マレーシア初となるMRT(Mass Rapid Transit=大量高速輸送鉄道)が昨年12月16日に一部区間開通しました。

このことは、日本経済新聞を含む内外のメディアで報じられ、かつ日本語、英語、マレー語などの多くのブロガーがこぞって記事にしていましたので、このことをまだご存じないマレーシア在住日本人の方はおられないと思います。

私ももちろん知ってはいましたが、ナジブ首相が、12月16日から1か月間の無料体験乗車をアナウンスしたことについて、主流のメディアが、これはナジブ首相から国民への嬉しいクリスマスプレゼントだ、などと持ち上げていることに嫌気がさして、わざと知らんぷりをしてたのです。

ところが元来、この種の乗り物が大好きな私です。MRTの高架下の道路を車で通るたびに、颯爽と走り去る新型のMRTを下から見上げてはちょっと悔しい思いをしてました。

そして、私の周囲でも無料体験乗車してきたことを自慢気に話す人たちが次第に増えてきて、もう今日で無料体験乗車が終わると言う1月16日、私もついに我慢が出きなくなって、遅ればせながら乗って来ました。

良く良く考えてみれば、ナジブ首相のこれ幸いとばかりの国民への人気とりの口上が気に入らなくての嫌気だったのですが、それならいっそ有料乗車にこだわれば良かったのに、それすらできなかった自分の貧乏人根性が情けないです。

ま、言い訳はともかくとして、思ったとおりの素敵なMRTでした。

今日は、そのMRTの乗車体験を読者の皆さんにも共有していただきたくて、MRTの前面展望動画を含みアップしましたので、ぜひご覧いただきたいと思います。

でもその前に、今度のMRTの全体像を日本経済新聞の記事を引用して紹介します。



日本経済新聞 2016.12.20.該当記事全文

■マレーシア 同国初の都市鉄道「MRT」の一部区間が開通した。道路の渋滞緩和と総延長51キロメートルの路線の沿線開発が期待されている。5年間かけて建設され、費用は210億リンギ(約5520億円)。当初の予想より20億リンギ抑えることができた。

ナジブ首相は開通式典で「MRTによりマレーシアは近代的で効率的な公共交通網を持つ先進国となる」と述べた。

MRTはクアラルンプール北西のスンガイブローから南東のカジャンを結ぶ。クアラルンプール中心部の9.5キロメートルの区間は地下を通る。同区間は建設大手MMCコーポレーションやガムダを含む国内企業連合が建設を担当した。

車両は独シーメンスが供給し、信号はカナダのボンバルディアが担当した。日本勢では明電舎が電力システムを提供し、三菱重工が線路に参加した。

無人運転の4両編成の列車は定員1200人。3分半に1本運行され平均時速は70キロメートル。1日40万人の利用が見込まれている。

15日に開通したのは第1期区間で、全31駅のうち12駅。全区間の開通は来年7月の予定だ。

「これまで公共交通は優先されていなかった」とナジブ首相は述べ、マハティール元首相が国産車プロトンに傾注しすぎたとの考えを示した。プロトンは1985年に登場したが、ほぼ同じ時期にシンガポールはMRT事業を開始していた。

マレーシアは2番目となるMRT路線の建設を始め、3番目の路線に関する実現可能性を調査している。これとは別にクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画なども発表している。

政府は国民1人当たりの収入を2015年の1万570ドルから2020年に1万5690ドルへ引き上げることをめざす経済改革計画を実行中で、MRT事業はその一部だ。(クアラルンプール=CK・タン)



記事中、MRTのPhase1の工費が当初見積もりより20億リンギも安くできたとか、マハティール元首相よりも自分のほうが先見の明があるかのナジブ首相のアナウンスメントは、金の使い方やその出所については数多の疑惑に埋もれている首相の発言なので、もはや多くの国民は信じてはいないのだろうと思いますが、案の定、経費の積算もれがあったための不正確な数値だったとか、国会などでは厳しく追及されているようです。また、今回の無料乗車が国民に対するクリスマスプレゼントだとか、気前のよい首相の大盤振る舞いだとか言う、この国の主流メディアの首相よいしょの文言は、逼迫する現下の国家経済状態においては大いに違和感ある文言だとは思いませんか?


さて、それはさて置き、わが町モントキアラからのMRTの最寄り駅はと言うと、バンサショッピングセンター近くのSemantanか、そのひと駅、西側のPBD(Pusat Bandar Damansara)なのですが、いずれも近くはありません。

どうしたものかと思案するうち、Feeder Busなるものがあることを知りました。Feederとは中継ぎとか連絡と言う意味があるので、これはMRT駅への連絡路線バスと言うことなのでしょう。

そのFeeder Busの路線が隣町のデサ・スリハタマスを通っているのだそうです。それにしてもなぜモントキアラは通っていないのかと突っ込みたくもなりますが、MRT の路線にしてもバス路線にしても、モントキアラはどうも蚊帳の外に置かれている気がしないでもありません。

幸いなことにわがコンドは、ゲートのすぐ前が190番(旧U7)の路線バスのバス停なので、車なしでも容易にモントキアラを脱出できるのですが、他のコンド、特にメインストリートとなるJalan Kiara沿いのコンドに住んでいる方にとってはまさに陸の孤島なのかも知れません。

で、今回のFeederバスですが、デサ・スリハタマスのどこにバス停があるかが問題です。

My Rapaidのウェブサイトで検索した結果、デサ・スリハタマスを通るFeeder BusはT818でわがコンドから一番近いバス停は↓ここのようです。

001_20170128184207ff9.jpg

バス停には↑のような看板が設置されているので容易に分かります。このバス停は名前をPlaza Cristelvilleと言い、名前からはまったくわからないのですが、デサスリで唯一のガソリンスタンドの近く、雑多なショップロットの前で、タクシー待合スタンドのところです。なんのことはない、最近仲間たちとよく行く韓国レストランDaoreの真ん前でした。

002_20170128184206ada.jpg

↑T818のバスは10から15分間隔で、MRTのPBD駅とデサスリを周回運行しているようです。もちろん時刻表はありませんが、わがコンド前の路線バスよりも頻繁な運行のようで、待つのもさほどの苦ではありません。

ただ、このバス停まで歩いてくるとなるとやっぱり汗をかきます。運行経路図から察するにもっと近くの場所で手をあげれはきっと乗り降りできるはずなので帰りに確認してみたいと思います。(帰りにバスドライバーに確認したら、経路上でならどこでも乗り降り可能だとのことなので、わがコンドからもっとずっと近くで乗り降りできそうです)

バスは、今日(1月16日)までは無料、明日(1月17日)からは1リンギだそうです。運行時間も早朝から深夜までと十分ですし、これは使えるかなと言う気がしましたね。

デサスリを出発するとこの新型バスは、サイエンス・ネガラを左に見て、ブキット・キアラを通りPBDのバスターミナルに到着します。その前にSemantanの近くも通るのですが、MRTに乗るにはこのPBDが絶対有利です。なぜなら、PBDのこのバスターミナルはMRTの駅に隣接していて、雨でも濡れないように屋根付き連絡通路とエスカレーターで行き来できるからです。

↓ここがPBDバスターミナルです。後ろがMRTのPBD駅です。

003_20170128175918ba5.jpg

↓これが新型バスです。

004_201701281759173e6.jpg

↓このターミナルからはT818のほかに、PBDとKL SENTRALを結ぶT819が発着しているようです。と言うことは、7月のPhase2を待たずともKL Sentralまではバスの乗り継ぎで行けると言うことですね。

005_201701281759168fb.jpg

バスを降りたら屋根付き連絡通路から↓このロングエスカレーターに乗ります。

006_20170128175915fb4.jpg

そして↓屋内連絡通路を抜けると・・・

007_2017012817591424d.jpg

そこは高架のPBD駅です。そして↓は自動改札を入ったところですが、見てくださいこの広々としたスペース。。

008_20170128175914a86.jpg

↓ここはプラットホームです。

009_20170128175809aca.jpg

もちろんホームドア(自動転落防止柵)も完備されていてなかなかのものです。

010_20170128175809234.jpg

↓これがMRTの新型車両です。中国製造との情報もあったのですが、日経新聞によるとドイツ製だそうです。

011_201701281842090ac.jpg

↓これは路線の車内情報ボードですが、グレーで彩色された部分が未開通で、この7月に開通するのだそうです。市内中心部を突き抜けてKajangまで一本で行けるということです。

015_20170128175805cdd.jpg

↓車内の様子です。

012_20170128175808387.jpg

↓MRTは他の交通路線よりもいちだん高い高架を走るため、見晴らしはとても良いです。

013_201701281758071de.jpg

↓このように普段は森に遮られてあまり目にすることのない墓地なども良く見えて、へぇーこんなところにお墓があったんだと思ってしまいます。

014_20170128175806a9f.jpg

それにしても、このMRTはコンピュータによる完全自動制御なので、運転席もないし運転手もだれもいないんですよ。おかげで前方の見晴らしが、架線や架線柱もないのでとても良いのですが、線路上の障害物などはどうやって識別するのだろうかとちょっと不安な気もします。

見て下さい、前も後ろもこれこの通り。大きなウィンドウがあるのみで運転手さんはいません。

016_201701281842085b5.jpg

そんな視界の良い最前席に陣取って、撮り鉄よろしく前面展望を撮ってみました。最初の1本は、Kwasa Sentralから終点のSungai Bulohまで、各駅での停車間を切り取って、約6分半。次の1本はSungai Bulohからの帰り、Kota Damansaraから降車駅のPBDまでを、これも各駅の停車間を切り取って約12分半ほどありますが、もしよろしければご覧ください。このほど新設されたクアラルンプールのMRTの乗り心地や見晴らしを、この前面展望動画で体感していただければ嬉しいです。なお、HDにて撮影していますので、ネット環境が許すなら、ぜひ大画面ディスプレイにてご覧いただけれぱと思います。

↓Kwasa Sentralから終点のSungai Bulohまでの前面展望動画(6分34秒)



↓Kota Damansaraから降車駅のPBDまでの前面展望動画(12分42秒)



いかがでしたでしょうか。なにかのご参考になれば幸いです。

ではまた。。



スポンサーサイト
前回は、KL盆踊り大会に行って来ました、と言う記事を綴りました。

その際は自宅から会場までバスと電車を利用して往復したのですが、
今日は、そのバスと電車のことについて書いてみたいと思います。

よく、こちらに在住の方で「モントキアラは陸の孤島です」と
ブログに書いておられる方がいますが、実はモントキアラの街にも
路線バスが通っていて、それを利用すれば案外簡単に市の中心部に
出ることができるのです。

モントキアラの街を通過する道路は2本あって、いずれもほぼ南北に
平行して走っています。

それは「Jalan kiara」と「Jalan kiara 3」なのですが、路線バスは
このうち「Jalan Kiara 3」を走っているのです。

したがって「Jalan kiara」沿いのコンドミニアムに住んでおられる方が
この路線バスを利用するためには、「Jalan Kiara 3」まで出る必要が
あるのですが、この平行の2本の道路間の移動は途中のショートカットが
ないため結構大変です。恐らくこれが陸の孤島の所以だろうと思います。

他方「Jalan Kiara 3」沿いのコンドに住む者にとってはこの路線バスの
利用が至って便利なのです。とりわけ、わがコンドの場合は、ゲートの
直ぐ前がバス停ということで超便利です。

これがわがコンド前のJARAN KIARA 3を走るU7のバスです。

201307101002.jpg

このように前後にU7の電光表示がありますので容易に分かります。

201307101003.jpg

先ずはこの路線バスについて、少々詳しく説明したいと思います。

これはRapidKLが運行する路線バスです。

U7のUはUTAMAのUで、UTAMAとはマレー語でメインと言う意味ですが、
市の中心部と近郊の主要な地点を結ぶ路線のことです。

ちなみに、このUの他にB(Bandar=市内)及びT(Tempatan=ローカル)の
各路線があります。

各路線のルート一覧はこちらをご覧下さい。

U7のバスですが、モントキアラの隣町デサスリハタマスと市中心部の
バンコクバンク(セントラルマーケットの近くです。)の間を、北側に半円を
描くかたちで運行しています。

これがU7バスのルートマップです。

201307104001.jpg
U7ルートマップの拡大図はこちら、ルート上のバス停一覧はこちらです。

なお、上図からも分かるようにモントキアラ内のバス停は3箇所です。

U7を含むUTAMAバスは始発が朝6時、最終が夜11時30分です。

また、各路線バスの運行時刻表はどこにも公開されていませんが、
朝夕のピーク時は15分間隔、日中は30分間隔で運行されている模様です。

各路線バスの料金表はこちらですが、行き先(ゾーン)ごとの区分です。
(注:開いたページでFaresタブをクリックしてして下さい。)

次に、この料金支払いについての気付きです。

料金は前乗り時に現金またはカードタッチ式の支払いなのですが、
現金の場合、リンギ札で料金を支払うと、たとえおつりがある場合でも
不思議なことにつり銭は絶対もらえません。

実はこの件、ささいなことながら私はずっと悩んでいた(笑)のですが、
最近になって、これも立派な異文化なんだと理解しました。

見ていると、ほとんどの客は1リンギか2リンギの支払いで乗っています。

U7の場合、例えば終点まで乗る場合は3ゾーンだから2.5リンギのはず
なのに誰も2リンギしか支払いしない。その代わり2ゾーンは1.9リンギ
だから10センのつり銭をくれなどとは誰も言わないのです。

まぁこれらを見ているといい加減といえばいい加減。
いい加減な客とアバウトな運転手、実際これですべてうまく行くのです。

だから、バスがバス停の100m手前で停まったとしても、誰も気にしないし、
そんなことに文句を言うものもいません。

それどころか、中には後ろドアから乗ってきて、料金を支払わないで
そのままどうどうと降りていく客も結構いたりして、なるほどこれも異文化
なんだなぁと妙に感心したりしています。

バス料金カード支払いのためのRAPIDPASSの種類と価格表はこちらです。
(注:開いたページでRapidpassタブをクリックしてして下さい。)

さて、このU7のバス、ルートマップを仔細に見て行くと分かるのですが、
途中KTMコミューターのセガンブット駅及びKLモノレールのチョーキット駅を
通ります。

なので、これらの駅で電車やモノレールに乗り継げば意外に簡単にどこへでも
行けるのです。

先日の盆踊りの際は、コンド前のバス停からU7に乗って、KTMコミューターの
セガンブット駅近のバス停で降り、KTMコミューターに乗り継ぎました。

コンドのゲートハウス横を通過して、目の前のこのバスに乗ります。

201307101000.jpg

なお、こちらのバス停ですが、ほとんどがバス停の標示もなにもないので、
どこがバス停なのか、そこがなんと言う名前のバス停なのかも分からず、
慣れるまではちょっとまごつきますが、それも慣れてしまえばなんてことも
ありません。

この日は、KTMのクアラルンプール駅で同じKTMのPelabuhan Klang行きに
乗り換えて、シャーアラム駅まで行きました。

クアラルンプール駅のホームです。

201307103002.jpg

さすが旧中央駅だけあってきれいなプラットホームですね。

201307103000.jpg

このホームにはコンビニ(Kedai Serbaneka)がありました。

201307103001.jpg

と言うことで、次はこのKTMコミューターについてです。

始めにKTM Commuter のRoute Mapです。(拡大図はこちらからどうぞ。)
201307105000.jpg

参考までにKL近郊(Klang Valley)のRail Transit Mapです。
(拡大図はこちらからどうぞ。)
201307104000.jpg

このKTMコミューターはバスと異なりきちんとした時刻表があります。
(注:時刻表は2013.10現在のものです。)

Seremban→Rawangの時刻表ダウンロードはこちらです。
Rawang→Serembanの時刻表ダウンロードはこちらです。

なお、KTM Komuter HPのQuickJourneyPlannerに乗車駅と降車駅名を
入力すると、即座に運賃と所要時間が分かり大変便利です。
(ただし、まだ時刻表と連動していないのは残念です。)
QuickJourneyPlannerはこちらです。


ところで、セガンブット駅のホームで電車を待っている時に、
駅の時計表示が自分の腕時計と随分違っていることに気がつきました。

それも10分以上も違うのです。

自分の時計がずれているのかと一瞬思いましたが、携帯電話の時計も確認し、
ずれているのは駅の時計だと知りました。

駅の時計が10分以上もずれているなんて考えられますか?

201307103005.jpg

その後、他の駅でも注意して時計を確認してみましたが、なんと言うことでしょう、
各駅の時計が、しかも駅にあるそれぞれの時計表示も、電光時計もアナログ時計も
すべてがそれぞれ違うのです。

これじゃあ、時刻どおりの列車運行なんてできるわけがないですよね。

いや、誰も正確な列車運行などしたいと思ってないのでしょうね、きっと。


最後にこれはおまけですが、夜のシャーアラム駅構内です。

201307103004.jpg

同じくおまけのシャーアラム駅構内です。

201307103003.jpg

これは哀愁漂う夜のセガンプットブット駅です。
手ブレが激しく見られたものじゃないのですが、せめて雰囲気だけのアップです。

201307103006.jpg

以上、今日はモントキアラから利用できるバス・電車について
少々詳しく説明してみましたが、これでモントキアラが決して陸の孤島ではないと
言うことがお分かりいただけたでしょうか。

それではまた。。