昨日、10月28日の水曜日、久しぶり、本当に久しぶりに青空が見えました。と言ってもスカイクリアーとまでは行かないのですが、夕方にはヘイズもすっきり晴れて視界良好、南のミッドバリー方向にはTMの三日月ビルがくっきりと見えていました。

この分ではKLの明日の木曜日はマレーシア気象局の予報どおり、多分朝から晴れることでしょう。オンライン上の天気図をチェックしてみましたが、マラッカ海峡からマレー半島にかけての風向が全体的に東北東に変化しつつあるようなので、これがこの季節特有の北東モンスーンによるものだとすれば、今後はこの地域のヘイズは次第に解消されるのだろうと思います。

これは、前回記事で紹介したマレーシア科学技術革新省の大臣発表に軍配と言うことになりますかね。でも、多くの方がロイター配信による前日の記事(ヘイズが来年まで続くだろうと言う記事)にすっかり騙された(読者が誤解した?)らしく、いろんなアウトドアイベントがキャンセルになったと聞きました。

例のYMCAのじじばばバスツアーも、このヘイズでキャンセルになり、一旦は支払った参加費の払い戻しまで受けていたのですが、なんとびっくりこれが復活したのです。 Alamak!(マレー語ですが日本語の"あらまぁ!"と同義です)

昨日夕方に担当者からの電話で知りましたが、流石はじじばば軍団、一度死んでも生き返るとは、まるでゾンビのようですね。(笑)

なんて馬鹿言っていないで、今日の本題に入ります。

さて、これ↓なんの画面かお分かりですか?(実はこの質問はこれで2回目です)

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そうです。この国マレーシア政府(Malaysian Communications and Multimedia Commission)にアクセスをブロックされたインターネットウェブサイトの画面です。この国の、メディアに対するインターネットアクセスブロックはこれで2例目です。1例目は、このシリーズを書くきっかけになったサラワクリポート。英国をペースに意欲的にメディア活動を続けるサラワクリポートは、今年の7月に、関係法令に抵触するとしてそのアクセスを突然ブロックされて今に至っています。

関係者の間では、表現の自由や報道の自由が侵されているとして政府に対する強い非難の声が止んでいませんが、そんな中、2例目のアクセススブロックです。今度はマレーシアクロニクル(Malaysia chronicle)と言うオンラインメディアです。

実はこのマレーシアクロニクルは、マレーシアキニやマレーシアインサイダーとともに私の毎日の巡回ニュースチェックの対象メディアでした。ところが先週の金曜日(10月23日)のことですが、突然アクセスできなくなってしまったのです。そして、1例目のサラワクリポートのブロック画面にはどの法律に抵触しているのかが誰にも解るようにリンクが貼ってあるのですが、今回はそんなリンクも見当たりません。まるで問答無用とお上が言ってるようです。

一体何の法律に抵触していると言うのでしょうか。確かにこのマレーシアクロニクルと言うオンラインメディアは、現下の1MDBなどのポリティカルスキャンダルなどについてかなり厳しい、政府にとっては耳が痛い記事のオンパレードでした。でも、だからと言って理由の説明もなく(信じられないことですが、MCMCに問い合わせても未だに何の説明も得られないとい言うことです)突然メディアをブロックするとは凄いですね。

こんなことは日本ではありえないことだし、もしあったらそれこそ国中が大騒ぎになっていることでしょう。でもここは日本ではありません、マレーシアです。折しもマレーシア国会では、2016年予算の政府案の提示直前だったので、SNS上には、政府は国民になにか隠そうとしているのではないかなどの非難が沸き起こっていますが、世間では思ったほどの騒ぎにもならずに今に至っているようです。(主要メディアはこの件を一切記事にはしていないので、国民や在住日本人の中にはまったく知らない・気付かない方たちも多くおられるのではないかと思います)

私の周囲にいる生身のマレーシア国民は一体このことをどう感じているのか、何人かの方に質問してみました。

期待に違わず中華系・インド系はかなり憤っておられるようです。このままではこの国の将来はない、とまで語る方もいらっしゃいました。一方マレー系の方々は、これも期待に違わずですが、言い難そうに、政府が悪い、でも仕方がない、と小声で仰る方がほとんどでした。

外国人である私は、この国のことについて私の考えを主張する権利も責任もないわけですが、例え一時的にせよ、住まわせてもらっている立場で物申すとすれば、やはり、これは民主的ではないでしょ。民主国家としてはちょっと横暴じゃないかと感じてしまいます。

しかしながら、いくら政府が要注意と考えるメディアを、国民の目や耳から遠ざけようとしても、インターネットアクセスブロックには、実はブロックをかいくぐる方法があるのです。それはDNS(ドメインネームシステム)を操作する方法なのですがSNS上でも広く紹介されていますし、誰もが簡単にできます。

これ↓は、既にブロックされているはずのマレーシアクロニクルの昨日(10月28日)の記事ですが、このようにいとも簡単にブロックを回避できるのです。と言うことは、政府が国民に知らせたくない、見せたくないウェブサイトをいくらブロックしようが、実質的な効果はないと言うことなのですね。

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と言うより、完全に逆効果だと思うのですがどうなんでしょうね。人間誰しも隠されれば見たくなります。政府がブロックしたら、そのサイトのアクセスが逆に増えたなんてシャレにもなりませんよね。

しかし、政府もそんなことは承知のはず。ではなんのためのアクセスブロックなのか?ひょっとしたら他のメディアに対する見せしめや脅しとしての効果はあるのかも知れませんね。うーん、そのせいか、ここ数日のマレーシアキニやマレーシアインサイダー、マレーメールオンラインなど、普段はアンチガバメント色の強いメディアの論調がかなり柔らかくなってきたような、そんな感じを受けています。

私はもちろんそんなアンチなメディアだけでなく、ザ・サンディリーやザ・スター、ニューストレイツタイムズなど、まるっきりの御用メディアではないかと思えるようなプロガバメントのメディアもチェックしているわけですが、ニュートラルな立場の私からすれば、このままでは真実が見えなくなってしまうのではないかと危惧しています。

でも、マレーシアの今のこの問題については、国内だけでなく多くの外国関係機関やメディアが注目しています。中でも、今の1MDBに絡む問題をこの7月にすっぱ抜き、多くの国民の愁眉の元となった米国の大手経済紙のウォールストリートジャーナル(WSJ)は、依然としてこの問題の追っかけ記事を書いていますし、先週は2日連続(10月22日、23日)で、今のマレーシアのポリティカルスキャンダルについて分かりやすい解説記事を掲載しました。

私たちのような門外漢にはなかなか理解しにくいこのマレーシアのポリティカルスキャンダルを、誰もが容易に理解できるようにと掲載されたもののようですが、なかなか説得力のある、また信憑性もある記事ではないかと感じながら私は読みました。

今日は、実はその2つの記事をここで紹介しようと思っていたのですが、既にここまで十分長く書いてしまいましたので、WSJの記事の紹介は次回に譲ることにしたいと思います。



↓今朝の自宅バルコニーからの撮影画像です。

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前回の写真と比べてもらえば、今までのヘイズがどれほどのものだったかはお分かりかと思います。これ↑は、自宅から南方向、ミッドバリー方向を眺めたまだ日の出前の写真です。地平線上にTM(テレコムマレーシア)の三日月ビルが見えています。

そしてこれ↓は、カメラを左に振って東側を見ています。太陽が建築中のビルの陰から顔を出そうとしているところです。

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本当に久しぶりです、こんなにいい天気。私がキナバル山に出かけた9月初めからですからおよそ2か月ぶりでしょうか。今朝は、すっきりした眺めだなあと嬉しくなりましたが、でもよくよく見ると、まだちょっとモヤっているような気がします。

しかし病気して初めて健康の有難さに気付くと同様、透明でなんの臭いもしないきれいな空気のなんと有難いことかをつくづく感じた今日、2015年10月29日の朝でした。

次回はWSJによる"良く解るマレーシアのポリティカルスキャンダル"についてです。

ではまた。。







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眠い時に寝て、目が覚めたらなにかする、と言うまことに自由気ままな、だらしのない生活を始めて久しいのですが、そんな中でも毎日欠かさないのが内外のニュースチェックです。

当地マレーシアはもちろんのこと、祖国日本のニュースや世界のニュースなども、たっぷりある時間を贅沢に使って、毎日丹念にチェックしています。これはきっと、私の中には、まだ時流の中にどっぷり浸かっていたいとか、世間からまだ疎外されたくないと思う気持ちや未練があるのだろうと思いますが、近い将来のボケ防止には役立つに違いない、そう考えて励んでいます。(笑)

このニュースチェックですが、私の場合は紙の媒体ではなく、ほとんどがインターネット上のオンラインニュースポータルのチェックです。紙の媒体は、外出した際に分厚いフリーイングリッシュペーパー(無料英字新聞)をせっせと貰ってくるのですが、(活字が小さくて読むのが辛いと言う理由で)ほとんど読まずに、定期的に大量に出る魚の頭や内臓などの処理に使っています。でも、これはこれで大変役に立っているので、フリーペーパーカンパニーさんには本当に感謝しています。

この前、ローカルの方にそんなお話をしたところ、マレーカンポンの人たちもほとんど読まずにナシレマなどの弁当の包み紙として利用しているのだそうです。おー、マレーの村人たちもなかなかやりますなぁ。(笑)

今は便利な世の中ですね。これは私の英字新聞の速読訓練を兼ねたニュースチェックなのですが、以前は、分からない単語などが出てくると、いちいち辞書を引いてました。でも今はカーソルを乗せるだけでポップアップ辞書が瞬時に自動起動するのですね。モバイル端末でもそれと似たような機能があって、指をタッチするだけで辞書が立ち上がる。いやぁ便利な世の中になったもんです。

私の場合は、ローカルのオンラインメディアを大体6~7紙、日本とインターナショナルを数紙、定期的に巡回しているのですが、お陰で速読もかなり楽になりました。定期的に巡回チェックしていると言っても、もちろん、記事の全部を読んでいるわけではありません。

タイトルだけざっと見渡して気になる記事をピックアップし、次にその中でこれはと思うものを複数のメディアを比較しながら順にチェックするわけですが、メディアの性質や報道姿勢などの違いからか、視点や論点が180度異なるものも数多くあって大変興味深いところです。

しかし同一メディアで昨日の記事と今日の記事が180度異なるなんてあっていい訳がないと思っていたら、実は、昨日それを発見しました。

なんのことかと言うと、今、マレーシアでもシンガポールでも大変な話題になっているヘイズ(Haze)のことです。

↓10月20日(火)のクアラルンプール国際空港(klia)の様子です。

Hazy Day

↓10月21日(水)のわが家のバルコニー(ベランダ)から南方向を見た様子です。(視界は500m程度かと思います)

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結論から先に述べてしまいますけど、10月19日(月)のthe Sundailyに、このヘイズは来年3月頃まで続く見通し、とのショッキングな記事が掲載されました。もちろん私はそれをピックアップして、他のメディアもチェックしたわけですが、配信元は英国ロイター通信(Reuters UK)で、マレーシアやシンガポールの主要メディア各紙に同一記事が一斉に掲載されていました。

ところがその翌日、つまり10月20日(火)のことですけど、同じthe Sundailyに、今度は、このヘイズは11月には収束する見通しだ、との前日とはまるで異なる、と言うか前日の記事を打ち消す記事が掲載されたのです。

え?これ、一体どうなってんの?って思いますよね。もちろん、こんな迷惑なヘイズ、一日も早く去って欲しいと誰もが思っていますので、早く終わりそう、なんて言う記事は大歓迎なのですが、ホントにホントなのか?と疑いたくもなりますよね。

と言うわけで、今日は相反するそれぞれの記事の全文を紹介してみたいと思います。



先ずは10月19日(月)のthe Sundailyの記事です。

Hazy new year: Southeast Asia set to suffer for months as Indonesia fails to douse fires
ヘイジーなニューイヤー:インドネシアは火災を消火出来ず、お陰で東南アジアの苦悩は何ヶ月も収束しない

the Sundaily
Posted on 19 October 2015 - 04:32pm

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JAKARTA:Indonesian forest fires that have caused choking smoke to drift across Southeast Asia are spreading to new areas and are unlikely to be put out until next year, experts said on Monday.
ジャカルタ発:東南アジアに息の詰まるようなスモーク(ヘイズ)を漂わせているインドネシアの森林火災は新しい地域に広がっていて、来年まで消火できそうにない、と専門家が月曜日(今日)に述べた。

Indonesia has come under increased pressure from its neighbours to contain the annual "haze" crisis, which is caused by slash-and-burn agriculture practices, largely on Sumatra and Kalimantan.
インドネシアでは、主にスマトラとカリマンタンで行われている焼き畑農業に起因する毎年の「ヘイズ」危機を阻止せよ、との周辺国からの圧力が高まっている。

But it has failed to put out the fires, with "hot spots" growing in eastern parts of the country and industry officials and analysts estimating the smoke will last until early 2016.
しかし、国の東部地域で増え続ける「ホットスポット」はまだ消火できておらず、産業担当者とアナリストは、ヘイズは2016年始めまで続くとであろうと予想している。

"Maybe it will last until December and January," said Herry Purnomo, a scientist at the Center for International Forestry Research, adding that hot spots had reached Papua, a region that usually avoids widespread fires.
「多分それは12月と1月まで続くだろう」と、国際林業研究センターの科学者であるHerry Purnomo氏はこう述べ、ホットスポットはパプア(インドネシア東方域にあるニューギニア島西部の州で、通常ここまで広範囲に火災が広がることはない)に達していると付け加えた。

"It is because people are opening new agriculture areas, like palm oil," he said.
「それは、人々がパームオイルなどの新農業地域を開墾しているからだ」と、彼は述べた。

A senior official at a company active in Indonesia's forested areas said the haze could continue until March.
インドネシアの森林地域で活動する会社の幹部は、ヘイズは3月まで続く可能性があると述べた。

Indonesia usually enters its wet season in October and November, but this year the country is expected to face moderate El Nino dry conditions which could strengthen until December and may hinder efforts to control the fires.
インドネシアは、通常10月~11月に雨期に入る。しかし今年は、中程度のエルニーニョによる乾季が12月まで続き、火災の消火活動の阻害となることが予想されている。

Indonesia's national disaster management agency has made several forecasts for when the forest fires will be brought under control, many of which have now passed, but their latest target date is early November.
インドネシアの国家災害管理局は、森林火災をいつ鎮火できるかについて(その時期を)いくつか予想していたが、そのほとんどは既に通り過ぎた。彼らの最も遅い目標時期は11月上旬だ。

Indonesia has revoked the land licences of PT Mega Alam Sentosa and state-owned PT Dyera Hutan Lestari, Rasio Rido Sani, the director general for law enforcement at the forestry ministry, told reporters late on Monday.
インドネシアは、Mega Alam Sentosa社と国営のDyera Hutan Lestari社に対する土地(開発)許可を取り消した、とRasio Rido林業省法執行部長が月曜日遅くに記者発表を行った。

Both firms could not be reached for comment.
しかし両社からのコメントは得られなかった。

Last month, Indonesia ordered four companies to suspend operations for allegedly causing forest fires.
先月インドネシアは、4社に対し、森林火災を引き起こしたとして、その活動を停止するよう命令した。

On the ground, NASA satellites detected 1,729 fire alerts across Indonesia on Wednesday, a national holiday, more than any single day in the last two years.
NASAの人工衛星は、インドネシアの祝日の水曜日(10月14日)、国の全域で、1,729箇所のホットスポット(火災発生地点)を探知した。

About half of the fires during the last week have been on carbon-rich peat land areas, mostly in South Sumatra, South and Central Kalimantan, Sulawesi and Papua.
先週(10/11~10/17)の火災の約半数は、そのほとんどが南スマトラ(スマトラ島)、南・中央カリマンタン(ボルネオ島)、スラウェシ(旧セレベス島)及びパプア(ニューギニア島)の炭素が豊富に含まれるピートランド(泥炭地)地域であった。

Indonesian President Joko Widodo has increased government efforts to tackle the haze in recent weeks, making several visits to the worst-hit areas and asking other countries for help, but apparently to little avail.
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、ここ数週間、ヘイズに取り組む政府努力を増大した。最も深刻な地域を視察し、他の国への支援要請も行ったが、明らかにまったく効果を示せていない。

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"We all know that the burned areas are now widening beyond normal conditions," Widodo told reporters on Sunday. " ... the efforts to extinguish the fires are ongoing now both by land and air. We have to be patient because the burned areas is now wide."
「我々は、延焼地域が異常に広がっていることを知っている。空地からの消火の努力が現在も進行中だが、延焼地域が拡大しているので忍耐が必要だ」とウィドド大統領は日曜日に記者団に語った。




次は翌日10月20日(火)の同じthe Sundailyの記事です。

Haze will not last till March 2016
ヘイズが来年3月まで続くことはない

the Sundaily
Posted on 20 October 2015 - 08:06pm
Last updated on 20 October 2015 - 09:43pm

PETALING JAYA: The haze affecting the country currently will not last till March 2016, as claimed by certain parties.
ペタリンジャヤ発:現在国(マレーシア)に影響を及ぼしているヘイズは、どこかの誰かが主張しているような2016年3月まで続くことはないだろう。

"The current haze situation is caused by typhoon Champi and Typhoon Koppu, east of the Philippines, and when these typhoons hit landfall, the winds will change and the haze situation will improve after Oct 26," said Science, Technology and Innovation Minister Datuk Seri Madius Tangau in a statement today.
「現在のヘイズ状況は台風Champiと台風Koppuによって生じているものだ。その台風は現在(10月20日)、フィリッピンの東に位置しているが、これらの台風が陸地に接近する時、風は変わる。したがってヘイズの状況は10月26日以後改善される見通しだ」と、(マレーシア)科学技術革新担当大臣のDatuk Seri Madius Tangau氏が今日語った。

Madius said the coming northeast monsoon season from November will see a change in wind direction and will no longer carry over haze from Indonesia to Malaysia, despite the Indonesian forest fires expected to last until March.
Madius大臣は、11月に来るべき北東モンスーンシーズンが、風向の変化をもたらすだろう。そして、インドネシアの森林火災が来年3月まで収束しないとしても、もはや(緩やかな南西風が)インドネシアからマレーシアにヘイズを運んでくることはないだろう、と述べた。

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Meanwhile, rainfall is expected to decrease nationwide due to typhoon Koppu, thus making the haze situation even worse.
一方、台風Koppuが原因で全国的に降雨が減少することが予想されてる。このことはヘイズ状況を悪化させる。

According to the Meteorological Department (MetMalaysia) weather outlook, typhoon Koppu is currently 1,187km north-east of Kudat, Sabah. It will eventually head north-west towards Taiwan.
(マレーシア)気象局(MetMalaysia)の気象概況によると、台風Koppuは、現在Kudat(サバ州)の1,187kmの北東に位置していて、最終的には台湾方向に向けて北西進するであろう。

In addition, typhoon Champi located 2,942km north-east of Kudat is slowly heading north.
それに加え、台風Champiが、現在Kudatの北東2,942kmにあって、ゆっくり北進中である。

The presence of both typhoons has affected the wind patterns across the country as a result, especially rainfall due to the moderate south-westerly winds.
両方の台風の存在は、その穏やかな南西風により、(マレーシアの)全国的な風向(緩やかな南西風)と特に降雨(少ない雨)に影響を及ぼしてきた。(訳者註:これは現下の異常なヘイズはこの2つの台風によってもたらされているものだとの主張)

Separately, the Department of Environment recorded 3,534 cases of open burning detected nationwide, from the start of the year to Oct 19.
またこれとは別に、(マレーシア)環境局は、年初から10月19日までの間、マレーシア全土で探知された野焼きは3,534を記録した。

As of 6pm today, a total of 27 areas recorded unhealthy Air Pollutant Index (API) readings, with Port Klang with the highest at 179, followed by Shah Alam at 164, and Kuala Selangor at 139.
今日(10月20日)午後6時現在、合計27の地域の空気汚染度指数(API)がアンヘルシーと記録された。指数の最高は179のポートクランで指数164のシャー・アラムと指数139のクアラ・スランゴールがそれに続いている。



いかがでしたか。19日の記事は英国ロイター通信がその配信元で、翌日20日の記事は独自取材に基づくもののようです。この20日の記事と同様の記事は、このthe Sundailyの他にもAstro Awaniなどにもありました。

うーん、最初に記事のタイトルだけ読んで今回ブログのタイトルも決めてしまいましたが、この二つの記事を良く読んでみると、ロイター通信の配信記事は、ホットスポットの拡大の現状とエルニーニョがもたらす雨季の到来遅延によって、ヘイズの原因となっているインドネシアの森林火災は来年3月まで消化できない可能性があると言っている。

一方、20日の記事では、台風コップと台風チャンピの存在が、今のマレー半島におけるヘイズ被害をもたらしているのであって、この二つの台風が陸地に接近すると地域の全体的な風向が変わり、インドネシアで発生したスモークがマレー半島に襲来することはない、と言っているのですね。

さあ、どうでしょうね。科学技術革新担当大臣は10月26日になると状況が改善するとまで述べたようですが、26日って来週月曜日ですよ。しかし、そんなことは今までどこの誰も言ってなかったことだと思うので、これってやっぱり正直言って驚きですよ。

果たしてどちらの予想が当たるかどうか、どこかの誰かと掛けたいものですね。え?どっちに掛けるのかって、ですか。うーん、やっぱり私は、オッズが高いであろうこの突拍子もない大臣予想に掛けてみたいものですね。

でも大臣がこんなこと言っちゃって大丈夫なんですかねえ。これひょっとして、現下のポリティカルな重大問題から国民の関心を逸らすためのものだったりして?なんてことはないですね。失礼しっましたぁぁぁ。

それではまた。。


追記(2015.10.23):
実は11月7日の土曜日のYMCAのじじばばバスツアーの第2弾に、知り合いのじじばば軍団から是非参加してくれと言われて、いやいやながら参加しようとしてたのですが、一昨日参加費を払いに行った際、「あ、それキャンセルになったから、ヘイズで。」とあっさり言われてしまいました。

キャンセルになったことはそんなにがっかりしたことではないのですが、そうか、ツアーがキャンセルになるんだ、このヘイズで・・・・と、改めてこのヘイズの影響が大なることを思い知らされました。

だったら、この国の観光産業にも随分影響が出てるのかもしれないな、なんて余計なことまで心配してしまいましたが、ならばホントに来週からヘイズがなくなるのかちょっと真剣にチェックしてみることにしました。

先ず、日本の衛星画像を見てみよう、と昔懐かしい(※)ひまわり画像をチェックしてみました。(※昔は仕事の関係で毎日毎日衛星画像を眺めていたもんです。いや、気象をやっていたわけではないのですが、それに近いところで仕事をしていた関係でちょっとはかじっているのです)

ひまわりと言えば、今は8号ですか。確か昨年打ち上げられて今年の7月ごろから運用開始されたはずですよね。

気象庁のサイトを見てみたら直ぐに見つかりました、ひまわり8号の鮮明な衛星画像が。今はこのひまわり8号、地球環境観測衛星と銘打って、世界各国で活用されているんだそうです。なんかとても誇らしい気がしますね。

↓本日午前10時の衛星画像です。

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これ↑によると、台風コップは既に温帯低気圧となり日本の南西諸島付近、一方の台風チャンパー(チャンピではなくチャンパーと呼ばれているようです)はまだ勢力を保ちながら日本の小笠原付近に位置しているようです。

次にこの画像をマレーシア周辺地域に拡大してみます。↓

himawari04.jpg

良く見てみると、スマトラ島北部、マラッカ海峡及びマレー半島には薄い雲が見えているものの台風の影響となる反時計回りの筋雲は既に見えていません。つまり風の方向は読めません。台風の影響があるとすれば温帯低気圧に変わった台風コップだけですが、それとて遥か彼方に離れていて、もはやこの地域にまで影響を及ぼしていることは考えにくいですよね。

次に、この国マレーシア科学技術革新省発表による風向風速などの週間予報をチェックしてみました。これ↓は同省発表による南部マラッカ海峡の風向風速等の週間予報です。

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↑これによれば、南部マラッカ海峡の向こう1週間の風は東南東(東南東から吹いてくる風)のようです。もはや、台風の影響とされた西南西の風ではなく、この時期本来あるべき北東モンスーンの影響(?)による風向きの変化を予報しているものと思われます。もっともこの風向は卓越風向を指していますから、常にその方向とは限りませんがね。また、その風速は10~20km/h程度で緩やかな予報となっています。

ただ天気概況の欄には、今日だけは晴れでヘイズとあるものの、明日以降はところによっては雷雨、そしてヘイズも徐々に弱くなるような予報です。この分だと来週月曜になるとヘイズは去り、木曜にはきれいな青空が見える・・・といいですね。

いや、これってMadius大臣の言ったとおりではないですか。(もっともこれは科学技術革新省発表の資料ですから大臣説明と違っていたら大変ですけど)

しかしこの記事を冷静に読み解いてみると、インドネシアの森林火災のことについてはなにも言っていません。まあ、今年のエルニーニョ(El nino)は記録的な強さだそうですから、スマトラ島に雨が降るのはやはりかなり遅れるのでしょう。とすれば、やはり火災は直ぐには消せない。が、しかし元は絶てないが、北東モンスーンのお陰で全体的な風向きが変わる。だからマレー半島のヘイズはまもなくなくなる、こう言っているのです。

これって自分さえ良ければみたいに思えなくはないけど、正直言って、これが本当に当たったら嬉しいですね。いや、この予報が当たることを祈りましょうね。

以上、追記終わり。
前回記事で、マレーシア国民の最近の鬱屈した思いに少し触れましたが、この頃、特に生活費が急激に高騰していることなどについて、大多数の国民が政府や国の行政に不満を感じているようです。(新聞のコメント欄やラジオのトーク番組などからそのように感じます)

例えば、先週の10月15日に、突然値上げされた高速道路料金のことでもそうです。今では完全な車社会のこの国において車は既に庶民の足です。なのに、しっかりした事前説明もなく突然、高速道路料金が一斉に値上げとなった。

ならば高速道路など、使わなければ良いだろうと思われるかも知れませんが、ここクアラルンプールの道路はなかなか複雑怪奇にできていて、そうもいかないのです。例えば私なんか、モントキアラからワンウタマショッピングモールなどのあるダマンサラ地区に進出するためには、必ずペンチャラリンクと言う高速道路を使用しなければいけません。

なぜって、その方向への下道(したみち)がないからです。距離はたかだか6、7kmしかないのですが、その間にはトールゲート(料金所)があって、行きも帰りもしっかり高速料金を支払わされます。

それが今までは2リンギだったのが3リンギになった。往復で2リンギの値上げです。それから、少なくとも週に4日は出向く日本人会のミッドバリー方面へは、ケリンチリンクを通るのですが、これも1.5リンギから2.5リンギになった。ここも往復で2リンギ、週に最低5回は高速道路を使うとして、これだけで毎月10リンギの出費増ですよ。(遠出しないフツーの月で100~120リンギの高速道路代です。決してバカにはできません)

いやいや、なにケチ臭いことを言ってるの?なんて仰るあなた、これがどっこいなかなか侮れないのですよ。最近の生活費高騰はこれに限らず多岐に渡っているのです。この春にGSTが導入されて、生活必需品は値上げしないと言いながらも、なんでもかんでも高くなってる。タクシー代は40%ほども高くなったし、電気代にしても水道代にしてもテレビやインターネット代、その他もろもろが明らかに高くなってる。しかも来月にはバスや電車の運賃値上げも予定されている。

しかしですよ、半年前のこのGSTの導入に際しては、このままでは近い将来の国家財政が持たないから、歳入を増やさなければいけないと言う首相や関係大臣の説明だったのに、どうやら政府が公金の運用(投資)に失敗して巨額の損失を出しているらしいことや、公金が一部の政治家などに不正使用されていて今ではその行方もわからないものもあるらしい。

そんな杜撰な財政管理や汚職疑惑などに関するニュースがこの7月のWSJのすっぱ抜き報道以来、連日各種の紙面を賑わしているし、SNS上にはいろいろな噂が飛び交っている。さらにはそのことを追求したり非難しようとすると、当局に不当に拘束されたり、尋問されたり、罷免されたりするらしく、まるで民主主義国家のようでない。

それでいて国民にはその疑惑の経緯や理由の説明を一切しようとせず、単に、悪いことは一切していない、首相や政府を信用しろ、と言うだけじゃ、いくら無知で善良な市民と言えども、政府は何か重大なことを隠しているに違いないと思われて当然です。

インターネット上の各種オンラインメディアの読者コメント欄や、テレビ・ラジオのトーク番組などを見たり聞いたりする限り、WSJの報道以来約3ヶ月半を経た今、首相以下、現政権与党幹部や政府要人に対する国民の憤りや苛立ちは、もはや中華系やインド系のみならずマレー系に至るまで、人種という垣根を越えて確実に広がってきているように思えます。

一方、疑惑や非難の中心にいるナジブ首相や一部の与党幹部の人たちの心中はいかがなものでしょう。紙面に現れる記者発表の声明文や談話などを読む限りはまだまだ強気の姿勢を崩していないようにも見えるのですが、一部では年末までには決着が着くだろうとの見方もあるようで、ますます目も耳も離せない状況なのです。

今日は、そんな現下のマレーシア事情を、本日(10月18日)付けのマレーシアクロニクルと言うオンラインニュースポータルに掲載された関係記事(タイトルのみ)を一覧で紹介し、併せてその記事の背景などを少し説明してみたいと思います。(なお、記事に対する説明は私個人の私見ではなく、すべて内外メディアからの引用であること、記事の掲載順はランダムと言うことをお断りしておきます)



Malaysia Chronicle
18 Oct 2015

DESPERATE NAJIB, RUTHLESS ROSMAH: WILL MOST UNPOPULAR HENCHMAN - IGP KHALID - BE SACKED TO PLACATE ANGRY M'SIANS?
自暴自棄のナジブ首相と無慈悲なロスマー夫人:怒る国民をなだめるために最も不人気な部下であるKHALI警察長官を解任か?

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これ、とんでもない皮肉ですよね。目下のところKHALI氏は、邪魔者を片っ端から捕まえて口封じをしてくれる最も信頼できる部下ですよ。ただ、そのせいか国民にはとても不人気のようですが、彼を首になどしたらそれこそ大変なことになることはご両人が一番ご存知の筈だ、と言う記事。



NAJIB'S BLACK SATIRE ON MALAYSIA HAS BACKFIRED ON HIMSELF & FAMILY
ナジブ首相のブラックジョークは首相本人とその家族に跳ね返りつつある。

ナジブ首相のブラックジョークと言うのは、何も悪いことはしていない、国民の金を自分の利益のために使ったことなんて一度もないと、繰り返し述べていることなどを指しています。

サラワクリポート、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル、エッジパブリケーションなどの内外メディアを通じ何トンにも及ぶ大量の捜査(調査)漏洩資料が継続的に世に出ているというのに、この期に及んでまだ平然としらをきるナジブ首相を痛烈に非難している記事です。



MALAYSIA'S NO. 1 BANK MAYBANK NEXT TO BE DRAGGED DOWN THE 1MDB DRAIN? TIME'S UP, NAJIB - HAS THE RM2 BIL LOAN BEEN REPAID?
次に1MDBの溝に引き摺り込まれるのはマレーシアNo.1銀行のメイバンク:返済期限だよ、ナジブさん、20億リンギのローンは返済できたのかい?

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これはメイバンクから20億リンギの貸付を受けた1MDBと貸し付けた側のメイバンクを皮肉る記事です。1MDBの現状ではローン返済どころではないだろう。そのうちメイバンクも引き摺り込まれるよ、と言う警告の記事です。



THE ROYAL HEADACHE NAJIB WON'T BE ABLE TO SHAKE OFF
王家の頭痛、ナジブ首相には治せません

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10月6日に発表されたマレー王族会議の異例の声明文は、ナジブ首相と現政権に対し強烈なプレッシャーをかけています。一部の与党政治家の中には、これを自分たちに都合よく解釈している向きもありますが、特に王家を崇拝して止まないマレー系民族の間からはとんでもないことだとの非難が噴出しているようです。

何人も妨害や介入を行うことなく、公平・公正かつ透明性のある捜査・調査を促進し、迅速にその結果を出すこと、またその結果については広く国民に分かり易く知らしめること、そしてその結果、法に違反する行為を探知した場合には関係者を厳罰に処すること、その過程や結果が国民の不信を招くものであってはならない、などとする声明文はまことに時宜に適っていて素晴らしい。

ただし、ナジブ首相や現政権がこれに応えるのは至難のことで、王家の頭痛はいつまでも癒えないだろうという記事です。



NAJIB SINKS LIKE A STONE: SHOCK 4 OUT OF 5 MALAYSIANS UNHAPPY WITH HIM - SURVEY
ナジブは石のように沈む:マレーシア人の5人に4人が彼を良しとしていないのはショックだ

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8月に実施されたムルデカセンターによる世論調査の結果、今年1月には52%だったマレー系国民による内閣支持率は31%に落ち込んだ。中国系による内閣支持率は11%から5%、人種全体でみても38%から23%と二桁の急激な落ち込みである。これは、既に国民の5人に4人が現内閣を支持していないと言うことだ、とのお隣シンガポールストレイツタイムズ紙からの転載記事。



JOHOR'S SECESSION THREAT WAKES UP M'SIANS & WORLD COMMUNITY: NEW ECONOMIC POWERHOUSE IN THE MAKING?
ジョホールバル州の独立の脅威はマレーシアと世界の人々を目覚めさせる:新経済大国の誕生か?

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これは以前から1MDBの対応に関し、ナジブ首相やプトラジャヤ(現政府)に一貫して批判的な発言を繰り返してきたジョホールバル州の王家とプトラジャヤとの非難の応酬の後で、王家のTunku Ismail皇太子が昨日、プトラジャヤが連邦結成時の約束を反故にすると言うならジョホールバル州はマレーシアから分離独立する権利を有する、と発言したことを受けての記事。

ジョホール州は独立しても生き残れるが、マレーシアは(ジョホール州に独立されてしまったら)生きて行けないだろう、だから、そうならないようプトラジャヤは1MDBの問題を早く善処しろ、つまりナジブ首相を退陣させろと迫っているもの。マレーシア各州の中で唯一独自の軍隊の保持を認められているほど有力な州だけにプトラジャヤとしては、マハティール元首相に劣らぬ手強い相手と言える。



NO ESCAPE FOR NAJIB, ROSMAH: 1MDB'S MONEY TRAIL UNRAVELS, NAJIB 'PLAYED A KEY ROLE' - US MEDIA
ナジブ首相、ロスマー夫人、もう逃げられない:1MDBの不正資金操作、ナジブ首相の中心的役割が明るみに

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これは米国の主要経済紙であるWSJの記事の引用です。この7月に爆弾報道を行ったWSJはその後もその報道姿勢を変えておらず、一貫してナジブ首相とその夫人を含む関係者への疑惑追及に余念がありません。この記事は夫人の散財振りや首相の1MDBにおける立場や役割を取り上げて、もう逃げられない、観念しろ、と言っています。

ナジブ首相とその弁護士グループは、虚偽の報道を行うWSJに対して断固たる法的措置をとると意気込んでいたものの、結局WSJ側に軽くいなされて不発に終わっている模様です。



NAJIB'S CORRUPTION SCANDAL HITS WSJ'S TOP 10: M'SIA DRAGGED THROUGH 1MDB MUD
ナジブ首相の汚職スキャンダル、WSJの(ニュース)トップ10に(ランクイン):マレーシア、1MDBの泥の中を引き摺られる

これもWSJに関する内容です。ナジブ首相の汚職スキャンダルが、WSJの今年の世界のニューストップ10にランク入りしたと言う不名誉な記事です。



SPOOKED BY NAJIB SCANDAL: MALAYSIA NOW THE CHAMPION IN PLUNGING FOREX RESERVES
ナジブ首相のスキャンダルに怯えるマレーシア:今では外貨準備高の急激な落ち込みのチャンピオン

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一時は対米ドル4.48リンギにまで下がったマレーシアリンギットの買い支え介入などにより、マレーシア中央銀行の保有する外貨準備高は前年同期の20%近くも急激に落ち込んでいるが、これは東南アジアの新興市場国では最悪だと言うニュース。マレーシア通貨安の原因はいろいろ考えられるが、中でもナジブ首相の汚職スキャンダルが投資家の不信を招いていることが大きいと記事は述べています。



UMNO EXODUS BEGINS IN EARNEST, SAIFUDDIN THE SYMPTOM & SIGNAL
真面目で熱心な政治家はUMNO離党を開始する:SAIFUDDINの例はその予兆と警告だ

SAIFUDDIN氏とは、元のUMNO最高評議会メンバーで高等教育省副大臣も務めた若手のホープ。以前から1MDBの件では、ナジブ首相や党に批判的であったが、このたびもう我慢出来ないとして与党第1党のUMNOから野党PKR(人民公正党)に入党し大きな波紋を呼んでいる。記事は氏の積極的かつ勇気ある行動が他の意欲的な若手政治家をも動かすだろうと述べている。



INVESTIGATE ZETI WITHIN 7 DAYS... OR ELSE: Pro-Najib group claims Bank Negara chief revoked '1MDB’s privileges' in bad faith
7日以内にゼティマレーシア国立銀行総裁の調査を行わなければ、ナジブ擁護派は総裁が、悪意で1MDBに対する特権を取り消したと主張するだろう

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これはどういうことかと言うと、ゼティ総裁が司法長官に対し、1MDBを起訴せよ、なぜなら1MDBの資金操作に関して当時、虚偽や不正確な情報の提出があったことが判明したので、国立銀行としては3件の外国投資に関する許可を遡って取り消した、と最近2度にわたって強く勧告した。だが、司法長官はすでに何の不正もないことを確認しているとしてこれを拒否しており、さまざまな批判を浴びている。

なお、現在の司法長官の Mohamed Apandi Ali氏は、この7月末になんの予告も理由もなく突然罷免されたAbdul Gani Patail氏の後任の長官で、ナジブ氏に近いとされている人物。

記事は、当局にゼティ国立銀行総裁が言っていることが正しいかどうか調べてみろとの意見を述べている。なお、ゼティ女史はマレーシア初めての女性国立銀行総裁で国民的人気も極めて高い。




NAJIB'S DISHONESTY INFECTS AGENCIES: Saifuddin doubts anyone would believe Auditor-General’s findings on 1MDB
ナジブ首相の不正直が行政組織にも感染しているのだ:Saifuddin氏は年末までに終了する予定の1MDBの会計検査報告を誰が信じようかと疑っている

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これは、元UMNO最高評議会メンバーのSaifuddin氏が、マレーシアンインサイダーとのインタビューに応えて語った内容の転載記事。

要するに、検査、調査、捜査は一連の繋がり中で行われないといけないが、1MDBに対するこれらは、1MDBに批判的であった2人の閣僚(Muhyiddin Yassin氏:前副首相とShafie Apdal氏:地域開発大臣)の更迭、突然の前司法長官Abdul Gani Patail氏の罷免、マレーシア汚職防止委員会(MACC)の2人の高官への突然の異動命令などの例をみれば、妨害や嫌がらせや介入のない透明で真っ当な検査等が行われなかったことは明らかだ。

Saifuddin氏はまた、首相や政府方針に批判的な元UMNOリーダーのKhairuddin Abu Hassan氏とMatthias Chang弁護士の逮捕・拘留のことにも言及し、単に平和的な政府の批判者に対して、テロ封じのために準備した法律を強引に適用しようとすることは許せない暴挙だと述べ、このような中で例え如何なる検査報告が出ようともそれを誰が信じようかと、厳しく語っている。




いかがでしたでしょうか。刻一刻と変化するマレーシア情勢ですが、目下の焦点はジョホールバル州の皇太子とUMNO要人とのバトルの様相です。どちらも譲れない立場にある方たちですから、今後急速な展開は望めないでしょうが、これで元首相のマハティール氏を中心とする有力な反政府グループに加えて、マレー系民族が崇拝する王家を敵にまわしているのですから、首相と現政権側の方たちの分がかなり悪くなってきたのではと、無知で善良なだけの私などは感じています。

以上、今日は現下のマレーシア事情と題して、マレーシアクロニクルと言うオンラインメディアの記事を一覧で紹介してみました。

ではまた。。



今日のタイトル、これどう言う意味?と思われたかも知れませんが、これは私個人の体調が悪いからとか、私がいつまでも梲(うだつ)が上がらないから、などという意味ではありません。

これは、最近のマレーシアの国内事情に加えて、わが日本を取り巻く一部情勢のことを憂いているのです。なんと大袈裟なと思われるかも知れませんが、私の素直な気持ちです。

先ず、最近のマレーシア事情ですが、相変わらず例の1MDBの疑惑がらみの応酬が紙面を賑わしているものの、一向に解決の兆しが見えていません。先週10月6日に業を煮やした王様たちが早期解決を促す異例の声明文を発表しましたが、目下この声明文の解釈について喧々囂々(ごうごう)の有様です。こんな状態では国民の鬱屈した思いは益々募ります。

そして、わが祖国日本を取り巻く一部の情勢です。昨日、南京大虐殺がユネスコの記憶遺産として登録されたと言う内外のニュース報道を目にしました。なんと言うことでしょう。南京大虐殺(Nanjing massacre)なぞ中国の明らかな捏造だと信じて疑わない私としてはまことに苦々しい気持ちです。

わが国政府が直ちに「極めて遺憾」と抗議したことや、拠出金の凍結なども検討するとしていることは当然のことだし、日本メディアの多くがユネスコの決定に否定的な報道をしていることもごく自然のことです。

しかし残念ながら、このことに関する世界メディアの報道は必ずしも日本メディアのそれとは一致していない気がします。いや、それどころか、国際機関であるユネスコの専門家集団による検討結果なのだからと、肯定的な見方の報道が多いのではないでしょうか。

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私なぞは、日本軍の南京入城当時の市の人口が20万人で、その1ヵ月後に25万人に増えたと言う確かな記録もあると言うのに、なぜ6週間で30万人もの人々が虐殺された、などという無茶苦茶な理屈が堂々罷りとおるのだろう、そしてそれを信じる人々がいるのだろうと不思議でなりません。

しかし中国と言う国は、その存在すら不確かなこの無茶苦茶な物語を、数々の捏造・偽造証拠で固めて強引にユネスコに記憶遺産として登録申請した。そしてその中国の意図や内容の論理矛盾は明らかであったのに、日本はそれを結果として阻止できなかった。

苦々しいどころか、どうにもならない脱力感、閉塞感で一杯です。どうも日本と言う国は、内向きには勇ましいが、こと世界に向けた、外向きの戦いには消極的で、必要な情報発信力も極めて不足しているのではないかと感じます。

それは日本国政府や関係機関だけではありません。国民全体が声を大にして言わなければいけないことだってあると思うのです。しかし世界の他の国の人々目線で見ると、大多数の日本人は静かで大人しい。国民全体が声を大にして世界に向けて反論することなんて全くないのです。

日本人はなぜ戦争するとあんなにも獰猛なのになぜ普段は静かで大人しいの?と問われる時があります。私は、これは日本人の性格が静かで大人しいのではなくて、実は英語で喋れないだけなのだ、と考えていますし、そのように答える時もあります。

日本以外の国では、大半の国民が英語をほぼ自在に話します。もちろんそうではない国もあるとは思いますが、学校での英語教育がこれほど役に立っていない国も珍しいのではないかと思っています。そんな国だから、英語での情報発信力が極めて貧弱で、そのことがいろんな場面に影響している、私はそう感じています。

だから、国を挙げて反発しなければいけない筈の慰安婦問題や南京大虐殺のような重要問題のことでもどうしても後手に廻ってしまう。もっともっと国民の多くが草の根的に、SNSなどを通じて、世界に向けた英語による情報発信が必要な時代なのではないでしょうか。

英語で発信すれば、インターネットを通じて世界の多くの人々の目に止まる。世界の世論に訴えるにはこれしかないと思うのに、世界共通言語での情報発信力が極めて貧弱なのだと言う事実、今回も思わぬ場面で痛感させられました。

今日は、このユネスコによる南京大虐殺の記憶遺産登録について、マレーシアの隣国、シンガポールの有力メディア、チャネルニュースアジアが本日(10月11日)付けで報じた記事の全文を紹介してみたいと思います。

Japan hits out as UNESCO archives Nanjing massacre documents

日本、南京大虐殺文書の記憶遺産登録に猛烈抗議

Japan lashed out at UNESCO's decision to inscribe documents related to the Nanjing massacre in its Memory of the World register, calling for the process to be reformed.
日本は、南京大虐殺関連文書を世界記憶遺産に登録するというユネスコの決定を激しく非難し、改革のためのプロセスを要求した。

Channel News Asia 11 Oct 2015

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TOKYO: Japan on Saturday (Oct 10) lashed out at UNESCO's decision to inscribe documents related to the Nanjing massacre in its Memory of the World register, describing it as "extremely regrettable" and calling for the process to be reformed.
On Friday the United Nations (UN) cultural and scientific body agreed to 47 new inscriptions, including a request by Beijing to mark documents recording the mass murder and rape committed by Japanese troops after the fall of the Chinese city of Nanjing in 1937.

東京発:日本は、土曜日(10月10日)、南京大虐殺関連文書を世界記憶遺産に登録するというユネスコの決定を、極めて遺憾であると激しく非難し、改革のためのプロセスを要求した。
金曜日、国連科学文化機関は、47の新記憶遺産(1937年に中国南京市の陥落の後、日本軍によって犯された大量殺人と強姦の記録文書を評価する北京による要請を含む)に同意した。

The massacre, often referred to as the "Rape of Nanjing", is an exceptionally sensitive issue in the often-tense relations between Japan and China, with Beijing charging that Tokyo has failed to atone for the atrocity.
大虐殺とは、別名"レイプオブ南京"とも呼ばれ、日本と中国の間にしばしば緊張した関係をもたらす非常に微妙な問題である。北京(中国)は、東京(日本)がいまだにその残虐行為に対する償いをしていないと非難している。

Japan had called for the Nanjing documents not to be included and accused UNESCO Saturday of being politicised.
"It is extremely regrettable that a global organisation that should be neutral and fair entered the documents in the Memory of the World register, despite the repeated pleas made by the Japanese government," Tokyo's foreign ministry said in a statement. "As a responsible member of UNESCO, the Japanese government will seek a reform of this important project, so that it will not be used politically," the statement added.

日本は、(以前から)南京文書は記憶遺産に登録されるべきではないと要求していた。(そして)土曜日、UNESCOは政治利用されたのだと非難した。「中立・公平でなければならない国際的な組織が、日本政府によってなされた度重なる嘆願にもかかわらず、世界記憶遺産に(南京関連)文書を登録したことは、極めて遺憾である」と、東京の外務省は声明で述べた。 「ユネスコの責任ある一員として、日本政府はこの重要なプロジェクトの改革を求める。それが政治的に使われないようにだ。」と声明は付け加えた。

The UNESCO decision came after a two-year process during a meeting of experts tasked with studying nominations from 40 countries. The new inscriptions were agreed at a meeting that ran from Sunday to Tuesday and was held in the United Arab Emirates.
ユネスコの決定は、40カ国から指名され研究を課された専門家会議を通じた2年間に及ぶプロセスを経て行われた。新記憶遺産は、日曜から火曜までのアラブ首長国連邦で開催された会議で同意された。

Beijing rejected Japan's protest about the UNESCO move, the official Xinhua news agency said.
"Nanjing massacre is a severe crime committed by Japanese militarism during World War II and is a historical fact recognized by the international community," said Chinese foreign ministry spokeswoman Hua Chunying. "Facts should not be denied and history not re-written," Hua added.

北京は、ユネスコへの登録申請についての日本の抗議を拒絶したと、国営新華社通信は述べた。「南京大虐殺は第二次世界大戦の間に日本軍国主義によって犯された厳しい犯罪で、国際社会によって認められている史実だ」と、中国の外務省報道官Hua Chunyingは述べた。 「事実は否定されるべきではなく、歴史は書き換えられるものではない」と、Huaは付け加えた。

Xinhua also cited researchers as saying that UNESCO's decision was an act of "global recognition" for the massacre. "Inscription of the documents will help us honour history, refute wrong claims and disseminate the truth," Xinhua earlier quoted Zhu Chengshan, curator of the state-run Nanjing Massacre Memorial Hall, as saying.
新華社はまた、研究者たちが、ユネスコの決定は大虐殺の「世界的な認定」であると言っていると評価した。 「文書の(記憶遺産)登録は、我々が歴史を守り誤った主張を論破して、真実を広めるのに役立つ」と、新華社はZhu Chengshan(国営南京大虐殺記念館館長)がそう述べる前に報じた。

KILLING, RAPE AND DESTRUCTION
殺害、強姦と破壊

The Japanese military invaded China in the 1930s and the two countries fought a full-scale war from 1937 until Japan's defeat in World War II in 1945. China says 300,000 people died in a six-week spree of killing, rape and destruction after the Japanese military entered Nanjing. Some respected foreign academics put the number lower but there is very little mainstream scholarship doubting that a massacre took place.
日本軍は、1930年代に中国を侵略した、そして、両国は1937年から1945年の第二次世界大戦の日本敗戦まで全面戦争を行った。中国は、日本軍が南京に入ったあと、6週間の殺害、強姦と破壊の擾乱で30万人が死亡したと言う。 一部の評価ある外国研究者は(犠牲者)数をより低く見ているが、しかし、大虐殺が起こったことを疑がう主流学者はごく僅かでしかない。

In Japan, however, some conservatives and nationalists deny that atrocities were committed, a source of regular regional friction.
しかしながら、日本では、一部の保守主義者と国家主義者が残虐行為があったことを否定しており、それが定期的な地域内の摩擦の原因となっている。

In February, a senior executive at Japan's publicly funded TV broadcaster NHK denied the massacre, reportedly dismissing accounts of it as "propaganda". Japan's official position is that "the killing of a large number of non-combatants, looting and other acts occurred" took place, but it adds "it is difficult to determine" the true number of victims.
2月に、日本の公的資金を受けた放送事業者であるNHKの重役が大虐殺はなかったと述べた。そして、伝えられるところではそれを(中国の)プロパガンダ(宣伝戦)だと退けたと言う。 日本(政府)の公式見解は、「多数の非戦闘員の殺害、略奪と他の行為は生起した」、つまり、ことは起こったということだ、しかし「真の犠牲者数は決定するのが難しい」と付け加えている。

In April this year, Japan rebuffed protests about newly approved textbooks after complaints that they failed to use the word "massacre" when referring to the mass slaughter of Chinese civilians in Nanjing, preferring the term "incident".
今年4月に、日本は新たに承認した教科書に、南京における中国の一般人の大規模な殺戮に言及するとき「大虐殺」と言う語の使用を認めなかったことへの抗議をやんわりと退け、代わりに「事件」と言う語を好んだ。

Tokyo frequently clashes with its Asian neighbours over its war record, with many accusing the country of failing to atone for its atrocities or recognise the suffering that took place under the yoke of Japanese militarism.
東京(日本)はしばしば、その戦争記録に関してアジアの隣国(中国)と衝突している。(中国の)多くの人たちは日本が、日本軍の犯した残虐行為を償なわず、日本軍国主義によってもたらされた(中国の人々の)苦しみを認めていないと非難している。

The Memory of the World register, set up in 1992, is aimed at preserving humanity's documentary heritage, and currently holds 348 documents and archives that come from countries all over the world.
世界記憶遺産(の制度)は、1992年に創設され、人類の文書遺産を保存することを目的として、現在、世界中の国から提出された348の文書が世界記憶遺産として登録されている。

“It is my deep and firm conviction that the Memory of the World Program‎ should be guided in its work to preserve documentary heritage and memory for the benefit of present and future generations in the spirit of international cooperation and mutual understanding, building peace in the minds of women and men,” UNESCO director Irina Bokova said.
ユネスコ事務局長の Irina Bokova女史は、"(ユネスコの)世界記憶遺産は、現代と未来の世代のために国際協力と相互理解の精神を持って、文書や記憶遺産を保持するために設立されたものだ。男性のみならず女性の気持ちも考慮して平和を築くことは私の深くて堅固な信念だ。"と述べた。



以上、チャネルニュースアジアの記事でしたが、これはAFPによって配信されたものでユネスコ発表の報道内容に加え、独自の簡単な解説を加えただけの、まだましな部類の報道です。

中国よりの世界メディアは、こぞって、これで「南京大虐殺」が権威ある国際機関に認められた。日本の抗議は非常識で国際世論に反するものだ、との過熱ぶりです。

しかしつくづく思いますが、この記事だけでなく世界のメディアに投稿された数多くの読者コメントを読む限り、世界の平均的世論が日本のそれとは随分乖離している、いや、私を含む多くの日本人の南京事件観は世界の平均的な世論から随分かけ離れていることを思い知らされます。

そしてこのことから、どちらが正しいのかは内容を仔細に検証して行けば自ずから分かること、などと鷹揚に構え、真剣に反論してこなかった私たちにこそ今日の結果の原因があると知るべきです。

今回のこの情報戦(まさに情報戦です)の敗北が今後どれだけ、私たち現代の日本国民や、子々孫々に至る未来の日本国民を弄り貶めていくのか、考えただけでもぞっとします。慰安婦の件でも、今でこそようやくその議論が世界にも少し浸透してきた感がありますが、まだまだ完全解決には程遠い現状です。

ことほど左様に、寡黙でいる、黙っている、ものを言わない、ことは恐ろしいことなのだと自戒すべきです。日本国憲法前文にあるような、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼」し、黙っていたのでは後の祭りなのです。(安保法も然るに必要なのです)

せめてこれからは寡黙ではない、物言う、物が言える日本人になりませんか。世界に向けて英語で物が言える日本人になれるよう、私も老い先さほど長くはないのでしょうが精一杯努力するつもりです。

以上、今日の私の鬱屈した思いと苦々しい閉塞感について思うところを書いてみました。なお、現下のマレーシアの国内事情については、次稿にて綴る予定です。

それでは今日はこれで。



早いもので今日はもう10月6日、キナバル山の山行からすでに約1ヵ月も経つのですね。

ところで最近のKLのヘイズはまったく酷いものです。思えば先月、サバ州のコタキナバルからKLIA2に戻った際には、辺り一面が濃いガスに覆われていたのには驚きましたが、あれからひと月も経つと言うのにこのヘイズ、まだまだ改善されそうにもありません。

こちらのSNSでは毎日、このヘイズがいかに人間の健康に害を及ぼすか、新聞等で毎日発表されているAPI(空気汚染度指数)が隣国シンガポールと違いすぎる、調べてみると観測基準やシステムが違うらしい、シンガポールや日本、欧米ではPM2.5を採用しているがわが国(マレーシア)ではいまだにPM10らしい、これは政府の怠慢ではないか、などなど様々な情報や憶測が飛び交っています。

しかし、今日のブログはこのヘイズに関することではないので、このことについては別の機会に書きたいとは思いますが、たまたま昨日の日本人会の英会話クラスの授業で、このヘイズの原因の一つとされているインドネシアのピートランドの火災のことを話題にしたら、先生に”ピートランドと言うワードはありませんよ、ピートと言うべきです"と訂正されてしまいました。

私が、"え、そんなことはないでしょう、新聞などにも普通に使われているし、ピート(泥炭)でできた土地という意味ですけど"と反論すると、”そんな言葉はUK(英国)にはありません”と一蹴されてしまいました。(実はピートランドは、ピート+ランドの合成語で今では英英辞書にも掲載されています)

この先生、英国出身のシニアですが実は私と同い年です。普段は落ち着いていてとても聡明な女性なのですが、ご自分の指導に対する反論には少々感情的に抵抗するのが常です。

UKにも団塊世代なるものが存在するかは知りませんが、彼女も言ってみれば、私と同じひねくれ団塊なんですね。だからこそ私には良く分かるのですが、例え自身が絶対だと思うことであっても聞く耳は持たなければいけませんね。

いや、このことはこれから書こうとするキナバル山とは何の関係も無いことなのですが、何を言いたいのかと言うと、人間、齢をとると当然ながら人生における様々な知識・経験が備わるもので、ともすればそれを絶対と信じてしまいがちです。そしてそのことが慢心(まんしん:驕り高ぶること、自惚れること)を産み、油断に繋がるのです。

いや、これはなにも私の英会話クラスの先生のことを指して言っているのではありません。今回の自分のキナバル登山を省みて述べています。慢心からくる油断がトレーニング不足を産み、想定外の地獄を味わいました。

いくつになっても慢心するなかれ、油断するなかれ、ですね。今回のキナバル登山で深く深く反省しました。



さて、昨夜は滝のような激しい雨でどうなることかと思いましたが、明けてみればこれこのとおり、雨がすっかりあがり爽やかな青空です。

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ラバンラタのレストハウスから外に出てみると眼前に巨大な岩山が迫っています。腕のプロトレック(アウトドア用腕時計)をみると気温は9度、久々の冷気が肌に心地良くそしてとても懐かしい。このままいつまでもここでこうやって山を眺めていたい気分です。

ところで思い出しましたが、昨夕、このプロトレック、一時行方不明になりました。その原因はもちろん私自身にあるのですが、洗面所で顔と手足を洗うためにプロトレックを腕から外し、洗面台に置いたまま、部屋に戻ってきてしまったのです。

そのことに気がついたのはやや暫く経ってからです。慌てて洗面所に行ってみるとそこにはなにもありません。階下のレセプションデスクに行ってそのことを告げると、なにも届いていない、今日の宿泊者は多くはないけど、拾得物として届く可能性は多くないと諭されました。

あぁ、またやっちゃったよ、オレってなんでこうもドジばっかり踏むんだろう、と悔しいやら情けないやら。しかし、止むを得ません。これも勉強です。でもこんな勉強、今まで何十回、何百回(これはないか?)繰り返してきたことか・・・

プロトレックはずっと愛用してきた登山グッズのひとつだけど、悪いのは誰でもないオレだ。諦めよう・・・、そう思ってました。

しかしその後、レストランで夕食を摂っていた際に思いがけないことが起こりました。昨日の登りで途中まで一緒だった青年たちの一人が、私に、プロトレック(プロトレックという言葉を使って)を洗面所に置き忘れませんでしたか?と問いかけてきたのです。

えっ?そっ、そうなんだけど・・・と口ごもると、彼は笑いながら、これでしょう、と言って私のプロトレックを差し出してくれたのです。なんと言うことでしょう。咄嗟に私はとても恥ずかしい気持ちになりました。実は、あの後、洗面所を利用したのは、多分この青年たちだろうと思っていたのです。

でも、彼らを部屋に訪ねて、そのことを問いかけることはとても勇気のいることです。と言うか、もし拾得者がいなかったら、彼らに対して抱く私の気持ちはどうなるだろう、彼らにしても私に疑われたのかとの嫌な気持ちになるだろう、などの思いが交叉して結果としてそのことを躊躇してしまいました。

例え旧いプロトレックであっても、温度・気圧・方位センサーを装備している登山用腕時計は彼らにしてみれば価値のあるものでしょう。仮に偶然に拾得した誰かが自身の懐に入れてしまったとしても責められないと私は判断していたのです。

しかしそんな私の思いはそれこそ傲慢そのものだったと知らされました。思い起こせば、マレーシア移住以来、これと似たようなことを幾度か経験しました。いつかショッピングモールでデジカメをどこかに置き忘れた際もちゃんと受付に届いていたし、すっかり忘れてしまいましたがその他のこともあったような気がします。

日本ならば届くだろうが、マレーシアでは到底無理だろう、などと言う私の傲慢で独り善がりの思いが幾度も砕かれたのです。瞬間的にそんなことも脳裏を過ぎり、またまた恥ずかしい思いをすると共に、マレーシア青年万歳と叫びたくなりました。

実に気持ちの良い朝です。目の前に迫る巨大な岩山を見ているとわが身のなんとちっぽけなこと、大自然の偉大さにひれ伏しその下僕となる、昔から感じていた山への畏怖を今また感じています。

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ラバンラタのバックを見上げると上方にはこんな↓奇岩も望めますが、頂上までのトレイルが可能ならもっと間近で見れるだろうにと残念でなりません。(しかし今日のこの脚ではちょっと無理かも知れない。そう言う意味では恥ずかしながら言い訳ができて良かったのかも知れませんが・・)(笑)

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これ↓はインターネット上から拝借した画像です。バックの岩山とラバンラタの正しい関係位置を知る上でとても参考になります。ラバンラタの直ぐ上は鋭く切り立つ巨大な岩盤となっていて実に壮大です。これを眺めていると、這ってでも登りたいと言う気持ちがまたしても湧いてくるようです。

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これ↓は、現在ブログのトップに据えている写真です。登山前日に宿泊したロッジ前から撮影したものですが、小さな赤丸がラバンラタです。

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アンクー、アンクーと彼ら↓は私をこう呼びます。アンクー(Uncle)はマレー語でおじさん、おばさんはアンティ(Auntie)です。親しみをこめてこう呼ぶのです。昨日以来、彼らはなにかと私に話しかけてきます。この写真撮影時もアンクー、アンクーの大合唱でした。

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なんて気持ちの良い若者たちなのでしょう。聞けば、コースレクチュアラー(助教授)を含め20数人もいるのだそうです。私には皆同じような若者に見えて誰がレクチュアラーだか生徒だか分かりませんが、男子も女子もみな爽やかです。彼らにしてみれば私の年齢は祖父よりも上、外見はそうでなくてもまだ少し脚を引きずって歩く私を見て、頑張れアンクー、と大合唱してくれたのです。

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さて、そんな彼らより一足先に下山することにしました。岩場のごつごつした登山道はまだ昨夜の雨で濡れています。すべって転ばぬよう慎重に下ります。途中なんどもこんなポーターさんたちとすれ違いましたが、なかには女性ポーターさん↑もいるのですね。たいしたものです。

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まだ上空には青空が見えていますが、変わりやすいのが山の天気です。ほら、そう思うまもなく下からガスが湧いてきました。

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昨日の登りでは、両大腿の痙攣に悩まされて登山道沿いの植生も見る余裕がありませんでした。でも、今日はそれぐらいの余裕はあります。まだ脚の痛みは完全には取れていませんが、下りなので痙攣の心配はありません。

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この↓マツの枝の先の赤い花、Rhododendron Ericoides(推定和名:エリカシャクナゲ)だろうと思います。(注:花の名前等はあらためて図鑑で調べた結果です。以下同じ)

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上のエリカシャクナゲと良く似た花ですが、こっち↓はピンクです。ウツボカヅラの側に咲くこの花は、Rhododendron Rugosum、和名はキナバルシャクナゲと言う花だと思います。

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そしてこれ↓が熱帯雨林特有のウツボカズラ、食虫植物です。これは、キナバル山固有種でNepenthos Villosaと言う名のピッチャープラント(ウツボカズラ)です。これは下山途中に合流した、サミットトレイル調査隊の日本人の方に教えてもらいました。

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これ↓はVaccinium Stapfianum、和名は多分キナバルスノキだと思います。

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そして、一見ナナカマドの実のように見えるこれ↓はなんの実なのでしょうか。調べても結局判りませんでした。

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これ、ワイルドラズベリーですよね。以前、よく鳥海山の野いちごを口にしていました。登山中の喉の渇きを癒してくれる山の果実です。思わず口に含み噛んでみましたがあの懐かしい甘酸っぱさが口いっぱいに広がりました。

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これ↓地面の苔の間から生え出た新芽ですが、余りの可愛さに思わずシャッターを切りました。この色とても癒されますよね。

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ここ↓は、ラバンラタから1.5KM、ビローサシェルターです。

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キナバル山のトレイル(登山道)は下半分が階段状にきちんと整備されていて、登り易く下り易い、でも昨日の私はこれに騙された感がありますが・・・。そして、上半分はこの↓ようなごつごつした茶色のガレ場のようなトレイルです。

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ここは、ラバンラタから2KM、ティムポハンから4KM地点のメシラウトレイルとの分岐(合流)点です。ただし、まだメシラウトレイルは復旧工事中とのことで閉鎖されていました。

下るに連れてガスに覆われてきました。雨の心配はなさそうですが、トレイルがかなり濡れていて滑りやすいのが気になります。

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おぉ、下からなにか大きなものを担いでポーターさんがやってきました。すれ違いざまに尋ねると冷凍庫だそうです。しかし、どのポーターもマウンテンガイドも軽装なのには驚きます。Tシャツに短パン、それに運動靴かサンダル履きがほとんどです。日本人登山者のように上から下まで高価な登山専用の服装や登山靴ではありません。

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これで本当に良いのだろうかと、日本で習い憶えた山の服装の常識からすると、心配になりますが、なあにこれで十分だよと言わんばかりにみな軽々と登り下りしています。

これじゃ、この国では山や(登山専門店)さんの出番がないだろうなと思っていたら、KLには最近、ノースフェイスなどの専門店がぞろぞろ出店していて、若い人たちで賑わっているそうです。この国でも山ガールが幅を利かす日が意外と近いのかも知れませんね。

・・なんてことを考えながらゆっくりと下っていたら、例の青年たちにあっさりと追い越されてしまいました。

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みな足取りも軽く鼻歌交じりでひょいひょいと下っていきます。いやはや、これが年の差なのか、、でも、若い人と張り合ってもしょうがないからね、なんてこの期に及んでまだ負け惜しみ言ってる情けないひねくれ団塊の私です。

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これ↓見て下さい。見事な苔の壁回廊です。

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そして、またこれでもか、これでもかと言う階段です。昨日はこの、一見楽な階段登りに騙されました。下りは痙攣の心配こそないもののやはり脚や膝にはかなり負担がかかります。しょぼいカニさん歩きで延々と続く階段を下りてきました。

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この後、ティムポハンゲートに続く坂を最後の力を振り絞って登りきり、今回のキナバル登山を無事に終了したわけですが、いや正直言ってほとほと疲れました。しかも今回登山は頂上ではなく、途中までだったのに予期せぬ苦労をしてしまい、これも今までの慢心と油断が招いた自業自得なのかと反省することしきりです。

しかしなにはともあれ、怪我もなく、他人に迷惑かけることもなく無事に帰って来れた、これでいい、これで良いのだと自分に何度も言い聞かせてました。

それにこのキナバル山の山懐(やまふところ)であの爽やかな青年たちとの出会いがあった。大自然の前で、すべての人間はその小ささやひ弱さを思い知らされ、まことに素直になる、誰もが平等で他人を気遣い、そして優しくなる。人種や宗教を問わず、言語や文化を問わず、そして年齢も地位も問わずです。だから私は山が好きなのだと、久しく忘れかけていた山への思いがまたぞろ蘇った今回の山行でした。キナバル山、ありがとう。。



以上で、3回に分けて綴ったキナバル山記を終わります。
最後までお付き合いいただいた方、大変ありがとうございました。

それではまた。。