政治家たちの懐のみを肥やす汚職大国が未来永劫続くなんて決して許されない、いや、この国の国民でもない私が力を込める必要もないことだろうと言われそうですが、私の周囲にいるマレーシア人たちの声を代弁して書いているつもりなのです。

この国の選挙制度は未だ小選挙区制です。一票の重みが各地方によって大きく異なっており、民意が公平・公正に政治に反映されていない、そう主張するブルシ(BERSIH)と呼ばれる選挙制度改革運動が起きている所以です。

いずれにしても、首相以下が国民を向かずして、誰のための、何のための政治なのかですよ。まもなく91歳にならんとするマハティール元首相が3月14日付けの氏のブログで”国民投票”を訴えていましたが、これなどはまさに正論ですね。是非みなさんにも知ってもらいたいと思いますので、今日の話題の2番手としてそれを紹介したいと思います。



SACKING AND POPULARITY
政敵の追い落としと国民の人気

Chedet(マハティール元首相のブログ) 14 Mar 2016

1. I have been sacked from Petronas. The decision was made by the Cabinet. It must be very important to the Government.
1. 私はペトロナス(の顧問の職)を解かれた。 解雇の決定は内閣によってなされた、と言うことはこのことは政府にとって非常に重要なことであったに違いない。

2. Actually I had resigned from Petronas quite some time ago. But Petronas refused to accept my resignation or the allowance which I sent back. They insisted on putting into my account my monthly allowance. I resigned then because I did not think I should be a non-advising adviser and being paid for doing nothing.
2. 実は、私はしばらく前に既にペトロナスを辞めていた。 しかしペトロナスは私の辞任を受け入れず、私からの手当ての返金の受け取りも拒否した。彼らは、私の口座に毎月の手当て(顧問料)支払いを続けると言って譲らなかったが、助言もなにもしない顧問が顧問料を受け取ることはできないとして辞退した。

3. Now Najib’s supporters want to have me sacked from Proton and the Perdana Leadership Foundation (PLF). These two do not belong to the Government. But of course that is a minor obstacle for a Government which can charge anyone under a law to curb terrorism. Nasty things can be done, like threatening to bankrupt Proton or harassing the people who set up PLF so that I would be thrown out. This is of course entirely democratic.
3. 今、ナジブ首相の支持者たちは、プロトン(訳者註:マレーシアの国産車メーカーでマハティール氏が産みの親のような会社)とPLF(Perdana Leadership Foundation:プルダナリーダーシップ財団)から私を追い出そうとしている。これらの二つは政府には属していないが、テロリズムを押さえ込むためだとして政府は誰でも容易に罪を着せることができるし、プロトンを破産させると脅したり私を締め出すようにPLFの創設者たちを脅すような汚い手段さえ可能なのだ。そしてもちろんそれは民主的であるのだ。

4. The free press in Malaysia says Najib is getting stronger and more people are supporting him. Just look at the pictures of the people supporting him. They all wear red shirts and some UMNO leaders show placards with ”Solidariti bersama Najib”.
4. マレーシアのフりープレス(訳者註:マレーシア・キニのような代替メディアのこと)は、ナジブ首相(の権力)が益々強くなりつつある、そしてより多くの人々が彼を支援していると言う。だがちょっと彼を支援する人々の写真を見て欲しい。 彼ら全員が赤シャツを着ており、一部のUMNOのリーダーたちは”Solidariti bersama Najib(ナジブと共に連帯を)”のプラカードを掲げている。

5. Obviously their show of support is spontaneous, so spontaneous that they immediately bought the red shirts and printed the “Solidarity with Najib” cards in time for the photographers.
5. 彼らの支持の現れは明らかに自発的だ。自発的だからこそ、彼らは直ちに赤シャツを購入し、写真撮影に間に合うようシャツに”Solidariti bersama Najib”と印刷したほど自発的なのである。(訳者註:これはマハティール氏独特の強烈な皮肉か?氏の真意は支援者の多くは自発的ではなく明らかに強制されたものだと言いたい?)

6. Really Najib is very popular. But some recalcitrant may not think so. Even a red-shirted demonstration organised by Jamal Yunos, participated in by Felda people brought by bus and given free meals to counter the Bersih demo which according to Najib’s supporters was organised by the Chinese to overthrow a Malay Government, has not convinced people about Najib’s popularity.
6. 本当にナジブ首相は人気がある。(訳者註:これも皮肉)しかし、一部のナジブ反対者たちはそうは思わないかも知れない。ナジブ支援者が言うところのナジブ政権打倒のために中国人によって組織されたBERSIHのデモに対抗した赤シャツデモ隊でさえ、ジャマール・ユノス氏(訳者註:ナジブ支持派の最右翼リーダー)に(強制的に)動員され、バスで連れて来られて食事を与えられたフェルダの人たち(訳者註:FERDA、連邦土地開発庁=UMNOが推進してきた大規模パームオイルプランテーションの比較的貧しい入植者たちのこと)であり、ナジブ氏の国民的人気を納得させるものではない。

7. What really would convince people would be a national referendum or poll in which every voter in the country can express his support of Najib. Perhaps it would also be useful to show how Dr Mahathir (that’s me) is wrong in exposing his financial scandals.
7. 人々を本当に納得させるには、国のすべての有権者にナジブ氏を支持するかどうかを問う国民投票または世論調査であろう。それはおそらく、Dr.マハティール(私のこと)がナジブ氏の財政的なスキャンダルを晒すことが間違いかどうかを明らかにすることにも役立つことであろう。

8. Just a simple question would suffice: Najib-tick, Mahathir-cross or the other way depending on who you support. Malaysians are familiar with voting.
8. ただの単純な質問で十分だ:あなたは誰を支援するか、ナジブにティック(✔)かマハティールにクロス(×)か、またはその反対かだ。 マレーシア人は投票に慣れている。

9. The referendum should be conducted by a reliable foreign public opinion company, overseen by representatives of the two people concerned.
9. 国民投票は信用のおける外国の世論調査会社によって行われなければならない。そして両者の代表者がそれを監督すれば良い。

10. I give an undertaking that if Najib wins in the national referendum, I will stop asking him to resign. I will not say anything more about 1MDB, the 2.6 billion Ringgit and the mansions in UK, US and Hollywood or the “Wolf of Wall Street” pornographic film. Najib can continue to be the Malaysian PM for life.
10. もしナジブ氏が国民投票で勝ったなら、私は彼に辞任を要求することは止める。私は、1MDBのことや26億リンギのこと、英国や米国内に所有する大邸宅のこと(訳者註:予てからNYタイムズなどからその資金の出所について取り沙汰されているナジブ氏夫妻の海外豪華不動産のこと)、それにハリウッドの件つまり“Wolf of Wall Street”と言うポルノ映画(訳者註:ナジブ夫人の息子氏がオーナーである映画会社制作による映画で、ポルノ映画もどきのシーンのほか、映画制作等に費やした巨額の費用や息子氏のNYやハリウッドの大邸宅などの取得費用などについていろいろな黒い噂が飛び交っている)のことについても、もう何も言わない。ナジブ氏は死ぬまでマレーシアの首相をやれば良い。

↓レオナルド・ディカプリオ主演の話題作:The Wolf of Wall Street

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↓左端がナジブ首相の義息で本映画制作会社のオーナーのリザ・アジズ氏

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11. But if I get more votes, it means the rakyat accepts what I have highlighted about Najib’s financial wrongdoings as true, then he should resign.
11. しかし、私が(国民投票でナジブ氏)より多くの票を得たなら、それは国民が、私が今までナジブ氏の金権による悪事を白日の下に晒してきたことを事実と認めたことであり、彼は(マレーシア首相を)辞任しなければならない。

12. This way we can settle the question of Najib’s popularity and what the rakyat thinks of his financial scandals once and for all.
12. この方法は、ナジブ氏の国民的人気を測り、国民が彼の財政的スキャンダルをどう考えているのかの問題を解決する最後の手段である。

13. The alternative is to wait for the National Security Council Act to be signed by the Agong or to wait for one month if he doesn’t, when the Act would be enforceable. Then Najib can arrest and detain without trial this pesky ex-PM. I am getting messages that this is what awaits me if I don’t cease and desist, I don’t tone down.
13. そうでなければ、国家安全保障法が国王によって認証されるのを待つか、国王の認証がなくても1ヶ月を経て法律が発効した後は、ナジブ首相はこの厄介者の元首相(訳者註:マハティール氏自身のこと)を逮捕し、裁判することなく拘留することが可能となるのだ。私は今、私が(ナジブ氏に対する非難を)止めるかトーンダウンしないようなら、これが私を待つ定めなのだという忠告を受けている。



今日も少々長くなってしまいましたがご容赦下さい。

それにしてもナジブ首相のご一家、出るもんですねえ。まさに、疑惑のメガモール的になってきましたね。この分だとまだまだ知られていないことがありそうですが、なかなか終わらない長時間ドキュメンタリー&サスペンス映画の世界で、正直言って私も少々疲れてきました。

ではまた。。





先週金曜日から今度は私の貴重な情報源でもあるマレーシア・キニに障害が発生しています。

どうやら同社の主従のサーバーに技術的な障害が発生し、記事のアップロードができなくなっているとのこと。

同社のアナウンスメントによると、今のところサイバー攻撃などの不正行為が原因とは考えていないとのことですが、聞くところによると以前にも同種の障害が起きたそうで、そのときは後に何者かによるサイバー攻撃が原因と判明したのだそうです。

このところのなりふり構わぬ強権的な政府要人等の言動を見聞きする限り、ひょっとして今回も?といろいろあらぬことを疑いたくもなりますね。

しかしマレーシア・キニの場合、すぐさま同社のフェイスブックに全記事をアップしてくれているので、なんとか情報の継続入手はできているものの、やはり不便なことは否めません。(2016.3.14現在、同社のWebsiteにアクセスすると自動的に同社FBに転送されるようになっています)

依然としてサラワク・リポートもマレーシアン・クロニクルもマレーシアン・インサイダーも政府によってアクセスブロックされたままですので、不便なことこの上ありません。それに加えてマレーシア・キニとくればもう信頼できる、いわゆる有力なAlternative Media(代替メディア)は他に多くないので、ほとほと困ってしまいます。

政府系メディアや政党系メディアは、現政府やそれぞれの政党に不利なことや批判的な記事は一切書かないし取り上げません。またメインストリームメディアと呼ばれるマスメディア(大手の新聞・テレビ等)もお上の厳しい検閲のためか、政府ヨイショの記事のオンパレードなので、一般の記事以外はほとんど読む気にはなりません。

一昨日は、ボルネオのサラワク州を視察中のナジブ首相を取材しようと近づいたオーストラリアABCの記者とカメラマンが、警察に逮捕されたというテレビニュースを目にしました。

↓サラワク州視察中のナジブ・ラザク首相

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現地警察署に一晩拘留され、事情聴取の後に翌朝には釈放されたとのことですが、これなども最近やたらと目に付く"報道の自由"や"表現の自由"に対する権力機関の横暴のように思えてなりません。

↓逮捕されたABCの記者とカメラマン

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また昨日は、最近のマレーシア政府の非民主的な動きに対する国連人権委員会(United Nation Commission on Human Rights)高等弁務官氏の非難コメントに応えて、Wisma Putra(マレーシア外務省)が強い口調で反論したと言うニュース記事を読みましたが、まるで北朝鮮や中国のように直情的かつ手前勝手な言い訳に終始していて、この国の民主主義は今後どうなってしまうのかと危惧してしまいます。

↓国連人権委員会のZaid Ra'ad Al Hussein高等弁務官

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一方、先日の市民の宣言(Citizens' Declaration)に対する政府要人やナジブ派の人たちの主張はほぼ同じで、民主的な選挙で選ばれたナジブ首相とその政権を不法に打倒しようとすることは決して許されないと言うものです。

私などは何事に対しても、公正公平な第三者的な目で見ているつもりなのですが、市民の宣言にも、それに署名した方たちの言い分にも、どこにも不法に現首相や現政権を打倒するとは書いてないし言ってないと思うのですけど、どこをどのように読んでそう主張するのか本当に理解に苦しみます。

単に、ナジブ首相等の余りにも酷すぎる汚職や金権政治にはもう耐えられないとする元首相や与野党の有力政治家、市民活動家などが、個々の主義・思想などを一旦傍に置き、とりあえず目の前の巨悪を叩くという一点で一致して立ち上がった"市民の宣言"だと思うのですが、悲しいかな、彼らにはそうは見えていないようです。

政府要人の中には、"市民の宣言"は署名者45人を中心とするごく限られた少数派の意見であり、決して3000万国民の意見ではないと、言い切っている方もいるようですが、最近の世論調査などの各種調査結果をご存知ないのか、見て見ぬふりをしているのか、若しくは無垢の国民向けのプロパガンダのようにも思えてなりません。

直近のニュース記事には、マハティール元首相が、ペトロナス社(石油・ガス供給国営会社)の顧問を解任されたとありました。ナジブ内閣の全閣僚の一致した結論なのだそうですが、目を疑うのは、”悪意を持って政府転覆を企図するギャング団を率いる首謀者”だからと言うその理由です。

20年間もこの国の首相を努め、明らかにこの国の近代化に貢献したと世界に評価されている氏に対する言いぐさとしては余りにも非情なとは、多くの読者コメント欄の反応です。

それにしても、そんなナジブ氏擁護の政治家や政府役人などのなんと多いことかと驚かされますが、彼らは、汚職とか金権政治をなんと考えているのでしょうか。

↓We love Najib !を連呼するUmno党員

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マレーシアは昔も今も世界に冠たる汚職大国、そう言ってしまえば身も蓋もないのですが、確かに現在でも汚職、つまり袖の下などの贈収賄の犯罪行為は上から下まで社会の至るところに存在しています。

いろいろ考えてみると、この国の社会は汚職で成り立っているようなものかも知れません。ブミプトラ政策がもたらす構造的な欠陥なのかも知れませんが、それもこれも言語や宗教や生活習慣、それに能力や性質の異なる多民族が同居する国故のジレンマなのかも知れません。

普段の交通事故や駐車違反、それに大学入学や就職斡旋、様々な許可証の発行などなど、袖の下が横行する素地は無限にあり、国民の誰もがそれを犯罪とは思わない悪しき習慣が未だに蔓延っているのです。

こんな社会だからこそ、汚職大国の汚名がいつまで立っても拭えない、首相の犯罪を犯罪とはっきり認識できない人々がごまんといるのです。

しかしこの国は2020年には世界の先進国入りを目指している国です。汚職が蔓延る開発途上国と横並びのままでいて良いわけはありません。だからこそ MACC(Malaysian Anti-Corruption Commission)と言う汚職摘発専門の政府機関を設置している筈なのに、それでもこの有様と言うことは、なにか根本的な問題があるのだろうと思います。

市民の誰もが認める取るに足らない小さな汚職、面倒な手続きよりも小額の袖の下、利権と言うには大袈裟すぎるこっぱ役人の小遣い稼ぎなどなど、この国の汚職大国の基盤は一朝一夕には揺るぎそうもありません。

そんな下地があるからこそ巨悪にも気付かない、巨悪だとは思わない、何が悪いのだと言う人々のその意識こそが問題なのだろうと思っています。

そんな中、未だ少数派ながら徐々に育ちつつある正義の芽、決して摘んでしまってはならないと感じている今日この頃です。

ではまた。。

追記:(2016.3.14 14:30)
さきほど私のモバイルツールにBad newsが飛び込んできました。あのアクセスブロック中のマレーシアン・インサイダーが、本日(14日)の24時をもって操業を停止すると言うニュースです。エッジグループ傘下の同社は予てから商業ベースでの問題はあったのだそうですが、現下のアクセスブロックが致命的となりエッジグループCEOが操業停止を最終判断したとの同社編集長の発表でした。

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創業約8年のまだ若い代替メディアながらその歯に衣着せぬ鋭い記事は内外の多くの読者を惹きつけ、私もその一人であったと自負していますが真に残念です。平和と民主主義はあって当たり前のわが祖国日本ではあり得ないことがまたひとつ現実のこととなりました。



いやぁ、先週金曜日は誰もが予想だにしない展開でした。

御歳90歳のマハティール氏は、まさに不死身のスーパーマンのようですね。先週、突然、夫人とともに古巣のUMNOを離党したかと思えば、今度は野党のリーダーや市民活動家等と反ナジブ一大勢力結集の立役者です。

未だに根強い国民的人気を誇り、当地の世論調査会社ムルデカセンターの直近の調査によれば、現下のマレーシア首相に相応しい人物として、獄中のアンワル氏(49%)に次いで2番目(46%)に名前が挙がっているのだそうです。(ちなみにナジブ氏はたったの5%だそうです)

これって驚きですね。90歳のご老体ですよ。並みの人だったら、とっくに隠居・・どころか半分○んでますよね。

これは↓、2016年3月4日夕方、KLマラヤ大学PAUMクラブハウスで電撃的に行われた、マハティール元首相を中心とする反ナジブ勢力の記者会見の様子です。

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今日は、そんな不死身のマハティール氏が画策した(と思われる)妙計奇策とも言うべき"市民の宣言"の全文をMalaysiakiniの記事(2016.3.4)から紹介したいと思います。



Citizens' declaration spells out demands for removal of Najib
市民の宣言、ナジブ首相の退陣要求を明記

Malaysiakini 4 Mar 2016

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Former prime minister Dr Mahathir Mohamad, ex-deputy prime minister Muhyiddin Yassin, opposition and NGO figures have inked a declaration for the removal of Prime Minister Najib Abdul Razak and to institute reforms.
マハティール・モハマド元首相、ムフディン・ヤシン前副首相並びに野党及びNGOのリーダーたちは、ナジブ首相を退陣させることと制度改革のための宣言書に署名した。

Below is the list of demands contained in what is described as the Citizens’ Declaration:
以下は、市民の宣言に記された要求項目のリストである。

1. We, the undersigned citizens of Malaysia, append below our concerns over the deteriorating political, economic and social conditions in the country.
1. 我々、ここに署名したマレーシア市民は、この国の悪化する政治・経済・社会状況について、以下の懸念を表明する。

2. We wish to draw the attention of the people of Malaysia to the damage done to the country under the premiership of Najib Abdul Razak.
2. 我々は、ナジブ首相が首相在職間に為したこの国のダメージに対し、マレーシアの人々の注意を惹きたいと願う。

3. Under his administration, the country has ascended to become one of the 10 most corrupt countries in the world according to Ernst and Young in their Asia Pacific Fraud Survey Report Series 2013. The 2015 Corruption Perception Index showed Malaysia has dropped four places from 50 to 54.
3. ナジブ政権で、この国は、アーンスト・エンド・ヤング(訳者註:UKベースのグローバルな会計事務所)による2013年アジア太平洋不正調査報告によれば、世界でもっとも不正な国10カ国にランクインし、2015年の汚職腐敗度指数は50位から54位にランクを落とした。

4. This is because he believes that money can ensure his position as prime minister of Malaysia. He believes that "Cash is King".
4. これはナジブ首相が、マレーシアの首相の地位を確実にするのは金だと信じているからだ。彼は"現金はキングだ(現金に勝るものは無い)"と信じているのだ。

5. Allocations to all ministries and public institutions including universities have been reduced because of shortages of funds. Even when allocations are budgeted for, no money was available.
5. すべての省庁や大学を含む公共機関への予算配分が(政府の)資金不足のために削減されている。なんと配分が予算化される時点で配分可能な予算はなにもなかったのだ。

6. In 2009, he decided to set up a sovereign wealth fund to earn income for the government.
6. 2009年、彼(ナジブ首相)は、政府の収入を得るために政府系投資ファンドの設立を決意した。

7. He created the 1MDB which became indebted with RM42 billion of loans which it is unable to repay. It is no longer a sovereign wealth fund. It is sovereign debt fund.
7. 彼は1MDBを設立し、1MDBは返済不可能な420億リンギのローン負債を負うこととなった。 それはもはや政府系投資ファンドでなく、公的債務ファンドだ。

8. 1MDB borrowed approximately RM20 billion to acquire three power plant companies for an over-priced (sum of) RM12.1 billion. Despite being awarded new power plant contracts and extensions to the expiring power-producing concessions, the 1MDB power companies were sold for RM9.83 billion, or a loss of RM2.72 billion.
8. 1MDBは、総額121億リンギと言う高すぎる価格で3つの発電会社を取得するため、約200億リンギを借り受けた。(そして購入したが、その後、)新たな発電事業契約及び期限切れ間近の発電権の延長を与えられたにも拘わらず、1MDBの発電会社は98億3000万リンギで売却されたか、または27億2000万リンギの損失を出した。

9. 1MDB invested or lent a total of US$1.83 billion to Petrosaudi International (PSI) Limited between 2009 and 2011 under the pretext of bogus projects or non-existent assets. Bank Negara Malaysia had demanded 1MDB return the above money to Malaysia as its approval was given based on misinformation submitted by 1MDB. Of this sum, a total of US$1.4 billion was directly and indirectly siphoned off to Good Star Limited and other companies controlled by Low Taek Jho.
9. 1MDBは、2009年から2011年の間、偽のプロジェクトまたは実在しない資産を口実にして、合計18億3000万米ドルをペトロサウジ・インターナショナル(PSI)に投資したかまたは貸し付けを行った。マレーシア中央銀行(バンクネガラ・マレーシア)は、(当時の)その承認(訳者註:巨額資金の海外移送承認)は1MDBが提出した誤情報に基づいて決定されたものであるから、(承認を遡って取り消すこととするので)マレーシアに資金を戻すように1MDBに要求した。 この金額のうちの合計14億米ドルは、直接的または間接的にジョー・ロー(Low Taek Jho)氏が支配するグッドスター会社及び他の会社によって吸い上げられた。

10. To hide the missing funds, 1MDB "disposed" of its investments and loans to PSI for US$2.318 billion, claiming to have made a profit of US$488 million. However, no money was returned to Malaysia. Instead, 1MDB claimed it invested the funds in Cayman Islands that was subsequently found to be an unlicensed investment manager. KPMG was sacked as 1MDB's auditors for refusing to confirm the value of the investment in the mysterious Cayman fund.
10. 消えた資金(の事実)を隠すために、1MDBはPSIに対する23億1800万米ドルの投資とローンを処分し、4億8800万米ドルの利益を上げたと主張した。 しかし、1MDBはその資金をマレーシアには戻さずケイマン諸島の投資会社に投資したと主張したが、後ほどそれは無免許の投資マネージャーであることが判明した。 (1MDBが行った)不可解なケイマン諸島の投資会社への投資価値の確認を不能にするために、KPMG(訳者註:世界的に有名な会計監査会社)の1MDB監査役を解雇した。

11. 1MDB claimed that the Cayman Islands investment has been fully redeemed. (A sum of) US$1.22 billion was reportedly redeemed on Nov 5 2014 but was substantially utilised on the very same day to compensate Aabar Investments PJS for the termination of options granted to Aabar to acquire 49 of 1MDB's power companies. This is a lie because the parent of Aabar, International Petroleum Investment Corporation (IPIC), did not mention receipt of any such payments in its audited accounts published on the London Stock Exchange. Instead, the accounts stated that 1MDB owes IPIC the sum of US$481 million for the termination.
11. 1MDBは、ケイマン諸島への投資は完全に取り戻したと主張した。12億2000万米ドルは、伝えられるところでは2014年11月5日に取り戻された。(ところが)大部分はちょうどその当日にアーバー投資PJS(訳者註:UAEの投資会社)に1MDB発電会社の49%(の株式)取得を認めることのオプションを中止するための補償金として利用されたとのことだが、アーバー社の親会社である国際石油投資会社(IPIC)がロンドン証券取引所で発表したその監査報告書の中には、そのような支払いの領収に関してなにも言及されていないのでこれは虚である。その代わりに報告書は、1MDBは(オプションの)中止により、IPICに対し4億8100万米ドルの負債を負っていると述べている。

12. 1MDB also took another loan of US$975 million from a Duetsche Bank-led consortium in September 2014, for the very same purpose of compensating Aabar for the terminated options. The Wall Street Journal has exposed the fact that this money may have been paid to a different British Virgin Islands entity with a similar name, "Aabar Investment PJS Limited", whose beneficial owner is completely unrelated to IPIC. The simple scam has fooled even the 1MDB auditors, Deloitte Malaysia, into believing that the payments were indeed received by IPIC's Aabar.
12. オプション終了のためのアーバー社に対する補償と全く同じ目的のために、1MDBはまた、2014年9月にDuetsche銀行が率いる組合から、9億7500万米ドルのもう一つの融資を取り付けた。ウォール・ストリート・ジャーナルはこの金が同様の名前で異なる英領ヴァージン諸島の会社"アーバー投資PJS社"に支払われた可能性が高いという事実を暴露した。その会社の実質的な所有者はIPICとはまったく無関係だ。この単純な詐欺は、1MDB監査役のDeloitteマレーシアをも騙し、1MDBの支払いがIPICのアーバー社によって本当に受領されたと信じさせたのだ。

13. 1MDB announced that it made a second and final RM1.1 billion redemption of the Cayman Islands investment in January 2015. Initially the PM told Parliament that the sum was held in cash in BSI Bank, Singapore. However, two months later in May 2015, he informed Parliament that it was not in cash but "assets". Subsequently, it was explained that these assets were "units" which meant that they were never redeemed in the first place. This proved that 1MDB and the PM have been consistently lying to the Malaysian public. It also means that the money invested in Petrosaudi, which was reinvested in Cayman Islands, is still missing and unaccounted for.
13. 1MDBは、2015年1月にはケイマン諸島投資の2度目かつ最後となる11億リンギの償還を行うと発表した。まず最初に、首相は議会で、資金はシンガポールのBSI銀行で現金の状態に保たれると説明した。 しかし、2ヵ月後の2015年5月に首相は、それが現金でなくて"資産"であったと議会に報告した。その後、これらの"資産"はそもそも償還されることのない"ユニット"の意味だと説明された。このことは、1MDBと首相がマレーシアの国民に対し、一貫して嘘をついていたと言うことの証明だ。それはまた、ペトロサウジ投資会社に投資され、ケイマン諸島の投資会社に再投資された資金が依然として行方不明であることを意味している。

14. A former Umno vice-head of the Batu Kawan division made a police report on the loss of large sums of money by 1MDB. No investigations were carried out by the police. Instead, he was interrogated by police, detained and charged under anti-terror law (Sosma) for sabotage of the Malaysian economy. His lawyer was also arrested and charged under the same law. This has the effect of frightening people from making police reports on the 1MDB.
14. UMNOバトゥ・カワン支部の前副支部長は、1MDBによる巨額の損失について警察報告(被害報告)を提出した。(しかし)警察による調査は行われず、その代わりに彼(前支部長)は警察によって尋問され拘留されて、テロ防止法(Sosma)に基づくマレーシア経済の破壊活動の嫌疑で起訴された。彼の弁護士もまた、同じ法律のもとに逮捕され起訴された。このことは、マレーシアの人々が1MDBに関する警察報告(被害報告)を提出しないよう(人々を)脅す効果があった。

15. The Wall Street Journal reported that Najib had US$681 million in his private account at Ambank.
15.ウォール・ストリート・ジャーナルは、ナジブ首相が6億8100万米ドルをAm銀行の自身の個人口座に受けていたことを明らかにした。

16. Najib denied this at first but later admitted he had the huge amount of money in his account. He claimed that it was a gift from an Arab; then that it was a donation to help him win GE13 in Malaysia; then that it was given because of his dedication to the fight against Islamic terrorists. He then claimed to have received the money from a Saudi prince, then from the King of Saudi Arabia who had passed away.
16. ナジブ氏は最初はこれを否定していたが、後には自身の口座に巨額の金を保有していることを認めた。彼は(当初は)それがアラブ人からのギフトであり、それは彼がマレーシアのGE13(訳者註:前回総選挙)に勝利することを支援するための寄付だったと主張していたが、その後 それはイスラム・テロリストとの戦いに対する首相の献身に対して与えられたものだと主張した。それからは、サウジアラビアの王子から、その後、既に他界したサウジアラビアの国王から受領したものだと主張した。

17. Later a Saudi minister stated there was no record of such a gift by the Saudis. He suggested it was probably a Saudi investment. The amount was small.
17. 後に、サウジアラビアの大臣は、サウジアラビア人によるそのようなギフトの記録はないと述べ、彼は、それは多分サウジアラビア人による投資ではないか、金額は(もっと)少ない(のではないか)と意見を述べた。

18. Najib expressed his intention to sue the Wall Street Journal. But he did not. Instead, he asked his lawyers to ask the Wall Street Journal why it published the report.
18. ナジブ氏は、(当初)ウォール・ストリート・ジャーナルを訴えるという意思表示をしたが、(未だに)彼は訴えていない。その代わりに、彼は自分の弁護団に、ウォール・ストリート・ジャーナルに何故リポートしたのかを尋ねるよう頼んだ。

19. To this day the WSJ continues to report more and more details about the US$681 million he has in his private account. He has not sued WSJ, which he can do in the country the WSJ is published.
19. 今日まで、ウォール・ストリート・ジャーナルは、ナジブ氏が個人口座に受領した6億8100万米ドルについてますます多くの詳細(な情報)を報道し続けている。(しかし)彼は(今日まで)WSJを訴えていない。WSJが出版された国(米国)で訴えることができるのにだ。

20. Concerned over the huge sum of money in Najib's private account, a task force was set up in Malaysia to investigate the origin of the money. Four government institutions became members of the task force. They are the police, the attorney-general, Bank Negara and the Malaysian Anti-Corruption Commission.
20. ナジブ氏の個人口座の巨額の資金に関し、資金の出所を調査するため、タスクフォースが結成され、4つの政府機関がタスクフォースのメンバーとなった。それは警察、法務(司法)庁、中央銀行及びマレーシア汚職追放委員会である。

21. Before the task force was able to finish its work, the attorney-general was removed by Najib claiming that he was sick and could not continue to work. Basically Najib had misrepresented to the king to get the attorney-general to be replaced. The Public Accounts Committee was basically paralysed by Najib removing its chairman and members to prevent its investigations of the 1MDB. A new chairman, friendly to Najib, was appointed and he promptly declared that Najib had done nothing wrong.
21. タスクフォースがその任務を終了する前に、法務(司法)長官(訳者註:タスクフォースの長)が、病気で任務続行ができないと主張するナジブ首相によってタスクフォースの長を更迭された。基本的に、ナジブ首相は、法務(司法)長官の交代のため、国王に誤った報告を為した。議会の公共会計委員会は、1MDBの調査を妨害するために議長とメンバーを更迭したナジブ首相により、基本的にその機能は麻痺したが、ナジブ氏に友好な新任の議長が任命され、即座に、議長はナジブ首相は何も間違ったことをしていないと断言した。

22. He then appointed a new attorney-general. Shortly thereafter the new attorney-general dismissed a recommendation by Bank Negara for action to be taken, claiming that nothing in the report showed Najib had done any wrong.
22. それから、彼(ナジブ首相)は新らしい法務(司法)長官を任命した。その後まもなく、新任の法務(司法)長官は中央銀行(総裁)による勧告(訳者註:首相を起訴せよとの勧告)を、報告はナジブ首相がなにも悪いことをしていないことを示しているとしてそれを一蹴した。

23. Bank Negara appealed but this was brushed aside.
23. 中央銀行(総裁)は(ナジブ首相の起訴を)主張したが、しかしこれは払いのけられた。

24. The new attorney-general also dismissed another report by the MACC. The contents of the report are not revealed and threats are made against revealing its contents.
24. 新任の法務(司法)長官はまた、MACCによるもう一つの報告を退けた。報告の内容は明らかにされておらず、その内容を明らかにしないよう脅しをかけている。

25. The new attorney-general has, without valid explanations, dismissed the recommendations of the two institutions that possess the powers and expertise in their areas.
25. 新任の法務(司法)長官は納得し得る説明もなく、この分野における専門知識と能力を有する2つの機関からの勧告を却下したのだ。

26. That dismissal prevented the matter from being determined by a court of law after all the evidence was evaluated. By doing that, the attorney-general has acted as prosecutor and judge. Due process and the rule of law has been denied.
26. その(法務長官による勧告の)却下は、法廷において全ての証拠の評価が行われた後に問題が判断されることを防いだ。このことは、法務(司法)長官が検察官と裁判官の両方の役割を演じたと言うことであり、適切な司法手続き及び法の支配が否定されたと言うことだ。

27. The sacked deputy prime minister later revealed that the former attorney-general has shown him proof of Najib's wrongdoings relating to the scandals. At the same time, various foreign government agencies, namely from Switzerland, the United States, Hong Kong and Britain have initiated investigations on the 1MDB.
27. (内閣から)更迭された副首相(訳者註:ムフディン・ヤシン氏)は後に、前法務(司法)長官からこのスキャンダルに関するナジブ首相の悪事の証拠を見せられたことを明らかにした。と同時に、いろいろな外国の政府機関、すなわちスイス、米国、香港、英国の各政府機関が1MDBの件に関する調査を開始した。

28. The press in Malaysia is heavily censored so that Malaysians have to rely on the foreign press. Yet when Malaysians discuss or write about the foreign press reports, the government (inspector-general of police) invited people to make police reports so that the police can carry out questioning and investigations against the person concerned.
28. マレーシアにおける報道検閲が厳しいのでマレーシア人は外国のプレスに頼らざるを得ない状況にある。そんな中、政府(警察庁長官)は、人々がその外国の報道に関して討論したり書いたりした場合(訳者註:外国報道に基づき首相や政府を批判したりする場合)、警察がそれらの人物を尋問したり調査することが可能となるよう、警察報告(被害報告)を提出するよう他の人々を誘導している。

29. This is in contrast to the failure of the police to investigate the police report formally made against Najib, Jho Low and the reports to the attorney-general by Bank Negara and MACC. The attorney-general even threatens to amend the law to provide for jail for life with 10 strokes of the rotan against anyone "leaking" government papers. This means that crimes committed in the administration can be hidden from the public.
29. これは、人々のナジブ首相やジョー・ロー氏に対する警察報告(被害報告)並びに中央銀行とMACC(汚職追放委員会)が法務(司法)長官に対して行った勧告に基づく警察捜査の怠慢とは対照的だ。法務(司法)長官は、政府書類の情報漏洩に関わる何人に対しても鞭打ち10回と終身刑を科すことができるよう法改正をすると人々を脅しているが、このことは、政府部内の犯罪を市民の目から覆い隠すということを意味している。

30. The attorney-general claims that a part of the RM2.6 billion (about RM2.3 billion) has been returned to the donor or donors. Apart from this statement, no proof has been provided.
30. 法務(司法)長官は、26億1000万リンギのうちの約23億リンギが献金者または献金者たちに返納されたと主張している。この声明とは裏腹に、そのことを証明するものは一切提示されていない。

31. The people are suffering.
31. 人々は苦しんでいる。

32. Najib's GST and increases in toll rates have increased the cost of living, forcing some businesses to close down and also causing foreign-owned industries to stop operations and relocate to other countries, creating unemployment.
32. ナジブ政権が導入したGSTと高速道路料金の増加は(市民の)生活費を増大させ、一部の企業を廃業に追い込み、そのうえ外資系産業が活動を停止して他の国に移転する原因となり、そして失業者を生んでいる。

33. Despite protests by the people, Najib joined the US-sponsored Trans Pacific Partnership (TPP) which erodes our freedom to make policies and laws suitable for our country.
33. 人々の抗議にもかかわらず、ナジブ首相は、政策と法律を我々の国に適合させようとする我々の自由を侵食する(であろう)米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)に参加した。

34. Today Malaysia's image is badly tarnished. Apart from being classified as one of the 10 most corrupt countries, Malaysia is now regarded as undemocratic. There is denial of freedom of speech and freedom of the press and people live in fear of arrest and detentions. Security laws are enacted to allow the prime minister (and not the king) to declare security areas where anyone could be arrested and detained without trial and tried under procedures that violate normal and fair criminal justice standards.
34. 今日、マレーシアのイメージは酷く悪化した。(マレーシアが世界で)10の最も汚職が蔓延る国のうちの1つと分類されたことは別にして、マレーシアは現在、非民主的であると考えられている。言論の自由を否定され、出版の自由を犯され、人々は逮捕と拘留を恐れながら生きている。(新たに制定される)非常事態法は、国王でもない首相が非常事態地域を設定でき、その地域内では誰もが逮捕され、裁判なしで拘留され、通常の公明正大な司法標準ではない手順の下に裁かれることになる。

35. On the other hand, where errors are made in applying these laws by government officers, or where there is a blatant abuse of that power, the people are unable to hold them accountable. Whistleblowers are harassed and punished instead of being protected. Other repressive laws are used to stifle free speech and the legitimate comment about wrongdoings. The fundamental rights enshrined under the federal constitution have become meaningless.
35. 一方、政府役人によってこれらの法が適用される際の間違いや権力の露骨な濫用が生起する場合においては、人々は彼らに責任を求めることはできない。(政府役人に対する)告発者は、保護される代わりに苦しめられ罰せられる。他の抑圧的な法律は、人々の言論の自由と不正に関する合法的なコメントを押さえ込むのに使用される。(マレーシアの)連邦憲法によって保障されている基本的な権利はもはや意味を成さなくなった。

36. For all these reasons, we, the undersigned citizens of Malaysia agree and support:
36. すべてのこれらの理由のため、ここに署名したマレーシア市民は、以下に同意しそれを支援する:

a) The removal of Najib as PM of Malaysia through non-violent and legally permissible means.
a) 非暴力的で法的に許される手段によるマレーシアの首相としてのナジブ氏の解任

b) The removal of all those who have acted in concert with him.
b) ナジブ首相と協力して行動した者すべての解任

c) A repeal of all recent laws and agreements that violate the fundamental rights guaranteed by the federal constitution and undermine policy choices.
c) 最近のすべての法律及び連邦憲法によって保証される基本的な権利を侵害し政策の選択を徐々に蝕む協定の廃止

d) A restoration of the integrity of the institutions that have been undermined, such as the police, the MACC, Bank Negara and the PAC.
d) 徐々に蝕まれた政府機関(例えば警察、MACC、中央銀行及び公共会計委員会)の健全性の回復

37. We call upon all Malaysians, irrespective of race, religion, political affiliation, creed or parties, young and old to join us in saving Malaysia from the government headed by Najib, to pave the way for much-needed democratic and institutional reforms, and to restore the important principle of the separation of powers among the executive, legislature and judiciary which will ensure the independence, credibility, professionalism and integrity of our national institutions.
37. 我々は、すべてのマレーシア国民に対し、人種、宗教、政治的提携、信条、所属団体に関係なく、ナジブ首相によって率いられている政府からこのマレーシアを救うために我々と行動を共にして、非常に必要な民主主義と組織改革への道を開き、独立、信頼性、専門職業意識と我々の全国政府機関の健全性を確実にする役員、議会議員と司法官の間の三権分立の重要な原理確立を復活させることを求める。



以上、今日は今マレーシア政界のみならず、世界中から注目を浴びている"市民の宣言"の全文を紹介してみました。

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当日のマラヤ大学学生会館における記者会見↑では、各界から58名の署名が集まったと発表されましたが、どうやらそれは誤りで正しくは45名だったようです。ただし、署名はその後も増え続け、一般市民による署名は昨日段階で約2万5千人に達したとの報道もありました。

また、マレーシアキニが実施しているWebアンケート調査では、約7割の支持を得ている模様です。

しかし、一方でこの"市民の宣言"やその署名者に対するナジブ派の攻撃(口撃)は熾烈を極めています。もうこうなると言い合いの内戦状態を呈してきた感がありますが、冷静な気持ちでこの"市民の宣言"の37項目を読む限り、これにひとつも反証できていないナジブ派の論理矛盾は明らかなように私には思えるのですが、依然として数の上では圧倒的にナジブ派が優勢と報道されています。

今後、与党UMNO党員や国民の意識がどう変化していくのかが、注目されるところです。

ではまた。。

このところの千客万来に加え、ローカルの友人と共に近々に立ち上げを計画している、あるボランティア活動の準備に時間を割かれ、ブログの更新がついなおざりになっています。

これではいけないと思いやおら書き始めてみたものの、題材に取り上げた政界スキャンダルの最近ニュースが結構難解なことと、動きが急に目まぐるしくなっていることで意外に手間取ってしまい、更新がとうとう3月に入ってしまいました。

ところで、このマレーシア政界疑獄シリーズも今回で早や18稿目ですが、正直言って、これほど長いシリーズものになろうとは思ってもみませんでした。この分だと、私のブログでは最長のKLIA2シリーズ(19)を抜いてトップに躍り出ることは確実です。

しかし何が功を奏するかは本当に分からないものですね。私は、この件をシリーズに書き始めてから、今まで思いも及ばなかったこの国のいろいろなことがらにたくさん気付かされ、そしてより深く学んでいる気がします。

この国はあらゆる意味でわが祖国日本とは異なっています。私の浅薄な知識・経験のみでは推し量れない、私にとっては異次元のなにかが存在しているのです。それは恐らくこの国の歴史や文化や民族に由来する何かだろうと思うのですが、残念ながら私にはそれがまだはっきりとは見えていません。

そんな中、最近はその動きが俄かに慌しくなってきました。前回ブログ更新からの1週間でも、めまぐるしいほどに様々な動きがありました。このことが何を意味しているのか、そして今後どうなるのかは全く読めませんが、今日は、マレーシア・キニの最近の関連ニュース記事からそのタイトルを時系列に並べてみてその動きを追ってみたいと思います。



マレーシア・キニ関連記事タイトル一覧(時系列)

22 Feb 2016

・Opposition can’t be on same page, how to take Putrajaya?
「一枚岩にはなり得ない野党連合、プトラジャヤ攻略はいかに」
(ばらばらの野党でいては政権交代などできないぞとの記事)


・Dr M wants system change more than 'reformists', says Zaid
「マハティール元首相、改革主義者より強力なシステム改革が望み、とザイド氏」

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(ザイド氏は前法務担当首相府大臣で著名弁護士)


・Have you investigated Najib, Zaid asks IGP
「ナジブ首相を捜査/調査したのか? ザイド氏、警察長官に質問」
(ザイド氏が警察長官に、首相本人の事情聴取はしていないのではないかと詰問したとの記事)


・'Muhyiddin's role as deputy is at Najib's discretion'
「ムフディン氏の副総裁としての仕事はナジブ総裁が決めること」

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(更迭された前首相で現UMNO副総裁のムフディン氏が副総裁としての仕事をせずにナジブ攻撃ばかりしていることを非難し、必要なら総裁権限でいつでも解任できるのだ、とUMNOスランゴール州情報主任のゼイン氏)


・Nazri urges Muhyiddin's suspension for attacks on Najib
「ナズリ氏、ナジブ氏攻撃を止めないムフディン副総裁の解任を要求」

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(ナズリ氏はUMNO最高評議会委員で観光・文化大臣、ナジブ擁護派のキーパーソン)


・Rebel Umno leaders back March 27 anti-Najib rally
「UMNO反逆支部長連、3月27日の反ナジブ集会支援を表明」

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(UMNO内の反ナジブ派がザイド氏が提唱している反ナジブ集会を支援することを表明したとの記事)


23 Feb 2016

・The next few months will be critical
「今後数ヶ月がクリティカルか」

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(元外務官僚でマレーシア大使経験者のデニス氏が自身のブログで、「ここ数週間の政界の動きを見ていると、かつてない怒りとエネルギーに満ちている。現政権にとっては今後数ヶ月のうちに危機的状況となり得る。」と述べたとの記事)


・Is March 27 D-Day for Najib?
「3月27日がナジブ首相にとってのD-dayか?」
(3月27日の反ナジブ集会は、野党連合のPakatan Harapanがまだ合流決定しておらず、ナジブ首相にとって致命的な日とはならないのではないか、全野党の結集が必要だろうとの記事)


・Tabling of audit report on 1MDB postponed to March
「1MDBの会計監査報告は3月に延期、会計検査院長官」

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(会計検査院長官は、国会の会計検査委員会に対する1MDBの会計検査報告が、当初予定(2015.12)よりさらに遅れて3月の初めになると発表したが、たいして大きな理由もないのに、なぜこんなにも遅れるのだろう、との疑問を呈する記事)


・March 27 'rally' is closed-door gathering, says Zaid
「3月27日の集会は非公開の集会だ、とザイド氏」

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(3月27日の反ナジブ集会は、政治家、学生運動及び市民社会運動のリーダーたちによる1000人規模の非公開の集会だ。一般大衆による街頭デモではないとザイド氏)


・Don't pass MCMC Act amendments to stifle criticism, urges MP
「口封じのためのマレーシア通信・マルチメディア改正法の成立を許すな、と野党議員が猛抗議」

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(来月予定されているマレーシア通信・マルチメディア省による通信・マルチメディア法の改正提案は、成立すれば多くのインターネットブロガーなども規制の対象となる、そんな国民の知る権利を阻害する改悪を絶対許すまじの記事)


・'Clown-face' Najib lands artist under police probe
「ピエロ顔ナジブ首相のランドアーティスト、警察事情聴取を受ける」

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(ランドアーティストのファーミ氏がツイッターとインスタグラムにピエロ顔ナジブ首相の風刺画をアップロードしたことが、MCMC法に抵触する疑いがあると警察が捜査を開始したとの記事)


・Second ‘sabotage’ of PAC probe the greatest gift to Najib
「会計監査報告の2度目の延期はナジブ首相に対する最高の贈り物」
(野党民主行動党党首のキットシアン氏が、会計検査院長官が国会での1MDB会計監査報告をこれまで2度も延期し、未だに行っていないことは、ナジブ首相にとっては都合が良いことだろうが、国民の最大関心事に対する正当な捜査・調査を妨害していると主張)


24 Feb 2016

・Amnesty says crackdown on freedoms in M’sia intensified
「マレーシア、自由に対する取締りを強化、とアムネスティ・インターナショナル」
(マレーシアでは表現の自由及び市民権や政治的権利への迫害・取り締まりが急速に強まっていると、国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルが今日、年次報告を公表)

・MACC Operations Review Panel meets for last time today
「MACC(マレーシア汚職追放委員会)の調査委員会最終会合が今日開催」
(MACC調査実行部門の最終会合が今日開催される。1MDB関連調査が法務長官指示どおりに打ち切りとなるか今日結論が出る見通しとの記事)


・Police to question Mahathir today in Putrajaya
「警察、今日プトラジャヤにてマハティール氏を事情聴取」
(警察長官筋によれば、今日、マハティール元首相は氏のブログの記事に関して、プトラジャヤの氏の事務所にて事情聴取されるとの記事)


・Salleh: WSJ’s anti-Malaysia agenda clearer by the day
「サレー氏、WSJの反マレーシアぶりが日毎明らかになっている」

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(通信・マルチメディア大臣のサレー氏が、報道倫理に反し根拠に基づかない嘘だらけの報道のWSJは、その反マレーシアのメディアぶりが日を追うごとに明白となってきていると述べているとの記事)


・Poor leadership losing us our global accolades, says Raja Bahrin
「貧弱なリーダーシップが国の栄誉を削いでいる:ラジャ・バーリン」

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(野党Amanah党国際局長のラジャ・バーリン氏の、貧弱なリーダーシップ(ナジブ首相のこと)によって、かつては東南アジアの優等生などと称賛されていたこの国の栄誉が急速に失われている、との嘆きの記事)


・Step down or challenge Najib, Azalina tells Muhyiddin
「ムフディン氏は辞職するか、さもなくばナジブ総裁と選挙で戦え、とアザリナ大臣」

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(首相府担当大臣のアザリナ女史が、ムフディン氏による長舌のナジブ総裁攻撃はUMNO草の根党員の悪い手本だ、副総裁のポストを即刻辞職するか、さもなくば党の役員選挙でナジブ氏と戦え、とムフディン氏に告げたとの記事)


・Go ahead, I am prepared for jail, says Mahathir
「やれるものならやってみろ、刑務所に入る用意はできている、とマハティール氏」

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(今日、警察の事情聴取をうける予定のマハティール氏が、逮捕するなら逮捕してみろ、刑務所に入る覚悟はとっくにできている、と御歳90歳のマハティール氏)

・Continue RM2.6b probe, MACC panel tells anti-graft body

「MACCの調査委員会、MACCに26億リンギの調査は継続と報告」
(MACCの調査パネルが、その最終会合において26億リンギの調査を継続すると決定したとの記事)


・Time to act and rise up against Najib, Dr M urges citizens
「マハティール氏、今こそ反ナジブで決起する時だと、国民に呼びかけ」

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・Dr M will join March 27 'oust Najib' gathering
「マハティール氏、3月27日の反ナジブ集会参加を表明」


25 Feb 2016

・Mahathir crosses the Rubicon
「マハティール氏、ルビコン川を渡る」

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(古代ローマ史に残る名言、ルビコン川を渡る、とは賽は投げられた、もう後戻りはできないという意。マハティール氏の反ナジブ決起の解説記事)


・Umno veep defends Muhyiddin amid ouster speculation
「UMNO副総裁補のシャフィー氏、ムフディン氏追放の動きの中で氏を弁護」

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(反ナジブのシャフィーUMNO副総裁補が、明日開催予定の最高評議会でムフディン氏の追放の動きがあることに反論しムフディン氏を弁護する記事)


・Nazri warns Muhyiddin: Stop attacking Najib or I'll attack you
「ナズリ大臣、ナジブ氏攻撃を止めなければ私があなたを攻撃する、とムフディン氏に警告」
(ナジブ擁護派のキーパーソン、ナズリ首相府大臣がまたもやムフディン氏に警告を発したとの内容で、UMNOの翌日の最高評議会懲罰委員会の結果を予期させる記事)


・'Umno supreme council will pay for punishing Muhyiddin'
「UMNO最高評議会のムフディン氏懲罰決定は将来その責めを負うだろう」

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(UMNOの最高評議会懲罰委員会の審議結果を予測し、ムフディン氏追放の決定は、将来それが誤りであったことへの責めを負うだろう、とムフディン氏を全面支援するUMNO PAGOH支部のイズマイル副支部長)


・Umno rebels deliver questions on Najib to Saudi embassy
「UMNO反乱支部長連、在マレーシア、サウジアラビア大使館にナジブ氏に関する質問状を提出」
(26億リンギの資金がナジブ首相の個人口座に送達された問題で、在マレーシアのサウジ大使館に、資金の出所、用途などに関する質問状を提出したとの記事)

・MCMC confirms TMI ban, warns against unverified reports
「マレーシア通信・マルチメディア委員会、マレーシア・インサイダーのアクセス・ブロックを確認、不明確な情報発信に警告」

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(政府による1MDBと26億リンギ関連スキャンダルの報道規制が、ついに国民の知る権利を唯一担保している自由メディアをも潰し始めた。情報源を明らかにしない不確かな情報を発行・発信する自由メディアは決して許さない、と言う現政権は、憲法が保障する表現の自由や報道の自由を侵し、国民の知る権利を妨害している。次はマレーシア自由メディアNo1のマレーシア・キニにも被害が及ぶであろうと同誌編集主幹)


・'TMI block shows Putrajaya fears free media'
「マレーシア・インサイダーのアクセス・ブロックは、プトラジャヤが自由メディアを恐れていることの証左」

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(マレーシア通信・マルチメディア委員会によるニュースポータルのマレーシアン・インサイダーへのアクセスブロックは、マハティール時代に、2020年までのマルチメディア・ユートピア実現を目指して導入したマルチメディア・スーパーコリドー施策に明らかに違反している。現政権が自由メディアを恐れている証だ。直ちに解除せよ、とファーミ野党人民公正党通信部長が声明で発表)


・MACC panel chair denies sufficient evidence to prosecute Najib
「MACCの調査委員会議長、ナジブ告訴に十分な証拠ありを否認」
(MACC調査委員会の匿名メンバーが、調査ではナジブを告訴するに十分な証拠が出た、とマレーシア・インサイダーに情報を漏らし、それを同誌が情報源を明らかにしないまま公表したとされていることに関し、MACCが正式に否認会見)

・'TMI block signifies darkest day since media crackdown in 1987'
「マレーシア・インサイダーのブロック、1987年以来の暗黒時代突入」

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(ナジブ政権による今回のマレーシア・インサイダーへのアクセスブロックは新たな暗黒時代の到来であり、厳しい情報取締りが始まったことを意味していると、野党民主行動党のトニー議員)


26 Feb 2016

・CIJ urges vigilance over more censorship after TMI block
「CIJ、マレーシアン・インサイダーのブロック後の更なる検閲強化に警戒呼びかけ」
(政権にとって都合の悪い情報はすべてシャットダウンしようと言うインターネット上の情報規制は、明らかに不健康な民主主義だ、と報道の独立性を守ろうセンターが現政府による今後更なる検閲強化に警戒呼びかけ)


・Police to probe TMI report on recommendations of MACC panel
「警察、勧告に基づきMACCのパネルに対する捜査開始か」
(警察によると、MACCパネルの委員が捜査の秘密情報をマレーシアン・インサイダーにリークしたのではないか、捜査すべきだとの勧告に基づき近く捜査を開始する模様)


・Muhyiddin's removal will be 'final nail in Umno's coffin': Mukhriz
「ムフディンの追放はUMNOの棺桶の最後の釘となるだろう:ムクリツ前クダ州知事」

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(ムフディン氏を追放すれば、UMNOにとってはそれがUMNOと言う政党の死を意味することだ。取り返しの付かない決定的なダメージとなるであろう、とマハティール氏の息子で前クダ州知事)


・M'sia morphing into North Korea, says Mahathir on TMI ban
「マレーシアン・インサイダーのブロックに関し、マレーシアは北朝鮮に変容している、とマハティール氏」


・Dr M: I'm attending March 27 'oust PM' gathering
「マハティール氏、私は3月27日の反ナジブ集会に参加する、と表明」


・DAP, MIC say sue instead of ban if TMI article ‘offensive’
「マレーシア・インサイダーの記事がだめと言うならブロックではなくて訴訟提起すれば良いではないか、とDAP及びMIC」
(民主行動党及びマレーシアインド人会議は、今回のマレーシアン・インサイダーのアクセスブロックに関し、記事が違法だと思うのならば、予告なしにブロックするのではなく、訴訟提起すべきだろう。違法かどうか、罪かどうかの判断はMCMCではなく司法だろうと主張)


・Muhyiddin suspended as Umno deputy president, Zahid steps in
「ムフディン氏、UMNO副総裁のポスト剥奪さる、後任はザヒド氏」

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(ムフディン氏が本日のUMNO最高評議会にて、党副総裁のポストを追われたとの記事。後任は現副首相でナジブ擁護派トップのザヒド氏)


・'Muhyiddin suspended because Najib fears his influence'
「ナジブ首相、ムフディン氏の影響力を怖れ、氏のポスト剥奪」
(ムフディン氏が、噂どおりに党副総裁のポストを追われたことは、ナジブ首相が氏の影響力を怖れているからだ。ナジブ氏の安寧はUMNO内でしか得られず、後任にザヒド副首相をあてることによって、ナジブ氏の居心地は一段と良くなるだろうとの記事)


27 Feb 2016

・Najib's FB page awash in flood of 'angry' emoji
「ナジブ氏のフェイスブックは怒りの絵文字の大洪水」

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(昨夜、ナジブ首相のフェイスブックには怒りの絵文字の大洪水が生起したが、これは何千ものネットユーザーがナジブ氏に対して怒っている、との意思表示をしたもの)


・Will Muhyiddin cross the Rubicon and quit Umno?
「ムフディン氏はルビコン川を渡るか、そしてUMNOを離党するか」

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(政治学者のウォン氏はマレーシア・キニの電話インタビューに答え、党の役職を剥奪されたムフディン氏とシャフィー氏はルビコン川を渡り、UMNOを離党すべきと述べた。ナジブ派にとっての打撃は、BN(与党連合)が2議席を失うだけでなく彼らを軸とする新たな政界の動きが惹起することだろう、との記事)

・Muhyiddin urges reform, says rejecting Najib alone not enough
「ナジブ一人を追放するだけでは不十分。改革が必要とムフディン氏」

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(昨日、党副総裁のポストを剥奪されたムフディン氏が、マレーシアを元のように民主的で繁栄の国にするためには、人種、宗教、主義思想にとらわれずに人々が一致団結して戦うことが必要。ナジブ氏一人を追い出すだけでは駄目で抜本的な改革が必要だと訴えているとの記事)


・'Ex-AG showed me proof on Najib and SRC, it was clearly a crime'
「前法務長官が私に示したナジブとSRCに関すること、それは明らかな犯罪の証拠だ、とムフディン氏」
(ムフディン氏が副首相の地位にある時、前法務長官がナジブ首相とSRCに関する多くの証拠を示してくれたが、それは疑いようもない重大犯罪だ、とムフディン氏が告白したとの記事)


・We're witnessing emergence of a new dictator, ex-DPM warns
「我々は今、ここに新たな独裁者の出現を目の当たりにしている、と前副首相のムフディン氏が警告」
(前首相のムフディン氏が昨夜、党副総裁のポストを追われたことに関し、氏は、ナジブ氏が自身を批判するすべての口を封じるためにあらゆる権力を結集して、民衆の弾圧を始めていることは、民主主義社会が崩壊した証左だ。我々は今ここに新たな独裁者の登場を目の当たりにしているのだ、との記事)


・Najib: Gov’t not a dictatorship, it's elected
「ナジブ首相:政府は独裁政権ではない。選挙で選ばれたのだ」

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(ムフディン氏の独裁者呼ばわりにナジブ首相が反論。私は独裁者ではないし、政府は独裁政権ではない。我々は民主的な選挙によって民衆に選ばれた正当な政権だと主張)


・Rafizi welcomes Muhyiddin to reformasi movement
「ラフィジ氏、改革実行のためムフディン氏を歓迎」

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(野党民主正義党の副党首兼事務局長のラフィジ氏は、この国の改革実現のため、国民が一致してナジブ政権打倒のために結集すべきユニークな曲がり角に差し掛かっている。ムフディン氏と共に戦い、真に民主的で国民の幸福を追求する新たなリーダーを選ぼう、ムフディン氏を歓迎する、とマレーシア・キニの問いに答えたとの記事)


・MIC respects Umno decision on Muhyiddin
「BN(与党連合)のMIC、ムフディン氏のポスト剥奪に関するUMNOの決定を尊重」
(BNの一員であるマレーシア華人協会が、ムフディン氏の取り扱いに関するUMNOの決定を尊重すると党声明を発表したとの記事)


・Salleh: Muhyiddin suspension not to split party
「サレー通信・マルチメディア大臣:ムフディン氏の地位剥奪決定は党を二分しない」

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(ナジブ擁護派のキーパーソンの一人、サレー大臣は、UMNO最高評議会がムフディン氏の副総裁を剥奪したことが、党を二分するのではないかとの噂が飛び交っているがそれはありえないことだ、と述べたとの記事)


・Be with the gov’t to fight violence, terrorism, says PM
「首相、国民に対し、政府と共に暴力やテロリズムと戦おうと呼びかけ」

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(ナジブ首相が、最近の国民の間の不協和音について、今は世界が暴力やテロリズムと一致して戦うべき時だ、マレーシアもSNSなどに溢れている不確かな情報に踊らされず、国民が一致して政府と共に戦おう、と訴えたとの記事)


・Sack if Muhyiddin 'does it again', says Tengku Adnan
「もしムフディン氏が再度同じことをするようなら、今度は党籍を剥奪と、テンク氏」

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(副総裁の地位を剥奪されたムフディン氏が依然としてナジブ総裁を攻撃するならば、次は党籍剥奪だ、とUMNO事務局長でナジブ派の重鎮、テンク氏が述べたとの記事)


・Kit Siang reiterates 'Save Malaysia' agenda as friends, foes align
「野党DAP党首のキット・シアン氏、敵も味方も一致してマレーシアを救おうと再度の提唱」

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(野党、民主行動党のキット・シアン党首が、ムフディン氏の更迭に呼応し、昔の敵も味方も今は一致してマレーシアを北朝鮮化しようとしているナジブ政権と戦わなければいけない、我々はムフディン氏やマハティール氏とも共に戦う意思があるとの記事)


・Gani zips lips over alleged evidence against Najib in SRC case
「ガーニ氏、SRC事件のナジブ首相の嫌疑について口を閉ざす」

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(ムフディン氏が副首相時代に、前法務長官のガーニ氏から、首相の犯罪に関する明らかな証拠を示されたと公表したことについて、ガーニ氏は固く口を閉ざしている、との記事)


・Be smart Internet users, Rosmah advises Girl Guides
「もっと賢明なインターネットユーザーになりなさい、とロスマー夫人が全国の女性に向けて呼びかけ」

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(ロスマー首相夫人が、SNSに溢れている首相や自身に対する辛らつな情報をとらえ、女性は、偽情報に踊らない賢いインターネットユーザーにならないといけないと自身が今日出席したマラッカでの会議の席上訴えたとの記事)



以上、2月22日から1週間のマレーシア・キニの課関連ニュース記事のタイトルのみをピックアップし、それを時系列で並べ、簡単に記事内容を紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。

全般的に動きのテンポが早まっていますが、最近の動きを概括すると、現政権打倒のために、人種、宗教、文化、主義思想の壁を取り払い、全国民が一致して戦おうという雰囲気が大分醸成されてきた気がします。

また、昨日と一昨日(2月28日と29日)の間には、さらに新たなニュースとして、マハティール氏とその夫人がUMNOを離党し、何名かのUMNO党員がマハティール氏に呼応し離党の動きをみせているとのことです。マハティール氏はまた、ムフディン氏にもUMNOを離れるように助言しているとのことですし、そうなれば、UMNOの分裂は必至です。

この国の政界アナリストが述べているように、UMNOの一枚岩が崩れれば、マレーシア政界再編の大事も現実味を帯びてきます。しかし、果たしてどうなるか、毎日の真剣なニュースチェックがますます重要かつ大変になってきている今日この頃です。

ではまた。