直近のマレーシア政界疑獄シリーズは昨年の12月18日でしたから、あれからもう2か月が経過しましたね。

もちろんこの間も私は、毎日欠かさずメディアチェックをしているつもりなのですが、主流メディアはうんざりする程のナジブよいしょの記事だらけでとても読む気にはならないし、反主流メディアにしてもなにかつまらない記事ばかりなので、ブログに書きたいとの食指がまったく動きませんでした。

ところで、このところのマレーシア政界に対する巷の関心は、もちろんPILIHAN RAYA、マレー語で言う総選挙、GE-14です。PILIHAN RAYAがいつになるのか、メディアなどにはちょっと前まで、この春3月などと書いていたものもありましたが、流石に現在では具体的な期日を示唆する記事は見当たりません。

ナジブ首相本人は、この件に関し二転三転するような発言を繰り返しているようで何が本当やら見当もつきませんが、巷では早期の解散総選挙は避けられないとの見方が一般的であり、その理由は前回記事に書いたとおりです。

しかし、このPILIHAN RAYAに関する件は、私の周囲の在住日本人の間ではほとんど話題にも上らないし、皆、全くと言っていいほど無関心のようですが、マレー人を含むマレーシア人たちにこの話題を振り向けると、みなさん顔つきが一変する程真剣になります。

辺りを窺うようにして小声で話す彼らのほとんどはマレー人、しかも政府系企業の会社員や堅物の政府職員でさえ一様にアンチナジブなことには驚きを禁じえません。これはきっと私が話す相手の方たちは、このKLと言う、情報の行き届いた都会に暮らし、教育も十分に受け、ことの善悪を十分に弁えている方たちだからかとは思いますが、それにしてもと思います、なぜ、主流派メディアの論調とは180度違うのだろうと。(いやその理由は言わずもがなですけどね)

そんな彼らの、PILIHAN RAYAに関する大方の見方は今年の9月頃というものですが、果たしてこの見方が正しいのかどうか、私にはまったく見当もつかずにいたところ、先週、とある記事を目にしてハタと気づきました。

それは今年のBR1Mの支給月が2月、6月、8月の3回に決まった、と言う小さなニュース記事です。なるほど、そうか、8月までに現金ばら撒き作戦を終了し、その直後の9月にPILIHAN RAYAをやる魂胆か。。なーるほど。。

ところで、BR1Mってご存知ですか?Bantuan Rakyat 1 Malaysia、即ち所得の低い国民に現金を支給するという政府の低所得層救済策です。

これは、ナジブ首相が前回総選挙前の2012年から導入した施策で、一定所得に満たない所帯(または個人)に直接現金を支給するという、穿った見方をすれば税金を湯水のように使った人気取りのばら撒きじゃないのか、票買いじゃないのかと思いたくもなる施策です。

当初最高額500リンギで開始されたBR1Mは年々その額が上がり、今年は最高1200リンギ、所得に応じた区分別に支給額と支給期日が決まります。ちなみに最高額1200リンギの支給対象となるのは所帯収入が月に3000リンギ以下の所帯で、今年は2、6、8月にそれぞれ400リンギが支給されると言うことです。

このBR1MIに対し、Dr M(マハティール元首相)は、ナジブ首相や与党政治家の匙加減ひとつで支給/不支給がきまり、与党政治家のお陰でお金がもらえると国民に思わせるような施策は良くない、まして選挙直前の現金ばら撒きは即ち票買いだ、違法な犯罪に当たるなどとして、これに当初から一貫して厳しく異を唱えていたのです。

ところがこれは先月(2017年1月)のことですが、このBR1Mの国民(低所得層)に対する効果は絶大とする調査会社の調査結果などを受ける形で、Dr Mが次期選挙で野党が政権をとっても、必要ならこのBR1Mは継続する(正確にはこの種の低所得層救済施策が必要なら継続する)と少々論調を変えたことに対し、それ見ろと、まるで鬼の首を獲ったかのようなナジブ首相の高笑いの記事が目に止まりました。

↓これがその記事(抜粋)です。



Najib: Dr Mahathir is a 'U-turn champion'
ナジブ首相:Dr.マハティールはUターンのチャンピオンだ

The Star
Sunday, 15 January 2017

najibumno.jpg

PEKAN: Prime Minister Datuk Seri Najib Tun Razak (pic) has called Tun Dr Mahathir Mohamad a "U-turn champion" for his changed stance on the 1Malaysia People's Aid (BR1M).
ぺカン発:ナジブ首相(写真)は、ワン・マレーシア国民援助(BR1M)に対するDr.Mのスタンスの変化について、Dr.MはUターンのチャンピオンだと述べた。

Najib said the former premier had stated BR1M was bribery and wrong in the eyes of the law on Dec 26 last year.
"Now three weeks later, he has changed his mind and has performed a U-turn. Looking at his recent actions, Dr Mahathir is doing a lot of U-turns.

ナジブ首相は、元首相(Dr.M)は昨年12月26日、BR1Mは賄賂であり法律的にみるとそれは間違いだと言った。(ところがその)3週間後、彼は心変わりしUターンした。最近の行動を見ると、Dr.Mは多くのUターンをやっている、と述べた。

"He's a U-turn champion. He is prone to actions that contradict his previous stands," Najib told reporters after presenting awards to excellent students and teachers at the UPSR and PT3 levels here Sunday.
ナジブ首相は日曜日、UPSR(Ujian Pencapaian Sekolah Rendah=全国小学生共通学力テスト)とPT3(Pentaksiran Tingkatan Tiga=全国学校別評価テスト)の優秀生徒表彰式の後、記者団に、Dr.MはUターンのチャンピオンであり、自身の過去のスタンスと矛盾する言動を行う癖(へき)があると語った。

On Saturday, Dr Mahathir, who is chairman of Parti Pribumi Bersatu Malaysia (PPBM), said BR1M would be maintained if his party wins the next general election.
(その前日の)土曜日、Parti Pribumi Bersatu Malaysia(PPBM)議長のDr.Mは、次の総選挙でわが党(PPBM)が勝利すれば、BR1Mは維持されると述べていた。

According to him, BR1M would be maintained if it was found to be essential, but would have to be made into a statutory aid determined by law and the budget.
Dr.Mによれば、BR1Mは、それが必要と判断されればそれを維持するが、その場合は法と予算によって裏打ちされる法定の扶助でなければならないのだ、と言う。

Najib said the Government did not regard BR1M as bribery as similar aids were presented by the governments of Penang and Selangor.
ナジブ首相はペナン州とスランゴール州政府も(BR1Mと)同様の扶助を(独自に)行っており、(国の)政府はBR1Mを賄賂とみなしてはいない、と述べた。

・・・・・・(以下略)



上記は、Dr.Mが野党側のBR1Mへの対応方針をやや変更したことに対し、一貫性がなくいつも土壇場でUターンするチャンピオンなのだと、ナジブ首相が自身のブログでDr.Mを痛烈に批判している、とのThe Starの記事です。

The Star同様に他の主流メディアの関連記事も、Dr.Mのこれまでの主張や今般の具体策にはほとんど触れず、ただ首相のブログでの主張を口移し的に述べただけ。しかしこれでは、これまでの経緯や内容を知らない読者をして、ナジブ首相の主張がまるで正論だと思わせてしまうじゃないですか。

Dr.Mのもともとの主張は、低所得層への救済策としての現金支給を一切否定するものではなく、その方法や支給要領(当初は信じられないことだが、与党政治家が直接支給対象者に配っていたのだそう)を誤れば、それは賄賂や票買いに当たるとして厳しく異を唱えて来たのです。

ところでこの低所得層に対する現金支給ですが、わが日本でもありますよね。確か「年金生活者等支援臨時福祉給付金」として、1,100万人(平成26年度)を超える一定基準以下の低所得高齢者に一律3万円の現金を自治体経由で支給するという施策が。。このことを痛烈に批判する一部政党や政治家もいるようですが、ま、その件は別にしても、どの国にも普通にある福祉施策かと思います。

しかし、ここマレーシアの現金支給施策がわが日本などと決定的に異なっているのは、先ずその支給対象数の割合の異常な多さにあると思われます。ナジブ首相の説明によると、現在約800万件の支給申請が行われ、そのうちの約500万件に対して既に支給が承認されているのだそうです。

でもこれってちょっと不思議ですね、マレーシア政府の統計資料(Census2010)によれば、2010年時点でのマレーシアの総所帯数は635万所帯。2017年の現在は、統計資料に基づく3.2%の所帯増加年率から推定するに約800万所帯程度のはずなのに、申請件数が約800万ということは、この数字は所帯数である筈がない。

しかし、もしこの数字が所帯数だとすると、国のほぼ全所帯が支給申請してその6割強が既に認められたと言うことになる??そんなばかな!いやいや、きっとこれは私の統計データの読み違いか計算間違いなのでしょうね。6割強の所帯に対して、国家予算の中から現金を支給するなんてあり得ない。

でもこの不思議な数字に対し、多くの方たちが同様の疑問を感じていることは、記事に対する多くの読者コメントでも明らかなのだが、これまた不思議なことに納得できる説明はどこを探しても見当たらない。おそらく所帯の申請件数のみではなく、個人の申請件数も含めた数字なのだろうとは思うが、いずれにしても相当高い支給割合の数字には違いない。

わが日本だって人口(注:我が国の現金支給対象は所帯ではなく個人)の10%程度でしょう。福祉施策だとすればせいぜいその程度ですよね。それを6割も7割も現金支給する。ましてや国家経済が逼迫していると言われているマレーシアで、もしこれが事実とすれば、まったく説明がつかない、一体何のための現金支給なのかと言うことになる。いや、選挙の票買いのための現金バラマキかと言われても仕方がない。

さらにこの国では、その手続きが不明瞭。いやこれは私が知る由もありませんし、真偽のほどは分かりませんが、ナジブ首相以下の有力与党政治家の匙加減一つで決まるなどと噂されるようなら、これはもう立派な贈収賄の犯罪ですよね。

そして極めつけはその支給の時期です。2017年度の支給は、今月と6月、そして8月だそうです。これって、その支給直後に国政選挙などあるとすれば、誰が何と言おうがこれはもう間違いなく票買いと言う犯罪ですよ。

しかしナジブ首相は、さらに1か月後の自身のブログで、このBR1Mを野党が盛んに批判していることに関し、国家経済は逼迫していない、国家経済の懐疑的な見方は間違った見方だ、その証拠に、低所得層への現金支給額は毎年増額できているじゃないか、とする反論を述べている。

関連記事↓



PM: Country going bankrupt? But BR1M increases yearly
国が破綻するって?(そんなことはない)BR1Mは年々増額できているじゃないか。

malaysiakini
Published 16 Feb 2017, 7:49 pm Updated 16 Feb 2017, 8:02 pm

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The consistent increase in the quantum for Bantuan Rakyat 1Malaysia (BR1M) cash handouts invalidates opposition claims that the country was going bankrupt, said Prime Minister Najib Abdul Razak.
Bantuan Rakyat 1Malaysia(BR1M)の現金支給額の一貫した増額は、これでは国が破産してしまうとした野党の主張を無効にするものだ。

"Stop saying that the country will go bankrupt every year when every year the amount for BR1M is increased to help the needy," wrote Najib on his blog today.
貧困層を支援するためのBR1Mの現金支給額が年々増加している現状にあって、野党は毎年毎年、これでは国が破産すると主張しているが、(国は実際に破産していないのだから)そんなことを言ってはいけない、とナジブ首相は自身の今日のブログに書いている。

BR1M cash handouts for households with an income of RM3,000 and below began in 2012 at RM500 per household.
月々の収入がRM3,000以下の世帯へのBR1M現金給付は、2012年に1世帯あたりRM500で始まった。

Since then, there has been incremental increases. As of last year, the payment increased to RM1,200 per household.
それ以来年々漸増し、 昨年時点で、支給額は1世帯につき1,200リンギットに達している。

Najib said BR1M payments for this year will commence on Feb 18 and 5.15 million out of 8.27 million applications for the funds have been approved.
ナジブ首相は、今年のBR1Mの支給は2月18日に開始されるが、827万の申請件数のうちの515万件が既に承認された、と述べている。

He said the remaining applications were still being processed and there will be further announcements in March.
ナジブ首相は、残りの申請は現在まだ審査中であり、3月中に新たな発表を行う予定だとしている。


Healthy growth figures
健全な(国家経済の)成長の数字

The prime minister urged the opposition to be more sensitive when criticising BR1M as there were people who needed the money to purchase necessities.
首相は、BR1Mを批判する野党に対し、(生活)必需品を購入するためにお金を必要としている(貧しい)人々がいるのだ、と言うことにもっと敏感になるべきだ、と促した。

In a separate blog post, Najib said gross domestic product (GDP) data produced by Bank Negara had also proven skeptics wrong about the economy.
ナジブ首相はまた、別のブログ記事で、マレーシア中央銀行が発表したGDP(国内総生産)の伸び率データは、景気の懐疑的な見方は間違っていることを証明していると書いている。

According to the central bank, fourth quarter GDP growth was 4.5 percent, while growth for 2016 was 4.2 percent.
中央銀行によると、第4四半期のGDP成長率は4.5%であったが、2016年の成長率は4.2%だった

"Praise be to God, our planning and management of the economy, at a time when the country is facing global challenges, have yielded results.
神をたたえよ!国がグローバルな課題に直面している時、経済に対する我々(現政権)の計画と管理が(良好な)結果をもたらしているのだ。

"We will continue with our work to ensure the economy remains healthy and continues to grow," he said.
我々(現政府)は、経済の健全性を確保し、成長を続けるための努力を続けていく、とナジブ首相は言っている。



首相は↑このように述べているそうですが、いやいや、しかしですよ・・

一向に回復の兆しが見えない歴史的なリンギット安、そのリンギットを必死に買い支えている中央銀行の外貨準備高の急激な減少、外国投資の大幅逃避によるメガ国家プロジェクトの進捗の停滞などなど、内外の経済専門家の中にはマレーシアの国家経済について懐疑的な見方をする方たちが少なくない中で、経済の健全性は確保できている、経済に対する懐疑的な見方は誤りだ、それはGDPの成長率を見れば分かる、などなど、ナジブ首相が述べていることは本当に、ホントですかね?

どうも私には、国家経済が懐疑的(懐疑的どころか逼迫しているとみる専門家も少なくない)な現状で、巨額の予算を消費する現行のBR1Mは経済を疲弊させいずれは国家を破綻に追い込む、と言うDr.Mや野党側の主張の方が正論のような気がするのです。もちろん確たる根拠はありませんが・・・・

振り返ってみれば、2020年の先進国入りを目標とするマレーシア経済の牽引役となる筈だった、ナジブ首相肝いりの1MDBのまさかの巨額赤字が明るみとなり、しかもその赤字の元(取引記録)を辿ってみると、首相自身に1MDBを通じた巨額の公金横領(使い込み)疑惑が浮上し、内外メディアがこれをセンセーショナルに報じたのが2015年7月のこと。

爾来、一切の説明責任をも果たそうとせず、ただ”間違ったことはしていない”とか”公金を私的に使ったことはない”などとと自身のブログなどでひとり呟くのみ。また、この件に対して意見する閣僚や役人などを次から次に更迭したり、メディアを口封じのためにアクセスブロックしたり、発刊停止にしたり、民主主義不在で人権をも無視した権力の乱用は見るに堪えないほどだ。

そんなナジブ首相の説明や約束など誰が信ずるものかと私などは思うのだが、ところが現金の威力は凄まじい。

それは昨年のサラワク州選挙と二つの下院補欠選挙において大勝した与党連合(BN)の選挙結果が如実に物語る。いずれも過去最大とも噂されるあからさまな票買いによって与党の勢力をより盤石なものにした。

これに相当自信を得たであろうことは間違いないナジブ首相が、野党が一枚岩になる前の早期に国政選挙に打ってでることは早くから予想されていた。そうか、それが9月か。おそらく歴史的にみても過去最大となるあからさまな票買いと言う犯罪が、白昼堂々しかも国家予算を使って行われるのだ。

さらに、それに追い打ちをかけるように今新たな選挙区の区割り案が出ている。もちろん与党選挙をさらに有利にする区割りだ。ここマレーシアにおいては、一票の格差などなにも問題にはならない。人口の多いKLなどの都市部と人口の希薄な地方に対する議員定数の不公平な割り振りが、いとも簡単に決まってしまうのだ。これが前回2013年総選挙で、得票数では野党が勝利したが、議員数では与党が勝利した理由なのだ。

いずれにしても今現在の票読みは誰にもできないが、あからさまな票買いと有利な区割り、戦う前から野党は絶対不利だ、と誰しもが思う。日本のなんとか言うシンクタンクの調査員が、次期総選挙についての見通しをマレーシア各界にインタビューなどしてその結果を公表している。もちろん見通しは、”ナジブ体制は絶対に揺るがない”だ。

マレーシア国内の大方の見方も同様だ。主流メディアはもちろんのこと、反主流メディアでさえそうだ。私の周りのごく普通のマレーシア人たちも皆そう感じている。でも、そう感じてはいるが、かすかな望みは捨てていない。



以下は、そのかすかな望みを現実なものにしたい私のオリジナルのシナリオですが、笑止千万なことと思われても、一笑に付されてももちろん構いませんが、一応読むだけ読んでいただければと思います。

先日(2月24日)、とあるメディア(FMT)に小さな記事が載っていましたね。

私は目敏くそれを見つけましたが、ともすればスルーしてしまうほどの小さな記事、それはロサンゼルス地方裁判所での、ナジブ首相のStepson(妻の連れ子)のアジズ氏や若手マレーシア実業家で大富豪として有名なジョー・ロー氏等を相手とする米国内資産差し押さえに関する民事裁判に関することです。

昨年7月、米国司法省(USDOJ)がロサンゼルス地方裁判所に本件訴訟を提訴したことは、以前このブログでも詳しくお伝えしました。その後、マレーシア国内においても、USDOJの訴状に繰り返し記されているMO1なる人物がナジブ首相を指していることが誰の目にも明らかなため、学生運動家グループなどによる広範なナジブ追放街頭デモなどが起こったのですが、首相側はデモ企画者に対する強圧的な嫌がらせなどの他、一切の公的説明はなにもなし。またしてもダンマリを決め込んでいるのです。

他国、それも強大な米国の国家権力機関である司法省が、直接の名指しこそないものの、暗に事件の首謀者はナジブ首相だと訴状の中で強く示唆しているのです。

こんなこと、普通ではあり得ない。もし自国の首相が、他国から堂々犯罪人呼ばわりされたとしたら、そしてそれが謂れのないことだとしたら、それこそ国を挙げて戦うべきでしょう。ところが、この件にしても、例のWSJやサラワクリポートなどにしても、なぜ司法の場で白黒つけないのか、堂々と身の潔白を証明しないのかと、誰しもが疑問に思います。

そしてそれから約半年、その米国での裁判結果が今どうなっているのか、今後どうなるのかを皆、固唾を飲んで見守っているのですが、なぜかこのニュースはなかなか伝わって来ない。

そんな中、ようやく見つけました。

Jho Low set to lose New York hotel (ジョー・ロー氏、ニューヨークのホテルを失うか)と言う見出しのFMT(Free Malaysia Today)の記事です。(注:この記事はfinews.asiaと言うメディア記載の記事の引用のようです)

US court grants permission to sell off Park Lane Hotel aimed at removing Jho Low from its ownership and stabilising the financially troubled property, says report.
米国の裁判所は、ジョー・ロー氏の所有権を取り除き、財政的に問題のある資産を安定させることを目的に、パークレーンホテル(Park Lane Hotel)を売却する許可を与えている、と報告書は述べている。

Malaysia’s financier Low Taek Jho looks likely to lose his stake in a New York hotel which he is alleged to have bought using 1Malaysia Development Berhad (1MDB) funds.
マレーシアの金融家であるジョー・ロー氏は、1MDB(から盗用した)資金で買収したと疑われているニューヨークのホテルでの自己株式を失う可能性が高い。

US District Court Judge Dale Fischer has given the green light to a plan by the Department of Justice (DoJ) and New York developer Steven Witkoff to sell off the Park Lane Hotel, finews.asia reported.
米地方裁判所のデイル・フィッシャー判事は、司法省とニューヨークの(不動産)開発業者スティーブン・ウィトコフ氏のパークレーンホテル売却計画にグリーンランプを灯した(注:許可した)と finews.asiaは報じた。

Low, better known as Jho Low, has been fighting to prevent his stable of luxury assets from being seized by US officials, according to the report which quoted The Wall Street Journal (WSJ).
WSJは、ジョー・ロー氏は、米国司法省の役人によって差し押さえられようとしている自己の豪華資産を守るために戦い続けていると報じている。

以下略・・・・・


いかがですか、この記事はこれまでその進捗がほとんど見えていなかったロサンゼルス地方裁判所での1MDB関連訴訟に一条の光が射したような記事じゃありませんか?

米国司法省の財産差し押さえのための民事訴訟は、長大な巨悪犯罪との戦いのほんの序章にすぎません。司法省の捜査・調査結果の正当性が裁判で認められれば、次なる手立ては刑事訴訟です。

しかし、訴訟の相手が、外国の政府高官、しかも政治的・経済的にも強く関係する準同盟国マレーシアの首相ともなれば、米国といえども慎重にならざるを得ないのは当然のことです。でも強大な法治国家の米国の司法省やFBIなどの国家権力機関が最終的に目指しているのは、歴史的にみても類のない巨悪犯罪の首謀者とその一味の刑事訴追とみられています。

今のマレーシア国内においては、この巨悪犯罪の立件は既に遅かりしの気がしますが、ことが米国とくればナジブ首相とその仲間たちも安閑としてはいられないはずです。解散総選挙を急ぎ、あらゆる手立てを講じてナジブ帝国を揺るぎないものにすることこそ彼らの生き残りをかけた戦いなのです。

ありとあらゆるサーベイの結果が、そしてわが日本のシンクタンクの調査結果までがナジブ絶対有利の現状で、劇的なちゃぶ台返しを実現するのは、このUSDOJの訴訟結果しかないような気がします。

でもUSDOJの訴訟に一条の光が見えてきたというのに、例のWSJもサラワクリポートなどのアンチナジブのメディアも、今のところ不気味なほどのダンマリです。

でも私は、これは彼らの高度な戦術かも知れん、と期待を込めて思っています。あからさまな票買いのBR1Mの現金支給の真っ只中かその直後に、WSJやサラワクリポートなどからのUSDOJの勝訴結果が大々的に報じられれば、一気に形勢が変わるでしょう。いや変わる筈です。どこのどんな愚かな国民だって、自国の首相が外国のそれも信頼に足る米国から犯罪人扱いされるなんてとても耐えられるはずない。

形勢は土壇場で一気に逆転し、次期PILIHAN RAYAは野党連合の勝利に終わる、その後のことについては別問題、とりあえず巨悪の根源のナジブ首相とその仲間たちを断つことができれば、この国はまたもとのように健全な道を歩むことができるはず・・・・なんて夢を見ているのは私だけではないと思うのですが・・・・

最後にお断りをしておきますが、上記は関係メディアの関係記事に基づく、私のまったくの主観・独断です。結果がどうあれどこのどなたに対しても、責任を負うつもりは毛頭ありませんので悪しからずご了承下さい。

それではまた。。

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スマトラ島のバイク旅シリーズの途中ですが、ここで1回だけバイク旅をお休みして、政界疑獄シリーズの記事を1稿ポストしておきたいと思います。


同シリーズの前回記事が9月13日でしたから、もう3か月もこのシリーズの記事を更新していません。なのでつい最近も読者の方から叱咤激励のメールや私の身上を心配して下さる心優しいメールを頂戴しましたが、大変ありがとうございます。


でも特に私の身上に変化があったわけでもなければ、このシリーズに興味を失ったわけでもありません。ただ単に、書くべき記事が見当たらなかっただけなのです。


しかし先日、これは広くみなさんに知っていただきたいと思う記事を、とあるオンライン・ニュースメディアで目にしましたので、今日はそれを紹介しようと思います。それはサラワクリポート(Sarawak Report)の記事です。


ご存知のようにサラワクリポートは、その独自調査により、元々はボルネオ島サラワク州の正義、透明度とより公明正大な将来の代替視点を提供しようと言うオンライン・ニュースメディアだったのですが、昨年2015年の夏に、今ではマレーシアのメガスキャンダルと言われている1MDB問題を鋭く報じ初めてまもなく、政府の通信・マルチメディア委員会(MCMC)によってブロック(遮断)されてしまいました。


その後、政権転覆を企図する危険なメディアとの判断により、創始者で主宰者のクレア女史(Clare Rewcastle Brown)にマレーシア警察から逮捕状が出たことから、女史はその本拠をロンドンに移し現在に至るもサラワクリポートはその活動を休むことなく続けています。


女史は、真実を広くマレーシア国民に知ってもらいたいと記事をフェイスブックなどのソーシャルメディアで報じたり、またMedium.comを通して報じたりしていましたが、このMedium.comの方は今年の1月にサラワクリポートのウェブサイト同様、MCMCによってまたもやブロックされてしまいました。なので今現在、サラワクリポートの記事はマレーシアの一般国民の目にはほとんど留まらなくなってしまったのです。


政府が国民には読ませたくないとしてそのアクセスをブロックしたメディアの記事を、本ブログに掲載することには大いにためらいがあるのですが、WSJ同様、記事の信ぴょう性や透明性については世界のメディア関係者の間でも定評のあるサラワクリポートです。もちろん信じる信じないは自由ですが、これはと思う記事はぜひ皆さんにも読んでもらいたいと考えポストすることにしました。


なお、アクセスブロックされた記事を如何にして読むかについては、これまでも何度か簡単に紹介しましたが、要はVPN等で海外IPアドレスを取得してアクセスすれば良いのです。これはなんらの専門的知識も必要ありません。詳細をお知りになりたい方はBlogMailへどうぞ。


また、以下の翻訳文はこれまでどおり、記事のニュアンスを出来る限り正しくお伝えするために、必要な場合は原文のワードを加除した意訳ですが、もし誤訳にお気づきの方はご遠慮なくご指摘下さい。



whynajibwantsasnapelectiona.jpg 


Why Najib Wants A Snap Election

ナジブ首相が解散総選挙を強行したいその理由

7 December 2016 Sarawak Report


Najib sees a snap election as his best option, because the news can only get worse.

ニュースは(ナジブ首相にとって)さらに悪化するだけなので、首相は(問題解決のための)最良のオプションは抜き打ちの解散総選挙だと考えている。


Over the next few weeks and months it is going to get harder and harder to keep up his denials that he stole from the public through 1MDB.  No one in the rest of the world believes him as it is, although his denials are parroted by UMNO controlled media to the Malaysians themselves.So, what are the upcoming problems he will have to weather?

今後数週間から数か月の間、首相が公金を1MDBを通じて横領したことを否定し続けるのはますます難しくなりそうだ。マレーシア以外の世界の国の誰もが彼が言うそのままを信用はしない。いくらマレーシアの主流メディア(UMNOに完全統制されたメディア)がナジブ首相が述べている否定の言葉そのままを国民におうむ返しに報じていてもだ。さて、首相が次に切り抜けなければならない問題は何か?


It is already known in financial circles that his slush fund 1MDB has lost its case over the arbitration with Abu Dhabi, which Najib and his side-kick Arul Kanda had been ludicrously boasting they could win. Abu Dhabi was demanding $6.5 billion in settlement arising out of their agreement in June 2015 to pay 1MDB’s debts: it is expected that $3 billion has been awarded with the remainder pushed over to criminal prosecutors, so serious are the shenanigans involving Najib.

金融界では、ナジブ首相の不正資金ファンド1MDBが、アブダビ(の政府系投資会社IPIC)との(ロンドン国際仲裁裁判所における)仲裁裁定で敗訴することが明白だとして既に伝えられているが、ナジブ首相と彼の手先のアルル・カンダ1MDB会長は彼らが勝訴できると滑稽にも自慢していた。アブダビ(IPIC)は、1MDBの負債支払いに関する2015年6月の合意に基づき、65億米ドルの支払いを求めているが、そのうちの30億米ドルは既に支払われ、残りは刑事訴訟に委ねられたものと思われる。ナジブ首相が関係する悪行がいかに深刻なことかだ。


  whynajibwantsasnapelection02a.jpg

                      IPIC Half Year Report Nov 16th 2016


The result will have to be confirmed shortly, in accordance with London Stock Exchange rules. However, today the Financial Times let the cat squarely out of the bag by reporting that sources have revealed that Najib is already negotiating for yet another bail-out from China over this debt.  So much for his promise that Malaysian taxpayers would not have to shoulder the burden of the billion dollar thefts from 1MDB:

ロンドン証券取引所規則に従って、結果(仲裁結果に基づく債務支払い)はまもなく確かめられなければならないが、 しかし、今日、ファイナンシャル・タイムズは、消息筋が明らかにしたとして、ナジブ首相はこの債務の上にさらに中国からの緊急資金援助を求め、既に(中国側と)交渉中だとリークした。(何者かによる)1MDBからの巨額の盗用の責任をこれ以上マレーシアの納税者が負う必要はないと言う首約の約束にはもうウンザリだ。:


Malaysia’s troubled state investment fund 1MDB is preparing to make a repayment, with Chinese assistance, to Abu Dhabi’s state-owned International Petroleum Investment Company, as it seeks to settle a dispute in which the Emirati fund is claiming about $6.5bn.

問題となっているマレーシアの国営投資ファンド1MDBは、アブダビの国営国際石油投資会社(IPIC)から返済を求められている(※)約65億米ドルを、中国からの支援(借金)により返済して問題を解決しようと準備を進めている。※IPICは1MDB及びその株主であるマレーシア政府・財務省をロンドンの国際調停裁判所に提訴し争訟中である。


The relationship between the two funds — once hailed as a “strategic partnership” between Abu Dhabi and Malaysia — has gone sour amid allegations that Emirati officials were involved in a plot to siphon more than $1bn from 1MDB.

かつてはアブダビ(IPIC)とマレーシア(1MDB)の「戦略的パートナーシップ」とお互いを称賛し合った2つのファンドの関係は、UAEの当局者が1MDBから10億米ドル以上を騙し取る陰謀に関与した疑惑の中でこじれてしまった。


China has been approached as a source of funds for 1MDB, according to three people with knowledge of the matter, one of whom said Malaysia would swap assets for financing…

 この問題に詳しい3名のうちの一人が語ったところによれば、中国がマレーシア(1MDB)の(返済)資金を援助すると持ち掛け、マレーシアは中国からの資金調達(借金)のためマレーシアの資産を交換する(約束をした)のだと言う。


Relations between Kuala Lumpur and Beijing have grown increasingly cordial as US investigations into the 1MDB affair have complicated Malaysia’s relationship with Washington. …

1MDBの件に関する米国側の捜査(米司法省による民事訴訟の提訴など)がマレーシアとワシントンとの関係を複雑にしていることから、クアラルンプールと北京の関係は、ますます緊密なものとなっている。


Arul Kanda, the former investment banker who is president of 1MDB, said in an email: “1MDB does not have anything further to add to previous statements in relation to the ongoing dispute with Ipic.” Mr Qubaisi’s lawyer declined to comment…

元投資銀行家であり現MDB会長のアルル・カンダ氏は、「IMDBとしては、継続しているIPICとの問題に関してこれ以上なにも説明することはない」とメールで述べ、Mr Qubaisi’s (IMDBの件でUAE当局に逮捕された)の弁護士は回答を拒否した。


Today Kanda was continuing to refuse to comment and Second Finance Minister Johari claimed he knew nothing of the China deal. This is because he is not really the Second Finance Minister, as Jho Low holds that de facto role.

現在もカンダ氏はコメントを拒否し続けており、第2財務大臣のジョハリ氏は中国との取り引きについては何も知らないと主張している。このことは、ジョハリ氏は名目上の第2財務大臣でしかなく、その実際上の役割はジョー・ロー氏Jho Low)が担っていることを示すものだ。



Souring of relations with US/ putting Malaysia in China’s debt

(マレーシアと)米国との関係をこじれさせ、マレーシアを中国の債務国に取り込む


This is what Najib is prepared to do to keep in control of the forces of law and order in Malaysia, which would otherwise arrest him.  His UMNO bubble top management are proving willing to support him, as long as they continue to get their share of the 1MDB and other loot.

これは、ナジブ首相がマレーシアの法と秩序権力の支配を維持するために準備していることで、そうしなければナジブ首相は逮捕されてしまうからだ。首相のUMNO(与党第一党)のバブルトップの上層部は1MDBやその他の不正利得の分け前にあずかることができる限り彼を支持することを表明している。


Relations with Washington will indeed get worse as the inevitable path of the 1MDB investigation follows its course, because as the prime mover behind the 1MDB scam and a major beneficiary with billions of dollars entering his accounts, Najib will be eventually indicted in the criminal stage of the DOJ’s investigation.

(マレーシアと)ワシントンとの関係は、(米国としては)見逃すことのできない1MDBに対する(米国の)捜査進展に伴い、実際に悪化するだろう。なぜなら、1MDB詐欺事件の背後に潜む首謀者、および(個人)口座に入金された数十億米ドルの受益者として、ナジブ氏は最後には米国司法省によって刑事告発されるだろうからだ。


Malaysians have deliberately not been informed about how these investigations proceed and led to think that somehow Najib has escaped indictment. However, there are standard stages in major money laundering cases like this, which is that first the proceeds of the crime are seized, in order to prevent the perpetrators being able to move their stolen wealth in advance of being found guilty.

マレーシア国民は、これらの捜査の進展状況を故意に知らされておらず、ナジブ首相は結局のところ刑事告発を免れるのだろうと思わされている。しかしながら、(米国においては)このような大規模マネー・ローンダリングの裁判などにおいては、犯罪者が有罪判決を受ける前に盗んだ資産を隠すことを防止するために、まず最初に犯罪者の収入や資産を差し押さえするケースが一般的だ。



Najib will be charged

ナジブ首相は刑事告発されるだろう


The next stage is then proceeded with at leisure and thoroughly, as the criminal indictments are carefully prepared. Senior insiders have confirmed to Sarawak Report that in any money laundering offence it is a matter of principle that all the known perpetrators are charged, whether they are themselves in the United States, whether they are US citizens or whoever they are in terms of rank.

(犯人に対する)刑事告発は慎重に用意されているので、(資産差し押さえの)次のステージは、余裕をもって徹底的に進めるられるのだ。いかなるケースのマネーロンダリングであっても、例え犯人が米国市民であろうがなかろうが、いかに高位の地位にあろうが、また米国に居ようがいまいが、知りえたすべての犯人を罪に問うのが(米国の)主義だと、米政府部内の高官はサラワクリボートに語った。


Najib was not named in the sequestration, because it was not through his name that the assets seized were held.  However, his lawyers will have warned him that the order in July plainly confirmed his key role in the conspiracy to steal money from Malaysia and then to commit the further offence of laundering it through the United States.

差し押さえのために押収する資産はナジブ氏の名前で保有されていたものではなかったため、資産押収命令書には彼の名前は記されていない。しかし、彼の弁護士たちは7月のその命令書は、(ナジブ氏が)マレーシアでの公金横領陰謀の主要な役割を果たし、米国内でさらなるマネーロンダリングの罪を犯した者として明らかに確認できると彼に警告した。


Put simply, the evidence against Najib is overwhelming and legions of bankers and collaborators are now cooperating with the FBI investigation to firm up that evidence.  He will therefore be named and a warrant of arrest will be issued and Malaysia will be requested to extradite him to the USA to face those charges.

要するに、ナジブ氏に対する証拠は圧倒的であり、今やFBIは多数の銀行や協力者たちの捜査協力を得てその証拠を確立している。 従って彼は(犯罪の容疑者として)名指しされ、逮捕状が発行され、マレーシアは米国がナジブ氏を罪に問うために彼を米国に引き渡すよう要求されるのだ。


Najib knows this, but is trading off the ignorance of Malaysians, who are being told by BN’s controlled media that since he has not been named in the asset seizure order he will not be named in the subsequent criminal charges.

ナジブ氏はこのことを知っている。なのに、自分の名前が(米国裁判所の)資産押収命令書には記されていないので、今後の刑事告発書にも名前は載らない(つまり刑事告発はない)だろうと、BN(与党連合)の統制下にある(主要)メディアを通じてマレーシア国民に知らしめている。つまりナジブ氏の引き渡しとマレーシア国民の無知はトレードオフの関係なのだ。(国民に真実を知らせると首相を米国に引き渡さざるを得なくなる。だから国民には何も知らせない方が良いのだ、と言う意)


Najib is also trying to gull ignorant Malaysians into believing that somehow ‘Trump will pull the dogs off’. This is not how the system works in the United States, which is a country where justice operates independently of politicians and follows the due process of the law. There is also a free media, which would fall upon the scandal of Trump intervening in such a case…. and why should Trump bother anyway?

ナジブ首相はまた、無知なるマレーシア国民を騙そうとして、「(自分のゴルフ仲間である米国次期大統領の)トランプ氏が犬ども(米国の捜査当局など)を追い払ってくれる」と信じさせようとしているが、 これは、司法が政治から独立しており何事も法の正当な手続きに従うという米国のシステムにあってはあり得ないことだ。また、もしトランプ氏がこのようなことに介入すれば、新大統領のそのようなスキャンダルを待ち構えているフリーメディアもあることだし・・・・トランプ氏が(リスクを冒してまで)このようなこと(ナジブ氏に対する刑事告発)を気にする必要があるだろうか?


The US DOJ has issued several warrants for politically powerful people around the world, solely on the basis of the crimes they have committed. Indeed, to fail to charge the ringleader, who personally received a billion dollars from the crime, would be deemed unacceptable if other charges were to be laid against lower players (unlike the ‘whipping boy’ system which operates in Malaysia and which has so far protected Najib from numerous local criminal matters).

これまでも米国司法省は、世界の強大な政治権力者に対し、彼らが犯した犯罪の根拠のみに基づき、いくつかの逮捕状を発行してきたが、事実、犯罪で10億米ドルもの巨額の金を個人的に受け取った首謀者本人を罪に問わず、その手下の者だけを告発するなどはとても受け入れられるものではない。(現在マレーシアで横行している犯罪の身代わりシステムのようであってはならない。それはこれまでナジブ氏の数多のローカル犯罪からナジブ氏を守り抜いてきた)



Rushed Early Election

突然の早期選挙


So, since the 1MDB investigation is still proceeding with full force over in the United States, Najib knows what’s coming.

What Najib has plainly therefore decided is to rush through another phoney election ‘win’ (with all the opposition leaders in jail) so that he and his puppet AG and IGP can refuse that extradition order when it eventually comes through.

1MDBの調査が現在米国においてフルパワーで進行中であるので、ナジブ氏は次に何が来るかを知っている。なので、ナジブ氏がすぐさまに決定したことは、急いで再度の不正選挙に勝利し、すべての野党指導者たちを投獄することだ。そして、来るべき時には彼と彼の操り人形である法務長官と警察長官が犯人引き渡しを拒否できるようにすることだ。


He plans to haughtily claim that it is an outrage and an imposition that forces of law and order in the United States should issue a warrant against a man ‘democratically elected” and beloved of his people.

彼は、米国における法と秩序の力が、民主的に選出され国民に愛されている人物(ナジブ首相のこと)に対して逮捕状を発行するなどはとんでもないことであり、それはまったくのいかさまだと強く主張する予定なのだ。


“Malaysians don’t mind being ripped off, so piss off!” is how he plans to put it to the Americans.

マレーシア人(ナジブ氏のこと)は騙されることを気にはしないが、ムカつくことはいかにしてアメリカ人たちにそれを返してやるかだ。


Meanwhile, he has shown willing to hand his country over to China lock, stock and barrel, in order to keep afloat with the billions of debts incurred through theft and to keep the backing of a protective power – so much for defending the interests of Malays.

一方、彼は中国にマレーシアの一切合切を引き渡すことの意思を示している。彼の公金盗用が引き起こした数十億米ドルの借金をやりくりをして、彼を擁護する勢力を維持するためだ。なんと、これでマレー人の利益を守るだなんてとんでもないことだ・・・


However, UMNO leaders will be happy, if well paid – they all plan to leave for Australia soon anyway or maybe the US or UK.

しかし、UMNOの指導者たちは金さえもらえば皆ハッピーなのだ。彼らはまもなくオーストラリア、いや米国や英国かも知れないが出国するのだろう。



Plunging ringgit

急落するリンギット


There is furthermore the small matter of Malaysia’s economy in all this, where the news is also set to get far worse not better, as Najib knows. The longer he waits on the election, the worse the impact of the plunging ringgit will weigh on voters.

さらにはマレーシア経済に関する全体としては小さな問題があるが、それに関するニュースは、ナジブ氏が知るより良くはなく、どんどん悪化している。彼が(解散総)選挙を長引かせれば長引かせるほど急落するリンギットが有権者に重く圧し掛かる。


At the moment Malaysia’s currency is being kept artificially aloft (despite its record low), since Najib is desperately wasting all the Central Bank’s dwindling reserves on keeping it higher than the markets dictate.  The reason is the overwhelming loss of confidence thanks to Najib’s corrupt governance and 1MDB.

現時点では、マレーシアの通貨(リンギット)は、史上最安値を記録したとは言え、まだ人為的に高く維持されている。これは、ナジブ首相が自国通貨を市場価値よりも高く維持するためにマレーシア中央銀行が保有する外貨準備のほとんどを消費したと言うことだ。(この国の通貨安をもたらしたそもそもの)原因は、ナジブ氏の汚職まみれの政権と1MDB(のスキャンダル)によって市場の信頼を徹底的に失ったからだ。


Eventually, that Central Bank money is going to run out and the ringgit will be impossible to prop forever. Analysts forecast that it is set to shoot through the 4.5 to the dollar, where it is presently hovering just short of and hit 5 to the dollar, bringing disaster to Malaysia’s economy.

最終的には、マレーシア中央銀行の外貨準備は使い尽くされ、中央銀行が今後リンギットを支えることは永久に出来なくなる。アナリストたちは、対米ドルで既に4.5リンギットを突破し、現時点ではわずかに浮上しているが、まもなく米ドルに対して5リンギットを打ち、(このままでは)マレーシア経済に大災害をもたらすと予測している。


Najib would rather have the election out of the way before he has to argue that one too.

ナジブ首相は、このことを議論せざるを得なくなる前に、解散総選挙に打って出るのだろう。



“Good Muslim”

穏健派ムスリム


Najib’s key strategy for ‘winning’ his snap election has been to throw himself at PAS, a party he once touted as ‘extremist’ to Western allies.

ナジブ氏の解散総選挙に勝つための主要な戦略は、かつては西側の同盟国に過激派政党として宣伝したPAS(全マレーシア・イスラム党)に身を投じることだった。


For years Najib criticised the PR alliance forged by the now imprisoned Anwar as being a dangerous threat to stability because of the ‘extremists’ within PAS. However, now that he sees it as being to his political advantage he has not hesitated to split PAS and to himself ally with the ultra-conservative, ‘extremist’ wing of that party, leaving the moderate Muslims to reform as Amanah and rejoin the opposition.

何年もの間、ナジブ氏は今は獄中にいるアンワル氏が創設したPR同盟(人民同盟)を、PAS(全マレーシア・イスラム党)の過激派の存在は国の安定を脅かす危険な存在として非難してきたが、しかし、政治的に利があると判断した今、従来のPASを分裂させ、党の超保守的な過激派陣営を躊躇なくBN(与党連合)に取り込み、結果としてPASの穏健派はPASから分裂し、AMANAR(Party Amanar Negara: 国民信義党)として野党連合に再参加することとなった。


To court the key leadership of this extremist remaining rump of PAS, Najib has dragged UMNO into its Sharia law agenda and has now even adopted what were till only recently considered divisive, backward and extremist ideas by UMNO, into the party’s own agenda.

ナジブ氏は、BNに取り込んだPASの過激指導層の機嫌をとるため、UMNOをイスラム法問題に引きずり込み、今では分裂的、逆説的、過激主義的な考え方が党(UMNO)の議題にまでなっている。


This is not because Najib believes it is a good idea to start whipping women in the streets, but because he wants to break up the opposition vote and if whipping women in the streets is what its takes, then whip them he will.

これはナジブ氏が、路上で女性を鞭打ちすること(※)が良いことだと考えているわけではなく、選挙における野党票を獲得したいがためだ。※シャリアー(イスラム法)における婚外性交罪に対する処罰法


The UMNO bubble around the leadership will support Najib in this, if he continues to pay them with the money stolen from the people via 1MDB.  And Najib is now using his control over the weekly sermons produced for each and every mosque by Jakim and his control of media to try and convince bewildered members of PAS that it is OK to support a sinner (Najib) in return for this ‘prize’ of introducing Sharia law.

ナジブ氏の周りのバブル指導者たち(※)は、彼が1MDBを通じて盗んだ金の分け前を継続的に彼らに支払うならば、彼らはナジブ氏を支持するだろう。そして、ナジブ氏は今や、すべてのモスクでの毎週の説法に対してもJakim(Department of Islamic Development Malaysia)や統制下にあるメディアを駆使してそれを監視・制御し、戸惑うPASのメンバーをして、イスラム法の導入のためならば、犯罪人(ナジブ氏)を支援することも止むを得ないと確信させるに至っている。※ナジブ氏の分け前でバブルのように膨らんだ政治家や政府高官たちのこと


This cynicism reached a crescendo at the weekend as Najib headed a street march to protest at the treatment of Rohingyas – having rounded up other pro-democracy protesters just the week before and labelling them terrorists. Najib wanted to show he was a good Muslim for supporting this persecuted minority from Burma…. and yet it was he who commanded that their boat people be driven back out to sea last year, where they died beneath the waves.

ナジブ氏が先週末、ロヒンギャ(※)への対応に抗議する街頭デモに加わった時、彼に対する冷笑は最高潮に達したが、これはその1週間前に民主化デモが行われ、それをテロリストとラベリングしたからだ。ナジブ氏は、ビルマ(現ミャンマー)から迫害された少数民族を支援する良い(穏健派)イスラム教徒だと言うことを内外に示したかった。しかし昨年、ボートピープルの上陸を認めず船を引き返えさせ、人々は波にさらわれ死亡したが、それを命じたのは実はナジブ氏だったのだ。※ビルマ(ミャンマー)から迫害された少数民族


Burma has formally protested that his behaviour has made their problems worse not better. He should live with those many lives on his conscience and not seek to fake Brownie points by pretending to champion and care for these refugees he in practice turned away – purely to pave the ground for an election.

ビルマ(ミャンマー)は、ナジブ氏の行動が問題を悪化させていると正式に抗議したが、彼は多くの人生を自分の良心に基づき生きるべきだ。チャンピオンを気取って偽わりのブラウニー・ポイント(※)を稼いだり、彼が引き返しを命じた難民を思うふりをするべきでない。それは、単に選挙の地ならしのためなのだから・・・※評価の元になる得点のこと。元々はガールスカウトの年少団員が善い行いをしたときに貰えるポイント。



Stop the opposition organising and exploit Hadi’s role in PAS

野党の組織化をストップさせ、ハディのPASにおける役割を利用する


Najib’s final reason for trying to rush through this election is to act before the realigned opposition can organise themselves and while he still has control of the ailing Hadi, who presently heads up a very troubled following at PAS.

ナジブがこの選挙を急ぐ最終的な理由は、再編した野党が組織化する前に行動することであり、現在PASで非常に厄介なグループ(過激グループ)の上に立つ病んだハディを氏(※)をコントロールできているうちに行動することなのだ。※PASの党首


He made a typical intervention at the coronation of the new Agong today, by forcing through the removal of his predecessor Mahathir from the ceremony.  Thus protocol has been swept aside and criticism has been outlawed: Najib is on the wrong side of the law, so he relies on such shows of force.

彼は新国王の戴冠式において、マハティール元首相を儀式から排除するという、典型的な介入を行った。典礼は脇に押しやられ、このことに対する非難は禁止された。ナジブ氏は法の向こう側にいる。だから彼はこのような力の誇示に頼るのだ。


If Malaysians do elect Najib therefore, they should know what they will get: a rogue leader, at odds with neighbours like Burma and Singapore; who is wanted for crimes in the USA; who has had his political opponents jailed; who has placed the economy in tatters; who has lined up China, now waiting to move in and who is all the while reliant on Sharia extremists, who will be next campaigning to beef up further on ‘moral punishments’ (Najib excluded) and force conversions on all and sundry.

(今次総選挙で)もしマレーシア国民がナジブ氏を選択しようとするなら、彼らはその結果として得られるものを知るべきだ。それは、、ビルマ(ミャンマー)やシンガポールなどの隣国と協調しない無法者のリーダー、米国から犯罪人として引き渡しを求められるリーダー、政敵をことごとく逮捕し投獄するリーダー、マレーシア経済をボロボロにするリーダー、今やマレーシアへの進出を待ち構える中国とともに並ぶ(仲間になる)リーダー、終始イスラムの過激グループに頼るリーダー、そして次のキャンペーンで道徳的罰を受けるものは誰なのか(ナジブ氏本人を除き)、ありとあらゆる人間に誤った力をふるうのだ。


It’s not the Malaysia of yesteryear, but it is the future under Najib.

これは昨年のマレーシアの出来事ではなく、ナジブ首相の下でのマレーシアの未来である。




以上、サラワクリポート12月7日付、関係記事の全文翻訳(意訳)版でしたがいかがでしたでしょうか。もちろん私には記事の真偽を確認する手立てはありませんが、政府が国民に読ませたくないとしてもう1年半もアクセスをブロックしているオンラインメディアの記事だけに余計真実味があると考えるのは穿った見方でしょうか。


さらに、今月(12月)初旬のUMNO(与党第一党)の年次総会の中で、ザヒド副首相が、政権転覆を企図する危険な団体を捜査する特別捜査チームを設置すると発表。その捜査対象として、NGO Suaram(人権団体)、Electoral reform group Bersih(選挙制度改革運動団体:通称ブルシ/イエローシャツ)、The Bar Council(マレーシア弁護士団体)、Malaysiakini(オンラインメディア)及びSarawak Report(同)の5団体を指定したそうです。同副首相によればこの5団体は外国勢力からの資金援助を受けた非暴力的革命組織の疑いがあり、証拠が見つかれば断固たる措置をとるとのことです。


まったく、マレーシアの民主主義は一体どこに行ったと言いたくなりますよね。現政権に異を唱え、政権交代を求めんとする平和的な組織・団体がなんと政府転覆を企図する非暴力的革命組織ですって。。呆れてものが言えないとはこのことですよ。


(現在、本ブログの文字が小さすぎて団塊世代には読みにくいと言うご指摘もいただいており、試行錯誤中です。今回ブログはその試しの文字記載でしたが、いかがでしょうか。しかし、この文字の大きさにすると、今度はブログ全体のレイアウトも変更したくなってきて、その場合は別URLにて立ち上げるべきか、と悩んでいます。どなたか、ご助言をいただけたら幸甚です)


ではまた。。(次はまたスマトラのバイク旅に戻ります)





どこの国にも貧富の差はある。先進国だろうが発展途上国だろうが、貧しい者もいれば富める者もいる。それはそうなのだが、ここマレーシアのクアラルンプールには富める者たちがやけに目立つ。

高級車の新型ベンツやBMWを乗り回し、高級バンガロゥ(マレーシアでは戸建て住宅をこう呼ぶ)に住み、子弟はほとんどが欧米の大学に留学しているそうな。。いや、これはなにも中華系やインド系の羽振りの良い実業家諸氏のことではない。

私は最近良く、当地のいろいろな若者たちと話す機会が多いのだが、どちらかと言うと質素な感じのマレー系の若者たちの憧れの職業はなんと公務員だとのこと。訳を尋ねると、前述の答えが返ってくる。

しかし、公務員の給料などたかが知れているはず(おっと失礼、でも私も以前は公務員でしたから、この辺の実情は痛いほど分かってます)、それよりは実業界じゃないの?って振ると、「いや給料は高くなくてもいろんなベネフィットがあるし・・・・」だと?

なんだそれってコラプション(汚職、賄賂、袖の下)のことか?はぁ、一部ではそうも言いますね、、、、、、こ、これだよ、これ、これがこの国の悪の根源なんだよ、ったくぅ。。

一方、中華系やインド系の若者たちは総じて中流意識。わがニッポンでも以前、一億総中流と言う言葉が流行っていて、60~70年代あたりの高度経済成長期には、国民のほとんどみんなが自分は中の中だって思って満足してましたよね。

この国も今、高度経済成長期?いや最近ちょっと翳ってるかな?まぁでも、中華系やインド系の若者たちは、そんな中にあってほとんどがみな中流意識。毎日エアコンの効いたオフィスで過ごし、ランチタイムは優雅に小洒落たレストラン、アフターファイブは気の合う仲間とスターバックスでコーヒータイム。そんなに贅沢できるわけじゃないけどこんな生活に満足してるし現状を変えてもらいたくないのです。

ご承知のようにこの国は言わずと知れた多人種国家。ナジブ首相が躍起になる1MALAYSIA(サトゥマレイシア)など、言うは易しだが行ないは難しの見本のようなもの。表面上はそうでなくても各人種間の軋轢は相当な筈だし、人種によって価値観や考え方が違うなどは当たり前でギャップを埋めるなど並大抵のことじゃない。

価値観や考え方が違うのはまだしも、性格も違うし能力も違う。一般的にはマレー系より中華系やインド系が優秀と言われている。だから徐々に人種別の経済格差などが顕著となったため、強制的にそのギャップを埋め戻そうとするブミプトラポリシィなどが出てきて今に至る。

しかしそのブミプトラポリシィの弊害も大きいようで、レイジィ(怠惰)な人種は益々レィジィとなっているような。。でもマレー系、いやマレー系の中にも優秀な人たちはたくさんいて、私はその人たちを大勢知っているが、問題は、kampungに住む昔ながらの人たちだ。

そんな人たちは今のブミプトラにいつまでも甘えていたい。だから現政権でなければいけないと説かれるとそうだと思ってしまう。

だから、比較的安い給料で働く大多数のマレー系の若者たちは、ママッレストラン(インディアンムスリムレストラン)で5リンギ(約150円)程度の夕飯を手掴みで頬張りながら、向かいの高級レストランに高級車で乗りつける高級公務員風マレー系リッチマンが羨ましくてしょうがない。善悪の問題よりも、自分もああ成りたいと願うのだ。

これ、私が感じている、昨今のマレーシア若者事情ですが、ほら、大分見えてきたでしょう?

何が?って、この国の仕組みがですよ。いや、現下のメガスキャンダルが、これだけ世界中で騒がれながら、なぜいつまで経っても解決しないのかを探っていくと必ず突き当たる問題。要するに、アラブの春のような改革のエネルギーがなかなか沸き起こらない多人種国家マレーシアの構造的な仕組みのことですよ。

しかしそうは言っても悪いものは悪い。犯罪は犯罪だ。犯罪人は厳しく罰せられなければならない、なんて彼らの前で息巻くと、このオッサンなに言ってんの?のような顔されるので最近は少し大人しくしているのだが・・

ん?なに?そう、WSJがまた小出しした?今度は何?え、ロスマーのこと?ほぉー、ロスマーの宝石爆買いのことか?だろう、だろう、WSJにしてみりゃ、これだけいろいろサジェストとかサポートしてやってんのに、いつまでたってもマレー人たちが立ち上がらないから、痺れを切らして、WSJがジャブ出してきたんだろうよ。

しかしWSJってどこまで証拠握ってるんですかね。あれから、もう1年3ヶ月にもなろうとするのにまだ手の内全部晒してないようだよね。それにしても、ディフェンダーは意気地がないな。これだけWSJとか米国司法省とかに叩かれても叩かれても、反撃の訴訟ひとつ提起するでなく、ただ嵐が過ぎ去るのをじっと耐えているだけのよう。

ただその腹いせかなんか知らん、国内の締め付けが益々厳しくなっているのは、これはもう不幸と言うしかないですね。

さ、それでは今回のWSJのジャブ早速読んでみましょうね。



THE WALL STREET JUOURNAL

By TOM WRIGHT
Updated Sept. 12, 2016 12:00 a.m. ET

1MDB Scandal Around Malaysian Prime Minister Najib Puts Spotlight on Wife
ナジブ、マレーシア首相絡みの1MDBスキャンダル、今度は首相夫人にスポットライト

Documents show $6 million in credit-card spending by Rosmah Mansor
ロスマー・マンソー夫人、600万米ドル(約6億3000万円)のクレジットカード購入が明らかに

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Caricatures of Malaysian Prime Minister Najib Razak and his wife, Rosmah Mansor, in handcuffs during an anticorruption rally in Kuala Lumpur on Aug. 27.
8月27日、クアラルンプールで行われた反汚職集会でのナジブ・ラザク、マレーシア首相及びロスマー・マンソー同夫人の手錠姿の戯画像

A major financial scandal swirling around the Malaysian prime minister is drawing fresh attention to his glamorous wife, Rosmah Mansor, who newly revealed documents show has racked up at least $6 million in credit card charges in recent years—despite having no known source of income beyond her husband’s salary.
マレーシアのナジブ首相絡みの一大金融スキャンダルは、グラマラスなロスマー・マンソー首相夫人に新たな注目が集まっている。今回明らかになった文書によると、同夫人には夫のサラリー以外の収入がないはずなのに、同夫人へのここ数年のクレジットカード請求額は少なくとも600万米ドル(約6億3000万円)に達している。

At an anticorruption rally last month in Kuala Lumpur, hundreds of students, young professionals and other demonstrators took to the streets behind a cardboard caricature of a meticulously coiffed woman carrying a Hermès handbag, demanding an investigation into Ms. Rosmah’s finances.
クアラルンプールにおいて先月開催された反汚職集会では、数百名の学生や専門職社会人などのデモ参加者たちが街頭に繰り出し、入念なコイフ髪の女性(※)がエルメスのハンドバッグを提げた姿のダンボール製の戯画像を掲げながら、ロスマー夫人の金銭関係を捜査せよと要求した。(※訳者註:豊富な頭髪で耳や顎まで覆い包まれた女性のこと、つまりロスマー夫人)

“She said she saved that money since she was small. That is impossible,” said Anis Syafiqah Mohd. Yusuf, a 24-year-old student from the University of Malaya who helped organize the protest.
抗議集会の企画立案を援助したマラヤ大学の24歳の学生、Anis Syafiqah Mohd. Yusufさんは、「ロスマー夫人は小さい頃から貯金していたと言ったが、そんなことは不可能だ」と言った。

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Najib Razak and Rosmah Mansor outside the prime minister's office after he was sworn in as prime minister in 2009.
2009年、ナジブ氏が首相就任の宣誓を行った後のナジブラザク氏とロスマー・マンソー氏(首相府前にて)

Ms. Rosmah’s jewel-bedecked public appearances have long made her a polarizing figure in this relatively poor, Southeast Asian country. She is the only child of schoolteachers, hasn’t had a regular paying job in years and her husband, Prime Minister Najib Razak, is a longtime bureaucrat with an annual salary of $100,000.
ロスマー氏の宝飾品で飾り立てた姿は、長い間、比較的貧しいこの東南アジアの国(註:マレーシアのこと)の中ではひときわ異彩を放ってきた。学校教員の両親の一人娘であったロスマー氏は、これまで定職を得たことがなく、彼女の夫のナジブ・ラザク首相は長い間年収10万米ドル(約1050万円)の官僚であった。

Ms. Rosmah, 64 years old, says she has a habit of saving. “I have bought some jewelry and dresses with my own money. What is wrong with that?” she wrote in her 2013 autobiography.
ロスマー氏(64歳)は貯金が趣味だと言う。「私は自分の金で何点かの宝石やドレスを購入した。その何が悪いのか」と、彼女は2013年に自伝の中で書いた。

But allegations that Mr. Najib received hundreds of millions of dollars siphoned between 2009 and 2015 from 1Malaysia Development Bhd., a state investment fund he set up, are bringing renewed scrutiny of her.
しかし、ナジブ氏が設立した政府系投資ファンドの1MDBから、2009年から2015年に渡り数億米ドルもの公金を不正使用したとされる疑惑が、彼女(の金銭使用)に対する改まった精査の必要性をもたらしている。

Extensive bank-transfer records reviewed by the Journal showed that large sums from 1MDB wound up in the prime minister’s personal accounts via intermediaries.
WSJが確認した広範な銀行間の送金記録は、1MDBの膨大な資金が仲介者を通じて首相の個人口座に送金されていたことを示している。

The records were also cited in a civil lawsuit filed by the U.S. Justice Department in July seeking the seizure of more than $1 billion of assets from people connected to Mr. Najib. The lawsuit doesn’t name Mr. Najib, but a person with direct knowledge of the investigation said the “Malaysian Official 1” in the complaint is Mr. Najib.
この記録は、この7月に米国司法省が提起した、ナジブ首相と関係のある複数の人物から計10億米ドル(約1050億円)余りの資産の差し押さえを求める民事訴訟においても例証されている。訴訟においては、ナジブ氏を直接名指しこそしていないが、当該捜査に詳しい関係者は、訴状の中の「MO1(マレーシア政府高官1)」とはナジブ首相のことだと述べた。

Mr. Najib has denied wrongdoing. His attorney general, without releasing documentation, described the money as a legal political donation from Saudi Arabia, most of which he said was returned. The Saudis have offered only vague statements.
ナジブ首相は不正行為を否定し続けている。マレーシアの法務長官は、なんの書類開示もなく、資金はサウジアラビアからの合法的な政治献金だ、しかもそのほとんどは返金されていると述べた。これについてサウジ側は不明瞭な声明を発表しただけだ。

The Wall Street Journal reported this year, citing banking documents, that at least $1 million in purchases made by Ms. Rosmah at jewelry and fashion stores in Europe and the U.S. in 2014 were paid for by Mr. Najib using credit cards that drew on 1MDB funds. The couple declined to comment at the time.
WSJは今年、銀行記録に言及し、ロスマー氏の2014年のヨーロッパや米国の宝石店やファッション店における少なくとも100万米ドル(約1億500万円)の購入は、ナジブ首相のクレジットカードで支払われており、その出所は1MDBの資金であったと報道した。当時、夫妻はコメントを拒否した。

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Rosmah Mansor in Kuala Lumpur in August during Malaysia’s Independence Day celebrations.
8月31日のマレーシア独立記念日におけるロスマー・マンソー氏

New documents seen by the Journal show those expenses are part of at least $6 million in spending by Ms. Rosmah between 2008 and 2015 on clothing, shoes and jewelry from London’s Harrods department store, Saks Fifth Avenue of New York and elsewhere.
WSJによる新たな書類は、上記の金額(100万米ドル)は少なくとも600万米ドル(約6億3000万円)に及ぶ金額の一部だったことを示している。ロスマー氏は2008年から2015年にかけて、衣服や靴、宝石類をロンドンの高級百貨店ハロッズや、ニューヨークのサックス・フィフス・アベニュー、その他から購入していたのだ。

Ms. Rosmah hasn’t commented on that spending. Attempts to reach her and Mr. Najib for this article were unsuccessful.
ロスマー氏はこれらの購入に関してコメントはしていない。本記事に関する彼女やナジブ氏への取材申し込みは不成功に終わっている。

The prime minister’s office last year said the first family’s spending was commensurate with Mr. Najib’s inheritance from his father, a former prime minister. His four brothers later denied their father had left a big estate, without giving details. Mr. Najib issued another statement describing his father as frugal and a man of integrity, without addressing the inheritance.
首相府は昨年、ナジブ一家の支出は元首相である父親からの遺産相続分に由来していると述べた。しかし、ナジブ氏の4人の兄弟は後に、父親に莫大な遺産があったことを否定した。ただし、詳細は明らかにしていない。ナジブ氏はまた新たな声明の中で、父親は質素で誠実な人柄だったと述べたが、遺産については言及しなかった。

When the 1MDB scandal broke in July 2015, Ms. Rosmah advised her husband to tough it out, according to a person who knows the family. “My advice [to Mr. Najib] is to be very, very patient as this is a test from Allah,” she said at an April event, according to local media reports.
(ナジブ)ファミリィを詳しく知る人物によれば、2015年7月に1MDBスキャンダルが明るみに出た際、ロスマー夫人は夫に対し堪え抜くよう助言したと言う。ローカルメディアのリポートでは、今年4月のイベントで「私の(夫に対する)助言は、これはアラーの神から課された試練なのだから、耐えて耐えて耐え抜きなさい」と言うことだったと彼女は言った、のだそうだ。

The person also said Ms. Rosmah introduced her husband to Jho Low, the Malaysian financier who U.S. officials, in their lawsuit, charge was at the center of the alleged 1MDB scandal.
その人物はまた、ナジブ氏にジョー・ロー氏を紹介したのはロスマー氏だった、と語った。ジョー・ロー氏は、米国司法省の役人たちが、訴訟の中で、1MDBスキャンダルの中心に据えているマレーシアの金融家である。

Ms. Rosmah has longstanding ties to Mr. Low; A decade ago, Mr. Low helped Ms. Rosmah and her son set up a British Virgin Islands company, according to Malaysian investigation documents seen by the Journal.
ロスマー夫人はジョー・ロー氏とは長年の付き合いで、ジョー・ロー氏は10年ほど前にロスマー氏とその息子がブリティッシュバージンアイランド会社を設立する際に手を貸したのだ、とWSJの訴状の中のマレーシア捜査報告書は述べている。

Attempts to reach Mr. Low for comment were unsuccessful.
ジョー・ロー氏からコメントを得ようと接触を試みたが成功しなかった。(コメントは得られていない)

Ms. Rosmah is “becoming more prominent” as more details of the 1MDB case come out, said James Chin, a Malaysian academic at the University of Tasmania.
ロスマー夫人の名前は、1MDBの詳細が明らかになるにつれ益々著名になる、とタスマニア大学のマレーシア研究者のジェームズ・チン氏は語った。

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Malaysia's Prime Minister Najib Razak and wife Rosmah Mansor arriving for the opening ceremony of the Association of Southeast Asian Nations Summit in Vientiane, Laos, on Tuesday.
9月6日、ラオス・ビエンチャンでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議の開会式に到着したナジブ・ラザク、マレーシア首相及びロスマー・マンソー夫人

Ms. Rosmah met Mr. Najib, who was chief minister of Pahang state, in the 1980s. She was working for a property company, but stopped soon after they were married.
ロスマー氏は、ナジブ氏とは1980年代、ナジブ氏がパハン州の首席大臣であった時に出会った。当時彼女は不動産会社に勤めていたが結婚後まもなく辞めている。

After Mr. Najib became prime minister in 2009, she drew criticism for her ostentatious style. Photos appeared online of her with a dozen different Hermès Birkin bags, which can cost tens of thousands of dollars.
ナジブ氏が2009年に首相就任後は、これ見よがしな派手な彼女の姿が批判を呼んできた。インターネット上には、1個何万ドルもするような、いくつもの異なる種類のエルメス・バーキンのハンドバッグを手にするロスマー夫人の写真が多く掲載されている。

The U.S. lawsuit, which charges more than $3 billion was diverted from the fund, detailed how Ms. Rosmah’s son from an earlier marriage—a onetime banker named Riza Aziz—allegedly received tens of millions of dollars from 1MDB, which U.S. officials say he used to buy property in London, Los Angeles and New York and to finance a Hollywood film company.
政府系ファンド(1MDB)からの30億米ドル(約3150億円)もの膨大な資金流用を告発した米国訴訟(の訴状)は、ロスマー氏の前夫との間の息子で、一時は銀行家でもあったリザ・アジズ氏が、1MDBから何千万ドルもの資金を受領し、ロンドンやニューヨークでの不動産購入及びハリウッドの映画会社の資金として流用したとの米国の役人たちの主張を明らかにしている。

The studio, Red Granite Pictures, has said that to its knowledge, none of its funding “was in any way illegitimate” and that Mr. Aziz “did nothing wrong.”
レッド・グラニット・ピクチャーズと言う映画製作会社は、知る限りにおいて資金のどこにも違法性のものはなく、アジズ氏はなんらの不正はしていない、と述べている。

Zulkiflee Anwar Ulhaque, a cartoonist who has taken potshots at Ms. Rosmah, depicting her with huge rings and massive hair, was charged last year with sedition for questioning the impartiality of Malaysia’s judicial system. He denies the charges. A trial is set to begin this month.
ロスマー夫人の写真を撮り、大きな指輪や夥しい髪をことさらに誇張したりする漫画家のザルクフりー氏は、昨年、マレーシアの司法制度の公平性を批判した罪で起訴された。彼は罪状を否認しているが、裁判は今月開始される。

He held a display of works, including more caricatures of Ms. Rosmah, in a field outside Kuala Lumpur this month. The opening was attended by opposition politicians and human-rights workers.
彼は今月、クアラルンプール郊外の野外で、ロスマー夫人の風刺画を含む作品展示を行った。作品展示会の開会には野党政治家や人権活動家たちの姿があった。



以上、9月12日付けのWSJの記事の紹介でしたが、いかがでしたでしょうか。

もちろん、この記事を受けてマレーシア国内では、擁護派も反対派もかまびすしい論戦、と言うより罵りあいのような状態になっています。

しかしそれにしても、ここまでおおっぴらにされてなおもダンマリを決め込むご夫妻の辛抱強さは敬服に値すると思いませんか?

普通の人なら、そしてこれが冤罪だと言うならば、先ずは法的に対抗しますよね。WSJにこれだけ書かれて今もなお法的な対抗手段を打ち出せないでいるナジブ弁護団とはなんなんでしょうね。

ではまた。。


 

 
しかし驚いたと言うか、正直言って心底がっかりしましたね。何のことかと言うと、ナジブ首相の先日の演説内容です。演説とは8月31日のマレーシア独立記念日の前日に、クアラルンプールのPWTC(プトラ世界貿易センター)で行われた独立記念中央集会での全国向けの首相演説のことです。

私はこれを、翌日の独立記念日当日の夜に、主流オンラインメディアのサン・ディリーで読んで知ったのですが、余りにも身勝手、自己中の最たるもののような気がして、本当に気が滅入りました。

その後、当日早朝(6時半ごろ)から人混みの中大変な思いで撮影した独立記念式典・パレードの動画の編集作業をしながら、動画に登場する首相や同夫人それに副首相以下ナジブ内閣の主要閣僚たちの意気軒昂とした姿を目にして、このような人たちがいて、しかもそれをなぜか堅固に支える大勢の人たちがいる限り、この国の真の民主主義は今なお道半ばにある、とつくづく感じた次第です。

なぜ、疑惑の中心に居て世界中から非難・嘲笑されている筈の人物が、このようなことを堂々と言えるのか、まったく持って不思議でなりません。そして、メディアも国民の多くもなぜこれに激しく反発しないのか。理解に苦しむ事柄のなんと多いことかと思いますが、先ずもって、どのような演説内容であったのかを是非多くのみなさんに知ってもらいたいのです。



Najib: Be wary of 'new form of colonialism'
ナジブ首相: 『新たな形の植民地主義』に用心せよ

The Sundaily
Posted on 30 August 2016 - 10:06pm
Last updated on 31 August 2016 - 12:33pm

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KUALA LUMPUR: Prime Minister Datuk Seri Najib Abdul Razak has called for Malaysians to be wary of a "new form of colonialism", which could destroy the unity and harmony the country had established since gaining independence 59 years ago.
クウラルンプール:ナジブ首相は、マレーシアが59年前に独立を勝ち得てから確立した統一と調和を破壊する「新たな形の植民地主義」に用心せよと国民に訴えた。

Addressing the nation in his National Day 2016 speech, Najib said such threats were not necessarily from foreign perpetrators, but involving the "dirty hands" of those from within the country.
2016年マレーシア独立記念日における全国向け演説で、首相は、そのような脅威は必ずしも国外の悪意ある勢力だけではなく国内の一部の卑劣な勢力が関係しているのだと述べた。

He mentioned several attempts made by certain quarters who wanted to topple the government through undemocratic means; including by initiating referendums, declarations and streets demonstrations.
首相は、非民主的な手段で政権転覆を図ろうとする特定勢力の様々な試みについて言及し、それは”国民投票”を画策したり”市民の宣言”運動や”街頭デモ”を主導している、と述べた。

Therefore, Najib urged the people to stay united and going all-out to fight those who wanted to destroy the establishment of Malaysia.
したがって、首相は、国民が一致して、これらのマレーシアの独立を破壊しようとする勢力と全力で戦わなければいけないのだ、と訴えた。


"In our efforts to foster solidarity and unity, we do not want any moments of disunity happening, which could destroy whatever that we have built," he said.
「(国民の)団結と統一を育んできた我々は、これまでに築いたものを破壊するいかなる企ても望まない」

"Are we willing to allow our nation to be disintegrated in an instant due to the actions of some traitors?
「我が国が一部の反逆者たちの手によって一瞬のうちに分裂するなんて許せるのか?」

"At this moment, we are not only facing foreign enemies, but a new form of colonialism, which seeps and poisons the mind of the rakyat, involving the dirty hands of those from inside the country," he said while addressing more than 1,000 participants in Dewan Merdeka at Putra World Trade Centre here.
ナジブ首相は、「まさに今、我々は外国の敵性勢力だけではなく、国内における汚れた一部の勢力が、(外国勢力に呼応して)国民の心に忍び寄り毒を成すと言う、新たな形の植民地主義と対峙しているのだ」と、プトラ世界貿易センターのムルデカホールで、1000人以上の式典参列者への演説で呼び掛けた。

Also present in the ceremony were Deputy Prime Minister Datuk Seri Ahmad Zahid Hamidi and cabinet ministers.
なお、式典にはザヒド副首相他、ナジブ内閣の各閣僚が出席した。

Najib, who remained high-spirited throughout the speech, called for Malaysians to defend the country's sovereignty and independence, which was fought by Umno along with other component parties decades ago.
ナジブ首相は演説間、終始威勢良く、我々は、数十年前にUMNOが他の政党と共に戦い抜いたマレーシアの主権と独立を守らなければならない、と訴えた。

He added that Barisan Nasional, through its efficient and systematic governance, had managed to lead Malaysia to success.
彼は、Barisan Nasional(与党連合)がその効率的で組織的な統治によって、このマレーシアを成功に導いてきたのだ、と付け加えた。

Najib said the country's streak of success in the global stage has dismissed the accusations made by certain groups that Malaysia is a "failed state".
グローバルステージにおけるマレーシアの輝かしい成功は、マレーシアを破綻国家だとする一部勢力によって打ち消されている。

"We do not arrive at this juncture of six decades of independence to fail. We aspire to see Malaysia to move forward as a country recognised in the global arena.
我々は、破綻国家と成るためにこの独立約60年の節目に到達したわけではない。 我々は、グローバルなアリーナで認められる国家として前進するマレーシアを見極めたいのだ。

"If we want to see Malaysia remain independent, sovereign and peaceful ... moments of unity have to be sown," he said.
もし我々が、マレーシアの独立と主権と平和を維持したいのであれば、(異人種間の)統一こそが不可欠だ。

Najib also pledged that the government would not sideline any party or ethnic groups from the country's development.
ナジブ首相はまた、「政府は、いかなる政党(団体)もいかなる人種も、国家発展の蚊帳の外に置くことはない」と誓った。

"In the end, in our eyes and mind, each one of us and each ethnic groups and descendants are 1Malaysia," he said.
「最終的に、見た目も心も、我々の一人一人や各人種集団やそしてその子孫たちもワンマレーシア(ひとつに統一されたマレーシア)なのだ」と彼は言った。



新たな形の植民地主義だなんて、言うに事欠いて、姑息にも程があると思いませんか。そういえば、この”新植民地主義”などと言うワードは、少し前からザヒド副首相や他の閣僚たちの言葉の中にも散見されるようになってきましたが、これってUMNOの新戦術用語なのでしょうかね。

ところで、この新植民地主義(Neocolonialism)を改めて調べてみたところ、「第2次世界大戦後、植民地支配体制は世界的な崩壊過程を迎えたが、依然として植民地支配の実質を維持するためにとられたさまざまな方法。旧来の植民地主義と区別する意味で新植民地主義と呼ばれ、1960年頃から新興諸国の急進的指導者たちによって激しく非難されるようになった。(ブリタニカ国際大百科事典)」とありました。

ふーん、そうですか。でも今回の米国司法省による訴訟提起もスイスやシンガポール当局における1MDB関連捜査も、植民地支配の実質を維持するためのものでも何でもなくて、単なる巨悪に対する国際的な犯罪捜査じゃないですか?それを「新たな形の植民地主義の脅威」だなんて、まさに言うに事欠いて、姑息にも程があるというものです。

こんなの赤子にも解る詭弁ですよ、いや”こんなの妄想ですよ”。(※)しかし、こんな屁理屈がナジブ擁護のための対抗戦術のキーワードだとしたら実に情けない。(※どこかの国の某有名ジャーナリストの有名な言葉です。)(笑)

さらには国内の卑劣な一部勢力が、”非民主的な手段”で政権転覆を図ろうとしている、ですって?

一体全体、国民投票を画策したり、市民の宣言の署名集めをしたり、平和的な街頭デモを行うことが、”非民主的”だなんて、真の民主国家では絶対ありえないですよね。そんなことより巨悪の犯罪者がそのまま政権の座に居座り続けることこそ”非民主的”だと、私のように民主主義国を祖国に持つ普通の人はそう思うのではないでしょうか。

いやはやとにかく恐れ入りました。

でも、、、、こんなホントのことを書いてると、いつかどこからかお呼びが来るのかも知れませんが、そんなことだけは御免蒙りたいものですね。



では今日の最後に、8月31日に、KLのムルデカ広場で行われた第59回マレーシア独立記念日の動画を貼ります。かなりの長編(約50分)ですので、途中を端折ってご覧下さい。もちろん最初から最後まで全部見ていただければ、あの雰囲気、今の日本では感じることが難しいかも知れない、愛国的高揚さを感じてもらうことができるのかも知れません。



↑この動画はHD画質(720P)でアップロードしています。インターネット環境が許す限りディスプレイを高画質(720P)に設定してご覧戴くとより良い臨場感が味わえるかと思います。


ではまた。。



先週土曜日(8月27日)に大学生主催で行われた#TangkapMO1Rallyを間近で見て来ましたので、今日はそのことについて書いてみます。

あれから既に3日が経過し、新聞・テレビなどの主流メディアやオンライン主体の非主流メディアにも多くの記事や写真・動画が掲載されていますが、このデモの結果についてのメディアの論評は大きく二つに割れているようです。

政府系や主流メディアは総じて、民意は得られなかったとか、デモは失敗だったなどと言う批判的な論評が多いようですし、一方の非主流メディアはその逆の論評のようです。

しかしこれでは一般の国民に真実が伝わらない。私は、昨年の黄シャツラリーも赤シャツラリーも直にこの目で見てきたわけですので、それらとも比較した上で、完全な第三者の視点から私自身の感想を述べてみたいと思います。

確かに今回のラリーは数の上では極めて弱小勢力でした。参加者数はざっと見て1500+程度、彼らの期待数の5000~10000には程遠い結果でしたし、昨年の黄シャツラリーを知る私にとっても意外な結果でした。

ラリーは、学生主体の参加者がSOGO前、そして政党・市民運動グループからの参加者が国立モスク前に集合し、ムルデカ広場へ向けて一斉にデモ行進したのです。

私はSOGO前の学生主体の参加者の中に混じり、先ず集まった人々をざっと観察してみたのですが、昨年の黄シャツデモの参加者と異なり、大半がマレー系の若者たち(多分大学生たち)とマレー系の一般市民、残りは中華系及びインド系の人たちのようでした。

昨年の黄シャツのデモは中華系が主体だったことから、デモの後にはまるで民族対立を煽るかのような一部の論調が目立ったのですが、今回はまるで反対です。(ひょっとして、これは誰かの巧妙な策略か戦術なのでしょうか)

とにかくMO1を強力にサポートしているはずのマレー系民族が主体のデモですから、ナジブサポート隊にとってみれば片腹痛いデモだったに違いありません。

真偽の程は分かりませんが、メディア情報によれば、このデモは10月ぐらいに予定されているBERSIH(※)の大規模デモの露払いなのだそうです。BERSIHのデモはBERSIH5.0と銘打ちこれまでで最大規模の参加者を予定しているということですが、今回の学生主体のデモは、後に続く本体デモの前哨戦と言うか、一般市民の民意を探るためのデモだったのだそうです。(※BERSIHとはマレー語で"クリーン"の意で、マレーシア民主選挙改革運動グループのこと)

そういう視点で見れば、参加者数が期待以下に終わった今回デモは、後に続く本体デモの成否に深刻な影響を与えるだろうとの論評は一見正しいようですが、私はちょっと穿った見方をしています。

確かにデモへの直接的な参加者数は多くなかったのですが、私が見る限り、沿道の商店の人たちやお客さんたち、通りすがりの人々、通過していく車両に乗っている人たち、みんながデモ隊に手を振ってくれてました。街全体が応援してる、そんな感じのデモだと肌で感じました。(昨年の黄シャツデモとは何かが違う、そんな街の雰囲気でした)

主流メディアの中には、今回デモで一般の民意を得られないと知ったBERSIHはその戦術を変更せざるをえない、などと論評しているメディアもありましたが、私は決してそうは思いません。

何より、中華系やインド系などの一部人種だけでなくマレーシアのマジョリティたるマレー系民族ですら現首相と現政権に大きな不信を抱いている、と言う明確な意思表示は、それだけで大いに意義あるものと思います。

マレー系のデモ参加者は恐らく、大学生や社会人など、ある程度以上の教育を受けた方たちなのだと思います。私の隣を歩いていた一人のマレーの若者に問いかけてみたところ、社会人だと言うこの若者は私の質問(どのように問題を解決すべきか)に対し明確に次のように答えてくれました。

「問題は都会から遠く離れた、大多数の田舎の人たちです。相対的に都会よりも教育レベルが低いと言われている田舎の人たち、言い換えれば与党UMNOの大票田にある人たちに、如何にして今のこの問題の深刻さを認識させるかなのです」

全く同感、まさにその通り。いや、マレー系の若者たちも負けちゃいないですね。勇敢にも最前列で行進している女子学生たちや街宣車に乗っている元気な大学生たち、こんな若者たちがいる限り、マレーシアにも近い将来、本物の民主主義が蘇る、そんな思いを強くしました。



以下、写真や動画を一杯撮って来ましたので順に載せてみたいと思いますが、最後の動画は18分半と長いので、まぁ適当に端折って見ていただいて結構ですので、是非雰囲気を感じていただければと思います。

↓SOGO前のJalan Tuanku Abdul Rahmanでデモ行進準備中のデモ隊

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いよいよムルデカスクェアに向けてデモ行進開始です。なんと言ってもナジブ首相、ロスマー夫人、ジョー・ロー氏、リザ・アジズ氏(ナジブ氏の義息)のEffigy(板人形)が目立ちます。しかしそれぞれの特徴を良く捉えてますよね。

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デモ隊の先頭は"SUTUKAN TENAGA TANGKAP MO1(力を合わせてMO1を捕まえよう)"と大書きされた横断幕を掲げた女子学生たちです。

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デモ隊を良く見ると、デモ参加者なのか単なる通りすがりなのか見分けが付きませんが、徐々に人数が増えてきているような気がします。デモ隊の周りには見物人がいっぱい、プロ・アマのカメラマンもポリスマンもいっぱいです。

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街宣車の学生さんたち、言っちゃ悪いがデモ慣れしてる風にはみえません。声が時々聞こえなくなるし、音楽も時々聞こえなくなったりします。でも熱意は十分感じ取れます。

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ありゃ、いつの間にかナジブ首相とロスマー夫人のEffigyに手錠がかけられています。

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もうまもなくムルデカ広場手前の交差点、Jalan Tun Perakとの交差点に到達しますが、徐々に群集が膨らみ、もうこうなるとデモ参加者も物見遊山の見物人も一緒くたですね。

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おっと先頭が停止したようです。ちょっと前に出て覗いてみましょう。

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なるほど、交差点の向こう側にはバリケードが張られ警官隊が一列になって、デモ隊の侵入を阻止しようとしているのですね。ムルデカ広場は、折りしも8月31日のマレーシア独立記念式典に向けての準備作業の真っ最中なので、これは止むを得ない措置と思います。

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でもこのバリケード、私にも飛び越えられそうなチャチなバリケードですね。

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ほら見て下さい。バリケードと言うより、可動式の柵のようなものです。こんなバリケードなど、どこかの国のタガが外れたデモ隊にとってみれば、赤子の手を捻るようなものだと思いますけど、そこは今回のデモ主催の学生さんたち、立派に統制がとれていましたね。良く見ていたら、なんと一列に並んだポリスさんたちとも談笑したりして、なんと平和的なデモだこと。

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しかし見てください、このナジブピエロにTANGKAP(逮捕)、TANGKAP(逮捕)のプラカード、矛先を向けられているご本人にとって見れば、まことに癪に障ると言うか、癇に障る居心地の悪いデモなのでしょうね。しかし、私にはこんなことを黙って許しているMO1氏は太っ腹なのか、無神経なのか、それとも本当は小心者なのか、さっぱり見当がつきません。

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お、↓この青年、どこかで見たような・・・・えーっと、そうだ思い出しました。彼、アジアナンバーワンのディベイターですよ。家に帰って写真検索したらやはり間違いありませんでした。Syed Sadding Abdul Rahman氏、マレーシアが誇る若手天才ディベイターとして有名で、ディベイティングアジア大会の3連続チャンピオンだそうです。

彼、マハティール元首相が提唱している市民の宣言の熱烈支持者で、なにかとナジブ政権にたてつくものだから、最近では主要大学での講演やディベイティングを禁止されているのだそうな。。そんな彼がどこかのテレビかなにかのインタビューを受けている場面に遭遇したようです。

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ムルデカ広場北側のDBKL(クアラルンプール市庁舎)です。デモ隊が侵入しないように周りに柵が設置されていました。

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デモを主催した学生さんたち、まことに平和的で統制の取れたデモを進行しています。しかし、見方によってはちと物足らなさを感じるようなそんなデモでした。

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デモの最後には、プラスチック模型のような監獄を仕立て、悪人4人組を一人ずつ牢屋に閉じ込める、まさにTANGKAPMO1のラリーの締め括りの小気味良い演出でした。

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静止画はこれで終わりです。



そして本日の最後は動画です。SOGOデパート前からムルデカ広場北側のデモ開催場所まで、私がデモ隊の追っかけ撮影をしたものです。18分半ぐらいの長丁場ですので、どうぞ端折ってみていただいて結構ですが、是非、若者たちの勇気ある行動の雰囲気などを共有してあげて下さい。



ではまた。。




いよいよ3日後(8月27日)に迫った、"MO1逮捕集会(#TangkapMO1 Rally)"ですが、主催者である学生運動家の一部(3名)が警察に拘束されたり、主会場に予定されているKLのムルデカ広場は使わせないと警察長官が宣言したり、それに対して主催者側が、そんなものは無視するとツィートしたり、さらにはまたまた例のナジブ氏子飼いの赤シャツ武闘派軍団が大々的な対抗デモを行うと記者発表したり・・・・で、前回昨年8月1日に行われた大規模デモ(#Tangkapnajib)=黄シャツデモ同様になんだかキナ臭くなってきましたね。

しかし前回デモは結局不発に終わった感があり、マレーシアのピープルズパワーとはこんなもんか、とがっかりさせられましたが、はてさて今回は如何に。

もちろん私はマレーシア人ではなく、マレーシアに住まわせてもらっている一外国人なのだから、何らの権利も責務もないのですが、はっきり言っていろいろな意味でのストレスを禁じ得ません。

なぜなら既に1年以上にも渡り、世界中のメディアを駆け巡っているこのマレーシアのメガスキャンダル、しかも誰がどう考えても疑惑は単なる疑惑ではなく、ほぼ真実であろうと確信させるに足る数々の情報が世に溢れているにも拘わらず、なぜいまだに解決しないのか???

この国の人々はなぜにこれほど大人しいのか、従順なのか、否、勇気がないのか、弱虫なのか・・・。

そう言えば先日、この国の人たちの国民性に関するこんな私の素朴な疑問を意外なところでも気付かされました。

それは、今回のリオ・オリンピックのことなのですが、マレーシア唯一の金メダル候補、リー・チョン・ウェイ選手のバドミントン男子シングルスの決勝戦でのことです。街(KLセントラル)のフードコートで夜8時ごろからのテレビ生中継(アストロ・アリーナ)を、ひょんなことから大勢の若者たちと一緒に観る羽目になったのですが、若者たちの観戦ぶり、応援ぶりが、日本のそれとはまったく違うのです。

自国選手の金メダルをかけたオリンピックの応援にしてはいやに静かなのです。日本のパブリックビューイングでのあの熱狂さが微塵もない。拍手も控えめだし声も小さい。試合は結果として相手に2ゲーム連取されてあっさりと負けてしまったのですが、こんな応援じゃあ、勝つものも勝てないな、と一人感じてしまいました。

考えるに・・・・、この国の人たちは攻撃的でない、よく言えば素直、従順、控えめ、大人しい。でも悪く言えば消極的、声が小さい、自信がない、情熱がない、などなど・・・。

でも彼らの車の運転マナーをみると、乱暴で随分攻撃的のような性格に思えるのですが、あれは車の運転に限ったことだったのですね。そう言えば長年、外国の植民地に甘んじてきたわけはこの従順で我慢強い国民性にあったのかと、いまさらながら知らされた気がするそんな一夜でした。

でも当然、中にはそうでない、勇気ある人たちもいるわけですが、それは歯痒くなるほど少数で多勢に無勢。だから大きな改革のうねりなどなかなかやって来ない。私もこの国に住んでまもなく4年、少しずつ分かってきたような気がします。そんなマレーシア人の気弱で、従順で、我慢強い国民性を逆手にとって、国民を騙し、我が物顔で違法な犯罪行為さえ正当化して、傍若無人に強権を振るう一部の政治家や政府高官はとても許せるものではない、そう思います。

さて、今日は3日後に迫った"MO1逮捕集会(#TangkapMO1)"に関するMalaysiakiniの記事を2つ紹介してみたいと思います。いずれも先に例示した多勢に無勢の、無勢に属する勇気ある人たちに関する記事ですが、そのひとつは、政府与党第一党であるUMNOの抵抗勢力(註:以前は反乱グループと訳していましたが、今後は”抵抗勢力"と言います)が、デモ参加を発表したという記事。そして、もうひとつは、デモ主催者側の広報を務める若い女性の単純素朴な疑問に関する記事です。



Umno rebels pledge to hit the streets for #TangkapMO1 rally
Umno抵抗勢力、MO1逮捕集会(#TangkapMO1)参加を表明

Malaysiakini Published 21 Aug 2016, 4:37 pm Updated 21 Aug 2016, 4:58 pm

Umno rebels today pledged to hit the streets together with other activists at the #TangkapMO1 rally on Aug 27.
UMNO(与党第1党)内の抵抗勢力は、8月27日のMO1逮捕集会(#TangkapMO1)の他の活動家たちと共にデモを行うと発表した。

Gabungan Ketua Cawangan Malaysia (GKCM) vice chief Mohamad Zin Mustapa announced its support today and urged the public to also participate in the rally.
マレーシアUMNO支部長連盟(GKCM)副委員長のモハマド・ジン・ムスタパ氏は、今日、デモに対する(GKCMの)支持を表明し、市民にもデモに参加するよう訴えた。(註:GKCMはUMNO内のナジブ抵抗勢力)

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"GKCM would like to implore its members as well as the Malaysian public from all races to give full support to the youth and student movements for the peaceful TangkapMO1 rally on Aug 27 at 2pm.
"マレーシアUMNO支部長連盟(GKCM)の各メンバーは、全ての民族からなるマレーシア市民とともに、若者や学生たちが8月27日午後2時から行う平和的なMO1逮捕集会(#TangkapMO1)への全面サポートを約束する。"

"The time has come for Malaysians to stand up and be heard. This is not the time to stay silent.
"今こそ、マレーシア人のために立ち上がり声を上げる時だ。ただ黙って静観している時ではない。"

"Support the youths so that the future of the next generation will not be pawned by Malaysian Official 1," he told a press conference in Kuala Lumpur today.
"次の世代の将来が、MO1(※)によって質入されないように、若者たちを支援しなければならない、と彼は今日、クアラルンプールでの記者会見で述べた。(註:米司法省の訴状に繰り返し出現する人物コードで、ナジブ首相を指していることは衆目の一致するところ)

GKCM comprise Umno branch leaders opposed to Prime Minister Najib Abdul Razak, for which many have been expelled from the party.
マレーシアUMNO支部長連盟(GKCM)は、ナジブ・ラザク首相に反対するUMNOの各支部長たちによって構成されているが、既に多くの支部長が党から追放されている。

The press conference was held back-to-back with Parti Pribumi Bersatu Malaysia's (Bersatu) press meet in Kuala Lumpur today.
記者会見は、本日クアラルンプールで、(マハティール元首相が新たに結成した)統一マレーシア人民党の記者会見と背中合わせで開催された。

Mohamad Zin said the US Department of Justice has highlighted various wrongdoings in 1MDB including those of "Malaysian Official 1".
モハマド・ジン氏は、米国司法省が(その訴状の中で)、1MDBの数々の不正とマレーシア政府当局者1(MO1)と称される人物の多くの不正を白日の下に晒している、と語った。

He added that it was common knowledge who "Malaysian Official 1" is.
彼はまた、マレーシア政府当局者1(Malaysia Official One)とは誰のことかは常識だ(言うまでもない)、と付け加えた。

The DOJ believes more than US$3.5 billion was stolen from 1MDB and has moved to confiscate US$1 billion in assets allegedly acquired with the money.
司法省は、35億米ドル以上が1MDBから盗まれたと考えていて、伝えられるところでは、10億米ドル相当の資産の差し押さえに動いている。

It said at least US$731 million also went to "Malaysian Official 1".
そのうち(1MDBから盗まれた金額のうち)、少なくとも7億3100万米ドルが"マレーシア政府当局者1"に渡ったと訴状は述べている。

The #TangkapMO1 rally seeks to call on the authorities to take action against "Malaysian Official 1".
MO1逮捕集会(#TangkapMO1集会)では、マレーシア政府当局に対し、"Malaysian Official 1"の訴追を求める方針だ。



いや実に頼もしい。与党第一党のUMNO内部に、まだこんな人たちが居残っていたのですね。それに結党したばかりの新党(統一マレーシア人民党)と背中合わせの記者会見だったということは、近い将来の保守勢力再編も期待できそうで、今後が楽しみですね。

さてお次は、MO1逮捕集会(#TangkapMO1集会)の主催者側の言い分です。デモ主催者の広報担当女性の言い分は至極まともで単純に共感できます。



'Whole world knows we’ve been robbed, why are we still relaxed?'

マレーシアが強盗に襲われたこと、世界中が知ってるのに、なぜまだのんびりしているの?

Malysiakini Published 23 Sep 2016, 7:04 pm Updated 23 Sep 2016, 7:42 pm

TangkapMO1 rally spokesperson Anis Syafiqah Md Yusof simply does not understand why Malaysians are still relaxed when the "whole world knows that the country has been robbed".
#TangkapMO1集会の広報担当のアニスさん(女性)は、マレーシアが強盗に襲われたことを世界中が知っているのに、なぜマレーシアの人々がこんなにのんぴりしているのかが全く理解できません。

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In a video recording posted by Parti Sosialis Malaysia (PSM) central committee member S Arutchelvan today, Anis was seen surrounded by fellow student activists and police officers outside UiTM's Seri Iskandar campus near Ipoh, Perak.
マレーシア社会党(PSM)中央委員会委員のアルツシェルバン氏によって今日投稿されたビデオレコードの中で、アニスさんはぺラ州イポー近郊にあるマラ工科大学(UiTM)セリ・イスカンダルキャンパスの外で、仲間の学生活動家たちや警察官に囲まれていた。

Starting her speech, Anis said she and her friends had wanted to enter UiTM to explain matters in relation to Malaysian Official 1 (MO1) but were not allowed to do so.
(ビデオの中で)彼女と仲間たちが、マレーシア政府当局者1(MO1)に関する問題説明のためにマラ工科大学(UiTM)に入ろうとしたが許可されなかった、と彼女は述べた。

Explaining the group’s campaign which is to urge the authorities to apprehend MO1, Anis questioned why the police were not doing anything when it was clear that money was stolen.
マレーシア当局にMO1を捕まえて欲しいと願う彼女たちのキャンペーンを説明しながら、(自分たちの)お金が盗まれたことが明らかなのになぜ警察は(MO1に)何もしようとしないのか、と疑問を呈した。

“Money was stolen from Malaysians, from students, from the police. Police, too, are Malaysians.
"お金がマレーシア人から、学生から、そして警察だってマレーシア人なのだから警察官からも盗まれたと言うのに"

“So why aren’t you focusing on the robber, why are you focusing on us small fry?
"それでいてあなた方(警察)は、なぜ強盗犯人逮捕に集中しないのですか、なぜ私たちのような雑魚を相手にしているのですか?"

“We’re nobody, we’re not dangerous; I didn’t bring any weapon except for a piece of paper to tell my friends inside there that this is about our future,” said Anis as seen in the video clip which was recorded last Saturday.
"私たちは危険な人間ではありません。何も武器は持っていないし、たった一枚の紙で(キャンパスの中の)私たちの仲間の学生たちに、これは自分たちの将来に関することだ、と話をしにきただけなのです。"と先週土曜日に撮影されたビデオクリップの中でアニスさんは話した。

What started as a tame speech turned fiery when Anis further stressed how the billions allegedly misappropriated could be used to fund the studies of countless students.
最初小さかったアニスさんの声は、(1MDBから)盗まれたと言う数十億リンギがあれば、無数の学生の教育資金として活用できた筈だと強調し始めた途端に烈火のごとく激しくなり、、、、

“Are we just going to let it be?
"私たちはこのことをただ見過ごしていいのですか?"

“Imagine if our houses are robbed - we lodge a police report and the police cannot do anything.”
"自分の家が強盗に入られたことを想像してください。私たちはそのことを警察に報告しますよね。そうしないと警察には何もしてもらえないから。"

The student activist explained that she did not come to purposely create a commotion nor did she come to humiliate herself.
(彼女以外の)学生活動家が、アニスさんは故意に騒ぎを起こしに来たのでもなければ辱めを受けるためにここに来たのでもない、と説明した。

“I (just) want to tell my friends so that we realise – the whole world knows we have been robbed, why are we still relaxed as though nothing has happened to our country?”
(アニスさんの言葉)"私は単に私の友人たちに、世界中の人たちが、私たちが強盗に遭ったことを知っていると言うのに、まるでこの国では何ごとも起きていないかのように、なぜ、みんないつまでものんびりしているのか、そのことに気付いてもらいたいのです、と話した。"

Raising her voice further, Anis said she had never come out in the open to speak out like this.
彼女の声はより大きく激しくなったが、アニスさんは、自分がこんなに大声で意見を述べたことはこれまでなかったことです、とも語った。

“I don’t know why I’m so brave today. (Maybe) because I don’t want my future and that of my friends as well as my children to be bleak because I kept quiet.
"私が今日、なぜこんなにも勇敢になれたのか分かりません。(きっと)黙っていたのでは私や友人たちや私の子供たちの将来が辛いものになるだろうし、そうさせたくはないからだと思います。"


“That’s why I’m angry today,” she added.
"だから、今日私は怒っているのです。"と付け加えた。


The TangkapMO1 rally is set to take place on Aug 27, and is aimed at pressuring local authorities to arrest and charge MO1.
TangkapMO1集会は8月27日に開催が予定されていますが、その目的は当局にMO1を逮捕・訴追するよう圧力をかけることです。

MO1 is the individual mentioned in the US Department of Justice's (DOJ) lawsuit to seize assets purportedly purchased using money siphoned from 1MDB.
MO1とは米国司法省(DOJ)の訴状に記されている人物のことであり、DOJは1MDBから吸い上げた資金で購入したと思われる資産の差し押さえ訴訟を提起しています。

The DOJ believes that US$3.5 billion was stolen from the Malaysian fund and at least US$731 million went to MO1.
米国司法省は、35億米ドルがマレーシア(政府)基金から盗まれ、そしてそのうち少なくとも7億3100万米ドルがMO1と言う人物に渡ったと考えている。



いかがでしたか?そうですよね。黙って見過ごせる限度を遥かに超えていますよね。いや、1円たりとも他人のお金を盗んではいけないと教わってきたのに、世界でも最大級の、度肝を抜く巨額の公金横領事件ですよ。こんなことが堂々まかり通っていたのでは子供の教育に悪いどころか国を潰しますよ。

そして、マレーシアのみなさん、詐欺や横領や強盗だけでなく、汚職も立派な犯罪です。賄賂を贈る方も受ける方もいずれも犯罪人ですぞ。ともすれば、賄賂は文化だ、などと嘯(うそぶ)いて、上から下まで袖の下を要求したり要求されたり・・・・これじゃいつまで経っても先進国入りなど絶対無理です。

Eh..これ↓最近目にしたモントキアラ近くの高速道路上のITIS(統合道路情報電子掲示板)なのですが、読んでビックリですよ。

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↑これ、汚職防止キャンペーン実施中、始めよう先ずはあなたから!と書いてあるんですよ。。。ごめん、ぶっと噴出してしまいました。

マレーシアでは、ITISも普通のトラフィックサインボードも、例によってオールマレー語表記ですから、マレー語を読めない人には永久に分からないことでしょうね。

でも・・そっか、汚職防止キャンペーンなんて、これはマレーシア人にだけ読ませたい情報ですか。。でもこれ、道路情報とはまったく関係ないんですけど、タイミングぴったりの皮肉か揶揄で、これ考えた人(多分DBKLの人)に座布団3枚ですね。

ではまた。。



いよいよリオのオリンピックが始まりましたね。

今回は、事前に我が家のインターネットを、劣悪なTM unfiから高速で安定的なTIMEに引越ししたことと、5月の一時帰国時に購入した新型クロームキャストのお陰で、期待通りに、とても綺麗なHD画像を大画面テレビで何のストレスもなく視聴できていますので、私はこのことに100%満足しています。

もちろんスリングボックスですから自宅だけでなく、外出先でもどこでも手元のデバイスで、日本のテレビ番組のLIVE映像を無料で簡単に見れるのですが、それを可能にしているのは、KLの良好なインターネット環境です。

KLのインターネットのインフラ整備は、ある意味東京などよりも進んでいるのかも知れませんが、最近ではほとんどのショッピングモールやレストラン、それにパブリックスペースや学校・官公庁などの施設・建物などにおいても高速のフりーWiFiがよく整備されてきています。なのでモバイルネットワークには繫げない私のデバイス(ipodtouch)でも困ることはほとんどありません。いやはや本当に便利な世の中になったものですね。

そんな中、昨夜(8月6日)のマレー語特訓の合間、マレーの青年たちに私のデバイス上のオリンピックのLIVE映像を自慢げに見せたのですが、驚いたことにオリンピックのことには誰一人として興味を示しませんでした。

中には、オリンピッなんて日本とあまり関係ないでしょう?とか、日本からも誰か参加しているのですか?などと私に真顔で尋ねる青年も居たりしてとても意外でした。

テレビのその日の朝の開会式で、僅か30人ほどのマレーシア選手団の映像を見ていた私は、彼らに、マレーシアからは何人参加しているのか知っているかと聞いてみたところ、誰も答えられませんでした、と言うか、なにも知らないのです。

私が、日本選手団は300人以上でマレーシアの10倍以上だよと教えてあげると、皆、ふぅーん、そうなの、とぜんぜん興味がなさそう。。

でもこれはさもありなんです。こちらの新聞・テレビではオリンピックのことはあまり大きく取り上げられていないようなのです。もちろん、新聞のスポーツ欄にはそれなりの記事が掲載されているし、有料テレビやインターネットテレビなどではライブも放映されているのですが、一番視聴者が多いだろうと思われるテレビの地上波放送の番組表には見当たらないような気がするのですが・・・

だから大半のマレーシア国民はオリンピックのことをあまり知らないし関心がないのだろうと思います。まるでお祭りのように心待ちにし、一日中テレビの前にかじりつき、競技の結果に一喜一憂して国中が大騒ぎする日本とは大違いです。

それにしても感じることは、教育やマスメディアの効用とか影響力のこと。この国の人たちのオリンピックへの関心のなさを例にとってみても分かるとおり、教育とマスメディアを制するものは天下を制する、昨夜はひょんなことからそんなことに思いを致しました。



さて、この国の教育やマスメディアの効用や影響力と言えば、もっともっと深刻なことがあります。この国の相変わらずの政界疑獄です。

本日のタイトルに「報じない罪と報じさせない罪」と書きましたが、この国には一部の政治家たちの我田引水と、その我田引水を報じない罪、報じさせない罪が跋扈しています。サラワクリポートやマレーシアン・クロニクルと言ったホイッスルブローワー的なメディアやアンチガバメントなメディアは政府によって未だにブロックされていますし、大手の主流メディアは現政府にたてつくことは一切しません。そんな報じない罪と報じさせない罪が跋扈している限りは正しい国民世論の形成は無理なのかも知れません。

国の外側から常識的にみれば、容易にことの善悪が分かろうというものですが、不思議なことにここまで曝け出されてもなお、お代官様たちは未だに非常識な我田引水の主張に拘り続け、国民の過半数がそれを頑なに信じていると言う構図です。

しかも驚いたことに、マレーシア在住日本人の中にも、国民の過半数同様の方たちがおられるようですが、これもさもありなんです。南国新聞に代表される日本語フりーペーパーのニュースソースは、マレーシアの主流メディアからの受け売りのようで、政権よいしょの情けない記事ばかりだからです。

そこで今日は、そんな方たちに是非真実を知ってもらいたい、との思いからなのですが・・・・・

DOJ(米国司法省)の提訴を契機にして、最近俄かに目立ってきたこの国のメガスキャンダルに関する日本メディアの報道の中から、極めて鋭い視点で正確な記事を書いておられるなと、私が以前から好感を抱いている末永恵氏の日本ビジネスプレス(JBpress)の関連記事の全文を紹介してみたいと思います。

記事の内容は、この度のDOJの提訴に至るメガスキャンダルの経緯やその背景について、的確にそして分かり易く記述されています。長文ですが、是非最後までお読みいただきたいと思います。



以下、8月3日付けのJBpressに掲載された末永恵氏の記事です。

マレーシア政府の腐敗ぶりにディカプリオも真っ青
1MDBの資金流用疑惑に米司法省がメス、ナジブ首相の刑事責任追及も

JBpress 2016.8.3(水) 末永 恵

「米国史上最大級の資産差し押さえ」のニュースは、世界を驚愕の嵐に巻き込んでいる――。

 米司法省が7月20日(日本時間21日)、マレーシア政府100%出資の国有投資会社「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」の資金流用疑惑にからみ、1MDB関係者が同資金35億ドル(約3750億円)以上を不正流用・洗浄(マネーロンダリング)したと確定し、首相の義理の息子ら親族らが保有する関連資産(10億ドル=約1070億円)の差し押さえを求め、米ロサンゼルス連邦地裁(複数訴訟案件)に提訴したからだ。

 1MDBはマレーシア財務省管轄=財務相をナジブ 首相が兼務。同首相は設立者であるとともに、顧問委員会委員長兼非常勤代表だった(5月まで)。

 その中で米司法省は、「不正流用された資金をマネーロンダリングするため企てられた国際的な陰謀」と厳しく糾弾。

 さらには、今回の事件が「米国史上最大の泥棒政冶(盗賊政冶)による横領事件」と名指しで、ナジブ政権を批判するとともに、同首相が不正資金を受理したとも示唆。

刑事訴追も検討

 今回の1MDB不正横領事件は、約1年半前の2015年3月と4月に日本のメディアとして初めて、JBpress上で報道した「消えた23億ドル~マレーシア政府系投資会社の巨額不正疑惑(1)(2)(3)」(日本貿易振興機構=ジェトロ=で経済産業省所管の国のシンクタンクであるアジア経済研究所が調査論文で参考文献として引用)に関連するもので、すでにスイスでは同事件関連取引銀行(BSI)が刑事訴追を受けている。

 今回、米司法省は民事訴訟を起し、一方、嵐の渦中にあるナジブ首相は「米司法省の訴訟は、民事で刑事訴訟ではない」と主張し、暗に自らの潔白を強調するが、「米国政府も刑事事件としても捜査に着手している」(米政府筋)という。

 ナジブ首相は昨夏、約7億ドル(約750億円)の資金が個人口座に振り込まれたことを認めたが、「1MDBからではなく“中東王族からの献金”」と疑惑を否定、国内捜査を終結させていた。

 しかし、米司法省は136ページにわたる今回の訴状の中で、「中東から献金された事実はない」と否定し、1MDBからの資金横領と確定。

 7月21日には、米国と歩調を合わせるように、シンガポール金融通貨庁(中央銀行)と司法長官が、不正に関与した中心人物のジョー・ロウ氏(前述の昨年の本コラム記事参照)とその家族が保有する資産を含めた約1億8000万ドルが預けられた銀行口座などを凍結したと発表。

さらに、スイス当局は資金洗浄総額は「40億ドル以上(約4300億円)」とも換算し(専門家によっては、60億ドル以上=約6450億円以上とも試算)、シンガポール当局とともに、1MDB資金をぺーパーカンパニーに送金する処理を手助けした金融機関(ゴールドマンサックスなど)を捜査中。

 シンガポールは同日、スタンダード・チャタード、UBS、DBSの大手銀行が資金洗浄対策で不備があり、譴責したとした上、これまでの資金洗浄疑惑調査が、1MDB関連であると初めて認めた。

 今後の捜査いかんでは、前代未聞の大規模な国際マネースキャンダルに発展した1MDB横領事件は、国際的な刑事裁判へと発展する可能性もあり、“そうなれば”、疑惑を否定しながら、一方で強固な政治基盤を築いてきたナジブ首相の政治生命も含め(首相を退いた後に訴追される可能性も)、マレーシアの政局への影響は計り知れない。

 今回司法省が公開した訴状によると、不正流用・洗浄は1MDB設立直後の2009年から2013年までの4年間行われたという。

アジズ氏は全財産差し押さえ

 サウジアラビアの原油事業などへの投資名目で巨額資金を拠出したが、実態は米国、スイスなどの金融機関が発行した社債などで調達した資金をペーパーカンパニーなどに支払い、資金洗浄され、首謀者のナジブ首相の義理の息子、リザ・アジズ氏、1MDB設立の中心人物のジョー・ロウ氏(実名公表)、さらには「マレーシア政府高官1」に流れ(詳細は昨年本コラム記事参照)、米国に住むアジズ氏は全財産が差し止め対象となった。

 首謀者らは、不正横領した資金でビバリーヒルズやマンハッタンの高級不動産、モネやゴッホの絵画、プライベートジェット機などを“爆買い”した(参照1、2、3、4、5)。

 そればかりか、投資詐欺やマネーロンダリングの実話を描いた米アカデミー賞候補の米映画 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(レオナルド・ディカプリオ主演。2013年製作、2014年日本公開。ゴールデングローブ賞受賞)の製作資金や、ラスベガスなどでのカジノギャンブル代、“豪遊パーティー”で著名芸能人や音楽家などのセレブへの破格な報酬に充てられたという(詳細は昨年本コラム記事参照)。

 今回の捜査で注目されている訴訟の1つが、司法省がディカプリオ主演の同映画製作資金にマネーロンダリング資金が関わったことが判明し、ナジブ首相の義理の息子、アジズ氏が共同設立者の映画製作会社に対しても民事訴訟を起こしたことだ。

 アカデミー賞候補作が、しかもアカデミー賞受賞俳優が海外の首脳の不正資金流用疑惑に何らかの形で関わっていたことでハリウッド業界にも激震が走っている。

 司法省の訴状では、1MDB傘下の投資会社からアジズ氏の個人口座に計2億3800万ドル(約255億円)が口座に振り込まれ、そのうち約1億ドルが同映画会社関連の口座に渡り、製作費に充てられたとしている。

さらに、同作品は3億9200万ドルの興行成績を収めるという大ヒット作品となり、司法当局はアジズ氏らがこれらの資金操作を行い、1MDBから不正流用した“裏金”を正当な資金にすり替えたと見ており、司法当局は刑事訴追に向けても捜査を進めている。

 また訴状では、「ハリウッド俳優1」と記されているハリウッドスターのディカプリオ氏。2014年の同映画のゴールデングローブ賞授賞式で「ジョーイ、リズ、ジョー」への感謝の意を表するとともに、「この映画のリスクをも背負ってくれた」と賛辞した、と記述されている。

 ジョーイは映画会社の共同創業者のジョーイ・マクファーランド氏、ジョーは紛れもない、1MDB設立に関与した不正資金流用の中心人物のジョー・ロウ氏で、リズは、ナジブ首相の義理の息子のリズ・アジズ氏だ。

 加えて、1MDBからの不正流用資金は、ラスベガスなどでのカジノの豪遊金としても充てられ、「誰かのカジノでの巨額な損失」もカバーしたとされている。

 訴状によると、「ハリウッド俳優1」は公私ともに親しいアジズ氏やロウ氏らと1回だけでなく数回以上、ギャンブルに興じたとも指摘されている。

1日で1億円以上豪遊

 2012年には、ラスベガスでの1週間のカジノ豪遊で1100万ドル(約12億円)が1MDBからロウ氏の個人口座に振り込まれ、1日に115万ドル(約1億2000万円)が浪費されたこともあるという。

 トヨタ自動車の「プリウス」や「レクサスLS」などのエコカーを早くから保有し、アカデミー賞授賞式にはベンツやベントレーで来場するハリウッドスターと一線を画し、プリウスで登場、環境活動家としても知られるディカプリオの“影”の部分が暴露される可能性もあり、1MDBの余波はハリウッド業界をも巻き込む様相に発展している。

 さらに、香港に居住し、資産家の息子としてアジアの金融業界の大物と知られ、ヒルトンホテルの創業者の孫娘のパリス・ヒルトンやセレブたちとも交遊があり、彼らをアジズ氏らに紹介したとされる1MDBの中心人物のジョ-・ロウ氏も訴状では、実名で登場している。

 米司法省の訴状によると、昨夏にナジブ首相の個人口座に、約7億ドル(約750億円)の資金が振り込まれたことが発覚して以来、スイス当局の捜査により、スイス国内の保有口座を凍結されるなど、ロウ氏は「資金不足」に陥ったと見られている。

 そして1MDBの不正資金流用で購入したピカソやモネの高級美術品を「バーゲン価格」でオークションのサザビーズなどで売却し始め、馬脚を現し始めた。

突然、オークション界に彗星のごとく現われた若き美術商として名を馳せる一方、購入時の価格の60%から70%で次々と売りさばく異常な行動でも特別視され始めた。

 今年に入っても、2013年に約4000万ドルで購入したピカソの「女性の頭」を2750万ドルで売却し、資産運用に苦慮する財政事情を露呈した。司法省は、ロウ氏が今も保有しているとされる5750万ドルのモネやゴッホの美術品を押収したいと考えている。

 一方、国際社会の最大の関心事は、訴状に「マレーシア政府高官1」と称された人物の素性と同人物への今後の捜査の行方だ。

 不正流用された1MDBの資金は、1MDBと合弁企業を設立するペトロサウジの共同創立者に渡り、そこから「政府高官1」の口座に振り返られたという(昨年の本コラム記事参照)。

「政府高官1」とナジブ首相

 訴状にはナジブ首相を名指したものはないが、この人物の口座には、総額7億3100万ドル(約790億円)が数回にわたって振り込まれ、「政府高官1」は1MDBで極めて支配的な立場にあり、アジズ氏の親族であったことから、ナジブ首相が1MDBで果たした役割と合致する。

 米司法省は1MDB横領事件を「国際的資金洗浄の企て」と厳しく罰する意向で、今後、刑事訴追される可能性が高いアジズ氏やジョー・ロウ氏とともに、「政府高官1」の刑事的責任を追及する構えだ。

 「その実行性や時期については政治的な判断に委ねられるだろう」(米政府筋)とする見方が濃厚だ。

 今回の民事訴訟でさえも、物的、かつ状況証拠を押収していながら、「政府高官1」とあえてナジブ首相を名指ししなかったことからも、米政府の政治的配慮が見え隠れする。

 そもそも、今回の訴追は、ナジブ政権打倒が目的ではなく、リンチ司法長官がワシントンでの記者会見で「米国が汚職や資金洗浄の場になることは許されない」と再三語ったように、米政府は米国が国際的資金洗浄の“楽園”になることを断固阻止し、マレーシアの1MDB事件を利用し、世界に向け、確固たる姿勢を表明することが最大の狙いである。

 さらには、すでに捜査の手は米国でのマネーロンダリングに手を貸した米金融機関にも伸びている。

 米司法省、証券取引委員会、連邦準備制度が1MDBの資金調達に絡み、世界最大級の投資銀行、ゴールドマン・サックス・グループの関与や取引について調査中だ(米政府筋)。

 1MDBによる60億ドル(約6400億円)あまりの起債関連業務について、起債発行にあたり、相場をはるかに上回る手数料を要求し、破格の利益をゴールドマンにもたらしたティム・ライスナー氏(既に退職、東南アジア部門会長=当時)への召喚状も発行されている。同氏には、1MDB関係者から報酬も別途、支払われていることも確認されている。


 こうした状況の中、訴状で「政府高官1」と合致するナジブ首相は、改めて身の潔白を表明する一方、ここ1年間で前副首相更迭や野党幹部への煽動法摘発、インターネットメディア追放など反対勢力を一掃してきた強固な政治基盤を今後、さらに固めていくだろう。

 実際、昨夏、首相への刑事訴追を予定していながら辞任に追い込まれたガ二司法長官の後任で首相の任命を受けたアパンディ司法長官は、「首相に対する中傷や告発に強い懸念を覚える」と米司法当局の訴訟に不快感を表明、ナジブ首相への忠誠心を示した。

 さらに、「今回の訴訟で米国との二国間関係に変異はない」(ナジブ首相)と表向きは冷静な態度を演出するが、親密なバラク・オバマ大統領退任も見据え、南シナ海や高速鉄道建設問題などに関連し中国との関係を深めていく戦略に打って出ている。

 また、イスラム同盟国に対して、「ユダヤ社会がムスリム社会の打倒を図っている」などと嫌米感情を煽っていく可能性も否めない。

IS対策でマレーシアを攻め切れない米国

 今回、米国がマレーシアの1MDB横領告発に踏み切ったのは、オバマ大統領の求心力の衰退に加え、南シナ海を巡る中国に対する国際裁判所での判決、次期大統領候補がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に懐疑的な姿勢など、マレーシアへの「加担」が不必要になってきたことが背景にある。

 ただ、欧州で乱発するIS(イスラム国)関連のテロで、テロリストの温床、中継地点でも知られるマレーシアの協力は今後も不可欠であることは間違いない。「ナジブ首相が現職中での刑事訴追は政治的には困難」(米政府筋)と見られている。

 とは言え、「米国への国際的なシンジケートによる資金洗浄企てやその資金がテロリストに渡ることを阻止するためにも、“見せしめ”の意味でもナジブ首相が将来的に訴追される可能性はある」と、首相を退任した後に刑事訴追されるとの憶測もある。

 リンチ司法長官はワシントンでの記者会見で再三、「マレーシア国民の資産が盗まれた」と強調し、「腐敗した政府高官が公的ファンドを個人口座のように私物化した」と厳しく非難し、「米国史上最大の泥棒政冶の横領事件」と締めくくった。

 泥棒政治(クレプトクラシー=Kleptocracy)とは、ギリシャ語の「クレプテース(盗む)」と「クラトス(支配)」が語源で、民主国家であっても、政治家などの支配階級が民の資金(公金)を横領して私腹を肥やす腐敗した政治体制のことを言う。

 政権を牛耳る人々による極めて利己的な背任横領が横行する「醜い政府」への軽蔑語でもある。

 今回訴追を受けたアカデミー賞候補作の米映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」は、ディカプリオ演じる実在の株式仲買人、ジョーダン・ベルフォートの自伝小説を映画化したもの。

 マネーロンダリングと投資詐欺を図りウォールストリートでのし上がるが、最後は有罪で投獄された転落人生を描いた。

 米司法省の提訴で、マネーロンダリングと投資詐欺題材にした同映画は、実際の製作資金が、資金洗浄の格好の場に利用されていた可能性が明らかになり、訴訟の結末も映画と同様になるか――。

 ナジブ首相の政治家人生の結末は、ベルフォートなのか、冷静を装う裏で、そのエンディングを”書き換えたい”のは、何を言う首相自身だろう。



以上、8月3日付けのJBpressに掲載された末永恵氏の記事の全文を引用させていただきましたが、如何でしたでしょうか。

DOJの訴状に幾度となく繰り返し登場するMalaysian Official One(MO1)つまり「マレーシア政府高官1」とは誰のことかは、議論するまでありませんが、数々の動かぬ証拠により、この人物を中心とする史上稀に見る国・政府ぐるみの巨悪詐欺犯罪が白日の下に晒されているのです。

しかしながら当のご本人のナジブ首相はこの件に関し、最近、インドネシアのテレビ番組に出演し、DOJの訴状に直接名指しされたわけではないので、私もマレーシアも1MDBも直接は無関係だ、などとインタビューに答えていました。

いやナジブ首相だけでなく、擁護派の筆頭格と言われるUMNO青年部長かつ国の青年・スポーツ大臣でもあるカイリー・ジャマルディン氏やUMNO婦人部の方たちも声をそろえて、ナジブは関係ない、と我田引水の大合唱をしています。

いくら今回のDOJによる訴訟が民事であるとは言え、あの米国の司法省による満を持したアクションです。136ページにも及ぶ訴状が示すその内容は、マレーシアと言う国の激しくゆがんだ側面を曝け出し、その首謀者たちの史上稀に見る巨悪犯罪はとても許されるものではありません。

しかし、私には摩訶不思議でなりません。ナジブ信奉者や擁護派のみなさんには、私利私欲をいいように貪り、おどろおどろしい犯罪に染まるお代官様の真の姿が見えていないのでしょうか、いや見えていても見えぬ振りをしているのだろうか。。それとも既に美味しい果実を食べさせられてしまい、一蓮托生を決め込んでいるのだろうか、と私は不思議で不思議でなりません。

あれだけ曝け出されてもなお、無実と言い張るこの強情さと自信、そしてそれを益々堅固に支えるナジブサポーター、さらには、こんな状態でもあまり怒らないその他のマレーシアの人たち、、一体これは何に由来するものなのか、私はここにマレーシアの縮図が見えてくるような気がしますが、もはやマレーシアの摩訶不思議としか言いようがないのかも知れません。

でも、こんなことではこの国が目指している2020年の先進国入りはおろか、2030年以降に目指すと言うオリンピック誘致などできるわけがありません。

私はこの国の未来のため、このままではいけない、何かが変わらなければいけないと思いながらも、ただ思い悩んでいるだけの多くの健全なこの国の若者たちと思いを共有しつつ、ことの成り行きを注意深く見守るつもりです。


さて、今日の締め括りに、昨日のマレーシア・キニに載っていたナジブ氏とロスマー夫人の風刺画を紹介したいと思います。この2作品はいずれも同一の作者によるものですが、ここまで描いて大丈夫なの?と心配になるほどのキワドイ風刺画です。

しかしよく出来ていると思いませんか?感心してしまいますよね。

これ↓は昨日(8月7日)のマレーシア・キニに載っていたナジブ氏の風刺画です。

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"TANGKAP"とはマレー語で"逮捕"と言う意味です。"MO1"は言わずと知れた"マレーシア政府1"です。背後のスケールは、恐らく横領金額を風刺しているのでしょうね。

次ですが、これ↓はネット上から拾ったものですが、ロスマー首相夫人への風刺画と思われます。

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"PEMIMPIN BERMEWAH, RAKYAT SUSAH"は"裕福なリーダー、喘ぐ国民"とでも訳しておきましょう。風刺画は恐らく夫人が購入した宝石や高級バッグなどの贅沢品とその価格、そしてそれと同額の国民の生活必需品を表しているようです。つまり、こんな贅沢よりも国民の生活が大事だろう、と言いたいのでしょうね。

しかし、公金が本当にこんな風に横領されて使われていたとしたら、マレーシア国民は泣くに泣けない、悲惨そのものです。それにしても、ナジブ氏の主張している一切私用には使っていない、聞いて呆れますよね。

最下欄にある"Pakatan rakyat akan memastikan pemerintahan yang lebih telus, cekap, tidak membazir serta lebih mengutamakan kepentingan rakyat."は、Pakatan rakyat(※)は、もっと透明、効率的、無駄のない国民優先の政府を創ります、の意です。※旧野党連合のこと

以上、今日はこれまで。
ではまた。。




今日から、久々にマレーシア政界疑獄シリーズを再開します。このところ目立った動きがなく、特に書くべき記事も見当たらなかったことからしばらく休憩していましたが、ここにきてまたぞろ何かが動き始めた様子です。

どうやら今回の震源地は米国司法省のようですが、先々週、世界の主要メディアがこれを一斉に報じました。日本メディアの中では日本経済新聞の記事が簡明でベストのようでしたので、先ずはそれを紹介してみたいと思います。

以下は、日本経済新聞の該当記事の引用です。



日本経済新聞(2016/7/21)

米、マレーシア国営企業の資産凍結へ 首相親族の不正指摘

【シンガポール=吉田渉】米司法省は20日、マレーシアの国営投資会社「1MDB」の関係者が同社の資金を横領したと断定し、不正に得た資金で購入した資産10億ドル(約1060億円)超の差し押さえを求めて連邦地裁に提訴した。首謀者にはナジブ首相の親族が含まれ、同首相が資金を受け取ったとも示唆した。不正への関与を否定してきたナジブ政権への打撃となるのは必至だ。

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司法省が公開した訴状によると、横領は1MDB設立直後の2009年に始まった。社債などを通じて調達した資金を実態のないペーパーカンパニーなどに支払い、複雑な経路を使って資金を洗浄して関係者の口座に流し込んだ。不正は少なくとも13年まで続き、横領額は合計で35億ドルを超す。

差し押さえ対象は米国内の資産や米金融機関に預けた資金が中心だ。司法省は国家が絡む腐敗を取り締まっている。

訴状は「複数の関係者が首謀した」と断定した。中心人物としてマレーシア人実業家のジョー・ロー氏と、その友人のリザ・アジズ氏らの実名を公表した。アジズ氏はナジブ首相の妻ロスマ氏と前夫の間に生まれ、首相の義理の息子にあたる。

首謀者らは横領した資金を使って高級不動産や美術品などを買いあさっった。アジズ氏は著名俳優レオナルド・ディカプリオ氏主演の映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の制作に資金を充てた。この映画は投資詐欺を働いた株式仲買人が題材だ。

訴状には「マレーシア当局者1」と称する人物が複数回登場した。この人物の口座に資金の一部が何度も振り込まれたという。「当局者1」はアジズ氏の親族で1MDBに強い影響力を持つなどと表現した。ナジブ首相は全条件に当てはまる。

シンガポール金融通貨庁(MAS、中央銀行に相当)は21日、不正に関与した疑惑のある人物の銀行口座を凍結したと発表した。1MDBの疑惑を巡ってはスイス当局も調査を進めている。

ナジブ首相の報道官は「マレーシア当局の捜査で犯罪はないと結論が出ている」と反論した。ナジブ首相は昨年夏に「1MDBから7億ドル近い資金を受け取った」との疑惑が浮上したが、同国当局は「中東の王族からの献金」として捜査を終結している。

マレーシア国内では首相への批判の声が出ている。ナジブ首相と対立するマハティール元首相は同日、「マレーシア人はナジブ首相を退陣に追い込むべきだ」と話した。野党の有力議員は「世界の笑いの種となった」と批判した。

もっともナジブ首相がすぐに窮地に陥るとは考えにくい。同氏の地盤は昨年の疑惑を経てむしろ強まっている。疑惑を巡る報道を封じ込め、自身に批判的な有力者を相次ぎ更迭し、強権的な手法で与党内の支持を固めた結果だ。直近の国会議員補選や州議会選挙は、ナジブ氏を前面に押し出した与党が地滑り的な勝利を収めた。

今後の焦点は海外の捜査の動向だ。ナジブ首相の不正関与を示す証拠があがれば、首相の座に居座るのは難しいとの見方がある。政権の弱体化をにらんで資金流出が進めば、景気の減速を通じて国民の不満が高まる可能性もぬぐえない。



うーん、なかなかの記事ですね。これを読めば、多分今までこの件にはあまり興味がなかった方やほとんどその内容をご存知ない在住日本人の方たちにも、現実味を帯びてきた事態の深刻さや問題の大きさが分かろうと言うものです。

いよいよ捜査が大詰めに来てるなと言う印象なのですが、それでは肝心のマレーシア国内はどうなんでしょう。情けないことに、マレーシア国内の主流メディアは相変わらず見てみぬフリ、聞こえないフリで、この件はほとんど報じられていません。

そんな中、マレーシア主流メディアの中では比較的辛口と言われている、ニュー・ストレイツ・タイムズ(NST)紙の昨日付けの記事に呆れた記事が掲載されてました。

記事は、今度の米国司法省の訴状にも数多く登場している疑惑の中心人物本人が、相変わらずノーテンキなことを仰っている内容なのですが、これってマジでそう思っているのですかね。

上記の日経新聞の記事からも分かるとおり、米国司法省による分厚い訴状は世界政界史上類のない国家ぐるみの巨額・巨悪の汚職/詐欺犯罪を訴えていて、それが何を意味するものかは誰の目にも明らかなのに、疑惑の中心人物のこのノーテンキ振りは異常としか言いようがありません。

私は、これは自身の信奉者向けの、内心とは裏腹な強がりステートメントではないかと思っていますが、とにかくこのニュー・ストレイツ・タイムズ(NST)紙の該当記事をお読み下さい。

New Straits Times(July 30, 2016)

Najib: 1MDB not directly involved in US Dept of Justice report
ナジブ氏:米国司法省の報告(訴状)は1MDBには直接関係ない。

KUALA LUMPUR: Prime Minister Datuk Seri Najib Tun Razak said yesterday the government strategic investment company 1Malaysia Development Berhad is not directly involved in the United States Department of Justice (DOJ) report.
クアラルンプール発:ナジブ・ラザク首相は昨日の記者会見で、米国司法省(DOJ)の報告(訴状)は、マレーシア政府の戦略的投資会社1MDBには直接関係ない、と述べた。

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Najib (centre) flanked by party vice-president Datuk Seri Dr Zahid Hamidi (left) and secretary-general Datuk Seri Tengku Adnan Tengku Mansor at press conference after chairing a meeting of the Umno supreme council. — Bernama photo
UMNO最高評議会で議長を務めた後、ザヒドUMNO副総裁(左)及びテンク・アドナンUMNO事務局長(右)を左右に従え記者会見に臨んだナジブ氏(中央) — 国営ベルナマ通信写真

He also said that the report did not contain any information or views from the Malaysian government, Attorney-General’s Chambers or 1MDB itself.
ナジブ氏はまた、米国司法省の報告(訴状)には、マレーシア政府やマレーシア法務省及び1MDBによるいかなる情報も見解も含まれてはいない、と述べた。

“Only those specifically named in the report are mentioned in the report. This means that 1MDB is not directly involved in the report.
「具体的な名指しは報告(訴状)の中で語られているのみだが、このことは、報告(訴状)では1MDBによる直接的関与が示されてはいないことを意味するものだ」

“In other words, 1MDB has no assets in the United States, and 1MDB is not directly named in the report,” the Umno president told a press conference after chairing a meeting of the Umno supreme council here.
「言い換えるなら、1MDBは米国内には資産を保有しておらず、そして1MDBの名が報告(訴状)で直接名指しされたわけではない、と言うことだ」と、UMNO総裁(ナジブ首相)はUMNO最高評議会の議長を務めた後の記者会見で語った。

Najib said the report did not take into account the views and or explanations from the Malaysian side and was compiled without referring to 1MDB.
米国司法省の報告(訴状)は、マレーシアサイドの見解や説明はなんら考慮されず、1MDBに直接言及することなく編集されたものだ、とナジブ氏は語った。

The Prime Minister said the government viewed the matter seriously and, as he had said earlier, those named in the report should clear their names in accordance with the respective rights and appropriate process.
政府は事態を深刻に受け止めている。前にも述べたように、報告(訴状)の中で名指しされた人物達は、それぞれの権利と適切なプロセスに従って、その汚名を払拭しなければならない、と首相は述べた。

“We hope that, basically, the question of settlement among 1MDB, International Petroleum Investment Company (IPIC) and Aabar Investments can follow the specific process so that the question of assets and the transferred funds can be definitively determined,” he said.
「我々は、基本的には、(1MDBに関わる)資産取得や資金移動の疑問が完全に明らかになるよう、1MDB及び国際石油投資会社(IPIC)並びにアーバー投資会社間の支払い問題が具体的なプロセスに従うことができるように願っている」と彼は述べた。

Najib also questioned the handling of the report which was given massive publicity because he said it was not a precedent case and, usually, civil suits were quite low key.
ナジブ氏はまた、米国司法省の報告(訴状)は前例がない程大規模に宣伝(公開)されたが、通常の民事訴訟は極めて地味で目立たないものなのだが、と疑問を呈した。

Asked whether the report was just a compilation of media reports, Najib said: “On the surface it would appear that it came from certain sources, but we will observe the proceedings that would follow suit because I cannot say for sure where it came from but certainly not from 1MDB, the AG (Attorney-General) or the Government of Malaysia.” — Bernama
米国司法省の報告(訴状)が単なるメディアリポートの編纂であったのかどうかを(記者に)尋ねられて、ナジブ氏は、「外面上は特定の情報源からの情報のようにみえる。我々はそれが何処から来たものかは知らないが、1MDBやAG(マレーシア法務長官)またはマレーシア政府から出たものではないことは言えるので、訴訟の成り行きを見守る」と述べた。—国営ベルナマ通信



いかがでしたでしょうか。

今日は、最近またぞろ騒がしくなってきたマレーシアメガスキャンダルのお話でしたが、益々威風堂々、磐石の態勢でそのパワーを誇示するこの国のお代官様たちに鉄槌を下す時期が本当に迫っているのかどうか、また、明日(8月1日)にも施行される新国家安全保障法(New National Security Act Law)は、今後の行方にどのような影響をもたらすものなのか、私も注意深く成り行きを見守りたいと思っています。

ではまた。。



5月7日に投・開票が行われたマレーシア・サラワク州の州議会議員選挙は当日の夜10時ごろには大勢が判明し、最終的にはBN(与党連合)が72議席、野党(DAP、PKR)が10議席と言う結果でした。

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与党側の議席占有率は87.8%で、これは、与党側の前回州選挙(2011年)の議席率78.9%(議席数56)からすると飛躍的な数字です。他方、野党側にしてみれば、たったの12%(10議席)の議席率で、目標にしていた3分の1(33.3%)以上には遠く及ばない結果に終わったわけです。

この選挙結果を受けて、案の定、与党側、特にナジブ首相ご一行様の喜びようは大層なものらしいです。国内の有力メディア上には、サラワク州の州首相が州民の信任を得たと言うのは言わずもがなですが、これでなぜナジブ首相が国民の信任を得たことになるのかまことに不思議な文言がでかでかといたるところに踊っています。

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これで2年後の国政選挙での勝利も見えた、などとあまりに周りが大喜びしているのでナジブ首相本人が、大喜びするのはまだ早い、と諌めているなどの記事もあったりして、私は不思議を通り越して、言いようのない虚脱感に襲われています。

しかしながら、一方の国内代替メディアや外国メディア、それに識者やウォッチドッグと呼ばれている民主活動家グループは、このサラワク州選挙はマレーシアの各州の中でも極めて悪辣で非民主的だと以前から報道・主張してきていましたが、今回の選挙を通じて、「サラワク州においては金と力が選挙を支配すると言う伝統的な手法がなんら変わっていない」と言う一様なコメントを出しています。

以下に紹介するのは、そのような中でも、実際に現地入りし、ご自身の目と耳で観察・取材したと言う、ブリジッド・ウエルシュ氏(トルコ・イペック大学政治学教授他)の記事です。

記事はニュー・マンデラ(New Mandera)と言うオーストラリア国立大学系の東南アジア各国情勢に特化したニュースポータルに掲載されたものですが、長年サラワク州の選挙を見て来たと言う氏の観察と分析は十分信頼に足る情報であり、反論の余地のない権威あるものと感じましたので、その一部を要訳して紹介してみたいと思います。



It’s raining money in Sarawak
金の雨が降るサラワク

BY BRIDGET WELSH, GUEST CONTRIBUTOR – 6 MAY 2016
ブリジッド・ウエルシュ(客員寄稿者) 2016年5月6日

POSTED IN: MALAYSIA
マレーシアにて寄稿

From projects and vote-buying to patronage and betting, money politics in Sarawak is raining everywhere. But, as Bridget Welsh reports, there is little concern for the long-term damages as candidates and voters seek to cash in.
(国家)プロジェクト(の約束)及び(現金等による)票買いから(個人や組織への)後援・支援(贔屓の約束)や選挙賭博まで、サラワクでの金権政治は、いたる所で金の雨が降っている。しかし、ブリジット・ウェルシュがリポートするように、候補も有権者も金儲けに執着していて、長い眼で見た社会損害(自由で民主的な政治社会への損害)にはほとんど関心がない。

More than any other state in Malaysia, Sarawak’s elections have been seen to be determined by money. Vote buying and patronage are deeply intertwined in the state’s political fabric, as many voters look at the election period as one of festivity and entertainment.
マレーシアの他のどの州よりもより、サラワク州の選挙は金で(勝敗の)すべてが決まる。 多くの有権者は選挙をお祭りか娯楽のひとつとしか見ておらず、票買いと贔屓(の約束)は州における政治構造の中で深く絡み合っている

Booze is purchased, and bounty is shared. Projects are announced, and even more ‘development’ promises are made in arguably one of Malaysia’s most neglected states.
酒(サラワク産ライスワインなど?)が買われ、補助金や義援金が分配され、(国家)プロジェクトが発表される。そして、さらに多くの"発展"の約束がおそらくマレーシアで最も軽視されてきた州の1つ(註:サラワク州のこと)でなされている。

The 2016 campaign is similarly being affected by the use of resources and highlights how uneven the playing field is in this election. Given the seriousness of the 1MDB scandal and the use of these tainted funds in Malaysia’s 2013 election, understanding the role money plays in determining the electoral outcomes is more important than ever. Money politics in Sarawak is not only intense; it is expensive. There is no question that the ruling coalition Barisan Nasional (BN) is using its control and access to resources to assure a victory in this Borneo state.
2016年の選挙運動は(これまでと)同じように、資源(金や物資など)が牛耳る選挙運動であり、これがこの選挙がいかに不公平かを際立たせている。1MDBスキャンダルの重大さや2013年の総選挙における不正資金の使用を考えた時、選挙結果を決定する金の役割を理解することはこれまでになく重要だ。サラワクの金権政治は激しいだけでなくとてつもなく金がかかる。与党連合(BN)はこのボルネオ島サラワク州での勝利のために、この金を自在にコントロールしているのだ。

Less autonomy, more dependence and projects
自治権の縮小、(連邦政府に対する)より多くの依存と(国家)プロジェクト(の呼び込み)

One important development in the 2016 Sarawak campaign is the dominance of money from the federal government. The retirement of former Chief Minister Abdul Taib Mahmud has reduced the amount of Sarawak-based political resources able to fund the election. Current Chief Minister Adenan Satem is relying heavily on federal funds for assistance, and this accounts in part for why he has allowed Prime Minister Najib Razak, under a scandal clad cloud, to play such a prominent role in the campaign. Money talks, especially in the ‘cash is king’ Najib government.
2016年のサラワク選挙運動における1つの重要な進展は、連邦政府から得た金による支配だ。前タイブ州首相の引退は選挙に使うことが出来るサラワク州の資源(予算)を制限した。なので現アデナン州首相はその分を連邦政府の資金援助にどっぷり依存しているのだ。このことが、スキャンダルに塗れたナジブ首相に今回選挙運動の重要な役割を任せている理由であり、特にナジブ政権は"現金は王様"と言うほど金がすべての政権なのだ。

Funding from the federal government takes multiple forms. Promised ‘development projects’ are the most common. Deputy Prime Minister Zahid Hamidi announced this week that federal funds promised to Sarawak reached RM20 billion (US$5 billion) of which RM16 billion is part of a multi-year project to construct the Pan-Borneo highway. These allocations come from a variety of ministries, with education, defense and rural development among the most prominent, and are often part of the 11th Malaysia Plan announced last year.
連邦政府からの資金援助はさまざまな形で行われる。選挙期間中の"(国家)開発プロジェクトの約束"は最も一般的だ。ザヒドi副首相は、サラワク州に約束した連邦政府の開発資金は既にRM200億(50億米ドル)に達し、その中のRM160億は何年にも及ぶパン・ボルネオハイウェイ建設国家プロジェクトだ。これらの予算配分は連邦政府のさまざまな省で行われ、教育・防衛・地方開発の各省が重要どころを担う。これは昨年発表された第11次マレーシア計画の一部でもある。

The use of development to sway Sarawak voters is not new, as it has been a long-standing practice. Voters regularly face the stark choice of losing road access, funds for housing and a potential new hospital if they vote against the incumbent government. Unlike the peninsula, Sarawak continues to lack basic infrastructure and services, especially in rural areas.
サラワクの有権者の心を揺さぶる(国家)開発プロジェクトの約束(の選挙戦術)はなにも今始まったことではなく、長年に渡り行われてきたことだ。有権者が現州政府(与党連合)への反対投票を行うなら、道路も、住宅も、新しい病院もなにもできない。半島(西マレーシア)とは異なり、サラワク州は特に農村部において基本的な生活基盤やサービスが不足し続けているのだ。

Project announcements are explicitly tied to political support, almost always featuring local BN politicians and a federal minister as the announcer. Najib has been the most prominent ‘gift giver’. This campaign the amount of money promised has reached new heights. Excluding the highway, voters in Sarawak are looking at an average per voter project allocation of nearly RM5000 (US$1250).
(国家)プロジェクトの発表は有権者の政治的支持(与党支持)にはっきり結びつくので、その発表は地元与党連合(BN)の政治家と連邦政府の大臣が共同で行う。ナジブ首相は最も重要なプレゼンター(ギフト提供者)であった。今回選挙期間中に約束された資金援助は過去最高額に達し、これは、ハイウェイの建設費用を除き、有権者一人当たり平均でRM5000(1250米ドル)の分配を受けたことと同じだ。

The politicisation of development projects takes two forms. They are strategically applied to areas where races are competitive. Consider for example the promised new bridge in Kampong Long Lama in Telung Usan (RM70 million) or the repairs to long houses in Limbang (RM50 million). The closer the contest, the more the promises and visits to hand out largesse.
開発プロジェクトの政治化は2つの形をとる。彼ら(与党連合側)は、選挙戦が厳しい地域に戦略的にこれを適用する。例えば、テルン・ウサン地区のロング・ラマ村には新しい橋の建設(RM7000万)を約束したり、リンバンではロングハウス(伝統長屋)の補修プロジェクト(RM5000万)を約束したりした。選挙戦が接戦であればあるほど頻繁に訪れ多額の資金援助を約束するのだ。

These political allocations also target specific communities. Najib promised the 341,000 RELA (People’s Volunteer Corps) members of Sarawak RM20 million for new uniforms. This is almost a third of the electorate, in a group that is seen to be closely aligned with the government. Similarly, there are promises to military and government personnel, with announcements of a new headquarters (RM 20 million) in Lanang and RKAT homes in Miri (RM94 million). Security personnel in Sarawak make up 25,022 0f the electorate, as early voters in many competitive contests, such as Dudong in Sibu.
これらの政治的な資金分配はまた、特定の組織・団体をターゲットにしても行われる。ナジブ首相はサラワク州RELA(国民義勇軍=予備役のような組織)の34万1000名のメンバーに新しい制服(RM2000万)を約束したが、このRELAは実にサラワク全体の有権者の3分の1に当たり、現政府と密接な関係を維持している。同様に、軍人と政府職員に対してはラナンに新庁舎建設(RM2000万)を約束したり、ミリにRKATホーム(軍人住宅)の建設(RM9400万)を約束した。サラワク州の軍や警察などの保安要員は有権者中25,022名で、シブのドドンなど多くの接戦地域において期日前投票が行われた。

Another key element of the targeting of voters involves strategic allocations to schools, churches, mosques and long houses. The state government has matched many of the religious donations that now reach over an estimated RM50 million, including promises to 110 churches in competitive Ba’kelalan. In return, posters and flags are often on display, with a striking number of churches in this election flying BN colors.
有権者を対象とするもう一つの鍵となる要素は、学校、教会、モスク及びロングハウス(伝統長屋)に対する戦略的な資金配分だ。州政府は、現在RM5000万に達した宗教的寄付金をもって接戦地域のひとつであるBa’kelalanに110の教会を約束した。その見返りとして、選挙期間中、数多くの教会には与党連合(BN)のポスターが貼られ、BNの旗が舞っているのだ。

アデナン州首相の写真と与党連合(BN)の旗が舞う市内

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Costly vote-buying and constituency engagement
高くつく票買いと選挙区における約束

Money politics in Sarawak extends directly to individual voters beyond promises and projects. Voters are also given money and other favors directly. The amount of money involved here is estimated to reach well over RM1 billion. As in GE 2013, the Sarawak polls has featured regular ‘free’ dinners. These are not under the 1MDB label as occurred in West Malaysia, but are clearly organised by BN officials wearing their signature navy blue.
サラワク州における金権政治は、開発プロジェクトや資金分配の約束の他、直接個々の有権者にまで及んでいる。有権者は現金やその他のもてなしを受けるが、このための資金はゆうにRM10億を超えている。2013年の国政選挙の時と同じく、サラワク州では選挙期間中、無料で食事が提供される。サラワク州においては西マレーシアとは異なり、1MDBスキャンダルの影響下にはなくネイビーブルーのおそろいのシャツを着たBNのスタッフによって明確に組織されているのだ。

Thousands are given a free meal, and prizes are raffled off as voters are encouraged to support the incumbent coalition. Many leave with a door prize of RM1000 or even higher. To put these funds in perspective, the Najib government has announced a new monthly minimum wage of RM920 during the Sarawak campaign. Amounts given are more than some monthly wages, and there is more expected on the final day of polling.
一度に何千もの人々が無料で食事を提供されるほか、現職候補への支持を取り付けるための賞品くじもある。食事会場入り口で配られたくじに当選した多くの人々はRM1000かそれ以上の賞品をもらうのだ。また、ナジブ政権はこれに呼応して、サラワク選挙期間中の最低賃金を月RM920にすると発表した。これまでに与党連合(BN)を支持する有権者に与えられた様々な金品の総額は、人々の一ヶ月分の収入を上回るものだが、投票日当日にはさらなる金品が期待されている。


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Betting is back
選挙賭博の復活

The final dimension of money politics involves a different empowerment of local business, a resurgence of the local underworld. Funds are being reportedly used through betting to sway votes in some close urban contests. This system works by a financial backing of the odds that creates a situation where the person wins money if the results are in the favour of the financial backer’s choice of candidate.
金権政治の最終的な広がりは異なるローカルビジネスへの権限付与、つまり地元闇社会(犯罪社会)の復活にまで及んでいる。伝えられるところでは、都市部の接戦地域にあっては票を得るために選挙資金が賭博を通じて使われている。このシステムは賭け率への財政支援によって機能する。つまり資金提供者が選択する高いオッズの候補者が当選した場合には、その候補者に賭けた有権者に対してオッズに応じた賭け金が支払われるのだ。

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What is also clearly affecting the campaign is where some of the candidates are using their own money. The number of millionaires running is much higher than in West Malaysia. In some cases, as appears in the seat of Repok, the candidate is splashing funds in an unprecedented manner. Some of the wealthy candidates appear to have links to the underworld and are seen as local ‘gangster’ figures. Voters are questioning ties to the underworld and sources of funding.
選挙運動に明らかに影響を及ぼしていることは、候補者の何人かがどこで彼ら自身の金を使っているのかということだ。百万長者の数は西マレーシアよりも東マレーシアが遥かに多い。中には、レポック選挙区の議席争いに見られるように、候補者が前例のない方法で金をばら撒いている。富裕な候補者の中には闇社会との関係があるかに見える候補者もいて、ローカルのギャングスターと見られている。有権者はこれらの候補者の闇社会との関係や選挙資金の出所に疑念を抱いている。

From projects and vote-buying to patronage and betting, money politics in Sarawak is raining everywhere. In fact, in some constituencies, there are floods of funds. The amount collectively spent to woo the 1,138,650 voters has exceeded that of any state election in Malaysia. Easily one can estimate that the funds in this Sarawak election for slightly over one million voters are reaching at least at third of what was spent in GE 2013 for slightly over 13 million voters.
(国家)プロジェクトの約束と票買いから後援・支援の約束(贔屓の約束)や選挙賭博まで、サラワク州においてはいたるところで金権政治の雨が降っているが、実際、いくつかの選挙区では資金が氾濫している。サラワクの1,138,650人の有権者の票を得るために費やされた選挙資金は、マレーシアのどの州の選挙をも上回っている。百万を僅かに越えるだけの有権者人口のサラワク州選挙が、1300万有権者人口による第13回国政選挙に費やされた選挙資金の約3分の1に達しているのだ。

The massive injection of federal funding, including both projects and patronage, combined with mysterious election slush funds and splash local spending reinforces the view that this election is being bought. The Najib government appears to be willing to spend this amount to assure its political survival. The impact of Najib’s ever-increasing electoral spending only makes the electoral system more uneven and creates serious distortions in the priorities for development and well-being of Malaysians, including Sarawakians.
連邦資金(プロジェクトと後援・支援を含む)の投入と不可解な選挙裏金とが組み合わさり、派手な地元の金遣いがこの選挙が金で買われた選挙だと言う見方を堅固にしている。ナジブ政権は、自身の生き残りのために喜んでこれらの資金を提供しているように見える。ナジブ氏の絶えず増大する選挙費用は、選挙システムをより不公平にし、マレーシア人(サラワク人を含む)の発展と幸福のための優先順位に重大な歪みを作るのみだ。

There is little regard to the damages money politics is causing Malaysia as unlike the rain, it is tied to a Najib reign.
普通の雨降りとは異なり、金権政治の金の雨がマレーシアに及ぼす危害について人々に関心はなく、それはナジブ首相の統治手法に由来している。



うーーーーん、これはとんでもありませんね。ナジブご一行様もサラワクの与党連合のみなさんも、悪辣すぎて声もでません。こりゃとても、選挙と呼べる代物じゃないですね。Bersihの皆さんが選挙制度の改革を叫んでいる理由が痛いほどわかります。

もっともこれは今に始まったことではなく、昔から続いている伝統的手法とのことで、今回の結果も戦う前からおよそ検討がついていたことなのだそうですが、これじゃあ、世界はマレーシアの2020年の先進国入りなぞとても認めるわけにはいきません。

と言うよりマレーシアの恥さらしですよ。5月8日のマレーシア・キニの記事には、今回選挙における摩訶不思議な投票率のことが出ていましたが、それによると、投票日当日、夕方の4時までは毎時、現在投票率の選管発表があり、夕方4時の時点で52%。ところがそれ以降は発表がぱたりと途絶え、深夜になっていきなり70%が発表されたとのこと。4時以降の途中経過は未だに黙して語らずなのだそうですが、これなど票の不正操作があったのではないかと疑われても仕方がないですよね。

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いずれにしても、2大メガスキャンダルに揺れるナジブ首相が、国内最悪の金権選挙にさらなる肩入れを行い、灰色どころか真っ黒な選挙結果をして、これで国民の信を得たも同然とは良く言ったものです。

しかしこのことは、国内外のすべての人たちがじっと見ている。いずれ手厳しい結果になる、と良識ある誰もがそう感じているのです。

ではまた。。


昨年7月のサラワクリポートとWSJの報道以来、この国の政界トップの桁違いの汚職疑惑に興味を持ち、各種メディアの記事を追い始めてから約10ヶ月が経ちますが、元来、政治などにさほどの興味があるでなく、ましてマレーシアと言う良く分かっていない国の政界事情など、私のようなド素人に簡単に解るわけもありません。毎日が不思議不思議の連続です。

今日(5月4日)、マレーシア・サラワク州の州都クチンでナジブ内閣の定例閣議(the weekly cabinet meeting)が行われたそうですが、これなどもなぜサラワク州で閣議なのだろう?と不思議に思いました。

その閣議出席のため、内閣の全閣僚(37名)がサラワク入りしているのだそうですが、南シナ海を挟んで遥か彼方のボルネオ島にナジブ首相以下全大臣が集まっておられる訳ですね。

これって何のためと思います?ご存知かも知れませんが、目下サラワク州は5年に一度の州議会議員選挙戦の真っ只中にあります。今週の土曜日(5月7日)が投票日と言うことで与野党の陣営が激しく選挙運動を繰り広げている最中なのです。

その慌しいサラワク州の州都クチンで閣議だって?これって事情をよく知らない誰もが不思議に思いますよね。でも、言われて見ればなるほどの簡単屁理屈なんです。

昨日のマレーシア・キニの記事タイトルに"Cabinet meeting in Kuching to support S'wak - Zahid"とありましたが、これは早くから現地入りしているザヒド副首相↓が、閣議はサラワク州をサポートするためのものだと記者発表したのだそうです。

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どういうことかと言うと、さらに早い一ヶ月以上前からからサラワク入りし、アデナン州首相を密着応援しているナジブ首相の提案なのだそうですが、アデナン氏の選挙戦を総力を挙げてサポートするため、アデナン氏のビジョン(選挙公約)に対して、連邦政府の全閣僚がコミットメントするのだそうです。

つまり閣議は名目で、実態はサラワク州与党連合への選挙応援なのですね。内閣総動員で州選挙の応援に駆けつけるなんて、日本で言えば、沖縄の県知事選挙応援のために首相以下全大臣が東京から那覇に一斉に飛ぶようなもので、ちょっとどころか大いに違和感ありありですよね。

なんと大袈裟なと思いましたが、これにはやっぱり裏がありました。しかし、我々がこれらのことを理解するには、まずサラワク州の選挙事情のことなどを知る必要がありますが、これについては、森下明子氏(日本学術振興会特別研究員・京都大学)が、「なぜサラワクとサバではBNが「圧勝」したのか(2008年マレーシア総選挙の現地報告と分析)」と題して氏の分析結果を公表しておられます。大変興味深く信頼に足る分析だと思いましたので、参考までにその一節(抜粋)を紹介したいと思います。



今回のマレーシア総選挙において、「大敗」した国民戦線(BN)が獲得した連邦下院議席数は140(総議席数222)であったが、そのうち4割に近い54議席がサラワクとサバの議席であった。サラワクBNは連邦下院31議席中30議席を獲得し、サバBNは25議席中24議席を占めた。

サラワク州の政治は、基本的にクアラルンプールの政治とは連動せず、サラワクBNが連邦下院に連邦BNを支持する議員を多く送り込み続ける限り、クアラルンプールのBN首脳部はサラワクの政治に干渉しないできた。

今回の総選挙におけるサラワクBNの圧勝は、これまでの選挙と同じく、基本的にBN候補による票買いと賭博の利用によってもたらされたといわれる。票買いは特に投票日の2、3日前から頻繁に行われ、村では小額のところで1人10~50リンギット、町では野党の党勢が強いところになると、BNのボランティア・スタッフに登録すると最大で1人1500リンギットが支払われたという。また賭博の利用とは、選挙期間中、町のあちこちで今回の総選挙で誰が当選するかが賭けられ、賭けの元締めと通じたBN政治家が配当金資金提供者となって、BN候補に高いオッズがつけられた。そうすると、賭けに参加した人たちの大半は高いオッズのBN候補に賭け、投票日には、賭けに勝つために、友人や隣近所の人々にもBN候補への投票を促した。BN候補が当選すると、BN候補に賭けた人びとには賭け金が倍になって返ってくる。言ってみれば票買いの変形パターンであり、こうした賭博がサラワクのいたるところで行われたという。

(以上、森下明子氏「2008年マレーシア総選挙の現地報告と分析」から引用)



いや驚きました。票買いと賭博ですって。。こんなことが堂々と行われているんですね。元々、森林資源や海洋資源が豊富なことも相俟ってガチガチの保守地盤なのだそうだから、なにもしなくても与党連合の勝利は揺るぎそうにもないのになぜ?と不思議に思います。

しかしながら、上の分析結果(抜粋)は2008年マレーシア総選挙時のこと。その後の2013年、つまり直近の総選挙をみてみると、BNの連邦下院議席数はトータルで7つ減らして133(総議席数222)、そのうちの47議席がサラワクとサバの議席、サラワクBNは31議席中25議席、サバBNは25議席中22席、と言う結果でしたから、サラワク州は5議席、サバ州では2議席、2008年選挙よりも減っていると言うことは、BNが減じた議席の全部がボルネオ島の議席数と言うことなんですね。

さぁ、そこでナジブ首相の登場なんです。2年後のマレーシア総選挙を控え、最早"まな板の鯉"状態の首相にとって頼りになるのは東マレーシア、つまりサラワク州とサバ州です。西マレーシア(半島マレーシア)の各州は、首相のスキャンダルが津々浦々にまで周知されていることから普通に考えればまことに分が悪い。ところがボルネオ島はKLからは物理的に遠いこともあって、現下の2大メガスキャンダルのことなどあまり話題にはなっていないらしい。

2年後の国政選挙においてナジブ氏が生き残るためには、2008年の総選挙同様の活躍をボルネオの2州に期待しないわけにはいきません。特ににサラワク州は、マレーシアの他州とは異なり、州選挙の実施サイクルが国政選挙と同期していません。つまり独自の周期で州議会選挙を実施しているのですが、それ故、今次サラワクの州議会議員選挙は2年後の国政選挙の前哨戦とも言われています。

ナジブ氏としては、その前哨戦の今回サラワク州選挙においては何が何でも、アデナン州首相率いる与党連合に圧勝いやできれば全勝してもらいたい、そして野党を完膚なきまでぶっ潰してもらいたい。そのことが、2年後の国政選挙におけるボルネオの議席回復を確実にし、ひいては自身の生き残りに繋がる、いわば自身の政治生命を賭けた戦い、と考えているのではないでしょうか。

もちろん首相がこければ大臣もこける、首相以下全大臣の、生き残りを賭けたなりふり構わぬ必死の形相が見えるようですが、それにしてもザヒド副首相の、選挙で与党連合が勝ったら(地域に)学校をプレゼントする、なんて約束は、まるで国民の税金を使って堂々と票買いするようなものではないですか。

もちろん最後には現金ばら撒きによる票買いと賭博なのでしょうが、可愛そうなのは野党の候補です。だって、半島マレーシアから野党のリーダーや、民主活動家たちが応援演説などのためサラワク州に入ろうとしても、大勢の方がイミグレでシャットアウトされ入れないのだそうですから。

なんでこんなことが可能かって?そうなんですよ、ボルネオ島の2州は、中央政府との協定により、パスポートコントロールを含む高度な自治権を有しているため、州政府の独自判断でこんなこともできるのです。

だから、与党の候補は首相以下全大臣の応援付き、しかも各大臣は国税をふんだんに使ってヘリコプターや軽飛行機などで広大なサラワク州の全土を飛び回り与党候補に密着応援ですよ。こうなると野党の候補は最初からハンディを背負っているようなものですが、5月7日の開票結果は彼らの思惑どおりにさて与党の全勝となるのでしょうか。

マレーシア・クロニクル(ブロック中)の記事にありましたが、まったくサラワクの州選挙は世界でも名高い最悪の犯罪選挙運動(Criminal Election Campaign)に他なりません。しかしこうなると、民主的どころか犯罪の巣窟のようなとんでもない選挙であって、民主的で穏健なイスラム国家=マレーシア、と言う私のこれまでの思い込みは180度改めざるを得ませんね。

しかし、それもこれもこの国の富を搾取するひと握りの悪代官たちが元凶なのだと思います。ほとんどの国民は評判どおりに穏健で平和な人たちです。

それを言いことに悪びれもせず堂々と汚職犯罪を重ね知らぬ存ぜぬの一点張り。それに気付き声を上げる一部の政治家や活動家らに対しては法を乱用しまくり、力づくで押さえつける。

まったくこの国の悪代官たちのことを知れば知るほど腹が立ってきますが、それでもやがては日本のように本当に民主的で平和な国に生まれ変われることを期待しつつ、その日が来るのを穏健で平和な大多数の国民と共に待つことにしたいと思います。

今日の最後に、今回サラワク州選挙でどれほどの議席を獲得できるのかどうか、圧倒的に強大な与党連合に健気にも立ち向かうサラワク州最大野党のサラワク民主行動党(Sarawak DAP)の今回選挙キャンペーンソング&ビデオ「ダイヤモンドドリーム」を紹介します。



ではまた。。



一昨日のマレーシア・キニの記事を読みながら正直言って腹が立ちました。周りからは、この国の国民でもなく、税金だってロクに納めていない人間なのだから腹を立てるなんて意味ないよ、と言われるのですが、私としては、正義と不正義が逆転しているようなこの国の今が許せないのです。

だってそうでしょう、これまでの国内外メディアの数多くの記事を素直に読む限り、ほぼすべての信頼できる情報が、世界政界史上類のない巨額汚職と言う国家要人の重大犯罪の存在を明らかに示しているのに、なぜ未だに疑惑が疑惑のままで一向に前に進まないのだろう?

疑惑の中心人物や関係人物が堂々とあり得ない正義を主張し続けていて、このままシラを切り通せば、疑惑が疑惑のままで終わるとでも思っているかの節がありありで、不可解で不可解でしょうがないのです。

それにしても改めて思うことは、日本ではこんなことが決して起こらないし、起こる筈もない。日本と言う国の政治システムや国民意識がいかに成熟しているかの証左です。でもこの国の政治システムや国民意識はまだまだ未成熟、と言うか発展途上です。だからこそ、そうであってはいけないのだと主張し活動を続けている一部の人たちを、この国に住まう外国人の一人として陰ながら応援したいのです。

以下、マレーシア・キニ、2016年4月26日の記事の紹介です。



Najib says Citizens' Declaration to oust him is legally wrong
ナジブ首相、自分を追い落とすための"市民の宣言"は違法、と主張

Malaysiakini
Published 26 Apr 2016, 10:34 pm Updated Today 1:50 am

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Prime Minister Najib Abdul Razak said the petition to oust him, dubbed the 'Citizens' Declaration', is wrong in law.
ナジブ首相は、「自分を追い落とすための市民の宣言と呼ばれる嘆願は、法的に間違っている」と言った。

In his state of the union speech on live television tonight, Najib stressed that Malaysia was a country that has rule of law and said the declaration went against this but avoided specifically mentioning the Citizens' Declaration.
今夜(4月26日)のテレビ生放送の一般教書スピーチで、ナジブ氏は、マレーシアは法治国家であることを強調し、「宣言はこの法律に違反している」と語った。しかし、彼は市民の宣言(の違法行為)に対する具体的な言及は避けた。

"We must remember that this is a sovereign and independent country with rule of law.
「我々は、この国が法の支配による主権・独立国家であることを忘れてはならない」

"Meaning we cannot do as we please by urging the rakyat to act outside the limits of the law and what is enshrined in the federal constitution.
「この意味は、我々は、国民をして法の範囲と連邦憲法の定めを逸脱させようとするような好き勝手なことはできないと言うことだ」

"This includes making certain declarations - supposedly to collect signatures as a referendum for uncertain purposes.
「このこと(許されない好き勝手な行為)は、なにか特定の宣言を行い、目的不明の、恐らく国民投票的な署名集めを行うことも含んでいる」

"Know that all this is wrong in terms of the federal constitution and the country's laws," he said.
「これは連邦憲法とこの国の法律に違反することだと言うことを知りなさい」と彼は述べた。

Najib likened the actions of his opponents to prodding a hornet's nest but said he remained a big hearted person.
ナジブ氏は、こんな彼の反対派の行為を「蜂の巣を突っつくこと(大騒ぎさせるだけのこと)」に例えたが、自分は寛容な人物だから(これを黙って見過ごしているのだ)と語った。

The address today is an annual event for Najib to update on his transformation plan which he initiated after coming to power in 2009.
今夜の(ナジブ氏のテレビ生放送による)声明は、彼が首相就任の2009年以降に開始した(この国の)変革プランについての現状を語る年中行事の中でのことだった。

The Citizens' Declaration was initiated by a group of 45 eminent leaders including former premier Dr Mahathir Mohamad.
市民の宣言は、マハティール元首相を含む著名人45名のグループによって開始された(ナジブ首相の追放)運動である。

The movement is now seeking one million signatures from the public in a bid to pressure the conference of rulers to remove Najib as prime minister.
運動は、ナジブ首相を追放するため、(王族による)統治者会議に圧力をかけようとして、現在市民から100万の署名集めを行っている。

Mahathir had accused Najib of corruption and vowed to unseat him. Najib denied any wrongdoing.
マハティール氏はナジブ氏を横領で訴え、彼を辞任に追い込むと誓っているが、ナジブ氏は全ての不正行為を否定している。

"At this time, there are certain groups that are creating disturbances and chaos, trying to make things unnecessarily difficult and doing everything to test our patience.
「現在、騒動と混乱をもたらしている特定のグループがいて、ものごとを不必要に難しくし、我々の忍耐力を試そうとあらゆることをしている」

"However, at this point I still choose to be magnanimous and lead the government that is also a magnanimous one," he said.
「しかし現時点では、私(ナジブ首相)はまだ寛大であり、これまた寛大な政府をリードしている」と彼は述べた。

Najib stressed that his government will not be distracted by these developments will remained committed towards fulfilling the country's development plans.
ナジブ氏は、「彼の政府は国の開発計画を成し遂げる方向にあり、この開発意思には幾許の揺らぎもない」と強調した。



いやいやいや、なんと言うか、噴飯ものだと思いませんか?「市民の宣言」運動が憲法違反だとか法律違反だなんて、よく言えたものですよね。違法の該当条項もなにも示さず、ただ違法だ、違法だなんて、子供の教育にも悪い。もし、本当にそう思っているなら、ナジブ氏子飼いの法執行機関を使って、100万の国民を逮捕してみたらどうですか。

自分は寛大だから見て見ぬフリをしているのだ、なんて思わず失笑してしまいそうです。いつかの記事で厚顔無恥か、寡廉鮮恥かと例えましたがまさにそのとおりだと今更ながら思います。

・・・なんて腹を立てながら、記事の後ろについている読者コメントを読んでいたのですが、・・・・・・・・うーん、すべてのコメントが私と同じ怒りのコメントですよ。ただのひとつもナジブ氏擁護のコメントはありません。

もちろん、マレーシア・キニの読者コメントですから、そこはある程度割り引かないといけないのかも知れませんが、私は、これがこの国の市民の今の素直な気持ちを代弁していると思いますよ。もちろん民族に関係なくです。(周囲の知人・友人と話しているとそれを如実に感じます) でも、このことがなぜ政権トップに届いていないのか、摩訶不思議と言うほかありませんね。

以下はマレーシアキニの記事に付いた読者コメントです。4月27日、夜7時時点で62のコメントが投稿されていましたが、その一部を最新投稿コメントから抜けなく順にいくつかピックアップしてみました。ご参考までにどうぞ。



comments

Vent
You are either ignorant Najib or dont wish to know of the fate that has befallen many a cruel and corrupt leader. The 'Citizens' Declaration' is a very mild response to all your and shenanigans. In the Phillippines they stormed the presidential palace when they couldnt stand it any more. And in Rumania Ceaușescu and his wife Elena were shot by a firing squad after they tried to flee. And how about Sadam Hussein's ignominious end or how Gaddafi died like a dog on the street? But we Malaysians are a reasonable lot and will spare you the last three scenarios. Just surrender!
あんたは無知なのかそれとも多くの冷酷な汚職リーダーが落ちた運命の事実を知りたくないのか。「市民の宣言」なんて、あんたの・・偽善にしてみれば柔和なもんだ。フィリピンでは我慢に耐えかねた人々が大統領官邸に押し寄せたし、ルーマニアではチャウセスク(大統領)とその妻エレナが逃亡しようとして銃殺された。サダム・フセイン(イラク大統領)の不名誉な最期はどうだ。そしてカダフィ(リビア最高指導者)は路上で犬のように野垂れ死んだのだ。しかし我々マレーシア人はもっともっと合理的だ。せめて最後の3つのシナリオ(ルーマニア、イラク、リビアのシナリオ)は免じてやるから、とっとと降伏しろ!
3 hours ago

Santana
The citizens' declaration will show how much the rakyat love the PM and the FLOM both of you have cause the misery of the life of the ordinary rakyat whilst you are enjoying your ill gotten billions at the expense of the ppl, mahathir knows what is going on in the country and he knows that najib by killing all the institution under his thumb AG,IGP and lately the judiciary so what choice does he has to get rid of najib ?
「市民の宣言」は国民がどれほど首相とFLOM(First Lady of Malaysia=首相夫人)を愛している(皮肉?)かを示すものだよ。あんたたちが、騙し取った数十億もの国民の金で楽しんでいる間、あんたたちが普通の人々にどれだけ悲惨な生活を強いたのか。マハティールは、この国に何が起きているのか、そしてナジブの掌中にある法務(司法)長官や警察長官や最近では司法組織によって調査機関(MACCなどの)が抹殺されているかを知っているのだ。だから、ナジブを引きずり下ろすためにはどんな手段を選択しなければならないのかだ。。
3 hours ago

Pat88
"We must remember that this is a sovereign and independent country with rule of law." Yes indeed.......so you should be behind bars for what you have done so far!!
「我々は、この国が法の支配による主権・独立国家であることを忘れてはならない」 そう、そのとおりだ・・・・だからあんたはこれまでしたことのためにムショ(刑務所)に入らなければならないのだよ。
4 hours ago

Anonymous 1281621434255574
Normal people will step down under this situation but you need a citizen declaration to do it. Even this, we still can't pull you down. Don't talk about legal or illegal. Just wait for election
普通の人ならこの状況では辞めるだろうよ。だけどあんたの場合は「市民の宣言」が必要なのだよ。これでもまだ我々はあんたを辞めさせられないでいる。合法とか非合法なんて言うなよ。黙って選挙を待ってろよ。
5 hours ago

Mamadias
When laws are abused by ruling powers then morality kicks in. So since this country prides itself in morality then its only morally right do the right things. Hope you understand this basic tenets of Islam you bugis warrior..
法が政権力に乱用される時は道義も破られる。この国は道徳的なプライドが高い国だから道徳的に正しいことのみが正しいことなのだ。あなた(ナジブ氏)は、ブギスの戦士(訳者註:ナジブ氏の出自とされている)としてこの基礎的なイスラム教義を理解することを望む。
6 hours ago

Eagle
In any democratic country the PM would have resigned long ago. Only a shameless PM like you would stay and still protest your innocence. You better go and take your Ros Mamma with you.
他のどんな民主主義国家でもとっくの昔に辞めてるよ。あんたみたいな恥知らずの首相だけ居残って無実を主張しているのだ。去った方がいいよ、ロスママ(訳者註:ロスマー首相夫人)を連れてね。
6 hours ago

Anon1
When laws have been abused, when unjust laws are passed, when the government itself is involved in illegal and fraudulent transactions, when law enforcement agencies fail to act, why should it matter that the ousting of a bumbling kleptocrat is via legal means or not?
法律が乱用された時、不当な法律が可決される時、政府自体が違法で詐欺的な行為に関わっている時、法執行機関による執行ができない時、ブンブン言う詐欺的政治家を追い落とすことが合法的かどうかなんてなぜ言うのだ、重要なことではないだろう。
6 hours ago

Cookie Lyons
'Cash is King' zero integrity PM, shameful. Do the country a favor, just GO.
金がすべてだ、なんて清潔さゼロの首相だ、恥ずかしい。ちょっと国からお願いがあるんだけど・・・・ただ去ってくれよ。
6 hours ago

boeyks
Magnanimous from a Ketuanan Its like seeing cows can jump over the moon or the cow had done something wrong Just listen to some of the AGM speeches !!! My foot !!'
最高権威者(ナジブ氏のこと)が寛大なんて、牛が月を越えて跳ぶのを見るようなものだ、または牛がなにか間違いをして年次総会のスピーチを聞くようなものだ。そんなことはあり得ない!
6 hours ago

Pahatian
What the people do is wrong and whatever you do is right. Do I miss out something? Food for thought.
人々がやることは間違っている、そしてあんたがすることは何でも正しい。私はなにか見落としてるかな、判断材料とか。。
7 hours ago



以上、最新コメントから抜けなく10コメントをコピペしてみました。この後にも同種コメントが延々と続くのですが、目下のところ、全てが怒り・否定のコメントのみです。ナジブ氏肯定のコメントはただの1件もありません。マレーシア・キニの編集部で意図的に編集しているのなら別ですが、そうでないなら、まだこの国の国民意識は健全だ、そう思いたいです。

ではまた。。

前回記事で書いたPACの1MDB報告書の議会提示のことですが、案の定、BN(与党連合)サイド、とりわけUMNO及び政府部内からはまるで鬼の首でも獲ったかのような戦勝ムードのステートメントのオンパレードです。

「これで非民主的な政権転覆を狙う反対派の主張が誤りだと証明された」とか「不毛な議論は止めて国家国民のため前を向いて進むときだ」とか、さらには「ナジブ首相はこれまでよく耐えてくれた」などと言うとんでもない活字が主流メディア上に踊っているものだから、私なぞは益々憤慨して、お陰で正常に戻っていた血圧が再上昇しそうです。

やはり、政府の厳しい検閲下ある主流メディアはこんな時はクソの役にも立ちませんね。首相や現政権に対する提灯記事ばかりでこんなの読んだらストレスが溜まるばかりです。(しかし彼らとて生活がかかっているわけですから、お上に目をつけられて廃業に追いやられたらと怖れる気持ちは良く分かります)

マレーシア・インサイダーが先月(2016年3月)廃業に追い込まれてからは、孤軍奮闘の感があるマレーシア・キニとて内心ハラハラドキドキものではないでしょうか。丹念に記事を読んでいると、執筆者さんのそんな、書きたくても書けない忸怩たる思いが伝わってくるような気がします。

ところで、現政権は、自国民に読ませたくない、目に触れさせたくないオンラインメディアをいまだにブロックしているわけですが、前にも書いたように、賢いネットユーザーなら誰でも知っていることですけど、こんなブロックいくらでも突破できるのです。

私の大のお気に入りだったマレーシア・クロニクルにせよ、あるいはマレーシアのホィッスルブローワーとして世界に名を上げたサラワク・リポートにせよ、正面からアクセスするとブロックされてしまいますが、ちょっと迂回することによって簡単にアクセスができるのです。(一番簡単な迂回方法はグーグル翻訳をプロキシサーバーとして利用することだと思いますが、詳しくはこちらをどうぞ。)

なので私はお気に入りのサイトがブロックされた以降もブロックを迂回して、これまでどおり気になる記事をチェックしているのですが、4月10日のサラワク・リポートの記事を読んで久々に溜飲を下げました。

既にアクセスブロックされている同紙ですので、心置きなく何でも書ける状態なのでしょうか、今回のPACリポートに関し、見事な謎解きをしてくれているのです。

今回はそんな「サラワク・リポートが解き明かす1MDBの怪」と題して同紙の記事を紹介してみたいと思いますが、記事はかなりの長文ですので、ところどころ少々端折った意訳(要訳)としていますが悪しからずご了解下さい。



PM's Signature (And Only His Signature) Was On Every Decision Of 1MDB
1MDBのすべての決裁文書に首相の単独署名
Sarawak Report
10 April 2016

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↓ナジブ首相の署名
nadibsignature.jpg

All last year Najib and his circle were demanding that Malaysians 'be patient' and wait for the findings of the Auditor General's report into 1MDB to be completed.
昨年一年間、ナジブ首相とその周辺は国民に対し、1MDBの件は会計監査院報告が終了するまで待てと言っていた。

When it was finally completed, twelve months later, they declared it an 'Official Secret'!
会計監査院報告はそれから12ヶ月を経てようやく終了したが、今度はそれを公務秘密(非公開)に指定したと宣言した。

To make their meaning as clear as possible, prominent PKR MP, Rafizi Ramli, was arrested on the steps of Parliament last week for threatening to reveal further information about Tabung Haji payments to 1MDB, which they had also handily classed as an 'Official Secret' ,
野党PKRの著名なラフィジ議員が、先週、公務秘密の暴露容疑で逮捕されたが、そのことはこの意味をより明確にした。(誰も公務秘密を暴露してはならないということ)

Therefore, the Parliamentary Accounts Committee report has presented a highly important remaining insight into the scandal, even though MPs were denied a great deal of crucial information with respect to what they identified as a missing US $ 7 billion (RM28 billion) from the fund. This is the total figure which 1MDB has invested in mysterious foreign companies, for which they have zero financial information provided to either the PAC or the Auditor General (whose report the MPs HAVE been allowed to see, but not publicize).
PAC報告には行方不明の70億米ドル(280億リンギ)に関する決定的な情報はなかったが、スキャンダルを見通す上での重要なことがらを明らかにした。この70億米ドルとは1MDBが得体の知れない外国の会社に投資した金額の総額だったが、1MDBはこの外国会社の財務・会計資料をPACにも会計監査院にも一切提出していない。



The amounts are missing, according to PAC member Tony Pua:
1MDBの行方不明資金の内訳(PACメンバー、トニー・プア議員)

• The sums of US $ 700 million and US $ 330 million, which were misappropriated toGood Star Limited, a company unrelated to the purported 1MDB-Petrosaudi joint venture in 2009 and 2011.
・1MDBとペトロサウジの合弁企業とは無関係のグッドスター社に支払った7億米ドル及び3億3000万米ドル

• US $ 3.51 billion, which was paid to a British Virgin Islands (BVI) incorporated Aabar Investment PJS Limited "Aabar (BVI)" in the form of collaterals, options termination compensation and further unexplained "top-up security" payments despite obvious doubts over who Aabar owns (BVI).
・英国領ヴァージン諸島(BVI)にあるオーナー不詳のアーバー投資ファンドに支払った35億1000万米ドル

• US $ 940 million worth of "units" which was parked at the Swiss branch of Bank BSI Bank in Singapore.
・シンガポールのBSI銀行スイス支店に留め置かれた9億4000万米ドル相当のユニット

• another US $ 1.56 billion of investments by 1MDB's wholly-owned foreign subsidiary, 1MDB Global Investments Limited, which also could not be verified by the Auditor-General.
・1MDBの海外完全子会社の1MDBグローバル投資ファンドによる15億6000万米ドルの投資(会計監査院未確認)



The PAC report detailed how CEO Shahrol Halmi had shockingly defied his Board to go ahead with expensive borrowing and investments such as the Petrosaudi joint venture, which had been specifically vetoed by board resolutions pending further research - all confirmation of the course of the concerns which Sarawak Report has reported extensively over the past year.
PAC報告は、前CEOのシャロル・ハルミ氏がいかにして社の取締役会を無視して、巨額の借入れや投資を行ったかを詳述しているが、それらはこの1年サラワクリポートが報じてきたことだ。

The PAC committee has therefore recommended that Halmi be criminally investigated.Furthermore, it has made another crucial set of recommendations, which require the dismantling of an unusual clause governing 1MDB, namely Section 117 - also the abolition of the company's so-called Advisory Council.
したがってPACは、前CEOのシャロル氏をさらに刑事的に調査することを勧告した他、1MDBの運営管理を定めた異常な117条項の廃止及び同社経営諮問委員会の解散を勧告した。



Section 117
(1MDB会社定款)第117条

The significance of the PAC demand for the removal of the provisions of Section 117 has so far been downplayed, particularly by Najib's supporters, who have suggested that the report totally exonerated Najib and "proved" he had no responsibility for the disastrous decisions of 1MDB. This could not be further from the truth.
これまでのところ、PACの117条項の廃止勧告はナジブ首相の支持者たちによって軽視されている。なぜならPAC報告で首相の疑惑は晴れ、首相に1MDBの最終的な同社の取引決定権はなかったことが証明されたからだと言う。しかしこれはまったくの誤った見方だ。

The clause, according to the evidence of the committee, was introduced into the articles governing 1MDB in September 2009, at the time when it was officially converted from its original title and purpose as the Terengganu Investment Authority and re-named 1MDB.
(会社定款の)117条は、ファンドが2009年9月にテレンガヌ投資庁から公式にその名前が1MDBに変わった時、会社定款に書き加えられた。

Section 117 of the total transferred power over the newly fashioned 1MDB into the hands of the Minister of Finance, who is named as the sole shareholder and signatory of the company. Furthermore, it goes so far as to specifically forbid the normal representation of officials from the Ministry of Finance to sit on the Board of the company, even though it was supposed to be a 100% subsidiary of this department of state.
117条は財務大臣を唯一の株主とし会社の署名者とすることを規定し、1MDBを完全に財務大臣単独の管理・監督下に置くことを規定した。そのため117条は1MDBが政府の完全子会社でありながら財務官僚の同社の取締役会への出向を禁じている。

There could be only one reason for this extraordinary ban against Finance and Treasury officials from participation in the running of 1MDB, and that is that the new Minister in charge (ie the sole shareholder and signatory / the PM himself) wanted to be free of any oversight or interference from departmental experts regarding his decisions over the fund.
この驚くべき条項導入のただひとつの理由は、財務大臣(首相兼務)が単独で行う1MDBの事業意思決定に関し、金融・財務の専門家からのいかなる助言も干渉も排除したかったからなのだ。

This extraordinary provision applies to only one other company controlled by the Ministry of Finance, Sarawak Report has been informed. And that company is none other than SRC International, which is the other scandal hit enterprise, which Najib also set up under the 1MDB and then financed with RM4 billion borrowed from the KWAP pension fund - money that has also been almost totally unaccounted for.
この特異な条項は、もうひとつの財務省完全統制下の会社にも適用されたとの情報をサラワクリポートは入手している。それはSRCインターナショナルと言う名の政府の完全子会社だが、やはりナジブ首相が創設し、KWAP年金ファンドからの借入金40億リンギが行方不明というスキャンダルを抱えている。

Finance Department officials have confirmed that as a result they had no oversight whatsoever over these companies, which were supposedly public concerns controlled by their department, and which had moreover raised billions in loans that were guaranteed by the Malaysian Government, thanks to letters of commitment signed by the Minister of Finance.
財務省当局の官僚たちは、その結果として1MDBとSRCに対する一切の管理・監督を行っていなかったことを認めたが、財務大臣の署名はマレーシア政府の保障を意味し、1MDBの借入金をさらに数十億も増やすこととなった。



Dazzling with 'big names'
目が眩むような大物(ビッグネーム)揃い

In a clear attempt to side-step concerns about these unusual provisions under Section 117, the Prime Minister / Finance Minister set up a third tier of 'governance' for the company, which was supposed to act as a counter-balance to this deliberate lack of oversight.
117条と言う特異な規定に対する周囲の懸念を回避するため、首相兼財務大臣は会社の管理・監督機能の意図的な欠如を補う第3の統治機関を準備した。

This was the so-called Advisory Board of which he was the self-appointed Chairman.
これがナジブ首相が自ら委員長を買って出たいわゆるアドバイザリーボード(経営諮問委員会)である。

The names on this Advisory Board, consisted of a dazzling array of international bigwigs, with the seeming purpose of over-awing potential critics into silence - they were all Najib's best political and business contacts from around the world (France's richest businessman, Berhard Arnhalt; the remarkably wealthy Prime Minister of Qatar; the Head of Mubadala in Abu Dhabi, amongst others).
この1MDBの経営諮問委員会の陣容は、予想される周囲の批判を威圧するため、フランスの最も金持ちビジネスマンとして知られるベルハルト・アムハルト氏、著しく裕福な中東のカタール首相、アブダビのムバダラ開発会社会長他、世界に名だたる、大物がその構成メンバーとして名を連ねているが、彼らはすべてナジブ首相の政治上及びビジネス上の親しい知己であった。

Who would dare to call into question such a star line up of heavy-weights, putting all their guidance and expertise into the management of Malaysia's great investment enterprise? It appears nobody in Malaysia indeed did so. Except, the PAC report confirmed, this committee of luminaries has never once met!
このようなヘビー級のスターメンバーが顔を連ね、その権威ある専門的助言を行う経営諮問委員会に対して誰が口を挟むことができようか。実際、誰もそんなことをしなかったようだ。だが、PAC報告によると、この経営諮問委員会は今までただの一度も会合したことはないのだそうだ。

Only its Chairman, Najib, was therefore in place to give orders, determine investments, sign documents and make decisions. He had clearly set the whole structure up this way, in order to deliberately to sidestep the normal checks and controls of company management, thereby enabling himself to assume total dictatorial control over the way the billions raised by this fund were spent.
よって諮問委員会トップのナジブ氏がただ一人、命令し、投資を決定し、取引書類に署名する立場にあった。彼は明らかに意図的に、会社経営の通常のチェックや管理・監督を忌避して、数十億にも及ぶファンドの資金を完全独裁的に制御するからくりをこのようにして作り上げたのだ。

One wonders why?
人は、なぜ?と疑問に思う。

The consequences of this approach can be very clearly seen, according to the investigations reported by the PAC. Shahrol Halmi, who had been recruited from the accountancy firm Accenture to head up the fund, when it was originally pulled together by Jho Low on behalf of his friend Najib, knew exactly who was the real boss.
PACの調査報告はこのような(ナジブ首相の)アプローチ結果を明らかにしている。ナジブ首相の友人のジョー・ロー氏の仲介で、1MDBのCEO(最高経営責任者)としてアクセンチユア社(世界最大のコンサル会社)からリクルートされたシャロル・ハルミ氏は誰が本当のボスであるかを正確に知っていた。

Indeed, when the original Board representing Terengganu (who had put up its future oil revenues as collateral for lending) protested at reckless and expensive borrowing proposals, Shahrol Halmi just ignored their orders and went ahead without board permission to borrow RM5 billion from AmBank.
実際、テレンガヌ投資庁から引き継いだ本来の取締役会が無鉄砲な高利の借り入れ提案に反対した際、シャロル・ハルミ前CEOはそれを無視し、取締役会の許可なしでAmBankからの50億リンギの借り入れを前に推し進めた。

That cost RM5 billion in Malaysia will have a staggering RM15 billion in total costs by the time it is finally paid back, says the PAC report. And most of that money was Channelled into the company Good Star Limited, which have now confirmed the PAC had nothing whatsoever to do with 1MDB's joint ventures.
返済時には総計150億リンギにもなるという驚異的高利の借入金の50億リンギのほとんどがグッドスターと言う名の会社に投入されたが、そのグッドスター社は1MDBとペトロサウジとの合弁企業体とは何の関係もない会社であったことがPAC報告で確認されている。



Orders from over-ruled Najib 1MDB Board, thanks to Sec 117
117条項によってナジブ首相に覆された1MDB取締役会(の決議)

The PAC reports gave the excuse that Halmi them when questioned about this by a jaw dropping defiance against his own Chief Executive Board. He referred to Section 117, which he explained to the PAC members over-ruled the authority of the Board.
PACのリポートは、この呆れた取締役会の(決議の)無視は前CEOのハルミ氏によるものだとしているが、彼はPACに対して、取締役会の権限は117条によって覆すことが出来るのだと説明している。

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シャロル・ハルミ前CEO

There is only one way to interpret this explanation.
このことの意味はたったひとつしかない。

What was Halmi was therefore saying that under the provisions of this Section 117 he had obeyed the higher authority of the sole shareholder and signatory of the company, who specifically under the clause, must authorize any significant investment or other decision by the company.
前CEOのシャロル・ハルミ氏がPACメンバーに説明したことは、彼は117条項が規定している会社の唯一の株主で会社の署名者である、より高位の権威者に従ったということだ。そして同条項に基づき1MDBのいかなる重要投資やその他の意思決定もその権威者によって承認されなければならないということだ。

It means that although the 1MDB Board had told Halmi to halt the plans to borrow RM5 billion given the ridiculous rates, Najib, the grand new Finance Minister / Prime Minister in charge of the fund, had counter-ended him to take no notice and go ahead anyway. Halmi, in accordance with the rules of the company, had obeyed the boss who had also recruited him, namely Najib.
このことは、1MDBの取締役会が、馬鹿げた高利で50億リンギの借り入れを行うことを止めるようハルミ前CEOに忠告したにもかかわらず、ファンドの新たな権威者即ち首相兼財務大臣が、取締役会を無視して押し進めるようにハルミ氏に指示したと言うことだ。ハルミ氏は、会社定款に従い、彼を採用した彼の真のボス、ナジブ首相に従ったのだ。

There is no other way to interpret Halmi's reference to Section 117 as his reason for defying the board, not just on this occasion but on numerous other occasions with respect to the Petrosaudi joint venture in 2009. For example, he refused to halt the deal until a proper valuation of Petrosaudi was obtained, as had been requested, and he refused to send the money back when Board members discovered USE $ 700 million had been sent to Good Star Limited, which was unrelated to the Joint Venture.
これ以外に、ハルミ氏が自身の取締役会を無視した理由を問われた際、117条項に言及した理由が見当たらない。なにもこの事例に限ったことではない。この他、2009年のペトロサウジとの合弁企業体に関する数多くの件でも同じだ。例えば、彼はペトロサウジ社の適切な評価が得られるまで取引は停止した方が良いと言う忠告を拒否し、グッドスターと言う名の会社に対して既に送金した7億米ドルの返金要求を拒否した。このグッドスター社は、1MDBとペトロサウジの合弁企業体とはなんら関係のない会社であった。

This is all very clearly spelled out in the report by the PAC and so makes a mockery of attempts to claim that it did not hold the Finance Minister cum Prime Minister totally accountable for this fraud, which was launched just weeks after he had stepped into his new position of power in April 2009.
これらのことがPAC報告書に鮮明に詳述されていることは、報告書には首相兼財務大臣の責任に関する言及がないのでナジブ氏には一切の責任はないとする主張を一蹴するものだ。このことは2009年4月に彼が首相の座に着いた数週間後から始まっていたのだ。

Interestingly, Halmi was in fact back-dating the existence of these provisions in the articles of 1MDB at the time he made these excuses to the PAC in 2015, because Section 117 was not added to the company's articles of association until the change-over from its status as the state fund to 1MDB in September of 2009 - just days before the signing of the Petrosaudi deal, but weeks after Halmi had defied his original Board by borrowing all that money!
興味深いのは、前CEOシャロル・ハルミ氏が、昨年(2015年)のPACに対する彼自身の責任に関する釈明の中で、この1MDB会社定款117条の存在を遡って説明していたことだ。なぜなら、2009年9月にテレンガヌ州の投資ファンドが1MDBと言う政府系投資ファンドとして新たにスタートする前までは、すなわち1MDBがペトロサウジ社との取引に署名する数日前まではこの条項は会社定款には存在していなかったが、その数週間後に彼はこの借入金に関する社の取締役会の意思に逆らったからだ。(訳者註:117条がいつ書き加えられたかを知る手がかりか?)

Never mind, it just goes to show the naked truth about the way that 1MDB was conceived and run by Najib and his side-kick Jho Low from the very start. Halmi knew who he was supposed to take his orders from and to hell with the letter of the law - in Malaysia, where the PM had total control such matters could be fixed.
気にしないでいい。それは1MDBがスタート当初からナジブ氏と盟友のジョー・ロー氏に操られていたと言う真実を物語るものだ。前CEOシャロル・ハルミ氏は誰が彼の命令者かを知り、マレーシアの法律など首相がいかようにも操作できるのでクソ喰らえだと思っていたのだ。

According to reports, Halmi is still telling people that Najib is 'unshakable', so he considers himself 'safe'.
PAC報告によると、前CEOのシャロル・ハルミ氏は未だに首相の地位は揺るぎないと周囲に語り、自身も安全と考えているのだ。



Kings and State to State Partnership
国王及び国対国の協力関係

The technique of 'fixing' things by asserting power and grandeur under-pinned the entire strategy of 1MDB. The PAC has analyzed this Jho Low-constructed bluff (already exposed by Sarawak Report).
圧倒的な力と威光によってものごとを決するテクニックは1MDBの全体戦略を一貫していた。PACはこれをジョー・ロー氏が作為したハッタリだと分析したが、この件は既にサラワクリポートが報じたことだ。

In short, 1MDB did not just do investment deals, it engaged with powerful and impressive friendly states in 'government to government' diplomacy (supposedly), making any questioning or criticism of Najib's actions appear - well churlish and unpatriotic!
要するに、1MDBは単なる投資取引をしているのではない、強力で印象的な友好国との(恐らく)政府間外交をしているのだ、だから、ナジブ氏の重要取引決定に対する疑念や非難は、礼儀知らずで非愛国的なことだ、と思わせていたのだ。

Thus the Petrosaudi deal was described to the 1MDB Board as a crucial state to state venture with none other than the Kingdom of Saudi Arabia. Manager Casey Tan even briefed the Board that the Petrosaudi had been set up in 2000 and personally belonged to King Abdullah.
かくして(1MDBと)ペトロサウジ社との取引は、サウジアラビア王国との重要な二国間取引だと1MDBの取締役会に説明されていた。(1MDBの)当時のケーシー・タン上級取締役はペトロサウジ社は2000年に設立されたアブドゥラー国王の個人所有の会社だとまで述べていた。

This was a total lie, just as managers had previously lied that the Abu Dhabi Mubadala fund was investing in Iskandar in May 2009 (which was immediately denied) and later in 2013 lied that Abu Dhabi's Aabar was investing in a 'strategic partnership' in Kuala Lumpur's so-called Tun Razak Exchange (which remains unbuilt).
しかしこれは全くの嘘であった。これはアブダビのムバダラ投資ファンドがイスカンダルプロジェクトに投資を行っていると言う2009年5月の嘘や、アブダビのアーバー社がKLのトゥン・ラザク・エクスチェンジプロジェクト(国際金融ハブプロジェクト:TRX)に戦略的パートナーとして投資していると言う2013年の嘘と同じだ。

Emails obtained by Sarawak Report, sent between 1MDB's lawyers Wong & Partners and Petrosaudi's legal team at the time, make totally clear who the beneficial owners and decision makers were on each side of this deal, since the correct details needed to be given to the banks receiving the money:
サラワクリポートが入手した1MDBとペトロサウジ社の弁護士たちとのやりとりのメールは、誰が資金の受益者(受取人)で誰が送金の意思決定者かを明らかにしている。なぜなら資金受け取り銀行はこれらの正確かつ詳細な情報を必要とするためだ。

The Form A is sent to JP Morgan about beneficial ownership of the Joint Venture presents solid confirmation:
JPモーガン社に送信されたフォームA↓(受益者識別情報登録書)が、合弁企業体双方の受益者(受取人)を明らかにしている。

jpmorganforma.jpg
No sign of King Adbul - just his seventh son, then a jobless ex-pilot
サウジのアブドル国王の名前はない。代わりに国王の7番目の息子氏(当時無職の元パイロット)の名が記されている。

As PAC member Tony Pua, who has seen the secret Auditor General's Report, has put it:
公務秘密の会計監査委員会報告書を読んだPACメンバーのトニー・プア議員は次のように述べた:

Dato 'Seri Najib Razak's signatures are littered all over 1MDB as he was the ultimate decision maker who signed off resolutions to sack 1MDB's auditors, Ernst & Young and KPMG, to invest US $ 1.83 billion in the failed Petrosaudi joint venture, to borrow US $ 6.5 billion of bonds via Goldman Sachs and to overpay for the RM12.1 billion of power assets.
1MDBの監査業務担当会社(アーンスト・ヤング及びKPMG)との業務契約解除決議を承認するとした1MDBの最高意思決定者のナジブ氏の署名が、1MDB社(の関係書類)のあちらこちらに散乱しているが、このことが結果として1MDBがゴールドマン・サックス社を介して65億米ドルの融資を受けたり、18億3000万米ドルを失敗したペトロサウジ社との合弁事業に投資したり、総額121億米ドルの電力資産(発電所等)の買収に過払いする結果を生んだ。

So, what is this all bluff and bluster about the PAC report letting the Prime Minister off the hook? Because if He had not signed every single transaction of 1MDB, then none of the above could have happened under the rules of the company itself.
それでいて、首相の疑惑は晴れたかのようなPAC報告に関する(プロナジブ派の)はったりとこけおどしは一体なんなのだ?なぜなら、もしも首相が1MDBの各取引を承認していなければ、上記のようなことは会社定款上起こりえなかったのだ。



No foreign bank statements!
海外銀行口座取引明細が添付されてない!

There is a final aspect to the damning evidence of the PAC, which is matched, the report says, by the findings of the Auditor General. This is the persistent refusal of 1MDB to produce any statements or evidence whatsoever to account for the expenditures of those foreign companies and accounts into which so much of 1MDB's public money was placed (ie US $ 7 billion).
PAC報告には(1MDB問題解決の)動かぬ証拠となる最終側面がある。それは会計監査報告ともマッチしている。それは、1MDBが頑として拒否しつづけている海外銀行口座取引明細書などの証拠書類の提出だ。提出を拒否し続けている理由は、(提出すれば)外国企業への支払い明細や70億米ドルなど多くの1MDBの公的資金が送金された口座に関わる情報が明らかとなり、それが動かぬ証拠となるからだ。(訳者註:提出しないことが逆に動かぬ証拠になっていると言うこと)

There can only be one conclusion as to why Arul spent the entire year and pretending he did not understand the following simple question: 'Please show us the bank statements'.
(現CEOの)アルル・カンダ氏が、なぜ1年もの長い間、バンクステートメント(銀行口座取引明細書)を提出せよと言う調査側の簡単な要求の意味が理解できないフリをし続けているのかと言うただひとつの結論に達する。

arulkanda.jpg
アルル・カンダ現CEO

The obvious answer was that he simply does not have them. And the reason he does not have them is that 1MDB's money had been deliberately siphoned out through these companies to third parties entirely - they were nothing to do with 1MDB!
明白な答えは、彼は単純にそのバンクステートメントを持っていないと言うことだ。そしてなぜ持っていないかと言うと、送金した資金が第三者によって意図的に吸い取られたからなのだ。1MDBとはなんの関係もない第三者にだ!

This was the reason why Kanda, in his early days in the job last year was forced to fax a forged copy of a bank statement for Brazen Sky account in Singapore to BSI bank, which was supposedly holding a billion dollars for 1MDB.
これが、なぜカンダ氏が、昨年(2015年)の早い時期に、シンガポールのブレーズン・スカイ社(1MDB子会社)の口座に凡そ10億ドルの残高があるとのでっち上げバンクステートメントをBSI銀行にFAXせざるを得なかったかの理由だ。

Kanda asked the bank if the statement was true and (according to a letter from Singapore investigators obtained and published by Sarawak Report) the bank was forced to reply that the information was wrong. Kanda did not have the correct bank statements!
カンダ氏はステートメントが本物かどうかを銀行に尋ね、そして(サラワク・りポートが入手し公表したシンガポール調査機関からの書簡によると)銀行は情報は誤りだったと答えることを強要されたのだ。したがってカンダ氏の手元には、正しいバンクステートメントはなかったのだ!

Likewise, Good Star Limited, which received US $ 700 million of 1MDB's original billion 'investment', belongs to Jho Low, according to extensive research by Sarawak Report, which Jho Low has never contested.
同様に、サラワクリポートによる広範囲な調査によれば、1MDBの当初の10億米ドル投資のうちの7億米ドルを受領したグッドスター社はジョー・ロー氏がオーナーである。(氏は今までこれに決して反駁していない)

For the first time we reveal the bank transfer note
我々(サラワク・リポート)は初めて↓銀行送金ノートを明らかにする。

banktransfernote.jpg



1MDB has no idea what happened to the money sent abroad
1MDBは、海外送金した資金がその後どうなったかは全く知らないのだ。

For this reason the PAC report specifically condemns 1MDB and Shahrol Halmi, who persisted in claiming that belonged to Good Star Limited Petrosaudi, but were never able to produce any documentary evidence that it did.
このためPAC報告は、特に1MDBと、送金された資金はペトロサウジのグッドスター社のものだからと主張し続けている前CEOのシャロル・ハルミ氏を非難している。しかしハルミ氏は自身の主張を証明する証拠書類をなんら提出していない。

Neither could 1MDB produce any evidence that the company Aabar Investments PJS Limited (BVI) was linked to the Aabar's sovereign wealth fund in later 'joint ventures', where than US $ 3.51 billion was paid in return for a for a loan guarantee of just US $ 3.5 billion!
また1MDBは、アーバー投資PJS社(BVI)が後に合弁企業となる政府系投資ファンドのアーバー社とリンクしていると言う証拠書類はなにも提出できなかった。35億米ドルの債務保証として35億1000万米ドルも支払ったのにだ!

What kind of a finance manager was Najib to sign off on a deal like that? What could have possessed him? Could he have ever been allowed to do such a thing if any of his tiresome apparatchiks from the Finance Ministry been looking over his shoulder?
こんな(無茶苦茶な)取引を承認していたナジブ氏は一体どんな会計責任者なのか?なぜ彼が会計責任者なのか?財務省の小うるさい役人が彼の肩越しに監視していたらこんなことが果たして許されていただろうか?

Of course, last week The Wall Street Journal published the information telling that no less than US $ 150 million went from this Aabar Investments PJS (BVI) went straight to the movie production company belonging to Najib's step-son Riza Aziz in Hollywood.
先週ウォール・ストリート・ジャーナルが1億5000万米ドルを下回らない資金がこのアーバー投資PJS社(BVI)から、ハリウッドのナジブ首相の義理の息子氏が所有している映画製作会社に直接送金された、と報じた。

Now this is one thing (at last) that does start to make perfect sense!
これが、今、完全に(ついに)意味をなし始めたことのひとつなのだ!(訳者註:問題解決の糸口が見え始めたと言うこと)

Add to that the remarks of the Swiss head of the Financial Investigation Agency FINMA at the end of last week. He said:
加えて、先週末、スイスの金融調査庁(FINMA)のトップが次のコメントを発表している

"We are not talking here about small fry, but what looks like blatant and massive corruption ... .suspicious cash flows linked to the Malaysian sovereign fund 1MDB. FINMA has carried out investigations into more than 20 banks in connection with these cases, and has opened seven enforcement proceedings ... we are not dealing here with shades of gray. The evidence points to clear cases of corruption. "[ Mark Branson ]
我々はここ(スイスの調査機関)で雑魚(の収賄など)を調査しているのではなく、露骨で大規模な汚職・・・マレーシアの政府系ファンド1MDBにリンクする疑わしい金の流れを捜査している。FINMAは関連する20以上の銀行を捜査して、7件の(犯罪に対する)法執行手続きを開始した。我々はグレーに包まれた取引はしない。(我々の得た)証拠が明確な汚職犯罪を示しているからだ。(マーク・ブランソン)

At which point, who in Malaysia can give a shred of credence to the claims by such fellows asTengku Adnan, Umno secretary-general, that the PAC report has "proved" that the Prime Minister had nothing to do with the decisions at 1MDB or that he has some way been "slandered"?
いつ、そしてマレーシアの誰が、テンク・アドナンUMNO事務局長が主張する「PAC報告は首相が1MDBの決定を行う立場にはなく中傷に過ぎないことを証明した」などと言うことを少しも信用できようか?(訳者註:まったく信用していないと言うこと)

And who can believe pathetic Halmi's sad insistence that nothing wrong or illegal ever happened at 1MDB?
そして、1MDBには間違ったことも違法なことも何も起こっていない、などと言うハルミ前CEOの哀れを誘うような感傷的な主張を誰が信じようか?

Even as Najib's inner circle are now being quoted saying "someone is going to have to go inside for this." No one is likely to be taking bets on that someonei!
今ではナジブ首相の側近でさえ、「いずれ誰かは中に入らなければならないだろうが、その誰かのために賭けに応じる者はいそうにもない!」と語っていると伝えられている。(訳者註:誰かとは誰のことか、中とは何処のことかは未確認)



フゥー、やっと終わりましたが久しぶりの長文でしたね。訳文を書いてるほうの私も疲れましたが、読んでいただいた方も大変お疲れになったことと思います。

特に海外における資金操作や内外の関係会社・銀行・人物などが極めて複雑に絡み合い、何度繰り返し読んでも(当記事だけでなくありとあらゆる関係記事を読んでも)解らないこともあって些か苦労しました。(意訳文などの誤りに気付かれた方は遠慮なくご指摘下さい)

しかし、なんですね、こんなことばかり書いているとどんどん読者が減って、終いには誰も読んでくれる人がいなくなるのかも知れませんね。・・・・・でもいいのです。これに関してはかなりマニアックかなと自分でも思っているのですが、なんせ本ブログのタイトルがひねくれ団塊・・・ですから。(笑)

でも、いよいよ大詰めが近いと思いませんか?なんとしても最終章を見届けたいのに、早くしてくれないと、待ってるうちにこっちが呆けてしまったら元も子もないですモンね。(笑)

ではまた。。

この国の普通の国民同様、私もご他聞に漏れず、昨日一日、この日の来るのを待っていました。なんのことかと言いますと、今や世界的に悪名を馳せるマレーシアの2大メガスキャンダルのひとつ、1MDB問題の調査報告書を、PAC(公共会計委員会)が議会(下院)に提出すると言う約束の日だったのです。

1MDB問題のことについては、最近では日本を含む世界中のメディアでその詳細が連日報道されていますので、最早知らない人はいないのではないか思うのですが、ナジブ首相が就任直後に、国の経済成長を促進する目的で創設した100%政府出資の投資会社(投資ファンド)のことです。

ところが1MDBは、その期待とは裏腹に、約6年間と言う短期間に一兆4000億円もの巨額の借金を抱えたことが昨年判明し、産みの親であるナジブ首相兼財務大臣が同社の経営諮問委員会のトップを務めていることもあって、その乱脈経営振りや使途不明の巨額資金とナジブ首相との関係などに数多くの汚職疑惑が噴出し、爾来、内外の衆目に晒されてきたのです。

しかし振り返ってみれば、首相や多くの大臣が1MDBの問題は12月(昨年の)までには決着が着くと言っていたのに、ここまで遅れたことには誰も何も触れず、問われれば、綿密な調査には時間がかかる、の一点張り。挙句の果てにはこれが権力の乱用でなくて何であろうかと、子供でも分かるあからさまな調査・捜査妨害の数々は今もなお進行中です。

しかし昨日のPAC報告書で、本当に1MDB問題の真実が明らかになるのであれば、この国の民主主義や正義はまだ少し希望が持てる、私はそう思っていました。

ご存知かも知れませんが、PACのメンバーは与党議員だけではありません。委員長以下9名の与党議員、そして残り5名の野党議員で構成されています。中には例のメディアに露出の激しいDAP(民主行動党)のトニー・プア氏もいますし、なので、大いに期待していました。

ところが蓋を開けてみて正直がっかりでした。もちろん106ページに及ぶという調査報告書そのものが読めるわけもなく、私は複数メディアの関連記事をチェックしただけなのですが、その内容には腑に落ちないことが山ほどあるし、ホントにこれが何百時間もかけて調査した結果なのか、と思うほどなのです。

報道によると、この調査結果を受けてナジブ首相がさも勝ち誇ったように、どうだ、やっぱり私の言ったことは本当だっただろう、マハティール氏は明らかに間違いだった、と高らかに声明文を発表したとのことです。

この国にも日本のような議会のテレビ中継があれば全国民がこぞって見るだろうに、そんなものはなぜか一切ないものだから、メディアの報道に頼るしかないのですが、えっ?1MDB問題の調査報告書って、たったこれだけ?と思うぐらいあっけのない記事だけなんです。

それに、なぜ野党議員からの関連質疑に関する記事がないのか不思議です?

下衆の勘ぐりによれば、だから昨日と言う日取り設定だったのかも知れませんね。昨日は4月7日、2016年マレーシア下院通常国会の第1回会期(3/7~4/7)の最終日だったんです。なるほど、報告を最終日にセットしたのは関連質疑をさせないための策略だったのではと思いたくもなります。

なんかいつかもこんなことがあったような気がするけど、もしこれが本当だとするとあまりにも卑怯じゃありませんか。

いやもちろん、報告内容が真実ならば、それはそれで受け容れざるを得ないのですが、こんな内容じゃ山ほどある不思議にはとても答えていないと思うし、それに野党議員からの質疑には一切答えようとしない首相や閣僚たちだから胡散臭くてとても信じたくないんですよ。

PAC報告後の首相の声明文って、これ、きっと紙に書かれた文書をただ報道陣に配っただけですよね。大体これが真実だというなら、首相自らが問題の1MDBの経営諮問委員会のトップなんだから、堂々と記者会見を開いて質疑に応答すれば良いではないですか。

PACREPORT.jpg
(photo by Malaysia kini)

PACの報告内容は、1MDB問題と首相との直接的な関わりはないとして首相の責任にはなんら言及がなく、首相口座に預金された資金は1MDBから支払われたものではないとの従来の主張をダメ押ししたようなものだから、首相側にとってはバラ色の内容。そして1MDBの経営問題の責任は前CEOや現経営陣にあるなどと言うもので、とても鵜呑みにできるものではなさそうです。

早速、元マハティール首相がコメントを出していました。

Dr M: Najib's right, it's actually RM50b not RM42b
マレーシア・キニ(2016.4.7)

↑これどういうことかと言うと、ナジブ首相がその声明文で「マハティール氏の言う420億リンギの使途不明金は完全に間違いだった」と述べたことに対する氏の揶揄です。曰く「ナジブは正しい、(私が言った)420億リンギの使途不明金は間違いで、実際には500億リンギの使途不明金だったのだ。

これなどは、マハティール氏は、PAC報告書にある不明資金の逐一の使いみちはどれも信ずるに足らんと言うことなのでしょう。

そう言えば一昨日の夕方、この1MDB問題に詳しくて野党随一の若手論客として知られる、PKR(人民正義党)事務局長のラフィジ氏が国会議事堂の正面ゲートを出たところで警察に逮捕されましたね。逮捕容疑は、秘に指定された公資料の暴露なのだそうですが、氏は1MDB問題に関し同社現CEOのアルル・カンダ氏とワントゥワンのディベートを挑発していたほどですから、ナジブ派から見れば相手にしたくない人物だったのでしょうね。

しかし、なんでもかんでも逮捕したり、ブロックしたりして口封じをして、それでいていけしゃあしゃあと、権力の乱用など絶対していない、表現の自由や民主主義は守るなどと公言しているわけですから、まぁなんと言うか、げに恐ろしきは金や地位に目が眩んだ人たちと、それを許している稚拙なマレーシア社会ですね。



先日、またWSJが情報を小出ししてましたね。例の映画、The Wolf of Wall Streetですけど、あの制作費用はやっぱり1MDBなのだそうです。資金の流れのポンチ絵などを見ると確かに具体的で信憑性があると思ってしまいます。もちろん、1MDBもナジブ首相の義息氏など映画会社の関係者も全否定してますが、否定すればするほど、然らばなぜ司法に訴えないのだ?と誰もが思う素朴な疑問に突き当たります。

financingwolfofwallstreet.jpg

私は今までこの映画のことは何も知らなかったのですが、WSJの連載記事のお陰で興味を持ち、この前なんと3時間もかけてフルで観てしまいましたよ。この映画、マレーシア国内では上映禁止指定されているとのことですが、マハティール氏が言ってたほどのポルノ映画ではなかったし、ドラッグアディクトに関しても驚くほどのことはない、と言うか、まぁ普通のハリウッド娯楽映画だと思いますね。

wolfofwallstreetmovie01.jpg

この映画、主演のレオナルド・ディカプリオがアカデミー主演男優賞を受賞した作品だそうですし、それなりに楽しめました。興味のある方は是非こちらからご覧下さい。(PCのHDでとてもきれいな画面でご覧いただけます)



でも昨日のPACの調査報告書ってなんだったんでしょうね。今朝の最大手フりー英字新聞紙(ザ・サン)上には、この件が一面トップで報じられているのですが、ざっと見渡してみると、1MDBの借金の総額とその内訳、前CEOを含む経営陣の乱脈経営とその責任追及(現経営陣の総退陣)、経営諮問委員会の廃止、1MDBの全子会社の政府(財務省)移管が主な内容で、前にも書いたとおり、どこにも首相の責任に言及している記事はありません。

それどころか、、調査の結果、いかなる不正行為を為したものも厳罰に処す、と言うナジブ首相のコメントが大きく書かれていますし、さらにこの調査報告書を受ける形で、関係閣僚の玉虫色のコメントもたくさん掲載されています。

こんな記事には、無理やり幕引きを図ろうとするナジブ派の意図が見え見えですけど、これで多くの国民は納得させられてしまうのですかね???

いやいや、私もそうですけど、多くの国民はけっして騙されないし、まったく腑に落ちていませんから!

しかし、国内では信用のおける調査結論が出ないとなれば、残る手立ては海外勢による調査しかないということ・・・・ですか。。

いやまったく、げに恐ろしきは未成熟の社会ですね。今、私はここマレーシアで、日本に居ては決して体感することがないであろう民主主義の崩壊に直面している気がします。(ちと大袈裟過ぎますか?)


ではまた。。

最近の私のこのブログの話題が、マレーシア政界スキャンダルのことばかりでつまらないと思われる方もおられるかも知れないので、今回は違う話題にしようと考えて準備もしていたのですが、ここにきて政界スキャンダルに関するニュースが毎日目まぐるしくて、正直言って追いかけるほうも大変なのです。

そんな中、やはりタイミングよくマレーシアの今をお伝えするには、ニュースは旬のうちにと考え直し、今回もまた政界疑獄シリーズとなりました。悪しからずご了解下さい。

↓遅ればせながら本シリーズに登場する実在の人物一覧のほんの一部です。

malaysiascandal.jpg

↑ナジブ首相の足元の人物は、なにを隠そうナジブ夫人と前夫との間のご子息、つまりナジブ首相の義息のリザ・アジズ氏です。本日の2番目の記事に登場しています。



恥ずかしいことですが、ついに世界約200ヶ国で約2300万の人々に愛読されていると言う米国のタイム誌にまで登場してしまいましたね。

何がって、このマレーシアの名前のことですよ。と言ってもこれが初めてのことではなく、つい最近3月2日にも、”どうにも止まらぬマレーシア首相の汚職疑惑”(Corruption Allegations Continue to Build Against Malaysia’s Prime Minister)と題して(注:和文の題は筆者の意訳)、その詳細が掲載されていましたから正確にはこれで2度目の登場ですね。

早速マレーシア・キニも3月18日の記事でそのことを取り上げていましたが、もう何をかいわんやですね。

タイム誌に今回、名だたる汚職国家として取り上げられたのはマレーシアを含めて5カ国。ブラジルを筆頭に、以下マレーシア、南アフリカ、中国、そしてロシアの国々です。

別に汚職度をランク付けされたわけではないのですが、今、国中が大騒ぎで今夏のリオのオリンピック開催まで危惧されているブラジルに伍して、マレーシアが2番目に登場していることは、大変恥ずべきことで不名誉極まりないことだと主張するマレーシア・キニに私も同意です。

と言うことで、今日は先ず初めに、3月17日付けのタイム誌の該当記事を紹介したいと思います。



These 5 Facts Explain the State of Global Corruption

これらの5つの事実が世界規模の汚職を物語る

TIME published March 17, 2016

As Brazil grapples with an earth-shaking corruption scandal, (here's) a look at the state of global honesty
ブラジルは今地球を揺るがすほどの汚職スキャンダルと格闘しているが、世界的な正直の度合いはどうであろうか。

You can learn a lot about a country’s politics by looking closely at its corruption scandals. Who is investigating whom? What do the investigators really hope to achieve? And what do the investigations tell us about the country’s true balance of power? These five facts offer examples and answers.
その国の汚職スキャンダルを注意深く観察すればその国の政治が分かる。誰が誰を捜査/調査し、捜査や調査によって何を成果として得ようとしているのか?そしてその捜査や調査の結果が、国内の真のパワーバランスに関し、何を言わんとするのか?以下の5つの事実が例と答えを示唆している。



以下のタイム誌の記事ですが、マレーシア以外については割愛します。興味のある方はそれぞれリンクを貼っていますのでそちらでお読み下さい。なお、私のブログのこれまでのニュース記事の翻訳文(和訳文)について、ある読者の方からご意見をいただきました。「意訳と言いながら直訳に近い訳文で、時には難解なときもあるのでもっと平易で理解容易な和訳文をお願いします」とのご指摘です。確かに仰るとおりですので、今後は可能な限り原文の意図する範囲でなるべく理解容易な和訳に努めます。



1. Brazil
These 5 Facts Explain the State of Global Corruption



2. Malaysia
2. マレーシア

That’s not the case with Malaysia. In 2009, Malaysian Prime Minister Najib Razak established a sovereign wealth fund called 1Malaysia Development Berhad (1MDB) to help the country attract foreign investment and boost its economy.
しかしマレーシアの場合はそうではない(訳者註:ブラジルとは異なるという意)。2009年にマレーシアのナジブ首相は、外国投資を呼び込みマレーシア経済を促進するという目的で、ワンマレーシア開発会社(1MDB)と言う政府系投資ファンドを設立した。

Long story short, by 2015, 1MDB owed investors $11 billion. As investigations of the state fund got underway, it was revealed that $681 million dollars had been deposited into Najib’s personal account.
途中の経緯を割愛し短絡的に言えば、2015年までに1MDBは投資家に対し110億米ドルの債務を抱えることとなり、その1MDB対する調査の中で、6億8100万米ドルがナジブ首相の個人口座に預金されていたことが判明した。

The prime minister copped to the money transfer, but claimed it was a “gift” from the Saudi royal family, about $620 million of which he says he has returned.
首相は資金が自身の口座に預金されたことを認めたが、それはサウジアラビアの皇族からの贈り物であり、そのうちの6億2000万米ドルは返金したと主張した。

Two weeks ago, the 1MDB investigation uncovered that the total routed into Najib’s personal account was actually about $1 billion.
(今から)2週間前、1MDBに関する調査の中で、ナジブ首相の口座に最終的に預金された総額は実際には凡そ10億米ドルであったことが明らかになった。

Malaysia is a de facto one-party country. All of the country’s six post-independence prime ministers have come from the United Malays National Organization (UMNO). That’s why Najib owes his position to his party, not to the Malaysian people—good news for a man currently polling at 23 percent, the lowest ever for a Malaysian head of government.
マレーシアは事実上一党独裁のような国だ。過去の6人の首相はすべて統一マレー国民組織(UMNO)から出ている。だから、ナジブ氏はその首相としての地位を、国民ではなく自身が所属する政党から負託されているのだ。そしてこのことは直近の世論調査によると僅か23%と言う史上最低の首相支持率でしかない男にとっては都合の良いことなのだ。

He has spent the last half-decade strengthening his position within UMNO, and the past year since the 1MDB scandal broke purging his party of potential adversaries.
ナジブ首相は直近の5年間をUMNO内での彼自身の地位の強化に費やし、そして昨年、1MDBのスキャンダルが噴出してからは彼の潜在的な敵性分子の追放を徹底した。

This past summer, Najib fired his attorney general, who had been leading the 1MDB investigation. Malaysia exemplifies how corruption drives can fall short in countries with a single political party and weak governing institutions.
昨夏、ナジブ首相は、1MDBの調査チームを率いていた法務(司法)長官を解任した。マレーシアは、一党独裁かつ貧弱な統治機構を持つ国においては、汚職撲滅闘争がなかなか成就しないことをよく例示している。



3. South Africa
These 5 Facts Explain the State of Global Corruption



4. China
These 5 Facts Explain the State of Global Corruption



5. Russia
These 5 Facts Explain the State of Global Corruption



いかがでしたでしょうか。しかしこのタイム誌の記事は要点をついていると思いませんか。30以上もの大小政党がひしめくマレーシア議会を一党独裁と決め付けることは余りにも乱暴ではないかと思う反面、議会制民主主義とは名ばかりで、実質的には建国以来の政権与党であるUMNOの勢力が余りにも突出し過ぎていることが、現在のマレーシア政界、いや政界のみならずマレーシア社会全体の膿を産んでいる、とでも言いたげな記事ではありませんか。

ナジブ首相や彼の周囲の政治家たちが国民よりもUMNOを向いていることは、自己保身に躍起な彼らの政治家としての知恵なのかも知れませんが、このことがマレーシア政治の根幹的な問題のような気がしてなりません。

しかし、前回総選挙(GE13)で劣勢を噂されながらも蓋を開けてみれば意外にすんなりと勝利したUMNO、その背景には何があったのであろうか、現下のスキャンダルは当然の帰結なのかも知れませんね。

ただ、このタイム誌の記事の言う「マレーシアは、一党独裁かつ貧弱な統治機構を持つ国では汚職撲滅闘争がなかなか成就しないことをよく例示している。」との一文がとても気になります。

今ようやく芽生えてきた汚職撲滅運動の芽が育たず、花も咲かず、実が結ばないままに枯れてしまうことは、このマレーシアにとって極めて不幸なことです。一部の政治家たちの懐のみを肥やす汚職大国が未来永劫続くなんて決して許されない、いや、この国の国民でもない私が力を込める必要もないことだろうと言われそうですが、私の周囲にいるマレーシア人たちの声を代弁して書いているつもりなのです。

この国の選挙制度は未だ小選挙区制です。一票の重みが各地方によって大きく異なっており、民意が公平・公正に政治に反映されていない、そう主張するブルシ(BERSIH)と呼ばれる選挙制度改革運動が起きている所以です。

いずれにしても、首相以下が国民を向かずして、誰のための、何のための政治なのかですよ。まもなく91歳にならんとするマハティール元首相が3月14日付けの氏のブログで”国民投票”を訴えていましたが、これなどはまさに正論ですね。是非みなさんにも知ってもらいたいと思いますので、今日の話題の2番手としてそれを紹介したいと思います。



SACKING AND POPULARITY
政敵の追い落としと国民の人気

Chedet(マハティール元首相のブログ) 14 Mar 2016

1. I have been sacked from Petronas. The decision was made by the Cabinet. It must be very important to the Government.
1. 私はペトロナス(の顧問の職)を解かれた。 解雇の決定は内閣によってなされた、と言うことはこのことは政府にとって非常に重要なことであったに違いない。

2. Actually I had resigned from Petronas quite some time ago. But Petronas refused to accept my resignation or the allowance which I sent back. They insisted on putting into my account my monthly allowance. I resigned then because I did not think I should be a non-advising adviser and being paid for doing nothing.
2. 実は、私はしばらく前に既にペトロナスを辞めていた。 しかしペトロナスは私の辞任を受け入れず、私からの手当ての返金の受け取りも拒否した。彼らは、私の口座に毎月の手当て(顧問料)支払いを続けると言って譲らなかったが、助言もなにもしない顧問が顧問料を受け取ることはできないとして辞退した。

3. Now Najib’s supporters want to have me sacked from Proton and the Perdana Leadership Foundation (PLF). These two do not belong to the Government. But of course that is a minor obstacle for a Government which can charge anyone under a law to curb terrorism. Nasty things can be done, like threatening to bankrupt Proton or harassing the people who set up PLF so that I would be thrown out. This is of course entirely democratic.
3. 今、ナジブ首相の支持者たちは、プロトン(訳者註:マレーシアの国産車メーカーでマハティール氏が産みの親のような会社)とPLF(Perdana Leadership Foundation:プルダナリーダーシップ財団)から私を追い出そうとしている。これらの二つは政府には属していないが、テロリズムを押さえ込むためだとして政府は誰でも容易に罪を着せることができるし、プロトンを破産させると脅したり私を締め出すようにPLFの創設者たちを脅すような汚い手段さえ可能なのだ。そしてもちろんそれは民主的であるのだ。

4. The free press in Malaysia says Najib is getting stronger and more people are supporting him. Just look at the pictures of the people supporting him. They all wear red shirts and some UMNO leaders show placards with ”Solidariti bersama Najib”.
4. マレーシアのフりープレス(訳者註:マレーシア・キニのような代替メディアのこと)は、ナジブ首相(の権力)が益々強くなりつつある、そしてより多くの人々が彼を支援していると言う。だがちょっと彼を支援する人々の写真を見て欲しい。 彼ら全員が赤シャツを着ており、一部のUMNOのリーダーたちは”Solidariti bersama Najib(ナジブと共に連帯を)”のプラカードを掲げている。

5. Obviously their show of support is spontaneous, so spontaneous that they immediately bought the red shirts and printed the “Solidarity with Najib” cards in time for the photographers.
5. 彼らの支持の現れは明らかに自発的だ。自発的だからこそ、彼らは直ちに赤シャツを購入し、写真撮影に間に合うようシャツに”Solidariti bersama Najib”と印刷したほど自発的なのである。(訳者註:これはマハティール氏独特の強烈な皮肉か?氏の真意は支援者の多くは自発的ではなく明らかに強制されたものだと言いたい?)

6. Really Najib is very popular. But some recalcitrant may not think so. Even a red-shirted demonstration organised by Jamal Yunos, participated in by Felda people brought by bus and given free meals to counter the Bersih demo which according to Najib’s supporters was organised by the Chinese to overthrow a Malay Government, has not convinced people about Najib’s popularity.
6. 本当にナジブ首相は人気がある。(訳者註:これも皮肉)しかし、一部のナジブ反対者たちはそうは思わないかも知れない。ナジブ支援者が言うところのナジブ政権打倒のために中国人によって組織されたBERSIHのデモに対抗した赤シャツデモ隊でさえ、ジャマール・ユノス氏(訳者註:ナジブ支持派の最右翼リーダー)に(強制的に)動員され、バスで連れて来られて食事を与えられたフェルダの人たち(訳者註:FERDA、連邦土地開発庁=UMNOが推進してきた大規模パームオイルプランテーションの比較的貧しい入植者たちのこと)であり、ナジブ氏の国民的人気を納得させるものではない。

7. What really would convince people would be a national referendum or poll in which every voter in the country can express his support of Najib. Perhaps it would also be useful to show how Dr Mahathir (that’s me) is wrong in exposing his financial scandals.
7. 人々を本当に納得させるには、国のすべての有権者にナジブ氏を支持するかどうかを問う国民投票または世論調査であろう。それはおそらく、Dr.マハティール(私のこと)がナジブ氏の財政的なスキャンダルを晒すことが間違いかどうかを明らかにすることにも役立つことであろう。

8. Just a simple question would suffice: Najib-tick, Mahathir-cross or the other way depending on who you support. Malaysians are familiar with voting.
8. ただの単純な質問で十分だ:あなたは誰を支援するか、ナジブにティック(✔)かマハティールにクロス(×)か、またはその反対かだ。 マレーシア人は投票に慣れている。

9. The referendum should be conducted by a reliable foreign public opinion company, overseen by representatives of the two people concerned.
9. 国民投票は信用のおける外国の世論調査会社によって行われなければならない。そして両者の代表者がそれを監督すれば良い。

10. I give an undertaking that if Najib wins in the national referendum, I will stop asking him to resign. I will not say anything more about 1MDB, the 2.6 billion Ringgit and the mansions in UK, US and Hollywood or the “Wolf of Wall Street” pornographic film. Najib can continue to be the Malaysian PM for life.
10. もしナジブ氏が国民投票で勝ったなら、私は彼に辞任を要求することは止める。私は、1MDBのことや26億リンギのこと、英国や米国内に所有する大邸宅のこと(訳者註:予てからNYタイムズなどからその資金の出所について取り沙汰されているナジブ氏夫妻の海外豪華不動産のこと)、それにハリウッドの件つまり“Wolf of Wall Street”と言うポルノ映画(訳者註:ナジブ夫人の息子氏がオーナーである映画会社制作による映画で、ポルノ映画もどきのシーンのほか、映画制作等に費やした巨額の費用や息子氏のNYやハリウッドの大邸宅などの取得費用などについていろいろな黒い噂が飛び交っている)のことについても、もう何も言わない。ナジブ氏は死ぬまでマレーシアの首相をやれば良い。

↓レオナルド・ディカプリオ主演の話題作:The Wolf of Wall Street

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↓左端がナジブ首相の義息で本映画制作会社のオーナーのリザ・アジズ氏

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11. But if I get more votes, it means the rakyat accepts what I have highlighted about Najib’s financial wrongdoings as true, then he should resign.
11. しかし、私が(国民投票でナジブ氏)より多くの票を得たなら、それは国民が、私が今までナジブ氏の金権による悪事を白日の下に晒してきたことを事実と認めたことであり、彼は(マレーシア首相を)辞任しなければならない。

12. This way we can settle the question of Najib’s popularity and what the rakyat thinks of his financial scandals once and for all.
12. この方法は、ナジブ氏の国民的人気を測り、国民が彼の財政的スキャンダルをどう考えているのかの問題を解決する最後の手段である。

13. The alternative is to wait for the National Security Council Act to be signed by the Agong or to wait for one month if he doesn’t, when the Act would be enforceable. Then Najib can arrest and detain without trial this pesky ex-PM. I am getting messages that this is what awaits me if I don’t cease and desist, I don’t tone down.
13. そうでなければ、国家安全保障法が国王によって認証されるのを待つか、国王の認証がなくても1ヶ月を経て法律が発効した後は、ナジブ首相はこの厄介者の元首相(訳者註:マハティール氏自身のこと)を逮捕し、裁判することなく拘留することが可能となるのだ。私は今、私が(ナジブ氏に対する非難を)止めるかトーンダウンしないようなら、これが私を待つ定めなのだという忠告を受けている。



今日も少々長くなってしまいましたがご容赦下さい。

それにしてもナジブ首相のご一家、出るもんですねえ。まさに、疑惑のメガモール的になってきましたね。この分だとまだまだ知られていないことがありそうですが、なかなか終わらない長時間ドキュメンタリー&サスペンス映画の世界で、正直言って私も少々疲れてきました。

ではまた。。





先週金曜日から今度は私の貴重な情報源でもあるマレーシア・キニに障害が発生しています。

どうやら同社の主従のサーバーに技術的な障害が発生し、記事のアップロードができなくなっているとのこと。

同社のアナウンスメントによると、今のところサイバー攻撃などの不正行為が原因とは考えていないとのことですが、聞くところによると以前にも同種の障害が起きたそうで、そのときは後に何者かによるサイバー攻撃が原因と判明したのだそうです。

このところのなりふり構わぬ強権的な政府要人等の言動を見聞きする限り、ひょっとして今回も?といろいろあらぬことを疑いたくもなりますね。

しかしマレーシア・キニの場合、すぐさま同社のフェイスブックに全記事をアップしてくれているので、なんとか情報の継続入手はできているものの、やはり不便なことは否めません。(2016.3.14現在、同社のWebsiteにアクセスすると自動的に同社FBに転送されるようになっています)

依然としてサラワク・リポートもマレーシアン・クロニクルもマレーシアン・インサイダーも政府によってアクセスブロックされたままですので、不便なことこの上ありません。それに加えてマレーシア・キニとくればもう信頼できる、いわゆる有力なAlternative Media(代替メディア)は他に多くないので、ほとほと困ってしまいます。

政府系メディアや政党系メディアは、現政府やそれぞれの政党に不利なことや批判的な記事は一切書かないし取り上げません。またメインストリームメディアと呼ばれるマスメディア(大手の新聞・テレビ等)もお上の厳しい検閲のためか、政府ヨイショの記事のオンパレードなので、一般の記事以外はほとんど読む気にはなりません。

一昨日は、ボルネオのサラワク州を視察中のナジブ首相を取材しようと近づいたオーストラリアABCの記者とカメラマンが、警察に逮捕されたというテレビニュースを目にしました。

↓サラワク州視察中のナジブ・ラザク首相

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現地警察署に一晩拘留され、事情聴取の後に翌朝には釈放されたとのことですが、これなども最近やたらと目に付く"報道の自由"や"表現の自由"に対する権力機関の横暴のように思えてなりません。

↓逮捕されたABCの記者とカメラマン

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また昨日は、最近のマレーシア政府の非民主的な動きに対する国連人権委員会(United Nation Commission on Human Rights)高等弁務官氏の非難コメントに応えて、Wisma Putra(マレーシア外務省)が強い口調で反論したと言うニュース記事を読みましたが、まるで北朝鮮や中国のように直情的かつ手前勝手な言い訳に終始していて、この国の民主主義は今後どうなってしまうのかと危惧してしまいます。

↓国連人権委員会のZaid Ra'ad Al Hussein高等弁務官

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一方、先日の市民の宣言(Citizens' Declaration)に対する政府要人やナジブ派の人たちの主張はほぼ同じで、民主的な選挙で選ばれたナジブ首相とその政権を不法に打倒しようとすることは決して許されないと言うものです。

私などは何事に対しても、公正公平な第三者的な目で見ているつもりなのですが、市民の宣言にも、それに署名した方たちの言い分にも、どこにも不法に現首相や現政権を打倒するとは書いてないし言ってないと思うのですけど、どこをどのように読んでそう主張するのか本当に理解に苦しみます。

単に、ナジブ首相等の余りにも酷すぎる汚職や金権政治にはもう耐えられないとする元首相や与野党の有力政治家、市民活動家などが、個々の主義・思想などを一旦傍に置き、とりあえず目の前の巨悪を叩くという一点で一致して立ち上がった"市民の宣言"だと思うのですが、悲しいかな、彼らにはそうは見えていないようです。

政府要人の中には、"市民の宣言"は署名者45人を中心とするごく限られた少数派の意見であり、決して3000万国民の意見ではないと、言い切っている方もいるようですが、最近の世論調査などの各種調査結果をご存知ないのか、見て見ぬふりをしているのか、若しくは無垢の国民向けのプロパガンダのようにも思えてなりません。

直近のニュース記事には、マハティール元首相が、ペトロナス社(石油・ガス供給国営会社)の顧問を解任されたとありました。ナジブ内閣の全閣僚の一致した結論なのだそうですが、目を疑うのは、”悪意を持って政府転覆を企図するギャング団を率いる首謀者”だからと言うその理由です。

20年間もこの国の首相を努め、明らかにこの国の近代化に貢献したと世界に評価されている氏に対する言いぐさとしては余りにも非情なとは、多くの読者コメント欄の反応です。

それにしても、そんなナジブ氏擁護の政治家や政府役人などのなんと多いことかと驚かされますが、彼らは、汚職とか金権政治をなんと考えているのでしょうか。

↓We love Najib !を連呼するUmno党員

kamilovenajib.jpg

マレーシアは昔も今も世界に冠たる汚職大国、そう言ってしまえば身も蓋もないのですが、確かに現在でも汚職、つまり袖の下などの贈収賄の犯罪行為は上から下まで社会の至るところに存在しています。

いろいろ考えてみると、この国の社会は汚職で成り立っているようなものかも知れません。ブミプトラ政策がもたらす構造的な欠陥なのかも知れませんが、それもこれも言語や宗教や生活習慣、それに能力や性質の異なる多民族が同居する国故のジレンマなのかも知れません。

普段の交通事故や駐車違反、それに大学入学や就職斡旋、様々な許可証の発行などなど、袖の下が横行する素地は無限にあり、国民の誰もがそれを犯罪とは思わない悪しき習慣が未だに蔓延っているのです。

こんな社会だからこそ、汚職大国の汚名がいつまで立っても拭えない、首相の犯罪を犯罪とはっきり認識できない人々がごまんといるのです。

しかしこの国は2020年には世界の先進国入りを目指している国です。汚職が蔓延る開発途上国と横並びのままでいて良いわけはありません。だからこそ MACC(Malaysian Anti-Corruption Commission)と言う汚職摘発専門の政府機関を設置している筈なのに、それでもこの有様と言うことは、なにか根本的な問題があるのだろうと思います。

市民の誰もが認める取るに足らない小さな汚職、面倒な手続きよりも小額の袖の下、利権と言うには大袈裟すぎるこっぱ役人の小遣い稼ぎなどなど、この国の汚職大国の基盤は一朝一夕には揺るぎそうもありません。

そんな下地があるからこそ巨悪にも気付かない、巨悪だとは思わない、何が悪いのだと言う人々のその意識こそが問題なのだろうと思っています。

そんな中、未だ少数派ながら徐々に育ちつつある正義の芽、決して摘んでしまってはならないと感じている今日この頃です。

ではまた。。

追記:(2016.3.14 14:30)
さきほど私のモバイルツールにBad newsが飛び込んできました。あのアクセスブロック中のマレーシアン・インサイダーが、本日(14日)の24時をもって操業を停止すると言うニュースです。エッジグループ傘下の同社は予てから商業ベースでの問題はあったのだそうですが、現下のアクセスブロックが致命的となりエッジグループCEOが操業停止を最終判断したとの同社編集長の発表でした。

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創業約8年のまだ若い代替メディアながらその歯に衣着せぬ鋭い記事は内外の多くの読者を惹きつけ、私もその一人であったと自負していますが真に残念です。平和と民主主義はあって当たり前のわが祖国日本ではあり得ないことがまたひとつ現実のこととなりました。



いやぁ、先週金曜日は誰もが予想だにしない展開でした。

御歳90歳のマハティール氏は、まさに不死身のスーパーマンのようですね。先週、突然、夫人とともに古巣のUMNOを離党したかと思えば、今度は野党のリーダーや市民活動家等と反ナジブ一大勢力結集の立役者です。

未だに根強い国民的人気を誇り、当地の世論調査会社ムルデカセンターの直近の調査によれば、現下のマレーシア首相に相応しい人物として、獄中のアンワル氏(49%)に次いで2番目(46%)に名前が挙がっているのだそうです。(ちなみにナジブ氏はたったの5%だそうです)

これって驚きですね。90歳のご老体ですよ。並みの人だったら、とっくに隠居・・どころか半分○んでますよね。

これは↓、2016年3月4日夕方、KLマラヤ大学PAUMクラブハウスで電撃的に行われた、マハティール元首相を中心とする反ナジブ勢力の記者会見の様子です。

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今日は、そんな不死身のマハティール氏が画策した(と思われる)妙計奇策とも言うべき"市民の宣言"の全文をMalaysiakiniの記事(2016.3.4)から紹介したいと思います。



Citizens' declaration spells out demands for removal of Najib
市民の宣言、ナジブ首相の退陣要求を明記

Malaysiakini 4 Mar 2016

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Former prime minister Dr Mahathir Mohamad, ex-deputy prime minister Muhyiddin Yassin, opposition and NGO figures have inked a declaration for the removal of Prime Minister Najib Abdul Razak and to institute reforms.
マハティール・モハマド元首相、ムフディン・ヤシン前副首相並びに野党及びNGOのリーダーたちは、ナジブ首相を退陣させることと制度改革のための宣言書に署名した。

Below is the list of demands contained in what is described as the Citizens’ Declaration:
以下は、市民の宣言に記された要求項目のリストである。

1. We, the undersigned citizens of Malaysia, append below our concerns over the deteriorating political, economic and social conditions in the country.
1. 我々、ここに署名したマレーシア市民は、この国の悪化する政治・経済・社会状況について、以下の懸念を表明する。

2. We wish to draw the attention of the people of Malaysia to the damage done to the country under the premiership of Najib Abdul Razak.
2. 我々は、ナジブ首相が首相在職間に為したこの国のダメージに対し、マレーシアの人々の注意を惹きたいと願う。

3. Under his administration, the country has ascended to become one of the 10 most corrupt countries in the world according to Ernst and Young in their Asia Pacific Fraud Survey Report Series 2013. The 2015 Corruption Perception Index showed Malaysia has dropped four places from 50 to 54.
3. ナジブ政権で、この国は、アーンスト・エンド・ヤング(訳者註:UKベースのグローバルな会計事務所)による2013年アジア太平洋不正調査報告によれば、世界でもっとも不正な国10カ国にランクインし、2015年の汚職腐敗度指数は50位から54位にランクを落とした。

4. This is because he believes that money can ensure his position as prime minister of Malaysia. He believes that "Cash is King".
4. これはナジブ首相が、マレーシアの首相の地位を確実にするのは金だと信じているからだ。彼は"現金はキングだ(現金に勝るものは無い)"と信じているのだ。

5. Allocations to all ministries and public institutions including universities have been reduced because of shortages of funds. Even when allocations are budgeted for, no money was available.
5. すべての省庁や大学を含む公共機関への予算配分が(政府の)資金不足のために削減されている。なんと配分が予算化される時点で配分可能な予算はなにもなかったのだ。

6. In 2009, he decided to set up a sovereign wealth fund to earn income for the government.
6. 2009年、彼(ナジブ首相)は、政府の収入を得るために政府系投資ファンドの設立を決意した。

7. He created the 1MDB which became indebted with RM42 billion of loans which it is unable to repay. It is no longer a sovereign wealth fund. It is sovereign debt fund.
7. 彼は1MDBを設立し、1MDBは返済不可能な420億リンギのローン負債を負うこととなった。 それはもはや政府系投資ファンドでなく、公的債務ファンドだ。

8. 1MDB borrowed approximately RM20 billion to acquire three power plant companies for an over-priced (sum of) RM12.1 billion. Despite being awarded new power plant contracts and extensions to the expiring power-producing concessions, the 1MDB power companies were sold for RM9.83 billion, or a loss of RM2.72 billion.
8. 1MDBは、総額121億リンギと言う高すぎる価格で3つの発電会社を取得するため、約200億リンギを借り受けた。(そして購入したが、その後、)新たな発電事業契約及び期限切れ間近の発電権の延長を与えられたにも拘わらず、1MDBの発電会社は98億3000万リンギで売却されたか、または27億2000万リンギの損失を出した。

9. 1MDB invested or lent a total of US$1.83 billion to Petrosaudi International (PSI) Limited between 2009 and 2011 under the pretext of bogus projects or non-existent assets. Bank Negara Malaysia had demanded 1MDB return the above money to Malaysia as its approval was given based on misinformation submitted by 1MDB. Of this sum, a total of US$1.4 billion was directly and indirectly siphoned off to Good Star Limited and other companies controlled by Low Taek Jho.
9. 1MDBは、2009年から2011年の間、偽のプロジェクトまたは実在しない資産を口実にして、合計18億3000万米ドルをペトロサウジ・インターナショナル(PSI)に投資したかまたは貸し付けを行った。マレーシア中央銀行(バンクネガラ・マレーシア)は、(当時の)その承認(訳者註:巨額資金の海外移送承認)は1MDBが提出した誤情報に基づいて決定されたものであるから、(承認を遡って取り消すこととするので)マレーシアに資金を戻すように1MDBに要求した。 この金額のうちの合計14億米ドルは、直接的または間接的にジョー・ロー(Low Taek Jho)氏が支配するグッドスター会社及び他の会社によって吸い上げられた。

10. To hide the missing funds, 1MDB "disposed" of its investments and loans to PSI for US$2.318 billion, claiming to have made a profit of US$488 million. However, no money was returned to Malaysia. Instead, 1MDB claimed it invested the funds in Cayman Islands that was subsequently found to be an unlicensed investment manager. KPMG was sacked as 1MDB's auditors for refusing to confirm the value of the investment in the mysterious Cayman fund.
10. 消えた資金(の事実)を隠すために、1MDBはPSIに対する23億1800万米ドルの投資とローンを処分し、4億8800万米ドルの利益を上げたと主張した。 しかし、1MDBはその資金をマレーシアには戻さずケイマン諸島の投資会社に投資したと主張したが、後ほどそれは無免許の投資マネージャーであることが判明した。 (1MDBが行った)不可解なケイマン諸島の投資会社への投資価値の確認を不能にするために、KPMG(訳者註:世界的に有名な会計監査会社)の1MDB監査役を解雇した。

11. 1MDB claimed that the Cayman Islands investment has been fully redeemed. (A sum of) US$1.22 billion was reportedly redeemed on Nov 5 2014 but was substantially utilised on the very same day to compensate Aabar Investments PJS for the termination of options granted to Aabar to acquire 49 of 1MDB's power companies. This is a lie because the parent of Aabar, International Petroleum Investment Corporation (IPIC), did not mention receipt of any such payments in its audited accounts published on the London Stock Exchange. Instead, the accounts stated that 1MDB owes IPIC the sum of US$481 million for the termination.
11. 1MDBは、ケイマン諸島への投資は完全に取り戻したと主張した。12億2000万米ドルは、伝えられるところでは2014年11月5日に取り戻された。(ところが)大部分はちょうどその当日にアーバー投資PJS(訳者註:UAEの投資会社)に1MDB発電会社の49%(の株式)取得を認めることのオプションを中止するための補償金として利用されたとのことだが、アーバー社の親会社である国際石油投資会社(IPIC)がロンドン証券取引所で発表したその監査報告書の中には、そのような支払いの領収に関してなにも言及されていないのでこれは虚である。その代わりに報告書は、1MDBは(オプションの)中止により、IPICに対し4億8100万米ドルの負債を負っていると述べている。

12. 1MDB also took another loan of US$975 million from a Duetsche Bank-led consortium in September 2014, for the very same purpose of compensating Aabar for the terminated options. The Wall Street Journal has exposed the fact that this money may have been paid to a different British Virgin Islands entity with a similar name, "Aabar Investment PJS Limited", whose beneficial owner is completely unrelated to IPIC. The simple scam has fooled even the 1MDB auditors, Deloitte Malaysia, into believing that the payments were indeed received by IPIC's Aabar.
12. オプション終了のためのアーバー社に対する補償と全く同じ目的のために、1MDBはまた、2014年9月にDuetsche銀行が率いる組合から、9億7500万米ドルのもう一つの融資を取り付けた。ウォール・ストリート・ジャーナルはこの金が同様の名前で異なる英領ヴァージン諸島の会社"アーバー投資PJS社"に支払われた可能性が高いという事実を暴露した。その会社の実質的な所有者はIPICとはまったく無関係だ。この単純な詐欺は、1MDB監査役のDeloitteマレーシアをも騙し、1MDBの支払いがIPICのアーバー社によって本当に受領されたと信じさせたのだ。

13. 1MDB announced that it made a second and final RM1.1 billion redemption of the Cayman Islands investment in January 2015. Initially the PM told Parliament that the sum was held in cash in BSI Bank, Singapore. However, two months later in May 2015, he informed Parliament that it was not in cash but "assets". Subsequently, it was explained that these assets were "units" which meant that they were never redeemed in the first place. This proved that 1MDB and the PM have been consistently lying to the Malaysian public. It also means that the money invested in Petrosaudi, which was reinvested in Cayman Islands, is still missing and unaccounted for.
13. 1MDBは、2015年1月にはケイマン諸島投資の2度目かつ最後となる11億リンギの償還を行うと発表した。まず最初に、首相は議会で、資金はシンガポールのBSI銀行で現金の状態に保たれると説明した。 しかし、2ヵ月後の2015年5月に首相は、それが現金でなくて"資産"であったと議会に報告した。その後、これらの"資産"はそもそも償還されることのない"ユニット"の意味だと説明された。このことは、1MDBと首相がマレーシアの国民に対し、一貫して嘘をついていたと言うことの証明だ。それはまた、ペトロサウジ投資会社に投資され、ケイマン諸島の投資会社に再投資された資金が依然として行方不明であることを意味している。

14. A former Umno vice-head of the Batu Kawan division made a police report on the loss of large sums of money by 1MDB. No investigations were carried out by the police. Instead, he was interrogated by police, detained and charged under anti-terror law (Sosma) for sabotage of the Malaysian economy. His lawyer was also arrested and charged under the same law. This has the effect of frightening people from making police reports on the 1MDB.
14. UMNOバトゥ・カワン支部の前副支部長は、1MDBによる巨額の損失について警察報告(被害報告)を提出した。(しかし)警察による調査は行われず、その代わりに彼(前支部長)は警察によって尋問され拘留されて、テロ防止法(Sosma)に基づくマレーシア経済の破壊活動の嫌疑で起訴された。彼の弁護士もまた、同じ法律のもとに逮捕され起訴された。このことは、マレーシアの人々が1MDBに関する警察報告(被害報告)を提出しないよう(人々を)脅す効果があった。

15. The Wall Street Journal reported that Najib had US$681 million in his private account at Ambank.
15.ウォール・ストリート・ジャーナルは、ナジブ首相が6億8100万米ドルをAm銀行の自身の個人口座に受けていたことを明らかにした。

16. Najib denied this at first but later admitted he had the huge amount of money in his account. He claimed that it was a gift from an Arab; then that it was a donation to help him win GE13 in Malaysia; then that it was given because of his dedication to the fight against Islamic terrorists. He then claimed to have received the money from a Saudi prince, then from the King of Saudi Arabia who had passed away.
16. ナジブ氏は最初はこれを否定していたが、後には自身の口座に巨額の金を保有していることを認めた。彼は(当初は)それがアラブ人からのギフトであり、それは彼がマレーシアのGE13(訳者註:前回総選挙)に勝利することを支援するための寄付だったと主張していたが、その後 それはイスラム・テロリストとの戦いに対する首相の献身に対して与えられたものだと主張した。それからは、サウジアラビアの王子から、その後、既に他界したサウジアラビアの国王から受領したものだと主張した。

17. Later a Saudi minister stated there was no record of such a gift by the Saudis. He suggested it was probably a Saudi investment. The amount was small.
17. 後に、サウジアラビアの大臣は、サウジアラビア人によるそのようなギフトの記録はないと述べ、彼は、それは多分サウジアラビア人による投資ではないか、金額は(もっと)少ない(のではないか)と意見を述べた。

18. Najib expressed his intention to sue the Wall Street Journal. But he did not. Instead, he asked his lawyers to ask the Wall Street Journal why it published the report.
18. ナジブ氏は、(当初)ウォール・ストリート・ジャーナルを訴えるという意思表示をしたが、(未だに)彼は訴えていない。その代わりに、彼は自分の弁護団に、ウォール・ストリート・ジャーナルに何故リポートしたのかを尋ねるよう頼んだ。

19. To this day the WSJ continues to report more and more details about the US$681 million he has in his private account. He has not sued WSJ, which he can do in the country the WSJ is published.
19. 今日まで、ウォール・ストリート・ジャーナルは、ナジブ氏が個人口座に受領した6億8100万米ドルについてますます多くの詳細(な情報)を報道し続けている。(しかし)彼は(今日まで)WSJを訴えていない。WSJが出版された国(米国)で訴えることができるのにだ。

20. Concerned over the huge sum of money in Najib's private account, a task force was set up in Malaysia to investigate the origin of the money. Four government institutions became members of the task force. They are the police, the attorney-general, Bank Negara and the Malaysian Anti-Corruption Commission.
20. ナジブ氏の個人口座の巨額の資金に関し、資金の出所を調査するため、タスクフォースが結成され、4つの政府機関がタスクフォースのメンバーとなった。それは警察、法務(司法)庁、中央銀行及びマレーシア汚職追放委員会である。

21. Before the task force was able to finish its work, the attorney-general was removed by Najib claiming that he was sick and could not continue to work. Basically Najib had misrepresented to the king to get the attorney-general to be replaced. The Public Accounts Committee was basically paralysed by Najib removing its chairman and members to prevent its investigations of the 1MDB. A new chairman, friendly to Najib, was appointed and he promptly declared that Najib had done nothing wrong.
21. タスクフォースがその任務を終了する前に、法務(司法)長官(訳者註:タスクフォースの長)が、病気で任務続行ができないと主張するナジブ首相によってタスクフォースの長を更迭された。基本的に、ナジブ首相は、法務(司法)長官の交代のため、国王に誤った報告を為した。議会の公共会計委員会は、1MDBの調査を妨害するために議長とメンバーを更迭したナジブ首相により、基本的にその機能は麻痺したが、ナジブ氏に友好な新任の議長が任命され、即座に、議長はナジブ首相は何も間違ったことをしていないと断言した。

22. He then appointed a new attorney-general. Shortly thereafter the new attorney-general dismissed a recommendation by Bank Negara for action to be taken, claiming that nothing in the report showed Najib had done any wrong.
22. それから、彼(ナジブ首相)は新らしい法務(司法)長官を任命した。その後まもなく、新任の法務(司法)長官は中央銀行(総裁)による勧告(訳者註:首相を起訴せよとの勧告)を、報告はナジブ首相がなにも悪いことをしていないことを示しているとしてそれを一蹴した。

23. Bank Negara appealed but this was brushed aside.
23. 中央銀行(総裁)は(ナジブ首相の起訴を)主張したが、しかしこれは払いのけられた。

24. The new attorney-general also dismissed another report by the MACC. The contents of the report are not revealed and threats are made against revealing its contents.
24. 新任の法務(司法)長官はまた、MACCによるもう一つの報告を退けた。報告の内容は明らかにされておらず、その内容を明らかにしないよう脅しをかけている。

25. The new attorney-general has, without valid explanations, dismissed the recommendations of the two institutions that possess the powers and expertise in their areas.
25. 新任の法務(司法)長官は納得し得る説明もなく、この分野における専門知識と能力を有する2つの機関からの勧告を却下したのだ。

26. That dismissal prevented the matter from being determined by a court of law after all the evidence was evaluated. By doing that, the attorney-general has acted as prosecutor and judge. Due process and the rule of law has been denied.
26. その(法務長官による勧告の)却下は、法廷において全ての証拠の評価が行われた後に問題が判断されることを防いだ。このことは、法務(司法)長官が検察官と裁判官の両方の役割を演じたと言うことであり、適切な司法手続き及び法の支配が否定されたと言うことだ。

27. The sacked deputy prime minister later revealed that the former attorney-general has shown him proof of Najib's wrongdoings relating to the scandals. At the same time, various foreign government agencies, namely from Switzerland, the United States, Hong Kong and Britain have initiated investigations on the 1MDB.
27. (内閣から)更迭された副首相(訳者註:ムフディン・ヤシン氏)は後に、前法務(司法)長官からこのスキャンダルに関するナジブ首相の悪事の証拠を見せられたことを明らかにした。と同時に、いろいろな外国の政府機関、すなわちスイス、米国、香港、英国の各政府機関が1MDBの件に関する調査を開始した。

28. The press in Malaysia is heavily censored so that Malaysians have to rely on the foreign press. Yet when Malaysians discuss or write about the foreign press reports, the government (inspector-general of police) invited people to make police reports so that the police can carry out questioning and investigations against the person concerned.
28. マレーシアにおける報道検閲が厳しいのでマレーシア人は外国のプレスに頼らざるを得ない状況にある。そんな中、政府(警察庁長官)は、人々がその外国の報道に関して討論したり書いたりした場合(訳者註:外国報道に基づき首相や政府を批判したりする場合)、警察がそれらの人物を尋問したり調査することが可能となるよう、警察報告(被害報告)を提出するよう他の人々を誘導している。

29. This is in contrast to the failure of the police to investigate the police report formally made against Najib, Jho Low and the reports to the attorney-general by Bank Negara and MACC. The attorney-general even threatens to amend the law to provide for jail for life with 10 strokes of the rotan against anyone "leaking" government papers. This means that crimes committed in the administration can be hidden from the public.
29. これは、人々のナジブ首相やジョー・ロー氏に対する警察報告(被害報告)並びに中央銀行とMACC(汚職追放委員会)が法務(司法)長官に対して行った勧告に基づく警察捜査の怠慢とは対照的だ。法務(司法)長官は、政府書類の情報漏洩に関わる何人に対しても鞭打ち10回と終身刑を科すことができるよう法改正をすると人々を脅しているが、このことは、政府部内の犯罪を市民の目から覆い隠すということを意味している。

30. The attorney-general claims that a part of the RM2.6 billion (about RM2.3 billion) has been returned to the donor or donors. Apart from this statement, no proof has been provided.
30. 法務(司法)長官は、26億1000万リンギのうちの約23億リンギが献金者または献金者たちに返納されたと主張している。この声明とは裏腹に、そのことを証明するものは一切提示されていない。

31. The people are suffering.
31. 人々は苦しんでいる。

32. Najib's GST and increases in toll rates have increased the cost of living, forcing some businesses to close down and also causing foreign-owned industries to stop operations and relocate to other countries, creating unemployment.
32. ナジブ政権が導入したGSTと高速道路料金の増加は(市民の)生活費を増大させ、一部の企業を廃業に追い込み、そのうえ外資系産業が活動を停止して他の国に移転する原因となり、そして失業者を生んでいる。

33. Despite protests by the people, Najib joined the US-sponsored Trans Pacific Partnership (TPP) which erodes our freedom to make policies and laws suitable for our country.
33. 人々の抗議にもかかわらず、ナジブ首相は、政策と法律を我々の国に適合させようとする我々の自由を侵食する(であろう)米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)に参加した。

34. Today Malaysia's image is badly tarnished. Apart from being classified as one of the 10 most corrupt countries, Malaysia is now regarded as undemocratic. There is denial of freedom of speech and freedom of the press and people live in fear of arrest and detentions. Security laws are enacted to allow the prime minister (and not the king) to declare security areas where anyone could be arrested and detained without trial and tried under procedures that violate normal and fair criminal justice standards.
34. 今日、マレーシアのイメージは酷く悪化した。(マレーシアが世界で)10の最も汚職が蔓延る国のうちの1つと分類されたことは別にして、マレーシアは現在、非民主的であると考えられている。言論の自由を否定され、出版の自由を犯され、人々は逮捕と拘留を恐れながら生きている。(新たに制定される)非常事態法は、国王でもない首相が非常事態地域を設定でき、その地域内では誰もが逮捕され、裁判なしで拘留され、通常の公明正大な司法標準ではない手順の下に裁かれることになる。

35. On the other hand, where errors are made in applying these laws by government officers, or where there is a blatant abuse of that power, the people are unable to hold them accountable. Whistleblowers are harassed and punished instead of being protected. Other repressive laws are used to stifle free speech and the legitimate comment about wrongdoings. The fundamental rights enshrined under the federal constitution have become meaningless.
35. 一方、政府役人によってこれらの法が適用される際の間違いや権力の露骨な濫用が生起する場合においては、人々は彼らに責任を求めることはできない。(政府役人に対する)告発者は、保護される代わりに苦しめられ罰せられる。他の抑圧的な法律は、人々の言論の自由と不正に関する合法的なコメントを押さえ込むのに使用される。(マレーシアの)連邦憲法によって保障されている基本的な権利はもはや意味を成さなくなった。

36. For all these reasons, we, the undersigned citizens of Malaysia agree and support:
36. すべてのこれらの理由のため、ここに署名したマレーシア市民は、以下に同意しそれを支援する:

a) The removal of Najib as PM of Malaysia through non-violent and legally permissible means.
a) 非暴力的で法的に許される手段によるマレーシアの首相としてのナジブ氏の解任

b) The removal of all those who have acted in concert with him.
b) ナジブ首相と協力して行動した者すべての解任

c) A repeal of all recent laws and agreements that violate the fundamental rights guaranteed by the federal constitution and undermine policy choices.
c) 最近のすべての法律及び連邦憲法によって保証される基本的な権利を侵害し政策の選択を徐々に蝕む協定の廃止

d) A restoration of the integrity of the institutions that have been undermined, such as the police, the MACC, Bank Negara and the PAC.
d) 徐々に蝕まれた政府機関(例えば警察、MACC、中央銀行及び公共会計委員会)の健全性の回復

37. We call upon all Malaysians, irrespective of race, religion, political affiliation, creed or parties, young and old to join us in saving Malaysia from the government headed by Najib, to pave the way for much-needed democratic and institutional reforms, and to restore the important principle of the separation of powers among the executive, legislature and judiciary which will ensure the independence, credibility, professionalism and integrity of our national institutions.
37. 我々は、すべてのマレーシア国民に対し、人種、宗教、政治的提携、信条、所属団体に関係なく、ナジブ首相によって率いられている政府からこのマレーシアを救うために我々と行動を共にして、非常に必要な民主主義と組織改革への道を開き、独立、信頼性、専門職業意識と我々の全国政府機関の健全性を確実にする役員、議会議員と司法官の間の三権分立の重要な原理確立を復活させることを求める。



以上、今日は今マレーシア政界のみならず、世界中から注目を浴びている"市民の宣言"の全文を紹介してみました。

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当日のマラヤ大学学生会館における記者会見↑では、各界から58名の署名が集まったと発表されましたが、どうやらそれは誤りで正しくは45名だったようです。ただし、署名はその後も増え続け、一般市民による署名は昨日段階で約2万5千人に達したとの報道もありました。

また、マレーシアキニが実施しているWebアンケート調査では、約7割の支持を得ている模様です。

しかし、一方でこの"市民の宣言"やその署名者に対するナジブ派の攻撃(口撃)は熾烈を極めています。もうこうなると言い合いの内戦状態を呈してきた感がありますが、冷静な気持ちでこの"市民の宣言"の37項目を読む限り、これにひとつも反証できていないナジブ派の論理矛盾は明らかなように私には思えるのですが、依然として数の上では圧倒的にナジブ派が優勢と報道されています。

今後、与党UMNO党員や国民の意識がどう変化していくのかが、注目されるところです。

ではまた。。

このところの千客万来に加え、ローカルの友人と共に近々に立ち上げを計画している、あるボランティア活動の準備に時間を割かれ、ブログの更新がついなおざりになっています。

これではいけないと思いやおら書き始めてみたものの、題材に取り上げた政界スキャンダルの最近ニュースが結構難解なことと、動きが急に目まぐるしくなっていることで意外に手間取ってしまい、更新がとうとう3月に入ってしまいました。

ところで、このマレーシア政界疑獄シリーズも今回で早や18稿目ですが、正直言って、これほど長いシリーズものになろうとは思ってもみませんでした。この分だと、私のブログでは最長のKLIA2シリーズ(19)を抜いてトップに躍り出ることは確実です。

しかし何が功を奏するかは本当に分からないものですね。私は、この件をシリーズに書き始めてから、今まで思いも及ばなかったこの国のいろいろなことがらにたくさん気付かされ、そしてより深く学んでいる気がします。

この国はあらゆる意味でわが祖国日本とは異なっています。私の浅薄な知識・経験のみでは推し量れない、私にとっては異次元のなにかが存在しているのです。それは恐らくこの国の歴史や文化や民族に由来する何かだろうと思うのですが、残念ながら私にはそれがまだはっきりとは見えていません。

そんな中、最近はその動きが俄かに慌しくなってきました。前回ブログ更新からの1週間でも、めまぐるしいほどに様々な動きがありました。このことが何を意味しているのか、そして今後どうなるのかは全く読めませんが、今日は、マレーシア・キニの最近の関連ニュース記事からそのタイトルを時系列に並べてみてその動きを追ってみたいと思います。



マレーシア・キニ関連記事タイトル一覧(時系列)

22 Feb 2016

・Opposition can’t be on same page, how to take Putrajaya?
「一枚岩にはなり得ない野党連合、プトラジャヤ攻略はいかに」
(ばらばらの野党でいては政権交代などできないぞとの記事)


・Dr M wants system change more than 'reformists', says Zaid
「マハティール元首相、改革主義者より強力なシステム改革が望み、とザイド氏」

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(ザイド氏は前法務担当首相府大臣で著名弁護士)


・Have you investigated Najib, Zaid asks IGP
「ナジブ首相を捜査/調査したのか? ザイド氏、警察長官に質問」
(ザイド氏が警察長官に、首相本人の事情聴取はしていないのではないかと詰問したとの記事)


・'Muhyiddin's role as deputy is at Najib's discretion'
「ムフディン氏の副総裁としての仕事はナジブ総裁が決めること」

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(更迭された前首相で現UMNO副総裁のムフディン氏が副総裁としての仕事をせずにナジブ攻撃ばかりしていることを非難し、必要なら総裁権限でいつでも解任できるのだ、とUMNOスランゴール州情報主任のゼイン氏)


・Nazri urges Muhyiddin's suspension for attacks on Najib
「ナズリ氏、ナジブ氏攻撃を止めないムフディン副総裁の解任を要求」

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(ナズリ氏はUMNO最高評議会委員で観光・文化大臣、ナジブ擁護派のキーパーソン)


・Rebel Umno leaders back March 27 anti-Najib rally
「UMNO反逆支部長連、3月27日の反ナジブ集会支援を表明」

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(UMNO内の反ナジブ派がザイド氏が提唱している反ナジブ集会を支援することを表明したとの記事)


23 Feb 2016

・The next few months will be critical
「今後数ヶ月がクリティカルか」

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(元外務官僚でマレーシア大使経験者のデニス氏が自身のブログで、「ここ数週間の政界の動きを見ていると、かつてない怒りとエネルギーに満ちている。現政権にとっては今後数ヶ月のうちに危機的状況となり得る。」と述べたとの記事)


・Is March 27 D-Day for Najib?
「3月27日がナジブ首相にとってのD-dayか?」
(3月27日の反ナジブ集会は、野党連合のPakatan Harapanがまだ合流決定しておらず、ナジブ首相にとって致命的な日とはならないのではないか、全野党の結集が必要だろうとの記事)


・Tabling of audit report on 1MDB postponed to March
「1MDBの会計監査報告は3月に延期、会計検査院長官」

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(会計検査院長官は、国会の会計検査委員会に対する1MDBの会計検査報告が、当初予定(2015.12)よりさらに遅れて3月の初めになると発表したが、たいして大きな理由もないのに、なぜこんなにも遅れるのだろう、との疑問を呈する記事)


・March 27 'rally' is closed-door gathering, says Zaid
「3月27日の集会は非公開の集会だ、とザイド氏」

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(3月27日の反ナジブ集会は、政治家、学生運動及び市民社会運動のリーダーたちによる1000人規模の非公開の集会だ。一般大衆による街頭デモではないとザイド氏)


・Don't pass MCMC Act amendments to stifle criticism, urges MP
「口封じのためのマレーシア通信・マルチメディア改正法の成立を許すな、と野党議員が猛抗議」

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(来月予定されているマレーシア通信・マルチメディア省による通信・マルチメディア法の改正提案は、成立すれば多くのインターネットブロガーなども規制の対象となる、そんな国民の知る権利を阻害する改悪を絶対許すまじの記事)


・'Clown-face' Najib lands artist under police probe
「ピエロ顔ナジブ首相のランドアーティスト、警察事情聴取を受ける」

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(ランドアーティストのファーミ氏がツイッターとインスタグラムにピエロ顔ナジブ首相の風刺画をアップロードしたことが、MCMC法に抵触する疑いがあると警察が捜査を開始したとの記事)


・Second ‘sabotage’ of PAC probe the greatest gift to Najib
「会計監査報告の2度目の延期はナジブ首相に対する最高の贈り物」
(野党民主行動党党首のキットシアン氏が、会計検査院長官が国会での1MDB会計監査報告をこれまで2度も延期し、未だに行っていないことは、ナジブ首相にとっては都合が良いことだろうが、国民の最大関心事に対する正当な捜査・調査を妨害していると主張)


24 Feb 2016

・Amnesty says crackdown on freedoms in M’sia intensified
「マレーシア、自由に対する取締りを強化、とアムネスティ・インターナショナル」
(マレーシアでは表現の自由及び市民権や政治的権利への迫害・取り締まりが急速に強まっていると、国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルが今日、年次報告を公表)

・MACC Operations Review Panel meets for last time today
「MACC(マレーシア汚職追放委員会)の調査委員会最終会合が今日開催」
(MACC調査実行部門の最終会合が今日開催される。1MDB関連調査が法務長官指示どおりに打ち切りとなるか今日結論が出る見通しとの記事)


・Police to question Mahathir today in Putrajaya
「警察、今日プトラジャヤにてマハティール氏を事情聴取」
(警察長官筋によれば、今日、マハティール元首相は氏のブログの記事に関して、プトラジャヤの氏の事務所にて事情聴取されるとの記事)


・Salleh: WSJ’s anti-Malaysia agenda clearer by the day
「サレー氏、WSJの反マレーシアぶりが日毎明らかになっている」

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(通信・マルチメディア大臣のサレー氏が、報道倫理に反し根拠に基づかない嘘だらけの報道のWSJは、その反マレーシアのメディアぶりが日を追うごとに明白となってきていると述べているとの記事)


・Poor leadership losing us our global accolades, says Raja Bahrin
「貧弱なリーダーシップが国の栄誉を削いでいる:ラジャ・バーリン」

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(野党Amanah党国際局長のラジャ・バーリン氏の、貧弱なリーダーシップ(ナジブ首相のこと)によって、かつては東南アジアの優等生などと称賛されていたこの国の栄誉が急速に失われている、との嘆きの記事)


・Step down or challenge Najib, Azalina tells Muhyiddin
「ムフディン氏は辞職するか、さもなくばナジブ総裁と選挙で戦え、とアザリナ大臣」

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(首相府担当大臣のアザリナ女史が、ムフディン氏による長舌のナジブ総裁攻撃はUMNO草の根党員の悪い手本だ、副総裁のポストを即刻辞職するか、さもなくば党の役員選挙でナジブ氏と戦え、とムフディン氏に告げたとの記事)


・Go ahead, I am prepared for jail, says Mahathir
「やれるものならやってみろ、刑務所に入る用意はできている、とマハティール氏」

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(今日、警察の事情聴取をうける予定のマハティール氏が、逮捕するなら逮捕してみろ、刑務所に入る覚悟はとっくにできている、と御歳90歳のマハティール氏)

・Continue RM2.6b probe, MACC panel tells anti-graft body

「MACCの調査委員会、MACCに26億リンギの調査は継続と報告」
(MACCの調査パネルが、その最終会合において26億リンギの調査を継続すると決定したとの記事)


・Time to act and rise up against Najib, Dr M urges citizens
「マハティール氏、今こそ反ナジブで決起する時だと、国民に呼びかけ」

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・Dr M will join March 27 'oust Najib' gathering
「マハティール氏、3月27日の反ナジブ集会参加を表明」


25 Feb 2016

・Mahathir crosses the Rubicon
「マハティール氏、ルビコン川を渡る」

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(古代ローマ史に残る名言、ルビコン川を渡る、とは賽は投げられた、もう後戻りはできないという意。マハティール氏の反ナジブ決起の解説記事)


・Umno veep defends Muhyiddin amid ouster speculation
「UMNO副総裁補のシャフィー氏、ムフディン氏追放の動きの中で氏を弁護」

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(反ナジブのシャフィーUMNO副総裁補が、明日開催予定の最高評議会でムフディン氏の追放の動きがあることに反論しムフディン氏を弁護する記事)


・Nazri warns Muhyiddin: Stop attacking Najib or I'll attack you
「ナズリ大臣、ナジブ氏攻撃を止めなければ私があなたを攻撃する、とムフディン氏に警告」
(ナジブ擁護派のキーパーソン、ナズリ首相府大臣がまたもやムフディン氏に警告を発したとの内容で、UMNOの翌日の最高評議会懲罰委員会の結果を予期させる記事)


・'Umno supreme council will pay for punishing Muhyiddin'
「UMNO最高評議会のムフディン氏懲罰決定は将来その責めを負うだろう」

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(UMNOの最高評議会懲罰委員会の審議結果を予測し、ムフディン氏追放の決定は、将来それが誤りであったことへの責めを負うだろう、とムフディン氏を全面支援するUMNO PAGOH支部のイズマイル副支部長)


・Umno rebels deliver questions on Najib to Saudi embassy
「UMNO反乱支部長連、在マレーシア、サウジアラビア大使館にナジブ氏に関する質問状を提出」
(26億リンギの資金がナジブ首相の個人口座に送達された問題で、在マレーシアのサウジ大使館に、資金の出所、用途などに関する質問状を提出したとの記事)

・MCMC confirms TMI ban, warns against unverified reports
「マレーシア通信・マルチメディア委員会、マレーシア・インサイダーのアクセス・ブロックを確認、不明確な情報発信に警告」

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(政府による1MDBと26億リンギ関連スキャンダルの報道規制が、ついに国民の知る権利を唯一担保している自由メディアをも潰し始めた。情報源を明らかにしない不確かな情報を発行・発信する自由メディアは決して許さない、と言う現政権は、憲法が保障する表現の自由や報道の自由を侵し、国民の知る権利を妨害している。次はマレーシア自由メディアNo1のマレーシア・キニにも被害が及ぶであろうと同誌編集主幹)


・'TMI block shows Putrajaya fears free media'
「マレーシア・インサイダーのアクセス・ブロックは、プトラジャヤが自由メディアを恐れていることの証左」

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(マレーシア通信・マルチメディア委員会によるニュースポータルのマレーシアン・インサイダーへのアクセスブロックは、マハティール時代に、2020年までのマルチメディア・ユートピア実現を目指して導入したマルチメディア・スーパーコリドー施策に明らかに違反している。現政権が自由メディアを恐れている証だ。直ちに解除せよ、とファーミ野党人民公正党通信部長が声明で発表)


・MACC panel chair denies sufficient evidence to prosecute Najib
「MACCの調査委員会議長、ナジブ告訴に十分な証拠ありを否認」
(MACC調査委員会の匿名メンバーが、調査ではナジブを告訴するに十分な証拠が出た、とマレーシア・インサイダーに情報を漏らし、それを同誌が情報源を明らかにしないまま公表したとされていることに関し、MACCが正式に否認会見)

・'TMI block signifies darkest day since media crackdown in 1987'
「マレーシア・インサイダーのブロック、1987年以来の暗黒時代突入」

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(ナジブ政権による今回のマレーシア・インサイダーへのアクセスブロックは新たな暗黒時代の到来であり、厳しい情報取締りが始まったことを意味していると、野党民主行動党のトニー議員)


26 Feb 2016

・CIJ urges vigilance over more censorship after TMI block
「CIJ、マレーシアン・インサイダーのブロック後の更なる検閲強化に警戒呼びかけ」
(政権にとって都合の悪い情報はすべてシャットダウンしようと言うインターネット上の情報規制は、明らかに不健康な民主主義だ、と報道の独立性を守ろうセンターが現政府による今後更なる検閲強化に警戒呼びかけ)


・Police to probe TMI report on recommendations of MACC panel
「警察、勧告に基づきMACCのパネルに対する捜査開始か」
(警察によると、MACCパネルの委員が捜査の秘密情報をマレーシアン・インサイダーにリークしたのではないか、捜査すべきだとの勧告に基づき近く捜査を開始する模様)


・Muhyiddin's removal will be 'final nail in Umno's coffin': Mukhriz
「ムフディンの追放はUMNOの棺桶の最後の釘となるだろう:ムクリツ前クダ州知事」

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(ムフディン氏を追放すれば、UMNOにとってはそれがUMNOと言う政党の死を意味することだ。取り返しの付かない決定的なダメージとなるであろう、とマハティール氏の息子で前クダ州知事)


・M'sia morphing into North Korea, says Mahathir on TMI ban
「マレーシアン・インサイダーのブロックに関し、マレーシアは北朝鮮に変容している、とマハティール氏」


・Dr M: I'm attending March 27 'oust PM' gathering
「マハティール氏、私は3月27日の反ナジブ集会に参加する、と表明」


・DAP, MIC say sue instead of ban if TMI article ‘offensive’
「マレーシア・インサイダーの記事がだめと言うならブロックではなくて訴訟提起すれば良いではないか、とDAP及びMIC」
(民主行動党及びマレーシアインド人会議は、今回のマレーシアン・インサイダーのアクセスブロックに関し、記事が違法だと思うのならば、予告なしにブロックするのではなく、訴訟提起すべきだろう。違法かどうか、罪かどうかの判断はMCMCではなく司法だろうと主張)


・Muhyiddin suspended as Umno deputy president, Zahid steps in
「ムフディン氏、UMNO副総裁のポスト剥奪さる、後任はザヒド氏」

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(ムフディン氏が本日のUMNO最高評議会にて、党副総裁のポストを追われたとの記事。後任は現副首相でナジブ擁護派トップのザヒド氏)


・'Muhyiddin suspended because Najib fears his influence'
「ナジブ首相、ムフディン氏の影響力を怖れ、氏のポスト剥奪」
(ムフディン氏が、噂どおりに党副総裁のポストを追われたことは、ナジブ首相が氏の影響力を怖れているからだ。ナジブ氏の安寧はUMNO内でしか得られず、後任にザヒド副首相をあてることによって、ナジブ氏の居心地は一段と良くなるだろうとの記事)


27 Feb 2016

・Najib's FB page awash in flood of 'angry' emoji
「ナジブ氏のフェイスブックは怒りの絵文字の大洪水」

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(昨夜、ナジブ首相のフェイスブックには怒りの絵文字の大洪水が生起したが、これは何千ものネットユーザーがナジブ氏に対して怒っている、との意思表示をしたもの)


・Will Muhyiddin cross the Rubicon and quit Umno?
「ムフディン氏はルビコン川を渡るか、そしてUMNOを離党するか」

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(政治学者のウォン氏はマレーシア・キニの電話インタビューに答え、党の役職を剥奪されたムフディン氏とシャフィー氏はルビコン川を渡り、UMNOを離党すべきと述べた。ナジブ派にとっての打撃は、BN(与党連合)が2議席を失うだけでなく彼らを軸とする新たな政界の動きが惹起することだろう、との記事)

・Muhyiddin urges reform, says rejecting Najib alone not enough
「ナジブ一人を追放するだけでは不十分。改革が必要とムフディン氏」

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(昨日、党副総裁のポストを剥奪されたムフディン氏が、マレーシアを元のように民主的で繁栄の国にするためには、人種、宗教、主義思想にとらわれずに人々が一致団結して戦うことが必要。ナジブ氏一人を追い出すだけでは駄目で抜本的な改革が必要だと訴えているとの記事)


・'Ex-AG showed me proof on Najib and SRC, it was clearly a crime'
「前法務長官が私に示したナジブとSRCに関すること、それは明らかな犯罪の証拠だ、とムフディン氏」
(ムフディン氏が副首相の地位にある時、前法務長官がナジブ首相とSRCに関する多くの証拠を示してくれたが、それは疑いようもない重大犯罪だ、とムフディン氏が告白したとの記事)


・We're witnessing emergence of a new dictator, ex-DPM warns
「我々は今、ここに新たな独裁者の出現を目の当たりにしている、と前副首相のムフディン氏が警告」
(前首相のムフディン氏が昨夜、党副総裁のポストを追われたことに関し、氏は、ナジブ氏が自身を批判するすべての口を封じるためにあらゆる権力を結集して、民衆の弾圧を始めていることは、民主主義社会が崩壊した証左だ。我々は今ここに新たな独裁者の登場を目の当たりにしているのだ、との記事)


・Najib: Gov’t not a dictatorship, it's elected
「ナジブ首相:政府は独裁政権ではない。選挙で選ばれたのだ」

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(ムフディン氏の独裁者呼ばわりにナジブ首相が反論。私は独裁者ではないし、政府は独裁政権ではない。我々は民主的な選挙によって民衆に選ばれた正当な政権だと主張)


・Rafizi welcomes Muhyiddin to reformasi movement
「ラフィジ氏、改革実行のためムフディン氏を歓迎」

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(野党民主正義党の副党首兼事務局長のラフィジ氏は、この国の改革実現のため、国民が一致してナジブ政権打倒のために結集すべきユニークな曲がり角に差し掛かっている。ムフディン氏と共に戦い、真に民主的で国民の幸福を追求する新たなリーダーを選ぼう、ムフディン氏を歓迎する、とマレーシア・キニの問いに答えたとの記事)


・MIC respects Umno decision on Muhyiddin
「BN(与党連合)のMIC、ムフディン氏のポスト剥奪に関するUMNOの決定を尊重」
(BNの一員であるマレーシア華人協会が、ムフディン氏の取り扱いに関するUMNOの決定を尊重すると党声明を発表したとの記事)


・Salleh: Muhyiddin suspension not to split party
「サレー通信・マルチメディア大臣:ムフディン氏の地位剥奪決定は党を二分しない」

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(ナジブ擁護派のキーパーソンの一人、サレー大臣は、UMNO最高評議会がムフディン氏の副総裁を剥奪したことが、党を二分するのではないかとの噂が飛び交っているがそれはありえないことだ、と述べたとの記事)


・Be with the gov’t to fight violence, terrorism, says PM
「首相、国民に対し、政府と共に暴力やテロリズムと戦おうと呼びかけ」

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(ナジブ首相が、最近の国民の間の不協和音について、今は世界が暴力やテロリズムと一致して戦うべき時だ、マレーシアもSNSなどに溢れている不確かな情報に踊らされず、国民が一致して政府と共に戦おう、と訴えたとの記事)


・Sack if Muhyiddin 'does it again', says Tengku Adnan
「もしムフディン氏が再度同じことをするようなら、今度は党籍を剥奪と、テンク氏」

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(副総裁の地位を剥奪されたムフディン氏が依然としてナジブ総裁を攻撃するならば、次は党籍剥奪だ、とUMNO事務局長でナジブ派の重鎮、テンク氏が述べたとの記事)


・Kit Siang reiterates 'Save Malaysia' agenda as friends, foes align
「野党DAP党首のキット・シアン氏、敵も味方も一致してマレーシアを救おうと再度の提唱」

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(野党、民主行動党のキット・シアン党首が、ムフディン氏の更迭に呼応し、昔の敵も味方も今は一致してマレーシアを北朝鮮化しようとしているナジブ政権と戦わなければいけない、我々はムフディン氏やマハティール氏とも共に戦う意思があるとの記事)


・Gani zips lips over alleged evidence against Najib in SRC case
「ガーニ氏、SRC事件のナジブ首相の嫌疑について口を閉ざす」

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(ムフディン氏が副首相時代に、前法務長官のガーニ氏から、首相の犯罪に関する明らかな証拠を示されたと公表したことについて、ガーニ氏は固く口を閉ざしている、との記事)


・Be smart Internet users, Rosmah advises Girl Guides
「もっと賢明なインターネットユーザーになりなさい、とロスマー夫人が全国の女性に向けて呼びかけ」

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(ロスマー首相夫人が、SNSに溢れている首相や自身に対する辛らつな情報をとらえ、女性は、偽情報に踊らない賢いインターネットユーザーにならないといけないと自身が今日出席したマラッカでの会議の席上訴えたとの記事)



以上、2月22日から1週間のマレーシア・キニの課関連ニュース記事のタイトルのみをピックアップし、それを時系列で並べ、簡単に記事内容を紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。

全般的に動きのテンポが早まっていますが、最近の動きを概括すると、現政権打倒のために、人種、宗教、文化、主義思想の壁を取り払い、全国民が一致して戦おうという雰囲気が大分醸成されてきた気がします。

また、昨日と一昨日(2月28日と29日)の間には、さらに新たなニュースとして、マハティール氏とその夫人がUMNOを離党し、何名かのUMNO党員がマハティール氏に呼応し離党の動きをみせているとのことです。マハティール氏はまた、ムフディン氏にもUMNOを離れるように助言しているとのことですし、そうなれば、UMNOの分裂は必至です。

この国の政界アナリストが述べているように、UMNOの一枚岩が崩れれば、マレーシア政界再編の大事も現実味を帯びてきます。しかし、果たしてどうなるか、毎日の真剣なニュースチェックがますます重要かつ大変になってきている今日この頃です。

ではまた。




今日のブログタイトルとは全然関係ないことですが、昨晩、親しい友人のUD氏の誕生祝いと言う理屈をこねて、初めてマレーシアのビアホールに行ってきました。

このビアホール、Bricks & Barrelsと言うお店で、我が住まいのあるモントキアラの隣町、デサ・スリハタマスにあって、歩いても行けるところなので前から気にはなっていたのですが、機会がなくて今まで行っていませんでした。

しかしマレーシアと言うところは考えようによっては面白い国です。国民の大半はイスラム教徒で戒律のために飲酒は当然ご法度なのですが、非ムスリムの人たちも少なからず居住しているわけで、その人たちや観光客などのためにこんなビアホールなども堂々存在しているのです。

↓Bricks & Barrels @ Desa Sri Hartamas

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店内は↓こんな風で、まだ中華新年のデコレーションがちょっと派手目ですかねぇ。

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実は、私は当日の朝から咳が出て、微熱もあって、体調が万全ではありませんでした。多分いつもの風邪っ引きですが、そんなことでズル休みするようなヤワじゃありません。予定どおり、YMCAでの3時間ぶっ続けのマレー語特訓もこなしましたし、夜の宴会だって負けてはいられません。

しかし、最近良く喉(のど)風邪を引くがなぜなんだろうと考えてみて、今朝初めてその原因に思い当たりました。

以前、私の父親の大口開けた寝姿を見て、なんと無様なと思ったことがありましたが、ひょっとして私も大口開けて寝てる? そうか、顔の造作や骨格構造がほぼ同じなのだから、きっとそうに違いない。最近、目が覚めるたびに喉がひりひりするほど痛いけど、これってエアコンの冷気を思いっきり全開した喉で受けているからか??

そうか、それが私の最近の喉風邪引きの原因なのだ・・・・・、しかしこんなことに今頃気付くとは、情けないったらありゃしない、私も衰えたものだ、トホホのホです。(と言うことで、今後はマスクをして眠ることにしました)

よぉーっし、そんな喉風邪なんて吹っ飛ばせぇーと、久しぶりのハイネケンの生(ナマ)をグビグビのグビビです。ふぅーっ、うんめぇぇ。。いやいや、UDさん、昨夜は誕生祝いのご相伴に預かり大変ありがとうございました。お陰さまで喉風邪も吹っ飛んだようですけん。

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さてそんな楽しいひとときを過ごし、ほろ酔い気分で帰宅したひねくれ団塊ですが、その後いつも通りに就寝前のニュースチェックをしたところ、タイトルに掲げたような記事を目にしたと言うのが本日の本題です。


これがそれ↓です。(抜粋のみ)

Najib: I'm patient, but beware if you cross the line
ナジブ:私は忍耐強い、しかしあなた方が一線を越えた時を思い知れ

Malaysiakini 20 Feb 2016, 11:57 pm

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Prime Minister Najib Abdul Razak may be praised by many for his “patience”, a virtue which he himself admits to possess.
ナジブ首相の、彼自身が持っているという"忍耐"の美徳は、多くの人々によって称賛されるかも知れない。(訳者註:強烈な皮肉か?)

But underneath all the supposed composure and tolerance, Najib admits that he has his limits too, and will act if he is pushed too far.
しかし、すべて想定された冷静さと寛容性の下ではあるが、自分には限界もある、あまりにも遠く押されるならば、行動するとナジブ首相は認めている。(訳者註:激しく退陣の圧力をかけらるなら対応行動に出るということ?)

Speaking at an event commemorating his 40 years involvement in politics, Najib explained that his ability to continue his work in politics may be due to his patience.
ナジブ首相の政治活動40周年記念イベントにおいて、ナジブ氏は、政治活動を続ける彼の能力は忍耐強さによる場合があると説明した。(訳者註:政治活動を続けられるのは自身の忍耐強さにあると言うこと?)



いや、なにか興ざめでしたね。これまでの間、雨あられのような非難に晒されても、本人が前面に出ることは一切なく、代理人による曖昧模糊とした答弁に終始していた当の首相が、自身の政治活動40周年を祝う記念大会で、このように述べたと言うのです。

数多の疑惑の中心にいながら、一切のダンマリを決め込んでいることが、国民の信を失う原因なのだろうと思うのですが、そのことを完全に棚に上げて、この弁はないでしょう。

この記事には、早速雨あられのアンチナジブの読者コメントが投稿されましたが、みな一様に首相のことを"shameless"と連呼して怒りを露わにしています。つまり、寡廉鮮恥と言うべきか、はたまた厚顔無恥と言うべきか、こんな首相はもうごめんだと言う読者コメントが溢れているのです。



先月1月26日に法務長官が、首相に違法性はない、関連の捜査・調査はこれを持って終了する、と記者会見して以来、内外からの大ブーイングが沸き起こり、いまだにその余波が続いているのですが、この間の最大のニュースは、やはり2月12日のオーストラリアABCニュースによるWSJファィナンスエディター、ケン・ブラウナン氏とのインタビュー↓でしょう。

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このニュースは、2月18日のマレーシア・キニの記事によって広く知られることになったのですが、それはこう↓です。(抜粋のみ)

WSJ refutes AG's Saudi donation claim
WSJ、法務長官のサウジからの献金との主張を一蹴

Malaysiakini 18 Feb 2016

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The Wall Street Journal (WSJ) has refuted attorney-general Mohamad Apandi Ali's claim that the money deposited into Prime Minister Najib Abdul Razak's private accounts was a donation from the Saudi royal family.
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、ナジブ首相の個人口座に預金された資金はサウジアラビアの皇族からの献金であったとする法務長官モハマド・アパンデ・アリの主張を一蹴した。

Its finance editor Ken Brown said this in an interview with ABC News Australia on Feb 12.

WSJのファイナンスエディター、ケン・ブラウン氏は、2月12日にオーストラリアABCニュースのインタビュー番組(※)でそのように述べた。 ※ABCニュースインタビューはこちら→ABCニュース

"Our reporting has shown for months now that the money did not come from the Saudis, but it came via a bunch of companies and bank accounts related to 1MDB.
我々(WSJ)の報道は、資金がサウジアラビア人からの献金ではなく、1MDBに関連した多くの会社と銀行口座を通じて(1MDBから)出てきたものだと、これまで何カ月にもわたり示してきた。

“And you know, our story hasn't been called into question yet, and we have loads of evidence to back that up," he told ABC's Beverley O'Connor.
そしてあなた方が知るとおり、我々の報道はまだ疑問視されてはいない(訳者註:虚偽報道だとは訴えられてはいない)、そして(もし訴訟を起こされたとしても)我々はそれをバックアップする多くの証拠を持っていると、彼はABCニュースのベヴァリー・オコナー氏(ニュースキャスター)に述べた。



記事の中で、ケン・ブラウン氏はこの他、国家秘密の暴露に対する刑罰を終身刑に増大するなどの法務長官の提案について、すべてに蓋をして政府に対する非難は一切語らせないと言う現政府の締め付けであり、反対派に対するあからさまな脅しだろうと述べている。

そして、この記事(マレーシア・キニの記事)の後、さらに広がる(ナジブ首相とその擁護派に対する)大ブーイングの中で、40周年記念大会における寡廉鮮恥と言うべきか厚顔無恥と言うべきかの首相発言に関する昨夜のマレーシア・キニの記事が出たわけです。

ただし、この"寡廉鮮恥と言うべきか厚顔無恥と言うべきか"のワードは、当該記事に対する読者コメントに溢れる"shameless"のワードを私なりに意訳したものであり、外国人である私自信の、この国の現首相に対する感情とは異なるものであることを付記しておきます。

それにしても、前副首相で依然としてUMNO副総裁の地位にあるムフディン氏が最近述べたように、"国民は真実を知りたいのだ。WSJの報道が嘘だと言うなら、なぜWSJに対して断固たる法的措置を取らないのだ。首相は、なにも悪いことはしていないと繰り返し述べているし、法務長官も捜査・調査の結果、なにも違法性はない、と明言しているのだから、堂々とWSJを訴えて、法廷の場で、身の潔白を証明すれば良いではないか。それを未だにしていないのはなぜなのだ、なにを恐れているのだ。"と言う主張には一理あるどころか、まったくそのとおりだと思います。

これについては、複数の法律家たちが解説しているように、国際裁判の場合の訴訟提起は、原則として相手方居住国の裁判所に対して行わなければならず、もし、WSJやケン・ブラウン氏を虚偽報道、誹謗中傷、名誉棄損などにて訴えようとすれば、米国の裁判所に訴訟提起し、米国裁判所にて米国の法律に基づき争うこととなる。WSJによる計画的かつ挑戦的な報道はまるでナジブ首相による訴訟提起を待ち構えているようにも見える。

ここマレーシアの裁判所ならば、法務(司法)長官以下のナジブ擁護派の存在が司法を捻じ曲げる可能性もなきにしもあらずだが、米国の裁判所ではそうもいかない。とても勝訴の可能性はない、つまり、端から争いたくはないと言うことなのでろう、とナジブ派にとっては手厳しい解説が大多数を占めています。

ナジブ派の立場を忖度するとすれば、"とてもそんなことはしたくない、未だ割合的には少数の反対派の口封じの策を弄し、できることならこのまま何もしないでひたすら身の防護を図りたい・・・"、実はこのことも、マレーシア・キニやマレーシア・インサイダーの記事に対する読者コメントからの引用なのですが、しかしナジブ擁護派の勢力のなんと強いことかと驚きますね。

これはもうナジブ首相と一蓮托生の方たちのなんと多いことかと同義だろうと思うのですが、単にマレー系民族の人口構成に対する割合が大きいだけでは説明ができない、何かがあるのかも知れませんね。

いずれにしても、ナジブ派の願う、次の2018年の総選挙までこのままの体制でと言うのは虫が良すぎでしょう。

しかし国内においては依然としてその勢力を誇るナジブ擁護派です。こうなったら、WSJなどの外国勢に頼る以外ないのかも知れませんね。WSJのケン・ブラウン氏が述べたように、ここ数カ月のうちに次々と明らかになるであろう、関係国(米国、英国、フランス、スイス、シンガポール、香港)当局の捜査・調査結果にマレーシアの現政府がどこまで耐えられるか、まさに正念場に差し掛かっているのかも知れませんね。

ではまた。。


これまで地元の人たちから、あなたは定年後の移住先として、なぜマレーシアを選んだのか(Kenapa awak pilih Malaysia?)、と問われる度に、(東南アジアの国々の中では)政治・経済が最も安定しているから(Sebab keadaan politik dan ekonomi yang paling stabil.)、と答えていたのですが、最近ではとてもそうは言えない状況になってきています。

マレーシアの現ナジブ・ラザク政権は、国内外の誰もが危惧しているように、いつ倒れても不思議ではない状況にあるし、そのお陰でマレーシアの通貨は底なしに売られて急落し、外国からの投資も遠ざかる始末。まさか、国家経済が破綻するようなことはないのでしょうが、いずれにせよ、早く元通りの安寧を取り戻してもらいたいものです。

しかしそれにしても、なぜこんなにも国を揺るがす超大スキャンダルがいつまでも解決しないのか、私には不思議で不思議でなりません。

昨年7月の米大手経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とサラワク・リポートのすっぱ抜き報道に端を発した一大スキャンダルは、今なお解決の兆しをみせず、まさに、いつまで経っても終わりの見えない疑惑の連鎖です。

それどころか、先月26日にこの国のA-G法務長官(※)が「首相に違法性はない、この件はこれにて一件落着だ」と記者発表して以来、国内外からの大ブーイングが沸き起こり今なお止んでいません。
(註※)A-G(Attoney General)の日本語訳について、検察長官、司法長官、法務長官などといろいろあるようですが、この国の法務のトップと言うことで今後私は法務長官で統一したいと思います。(したがってA-G Chambersは法務庁と呼称したいと思います)

そこで今日は、特に普段、多忙のためローカル新聞やニュースサイトを継続的にチェックできていない在住日本人の方々のために、このメガ・スキャンダルの直近の関連報道を簡単に紹介してみたいと思います。



先ずは、2016年2月5日付け、Free Malaysia Todayの記事です。

Najib should go on leave to allow probe to proceed
ナジブ首相が休暇を取らない限り捜査の進展はない

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The question was whether the great paradox was sustainable or whether a tipping point was being reached where Najib’s "house of cards" will suddenly collapse and come tumbling down.
この(スキャンダルの)偉大なパラドックス(矛盾)が今後も耐えうるか、ナジブの虚構の館が突然もろくも崩れ去るかの転換点に来ている。

↑これは野党、民主行動党(DAP)党首のリム・キット・シアン氏が声明で述べたものだそうですが、記事の要約は以下のとおりです。

・ナジブ首相の二つのメガ・スキャンダルはナジブ氏が休暇でも取らない限り進展はない。このままではマレーシアの国際的な信用度は地に堕ちるのみだ。

・1MDBの(不透明な金融取引の)件は、スイス、シンガポール、香港、英国、米国の当局が現在も捜査を進行中であり、その捜査情報が逐次に明らかになるが、その都度、マレーシアの投資信用度は失われて行く。

・次から次に明らかとなるナジブ首相のスキャンダルにも関わらず、首相の権威は益々磐石のものとなっているかに見えるが、その偉大なパラドックスが果たしていつまで耐えうるのか、あるいはナジブ氏の虚構の館が突然もろくも崩れ去るかの転換点に来ている。

・連日、容赦のない試練が彼ら(ナジブ陣営)を襲っている。その1は、前マレーシア弁護士連合会の会長が述べた前例のない提言、つまり法務長官に対する告発もありうると述べたことだ。前汚職対策庁長官も、法務長官に対する犯罪(者)隠匿容疑での捜査も可能だと、と述べた。

・ナジブ陣営に対する試練その2は、元首相マハティール氏による「ナジブはマレーシアのために辞職せよ」と繰り返し激しく要求していることだ。マハティール氏は、マレーシアの評価及びナジブ氏自身の評価を取り戻すには、ナジブ氏自身が身の潔白を証明する以外にない、それができないなら潔く辞職せよと述べている。マハティール氏はまた法務長官の、ナジブ首相に犯罪性はないとの記者発表にはなんの意味もないと断じている。

・試練のその3は、2002年、ナジブ氏が国防大臣時代にフランスの潜水艦購入に際し、氏がフランスの潜水艦製造会社から1.2億米ドルもの巨額の賄賂を受け取ったのではないかとの疑惑が再燃、しかも今度はフランスの司法当局が公式に捜査に着手したと発表したことだ。しかも、このことは(当時ナジブ夫妻に疑惑の眼が集まった)モンゴル女性秘書の爆殺事件を直ちに連想させることでもある。

記事原文はこちら→Najib should go on leave to allow probe to proceed



次は、2016年2月6日付けマレーシア・キニの記事です。

Report: Saudi minister doesn't think Najib's RM2.6b is a donation
リポート:サウジアラビアの大臣、ナジブ首相への26億リンギは献金だとは思わない

↑これは、2月5日付けのニューヨークタイムズ紙に掲載された、サウジアラビア外務大臣の言質ですが、ナジブ首相口座に入金された26億リンギは中東からの政治献金だと一貫して主張してきたナジブ首相及びナジブ陣営にとっては手痛いリポートです。

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マレーシア・キニの記事の要約は以下のとおりです。

・サウジアラビアの外務大臣はニューヨークタイムズ紙のインタビューに答え、マレーシアのナジブ首相の口座に送金された26億リンギの資金は政治献金だとは思わない、また、サウジアラビア政府からのものだとも思わない、と述べた。

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・外務大臣はまた、ふたつの異なる情報源からの情報によるとやはりそれ(26億リンギ)は献金ではない、ビジネス取引だと述べた。

・このリポートは、スイス司法当局が1MDBの関係企業に対する捜査の中で、マレーシアの政府系企業から流れた40億米ドルが不当に(何者かに)着服されたと発表した最中のことだ。

↑この記事は、二ょーヨークタイムズ(NYT)紙の記事を基に、26億リンギは法で認められている政治献金でありなんの違法性もない、とのナジブ陣営の主張を真っ向から否定するものですが、この記事にあえて異を唱えるとすれば、なぜニューヨークタイムズなのかということと、外務大臣の言質が断定ではなく、そう思うとの表現になっていることですね。いまいち、信憑性が十分ではない記事のように思えます。

記事原文はこちら→Report: Saudi minister doesn't think Najib's RM2.6b is a donation



次も、2016年2月6日付けマレーシア・キニの記事です。

'How now, AG, is RM2.6b donation or business deal?'
さあ今度はどうする、法務長官?26億リンギは、献金かビジネス取引か?

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ベテランジャーナリストのA・カディル・ジャシン氏(註:前ニュー・ストレイツ・タイムズ編集主幹)の見解に基づく同記事の要約は次のとおりです。

・ベテランジャーナリストのA・カディル・ジャシン氏によると、ボールはアパンディ法務長官の側にある。なぜならNYTの記事が正しければ、法務長官の言う、ナジブ首相の個人口座に入金された26億リンギの資金は、法律で認められた政治献金であるから、ナジブ首相にはなんらの違法性がない、との主張が根底から覆るからだ。

・それでアパンディ法務長官はどうする?自身の言質に固執するのか見直すのかと言うことだ。

・MACCや中央銀行から提出された膨大な調査(捜査)結果報告がすべて作り話だと誰が思うか?(誰もそうは思わない)

・26億リンギは確かにサウジアラビアからの個人献金だとの英国BBC報道に基づく世論の認識は、今回の米国NYTの記事により状況が一変した。

・A・カディル・ジャシン氏は、先のBBC報道より、今回のNYTの記事のほうが信憑性があると述べた。

・サウジの外務大臣が言うには、氏名不詳の同国のロイヤルファミリィが明らかにしたところによると、ナジブ首相の口座への送金は、サウジのプリンスから出たものでそれは献金ではなく投資だったと言うことだ。

・このことは、献金は、2013年の総選挙の選挙運動とテロとの戦いのための資金だとナジブ首相及びその陣営が一貫して主張してきたことに真っ向から反するものだ。

・アパンディ法務長官は、これらの報道をしたNYTを法的に訴えるようナジブ首相やその顧問弁護団に助言するのかどうか?(註:そんなことはできないだろう、できるならやってみろと挑発しているようにみえる)

・ザヒド副首相は、サウジアラビア政府に対して、このような事柄がなぜ(マレーシア)政府ではなくて米国メディアに対して伝えられたのかと不満を述べるだろうが、これは彼自身がサウジの献金者に会ったなどとこれまでに公言していることからも、彼自身の虚偽証言を否定する意味でも当然のことであろう。(註:ザヒド副首相に対する強烈な揶揄と思われる)

記事原文はこちら→'How now, AG, is RM2.6b donation or business deal?'



以上、アパンディ法務長官の、首相は無実だ、これにて一件落着だとの記者発表の後、国内外からの大ブーイングが収まらない中、ニュースサイトで発信された記事の中からこれはと思うものを要約して紹介しました。

しかし常識的に考えてみれば、疑惑の中心にいるナジブ首相自身が、なにも悪いことをしていないというのであれば、なぜ国民の前で堂々と身の潔白を証明しないのですかね。

これまでに幾度となくあったそのような機会を自らドタキャンしたり、なんちゃって大臣にその代役を押し付けている姿を目の当たりにして、一向に説明責任を果たそうともしない首相を国民はみな不思議に思っているのですよ。

それでいて、捜査や調査の進展をまるで妨害するかのような策ばかりが目立ち、これでは国民の信頼が乖離していくのは当然ではないでしょうか。。

今回、ナジブ・ラザク首相に批判的だとして辞職に追い込まれた、元マハティール首相の三男、前クダ州首相のムクリズ・マハティール氏の件も、反ナジブ勢力を一掃しようとする陣営の仕業でしょう。

反対勢力を根こそぎ実力をもって根絶やしにするなどは、まるで民主主義国家の議会政治とは思えません。

いつになったら、真っ当な議会政治が戻ってくるのでしょうか。

ご承知のようにこの国は多民族国家です。したがって、ワンマレーシア、つまり民族の垣根を超えてひとつにまとまろうと言うこの国の政治スローガンが示すように、各民族間の軋轢解消はこの国の政治の悲願の筈です。

各民族の人口構成、即ち有権者人口構成と、各民族の特性がこの国の政治を物語るのですね。汚職に塗れた一部の極悪政治家たちの自己保身など正義の前には今にも崩れそうなのに、なぜか知らん、意外にその牙城は堅牢で驚きます。

私も考えが浅はかでした。この国にはこの国の特性がある。私の大好きな、陽気で明るくかつ質素な大多数のマレー系民族の犠牲の上に、汚職に塗れた一部政治家の傲慢がある。

彼らはなりふり構わず自己保身に躍起となり、それを攻める側も一枚岩とはほど遠い。所以、いつまで経っても終わりの見えない疑惑の連鎖なわけですね。

分かりました。焦らずじっくりとこの国の行く末を見守って行きたいと思います。

それではまた。。

いや、驚きました。昨日(26日)の朝方、UMNO支部長連の勇気ある行動の件をブログにアップしたばかりなのに、なんとお昼過ぎには、とんでもない驚愕のニュースが出ていたのです。

検察長官(司法長官)のアパンディ・アリ氏が、昨年12月17日にMACCから調査報告書を受けた以降、数多の注目を集めながら、なぜかだんまりを決め込んでいたのですが、昨日、突然沈黙を破り、"ナジブ首相は不起訴"、との爆弾記者発表(ナジブ擁護派にとっては期待どおりの記者発表?)を行ったと言うのです。

まあ、今後の野党や国内反体制メディア並びに世界のメディアの反応振りが見ものですが、とりあえず本ブログとしては速報のつもりで昨日のマレーシア・キニの第一報を紹介したいと思います。



AG: No charges against PM, SRC and RM2.6b cases closed

:検察長官:首相は不問、SRC及び26億リンギの事件は結着

Published Today 11:21 am Updated Today 3:50 pm 204 comments

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No charges will be brought against Prime Minister Najib Abdul Razak based on the investigations carried out by the Malaysian Anti-Corruption Commission (MACC).
マレーシア汚職追放委員会(MACC)によって行われた調査に基づき、ナジブ首相に対する告発は行わない。

Attorney-general Mohamed Apandi Ali said he has studied the investigation papers and was satisfied that there are no grounds for action.
検察長官モハメド・アパンディ・アリ氏は、調査資料を精査し対処(告発)の根拠がないことに満足した、と語った。

"Based on the facts and evidence as a whole, I, as the public prosecutor, am satisfied that no criminal offence has been committed by the prime minister in relation to the three investigation papers.
全体の事実と証拠に基づき、私は検察官として、3部冊の調査資料に関し、首相による犯罪行為はなかったことに満足している。

"I will return the relevant investigation papers to MACC today, with the instruction to close the three investigation papers," he told a press conference in Putrajaya this morning.
私は今日MACCに3部冊の調査資料をクローズするよう指示し関連調査資料を返却する、と午前のプトラジャヤにおける記者会見で彼は発表した。

Apandi was referring to the investigations concerning the RM2.6 billion political donation and RM42 million from SRC International transferred into Najib's personal bank accounts.
アパンディ氏は、ナジブ首相の個人預金口座に送金された26億リンギの政治献金とSRCインターナショナルからの4200万リンギに関わる調査に言及した。

SRC is the former subsidiary of the prime minister's debt-laden brainchild 1MDB.
SRCは、首相が産みの親である債務だらけの1MDBの旧子会社だ、

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The transfers were first disclosed by the Wall Street Journal and whistleblower website Sarawak Report last July 3 based on leaked documents from Malaysian investigators.
送金は、マレーシアの調査機関からの漏洩文書に基づき、昨年7月3日にウォールストリート・ジャーナルと告発ウェブサイトのサラワク・レポートによって最初に明らかとなった。

Twenty-five days later, Apandi's predecessor Abdul Gani Patail was removed on health grounds, sparking off speculation it could be related to the investigations.
25日後に、アパンディ氏の前任者アブドゥル・ガーニ・パタイル氏が(訳者註:本人が知らぬ間に突然)健康上の理由で解任されたことが、調査に関係があるのではとの憶測を呼んだ。

Following this, Najib dropped his deputy Muhyiddin Yassin and another minister Shafie Apdal from the cabinet.
その後、ナジブ首相は、ムフディン・ヤシン副首相ともう一人の大臣シャフィー・アプダル氏を内閣から更迭した。

The police also embarked on a hunt for those who leaked the investigation documents, prompting MACC to hold special prayers to seek divine protection.
警察はまた、調査情報をリークした犯人探しに着手したが、このことはMACCに神の保護を求める特別な祈りを促した。

Najib's detractors, such as former premier Dr Mahathir Mohamad, were not convinced that the RM2.6 billion, transferred in two batches ahead of the last general election in 2013, was a donation from a Middle Eastern source.
ナジブ首相の中傷者たち、例えば元首相のマハティール・モハマド博士、は26億リンギ(先の2013年の総選挙の前に二つの区分で送金された)が中東からの寄付だなどとは信じなかった。

Meanwhile, Apandi revealed today Najib had returned RM2.03 billion to the Saudi royal family, two months after the May general election.
一方、アパンディ氏は、ナジブ首相が、(2013年)5月の総選挙の2か月後に、サウジアラビアの皇族に20億3千万リンギを返納したことを今日明らかにした。

The prime minister, on the other hand, denied abusing public funds for personal gain and claimed that there is a conspiracy to topple him.
一方、首相は私利のために公的資金を乱用したことなどないと否認し、首相を追い落とそうと言う陰謀があるのだと主張した。




'Najib returned US$620m to Saudi royal family'
ナジブ首相、6億2千万米ドル(20億3千万リンギ)をサウジの皇族に返納

Published 26 Jan 2016, 11:32 am Updated 26 Jan 2016, 8:08 pm 228 comments

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Prime Minister Najib Abdul Razak had returned US$620 million from the US$681 million (RM2.6 billion) that was channelled into his personal bank accounts as political donation, said attorney-general Mohamed Apandi Ali.
ナジブ・アブドゥル・ラザク首相は、政治献金として彼の個人の預金口座に入金された6億8100万米ドル(26億1千万リンギ)のうち6億2000万米ドルを返納した、と検察長官アパンディ・アリ氏は述べた。

He disclosed that US$620 million was returned to the Saudi royal family in August 2013, two months after the last general election, because the sum was not utilised. This suggests that about US$61 million was presumably spent.
彼(検察長官)は、使用しなかった資金、6億2000万米ドルが、先の総選挙の2か月後、2013年8月にサウジアラビアの皇族に返納されたことを明らかにしたが、このことは、約6100万米ドルが使用されたということを示唆するものだ。

Apandi said he was satisfied based on evidence from witnesses and supporting documents submitted by the Malaysian Anti-Corruption Commission (MACC) that the original sum transferred between March 22 and April 10, 2013 was a "personal donation from the Saudi royal family given to him (Najib) without any consideration".
アパンディ氏は、証人からもたらされた証拠に満足したと語った。そして2013年3月22日から4月10日の間に送金された資金は、サウジアラビアの皇族からナジブ首相に対し一切の見返りなしで個人的に寄付されたものだと述べた。

"MACC in their investigation, personally met and recorded statements from witnesses including the donor which confirmed the donation was given to PM personally," he added.
彼らの調査の中で、MACCは寄付者本人を含む証人たちと個々に面接し証言を記録したが、寄付はナジブ首相に個人的に与えられたものであることを寄付者に確認している。

"I am satisfied there is no evidence to show there was a form of gratification given corruptly.
私は、不正な贈与のあったことを示す証拠がないことに満足している。

"Evidence obtained from the investigation does not show the donation was given as an inducement or reward for doing or forbearing to do anything in relation to his capacity as prime minister," he told a press conference in Putrajaya.
調査から得られた証拠は、寄付がナジブ氏の首相としての立場に関連し、なんらかの見返り行為を求めていることを示してはいない、と彼はプトラジャヤの記者会見で述べた。

Apandi said since no criminal offence was committed, there is no necessity for Malaysia to make a request for mutual legal assistance to any foreign states for the purpose of completing the investigation.
アパンディ氏は、犯罪行為はなにもなかったので、マレーシアは外国に調査のための相互法的支援を要請する必要はないと言った。

Last July, the Wall Street Journal and whistleblower website Sarawak Report exposed the transfers based on leaked documents from Malaysian investigators.
昨年7月、ウォールストリート・ジャーナルと告発ウェブサイト・サラワク・レポートは、マレーシアの調査者からの漏洩文書に基づき(資金の)移動を暴露した。

Najib later denied he had abused public funds for personal gain, and described the sum as a political donation from a Middle Eastern source.
ナジブ首相は後に、私利のために公的資金を乱用したことはないと否認し、金は中東の資金源からの政治献金だと説明した。

He also claimed that there is a plot to topple him using fraudulent allegations.
彼はまた、詐欺的な主張により政権を打倒しようとする陰謀があるのだと主張した。

His detractors such as former prime minister Dr Mahathir Mohamad had dismissed the donation claim.
元首相のマハティール・モハマド博士のような中傷者は、(ナジブ氏の)献金だとの主張を一蹴していた。



いかがでしたでしょうか。この他にも関連記事がいくつかあるのですが、これらの記事を整理してみると、

①26億リンギの寄付については、寄付はサウジの王族からだ、寄付の交換条件はなにもない、単にナジブ首相への個人的なプレゼントだった、寄付金の9割以上は使わなかったので返納した、したがってなんの問題もない。

②2014、2015年の4200万リンギのSRCインターナショナルからの入金については、首相はなにも知らなかったし入金の指示も承認もしていないので、罪に問われるようなことはなにもない。

③私(アパンディ検察長官)はこの調査結果に満足している。これで調査は完了だ。

と、言うものですが・・・・・・・

これ、とてもとても満足できるような代物ではないですよね。手前味噌で満足して国民(私は国民ではありませんが、ま、準国民と言うことで)を舐めるなよ、とでも言いたくなるほどの記者発表であきれたと言うか、開いた口がもう塞がりません。

また、寄付はサウジアラビアの先代の王、昨年既に亡くなっているアブドラー王の下で行われたとするドナーに関する一部未確認情報もあるようですが、これとて、サウジアラビア外務省は一切のコメントを拒否しているそうですし、サウジの王族に対する情報通の間では、そんな話は聞いたことがないと言う話もあるようなので、真偽はまったく不明です。

私の目には、昨日のアパンディ氏の記者発表は、昨年ナジブ首相に、検察長官として取り立ててもらった「アパンディ・アリの恩返し」と写ったのですが、今後の展開はいかがでしょうか。

もう今朝この時点(朝7時)で、世界の主要メディアは猜疑心満載のニュース報道を開始した様子です。政界史上世界最大の汚職とも言われ始めたこの件については、とてもとてもナジブ首相とその擁護派が望むような安易な幕切れにはならない、大甘過ぎると感じています。

映画の世界を地で行くようなマレーシアの政界疑獄、これでますます謎が深まってきましたね。


久しぶりにマレーシア政界疑獄を書きます。

昨年12月中旬以降、これと言った変化のあるニュースがなかったせいで、割と平穏無事なクアラルンプールでした。と言うより、私などは前からの約束事だから、昨年末までには、全ての関係筋の調査も終わり1MDBの件も26億リンギの件も詳細が公になるだろうと思っていましたが、またもや空手形に終わったことに、怒りを通り越して言いようのない脱力感を感じています。

しかしこの国の国民は、よくもまぁ辛抱強いのだと思います。これも多勢に無勢の民族構成のなせる業なのかも知れませんが、こうなるとただひたすら内部からの反乱を待つ以外に手はないのかとも感じてしまいます。

そんな中、1月23日、オンラインニュースポータルのマレーシア・インサイダーに、ちょっと興味ある記事が掲載されましたので、今日はこの記事と、同じマレーシアン・インサイダーの同日付記事:野党議員の声明文、それとマレーシア・キニのこれも1月23日付け記事のYOURSAY(読者コメント)を紹介したいと思います。



先ずは、マレーシアン・インサイダーの1月23日付け記事です。

Rebel Umno leaders set up panel to boost bid to oust Najib
Umnoの反乱支部長連、ナジブ追放促進のための委員会を設立

Published: 23 January 2016 6:59 AM 

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Coalition of Umno Branch Chiefs Malaysia chief Kamarul Azman Habibur Rahman says the movement does not want outsiders to take advantage of its work to remove the party president. – The Malaysian Insider file pic, January 23, 2016.
マレーシアUmno支部長連盟のカマルル・アズマン・ハビブル・ラーマン支部長は、(umnoの)党総裁を交代させようと言う我々の運動を部外者に利用されたくはないと語った。写真:マレーシアン・インサイダー 23 Jan 2016

Taking the fight against Umno president Datuk Seri Najib Razak to the next level, the Coalition of Umno Branch Chiefs Malaysia (GKCM) has set up a committee and even appointed state representatives.
ダトー・セリ・ナジブ・ラザクUmno総裁(註:ナジブ首相のこと)との次のレベルの闘いのため、マレーシアUmno支部長連盟(GKCM)は、委員会を設立し各州の代表者さえ任命した。

This transformation from an ad hoc movement to a more structured organisation was to prevent outsiders from sabotaging its mission, GKCM chief Kamarul Azman Habibur Rahman told The Malaysian Insider.
臨時的な特別運動からより体系化された組織運動へのこの変化は、部外者にその運動を阻害されないためのものだ、とマレーシアUmno支部長連盟(GKCM)のカマルル・アズマン・ハビブル・ラーマン支部長はマレーシア・インサイダーに語った。

“GKCM decided to set up a central committee to administer GKCM and ensure it is stronger and more organised.
GKCMは(ナジブ総裁追放運動を)より強力に、より組織化するため、そしてGKCM自身を管理するための中央委員会を設立することを決断した。

“We don’t want any outsiders taking advantage of GKCM’s progress.”
我々は、いかなる部外者もGKCM運動を利用することを望んでいない。

He said the group was still committed to pressuring Najib to step down and they were advising other Umno members on the importance of fighting with sincerity rather than for money.
彼(カマルル・アズマン・ハビブル・ラーマン支部長)は、グループは依然としてナジブ氏に辞任するように圧力をかけることに腐心している。そして、他のUmno党員に対し、金銭のためよりもむしろ誠心誠意に闘うことの重要性についてアドバイスしているのだと述べた。

“I’m really proud that the GKCM committee and all members are fighting in the name of truth, and are not afraid to speak out.
私(カマルル・アズマン・ハビブル・ラーマン支部長)は、GKCMの委員会と委員会のすべてのメンバーが真実の名のもとに闘っており、(党の意見と異なる)意見を述べることを恐れてはいないことを本当に誇りに思う。

“Our struggle is not about money, contracts or positions. We want to educate Malaysians to reject the twisted practices flourishing in Umno of late.”
我々の闘いは、金銭や約束ごと、または地位のためではない。我々は最近Umno内で主流となっている不正直な行動を拒否するためにマレーシア人(註:マレー系マレーシア人)を教育したいのだ。

Setting up the GKCM committee involved establishing several positions in the group, from chairman to state committee members, he said.
GKCM委員会を設立することは、委員長から各州の委員に至るグループ内のいくつかのポストを設置することだ、と彼は言った。

Kamarul Azman, a Telok Kemang leader who was punished by Umno’s disciplinary board along with eight others last year, was appointed chairman of the central committee, while Datuk Mohd Zin, also from Telok Kemang, was made deputy chairman.
昨年、他の8名と共にUMNOの懲罰委員会によって罰せられたテロ・クマン支部長のカマル・アズマン氏が中央委員会の委員長に任命され、委員長代理には同じテロ・クマン支部出身のダトー・モフ・ジン氏が任命された。

Three vice-chairmen, two secretaries, a treasurer, information chief and several state committee members were also appointed to GKCM’s central committee.
(この他)3名の副委員長、2名の秘書、会計係、情報主任及び数名の州委員会委員がGKCMの中央委員会のメンバーとして任命された。

Rushdan Mohamed, one of the vice-chairmen, said the committee would decide on any programmes or activities to prevent sabotage. Rushdan.
ラシュダン・モハメド氏(副委員長の1人)は、委員会(の組織運動)を妨げさせないためにはいかなるプログラムまたは活動をも決断すると述べた。

He said GKCM has so far travelled to Johor and Penang and the reception from the party members has been positive.
彼は、GKCMはこれまでジョホールバル州とペナン州に出向いたが、(現地の)党員からの反応はポジティブであったと語った。

“The reception has been good, many Umno grassroots are with us in GKCM.
(党員からの)反応は良好であった、多くのUmnoの草の根党員たちはGKCM内の我々とともにある。

“In fact, the initiative to form this committee came from our meetings and discussions with the Umno members we met each time we went to meet with branch leaders.”
実際、この委員会を設置すると言うイニシアティブは、各支部長に会いに行くたびに、我々が会ったUmno党員とのミーティングと討議から生まれたものだ。

He said the group was funded by donations from various Umno grassroots who supported its cause, and denied being sponsored by an individual in the party who wished to see Najib toppled.
彼は、(我々の)グループは、(我々の)運動を支持する様々なUmno草の根党員からの寄付によって資金援助されており、ナジブ打倒を望む党の個々人がスポンサーではない、と否定した。

“We are not sponsored by anyone, our funds come from donations and contributions from grassroots who are with us on this cause.”
我々は誰からも後援されてはいない。我々の資金はこの運動に関して我々と共にある草の根党員からの寄付や寄贈によるものだ。

The group is now mulling whether to register with the Registrar of Societies. GKCM was first set up in November last year to pressure Najib to step down over his alleged financial scandals and the controversial decisions he made, including removing Umno deputy president Tan Sri Muhyiddin Yassin and vice-president Datuk Seri Shafie Apdal from the Cabinet.
グループは、現在、(内務省)社会登録局に組織として登録すべきかどうかを検討している。GKCMは昨年11月、ナジブ総裁の財政スキャンダル疑惑及び議論の的となっている(ナジブ氏の)決定事項、並びにUmno総裁代理のタン・スリ・ムフディン・ヤシン氏とダトー・スリ・シャフィー・アプダル副総裁を内閣から追放したことに鑑み、ナジブ総裁に辞任の圧力をかけることを目的に最初に設立された。




次は、同じマレーシアン・インサイダーの同日付の記事ですが、野党の民主行動党(DAP)の議員が前日に逮捕・起訴された前クアラルンプールの警察幹部の件を引き合いにして、ナジブ首相の件もこの件と類似の件であるのになぜ逮捕・起訴されないのだとの疑問を記者発表した、と言う興味のある記事です。

Why spare Najib over RM2.6 billion when ex-CID chief prosecuted, asks DAP
前CIDチーフを起訴して、なぜ26億リンギのナジブを助けるのか、とDAPが質問

Published: 23 January 2016 8:42 AM

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Prime Minister Datuk Seri Najib Razak (centre) failed to declare a RM2.6 billion donation as required under the Anti-Money Laundering and Anti-Terrorism Financing Act 2001, says an opposition lawmaker. – The Malaysian Insider file pic, January 23, 2016.
ダトー・セリ・ナジブ・ラザク氏(中央)は、反資金洗浄法及び反テロリズム金融法2001が求める26億リンギの献金に関する説明を怠っている、と野党議員は言う。

Following the corruption charge of a senior police officer yesterday, a DAP lawmaker has asked why Prime Minister Datuk Seri Najib Razak did not face a similar probe over the RM2.6 billion donation channelled into his personal accounts.
前日の警察幹部の贈収賄容疑を例にとり、野党民主行動党の議員は、ナジブ首相の個人口座に振り向けられた26億リンギの寄付の件で(これと類似のケースなのに)、なぜナジブ首相は同様の調査(逮捕・起訴)に直面しないのかと疑問を呈した。

Segambut MP Lim Lip Eng said Najib should also be investigated under the Anti-Money Laundering and Anti-Terrorism Financing Act 2001, the same act used to investigate former Kuala Lumpur Criminal Investigation Department (CID) chief Datuk Ku Chin Wah, who was charged in the Sessions Court yesterday with failure to declare a commission amounting to RM961,500 two years ago.
セガムブット(選出)のリム・リップ・エング議員は、ナジブ首相もまた反資金洗浄法及び反テロリズム金融法2001 (今回の前クアラルンプール犯罪捜査部ダトー・クー・チン・ワー部長の件の捜査に適用された法律であり、彼は2年前の96万1500リンギにのぼる手数料を報告しなかったとして昨日地方裁判所に起訴された) に基づき捜査を受けなければならない、と述べた。

Ku was charged under Section 49 (3) with the alleged offence committed in 2014.
クー氏は、2014年に罪を犯したとして(同法の)Section 49 (3)違反容疑で起訴された。

Under the act, the Malaysian Anti-Corruption Commission (MACC) or the public prosecutor should serve a notice to the suspect to declare commissions received.
同法の下、マレーシア汚職追放委員会(MACC)または検察官は、受領した手数料を報告すべき容疑者に対し通告を発出しなければならない。

“This raises whether Najib declared the RM2.6 billion donation from a foreign source to MACC before the 2013 general election or if the public prosecutor had at the time sent a notice for the sum to be declared.
これは、ナジブ首相が2013年の総選挙の前にMACCに対し外国の寄付者から26億リンギの寄付を受けたことを報告したかどうか、または検察官が当時、報告すべき金額についての通告を(ナジブ首相に)送付したかどうかと言うことだ。

“If he did do so, how come he is still being investigated by MACC?
もし、彼(ナジブ首相)がそのことを(法に従い)履行していたならば、なぜ未だにMACCの調査を受けているのか?

“Didn’t the authorities say this was a simple open and shut case?” Lim said in a statement today.
当局はこれ(クー氏の起訴の件)は単純明快な事件だと言ったではないか?と、リム議員は声明の中で述べた。

Lim said Attorney-General Tan Sri Mohamed Apandi Ali should press charges against Najib if the latter failed to make the declaration as required under the Anti-Money Laundering and Anti-Terrorism Financing Act 2001.
もしナジブ首相が反資金洗浄法及び反テロリズム金融法2001で求められる報告を怠っていたならば、タン・スリ・モハメド・アパンディ・アリ検察長官はナジブ首相を告発すべきではないか、とリム議員は語った。

He said, at the same time, the investigation into Najib’s brainchild, 1Malaysia Development Berhad, should be continued.
同時に、彼(リム議員)は、ナジブ首相が創設したワンマレーシア開発会社(1MDB)に対する調査は続けられなければならないと述べた。

To uphold justice, Lim also suggested the Bukit Aman police headquarters re-examine criminal cases managed by Ku while he was Kuala Lumpur CID chief, especially high-profile cases which may have escaped prosecution.
正義を守るために、リム議員はまた、ブキットアマンの警察本部は、クー氏がクアラルンプール犯罪捜査部長時代に関わった犯罪、とりわけ起訴を逃れたかも知れない明白な事件を再捜査すべきだろうと提言した。




本日の最後は、マレーシア・キニのYOURSAYです。この記事は、マレーシア・キニが、同誌に投稿された数ある読者コメントを精査して掲載していると言うものですが、中には真偽不明のことがらや読者個人の感情的なことがらが述べられていたり、時にはマレーシア・キニの意図的な羅列を感じることもあります。なので、飽くまで参考情報や参考意見として私は読んでいます。

みなさんも、そんな程度に読んでいただきたいと思います。

So Najib has no idea who gave him RM42m?
それでナジブ首相は誰が4200万リンギをくれたか知らないわけ?

Published 23 Jan 2016, 7:37 am Updated 23 Jan 2016, 7:54 am

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YOURSAY Again the questions are: where did the money come from, and what did you use it for?’
再度言うが、問題は資金が何処から出たか、そして何に使ったのかだ。

Lawyer: Najib did not admit RM42m in account was from SRC
弁護士(ナジブ首相の):ナジブ首相は口座に入金された4200万リンギはSRC(当時の1MDBの小会社)からとは認めなかった

John Malott: Let's take a careful look at what PM Najib Razak’s lawyer Hafarizam Harun said.
John Malott:ナジブ首相のハファリザム・ハルン弁護士が言ったことを注意深く見てみよう。

He says that Najib admitted that RM42 million was deposited in his personal bank account. That is a quite an admission - that the prime minister of Malaysia took RM42 million from someone.
彼は、ナジブ首相は4200万リンギが自身の個人口座に預金されたことを認めたと述べた。このことは、ナジブ首相が4200万リンギを誰かにもらったと言うことだ。

He adds that Najib never said that it came from SRC. Yes, Najib did not say it came from SRC, but he also did not deny former MCA chief Ling Liong Sik's charge.
彼は、ナジブ首相はそれがSRCから来たとは決して言っていないと言った。確かにそうだ。ナジブ首相はそれがSRCから来たものだとは言っていない。しかし、彼(首相)は前MCA党首のリン・リオン・シク氏の告訴(註:2016.10末の自身の誹謗中傷への提訴に対するリン氏側の反訴のこと)を否定しなかった。

The SRC connection therefore is a very logical conclusion for everyone to draw, since the amount of money and the timing of the deposit (December 2014 to February 2015) were the same as what was reported by The Wall Street Journal.
預金金額と入金日付(2014年12月から2015年2月)が、ウォールストリート・ジャーナルによってリポートされたものと同一だったため、(首相と)SRCとのコネクションは誰もが描く非常に論理的な結論なのだ。

So now that Najib has admitted that he got RM42 million, the questions for the PM are: where did the money come from, and what did you use it for?
それで、ナジブ首相が4200万リンギを得たと認めた今、首相に対する質問はこうだ、その金はどこから来て、あなたはそれを何に使ったのか?

Do you deny that it came from SRC, and do you deny, given the timing of the deposit and the recent reports of shopping sprees with SRC credit cards, that you used it for personal or family matters?
あなたはそれがSRCからであることを否定するのか、そして、入金日付を知らされたあなたは、SRCのクレジットカードを使い、あなた個人や家族のために爆買いをしたとの最近のリポートもあるが、それも否定するのか?

After all, there were no elections in Malaysia at that time.
当時、マレーシアで選挙は行われていなかったのだ。(註:選挙資金にしたとは言わせないと言う意味か)

Odin Tajué:John Malott is absolutely right. When we read statements made by lawyers, we need to study the phrases and the language used very carefully and not merely skim them.
Odin Tajué: ジョン・マロットは全く正しい。 (ナジブ首相の)弁護士声明を読む時、我々は使われているフレーズや文言を、単にうわべだけではなく、非常に慎重に読む必要がある。

By ‘language', I don't mean a systematic means of communicating by the use of sounds or conventional symbols but the application of phrases and the nuances the phrases carry. And this is not to suggest that lawyers are sneaky, although a few of them may be so.
言葉によってとは、音や従来のシンボルを使用して行うシステム的な通信のことではなく、フレーズの適用とフレーズが持つニュアンスを意味している。これはしかし、弁護士が卑劣だと言うことではない、もっとも彼らのうちの何人かはそうであるかも知れないが。

The fact that Najib has not denied that the money has come from SRC implies that it has. Furthermore, the statement made, "However, the plaintiff (Najib) at all material times has no knowledge that it was channelled through two intermediaries as alleged by the defendants", further implies that the source was SRC, except that Najib has claimed to have no knowledge of the money having been channelled to his personal bank account through the two subsidiary companies.
ナジブ首相が、(口座の)金がSRCから来たことを否定していないと言う事実(註:弁護士声明は、「ナジブ首相は金がSRCから来たとは言っていない」と述べているが、「SRCから来たことを否定している」とは述べていないことは、それがそうしたこと(SRCから来たことを否定していないこと)を意味している。さらに、弁護士声明は、 「しかし、被告(註:前MCA党首のリン・リオン・シク氏のことか?)が主張するように、関係する全期間において原告(ナジブ首相)にはそれが2人の仲介者を通して振り向けられたと言う知識があるというわけではない」と述べ、さらに、「ナジブ首相が2つの子会社を通して彼の個人の預金口座に入金されていたいた資金についての知識がない」と主張したこと以外は、資金源がSRCであったことを意味するものだ。

And furthermore, the possibility of the same amount having originated from a source other than SRC is so very remote as to be completely absent.
そしてさらに、SRC以外の資金源から同一金額が入金された可能性はあり得ないのだ。

Najib is obviously in a quandary here. He cannot claim that the money has come from some imagined Arab, for that reason simply holds no water, nor can he claim that it was meant for corporate social responsibility (CSR) purposes for the simple reason that funds paid out for CSR programmes are utilised legitimately.
ナジブ首相は明らかに途方にくれている。彼は資金が想像上のアラブ人から来たものだと主張することはできない、なぜなら単に筋道が立たないし、企業の社会的責任(CSR)目的のために入金されたものだと主張することもできない、なぜなら企業が社会責任プログラムのために外部に支払う資金は、合法的に利用されると言う単純な理由のためだ。

Aries46: If I am not mistaken, that the moneis originated from SRC subsidiaries Gandingan Mentari and Ihsan Perdana was reported by WSJ and Sarawak Report.
Aries46: 私の間違いでなければ、資金源はSRCの子会社だったGandingan MentariとIhsan PerdanaであったとWSJとサラワク・レポートによって報告された。

This was also the subject of the draft charge sheet allegedly prepared by the late deputy public prosecutor Kevin Morais but denied by attorney-general Mohamed Apandi Ali.
これは、伝えられるところでは故ケビン・モライス次席検事(註:昨年9月に暗殺された)によって用意された逮捕状草案の主題であったが、検察長官のモハメド・アパンディ・アリ氏によって否認された。

The Malaysian Anti-Corruption Commission (MACC) must shed light on this having investigated this caper. Regardless of proof of its source, Najib did admit that RM42 million was deposited into his personal account in AmBank.
マレーシア汚職追放委員会(MACC)は、この犯罪を調査して、これに光を当てなければならない。 その資金源の証明如何に関わらず、ナジブ首相は4200万リンギがAmBankの彼の個人の口座に入金されたことを認めたのだ。

If it did not come from SRC then from where? Arab donor/s again?
もしそれがSRCからではないならば、どこから来たものか? またアラブの献金者からか?

Anonymous_1404717623: How can the PM admit money going into his personal private account but refuse to explain where it came from, regardless of whether it was legal or illegal?
Anonymous_1404717623: それが合法か違法か否かを問わず、いかにして、ナジブ首相は彼の個人口座に入金された資金を認めることできて、それがどこから入金されたものかの説明を拒否することができるのか?

Remember, he is holding a public office, he should give us the details and not hide behind the shield of MACC investigation.
思い出せ、彼は行政組織を独占しているのだ。彼は我々に詳細を与えなければならない。MACC調査を盾にして後に隠れていてはいけない。

FellowMalaysian: The line of defence by Najib's lawyers has taken a definitive turn lately based on their arguments in the RM2.6 billion ‘donation’ as well this RM42 million 'deposit' cases alone.
FellowMalaysian: この4200万リンギ預金事件単独と同じように、ナジブ弁護団の防御ラインは最近、26億リンギの献金事件においても彼らの議論に基づく決定的なターンをした。

We are led to believe that a bank account holder, just any sane person's will do, is entitled to receive or be deposited into his accounts immeasurable amount of monies to the tune of millions - and in this case billions - of ringgit into his kitty and there is absolutely nothing wrong with that.
我々は(弁護団によって)、銀行預金口座保持者(註:この場合ナジブ首相を指していると思われる)が、いかなる真っ当な人間もそうするであろうことだが、自身の預金口座に何百万もの計り知れないリンギットの大金を、この場合なんと数十億もの大金だが、自身の積立金に受け取るか入金される権利を有しており、なにも悪いことではないことと信じるよう誘導されている。

What more a person of the stature of the prime minister of a country who is surely entitled to far more 'accesses and liberal movements' than anyone else in the country?
この国の誰よりも確実に多くのアクセス権と自由に行動する権利のある首相の才覚は他に何かあるだろうか?

If the regulatory and enforcement agencies and institutions have not found any incriminatory evidence, which they have not or have not wished to disclose, the fact remains that Najib should not be held accountable to disclosing the name of his donors or depositors.
法規制機関と法執行機関や組織が、(ナジブ首相を)有罪にできる証拠を発見しなかったならば、彼らはそれを公にはしないか、したくないと考えているのだが、ナジブ首相に資金の提供者または預金者の名前を明らかにする責任があるとすべきではないと言う事実が残るのだ。

LKY: I think Najib now regret suing as he got into a bigger mess than he ever expected even before the case appeared in court.
LKY: 私は、事件が裁判沙汰になる前に予想したより大きな混乱になったので、ナジブ首相は提訴したことを後悔していると思う。

How is he to sit on the witness stand if you admit the money went into your bank account, and as a top public servant, asking the people who entrusted you to run the country to proof it.
彼(註:ナジブ首相のこと)はいかにして証言台に立つのだろうか、もしあなた(彼)が、資金があなた(彼)自身の銀行口座に入金されたことを認めるならば、この国の最高位の公僕(註:首相)として、あなたを信頼してこの国の運営を任せた国民に対し、いかににしてそれを証明するというのだろうか。

As a civil servant you are in deep trouble if you cannot proof why such a large sum of money got into your account.
そのような高額な資金があなたの口座に入った理由を証明することができないならば、公務員としてのあなたは困窮することになる。

Vijay47: Najib said that he "has no knowledge that it (RM42 million) was channelled through two intermediaries as alleged".
Vijay47: ナジブ首相は、4200万リンギは、伝えられるところ、二人の仲介者を通じて振り向けられたとの知識は持っていないと言った。

Note, the word used is "has", not "had" - meaning that Najib still has no clue who put the money into his account.
"had"ではなく"has"と言う語が使われていることに注目して下さい。これは、ナジブ首相は、誰が自身の銀行口座にその資金を入金したかの手がかりはまだ持っていないと言うことだ。

What can he do if kind Arabs or others insist on transferring millions into his account? Which according to MACC is not corruption. But any way you slice it, Najib's had it.
親切なアラブ人または誰かが自身の口座に入金したのだと言って譲らないのであれば、彼は(この後)何ができるのだろうか?それは(献金)は、MACCによれば汚職ではないと言うことなのにだ。とにかくどう考えてもナジブ首相はそれ(註:困窮のことか)を既に持っているのだ。

Rick Teo: Najib, just tell Malaysians who was the donor of the RM42 million if it didn't come from SRC. Was it another Arab who donated it?
Rick Teo:ナジブ首相、それ(金)がSRCから来たものでないなら、単に4200万リンギの寄付者は誰かをマレーシア人に言って下さい。 それは、もう一人のアラブ人でしたか?

Why beat around the bush if it is a genuine donation? Najib has been elusive from day one. Till now he can’t even say who donated the money.
それが本物の寄付であるならば、なぜ遠回しに言うのか? ナジブ首相は最初から逃げを打っている。これまでの間、彼は誰が金を寄付したかを言うことさえできていない。

We were told not to believe in the Nigerian scam where lots of money could be deposited in our bank account if we reply to their email.
我々は、ナイジェリア人の電子メールに返信をする際、たくさんのお金が我々の銀行口座に預金されると言うようなナイジェリアの詐欺事件は信じないように言われたものだ。

Well, it looks like one man did response to the Nigerians. And he is laughing all the way to the bank because he was rewarded with RM2.6 billion.
さて、今1人の男がナイジェリア人への反応をしそうだ。そして、26億リンギももらったので彼は銀行に行くまでずっと笑っている。



以上、今日はマレーシアオンラインニュースポータルの記事3件を紹介しました。

ただ最後のYOURSAYについては、マレーシア・キニの編集部も言っていることですが、一般読者からの投稿記事であり、内容の信憑性や論理性さらには文章の文法事項などにおいても疑問の付くものも見受けられるようですのでそこは斟酌して読んでいただきたいと思っています。

いずれにしても、アラブの大富豪からの献金だとする26億リンギの話は、辻褄が合わないどころか荒唐無稽過ぎて、こんなことを言ってしまったご本人が、矢のような説明責任要求に答えられなくて、途方にくれているのではなかろうかと私も思いますし、4200万リンギの入金元が未だに不明のままと言うことも、子供にも説明できない話です。

もしこれらの巨額資金が、本当に不法に得られて不当に使用されたものであるなら、金額が巨大すぎて、かつての日本のロッキード疑獄事件などが可愛く思えるほどなのですが、これが噂どおりの真実ならば、汚職もここまでくれば見事と言う他ないほどの巨悪ですよね。

それにしても与党第一党のUMNO、今もなおナジブ擁護派が多数を占める中で、ことがことだけに反乱支部長連の悲壮な決意を感じざるを得ませんが、これってなんか日本の幕末維新における倒幕派を彷彿させると思いませんか。

当時の倒幕派は、国(幕府)に逆らうことで悪党と呼ばれたそうですが、結果は後の維新の英雄です。私利私欲にとらわれず正義のために決起するなんて、この反乱支部長連も格好良すぎて、ついつい応援したくなるのは私のようなひねくれ団塊だけなのでしょうか。

と言うことで、マレーシア政界疑獄シリーズ続編を綴ってみましたが、時間と興味のある方は、是非とも拙ブログの同シリーズをお目通しあれ。。

それではまた。。

先日(12月8日)夕方、友人夫妻と共に、アロー街のあるブキ・ッビンタン方面にタクシーで移動した時のことです。

モントキアラからKL中心部に向かう道路のあまりの混雑さをタクシーの運転手さんにくどいたら、"今日からPWTC(Putra World Trade Centre)でUMNOの年次総会が始まるんですよ"と、ちょっと意外な答えが返ってきました。

それを聞いて、政党の総会参加者や関係者だけでこんな交通渋滞を引き起こすなんて、なるほど流石、ビッグな政党なんだなぁと感心してしまいました。

UMNOとはUnited Malays National Organizationの略で、マレーシア与党連合(BN)中の最大政党のUMNOはマレーシア建国以来、一貫して政権与党の座を維持し、全国に21,000の支部と党員約350万人を抱える大政党です。

UMNOは日本で言えば自民党のようなものですが、唯一異なっているのは、その支持母体が人口の6割を超える多数派のマレー系民族であること。日本とは異なり、多民族・多宗教国家のマレーシアでは基本的には民族や宗教ごとにそれぞれを代表する政党がある訳ですが、やはり多数派のマレー系民族をバックに持つUMNOは選挙でも圧倒的に強く、基本的には安定・安泰な政党と言うわけです。

そのビッグな政党が毎年ここKLのPWTCで年次総会を開催しています。そして、総会には全国津々浦々から5000名を超える代表党員が参加するのです。しかし、メディアの報道によれば、今年の総会は例年とは異なるムードだそうです。

UMNO総裁のナジブ首相に公然と反旗を翻すムフディン副総裁(前副首相)は、総会中の公的なスピーチの機会を閉ざされたため、自身の支持者を集めて私的なスピーチ集会を開いたところ、そのことが党の規律に違反するのではないかとのことで現在、党の最高評議会が氏に対する処罰を検討しているなど、一種異様な雰囲気が傍目にも伝わってきます。

そんな中、12月10日は、ナジブ総裁(首相)による総会の開会演説がありました。

演説の中身を見てみると、案の定、今世間を騒がせている26億リンギの出所やその行方のことなどの詳細には一切触れずじまいです。

私は悪いことは何もしていない。それは中東からの政治献金でなんの不正もない、このことはMACCによって確認されている、とこれまでと何ら変わりのない主張だったわけで面白くもなんともなかったのですが、そのことを報じる12月11日付けのマレーシア・キニの記事、"首相の説明はUMNO総会参加者を分断した"との記事に対する読者コメントが興味深くて、つい時間を費やしてしまいました。

参加者の一部には首相の説明は到底納得できない、それは全国民の一致した意見だ、などと勇敢にもインタビューに答えた代表党員もいたようですが、参加者の圧倒的多数は、"満足した、真実はまもなく解き明かされる"などと言うナジブ信奉者のようです。

PM's explanation on RM2.6b splits Umno delegates
26億リンギに対する首相説明、UMNOの代表(党員)を分断
malaysiakini 11 Dec 2015

↑これはマレーシア・キニの記事タイトルですが、今日は、記事そのものではなく、当該記事に付いた多くの読者コメントに焦点を当ててみたいと思います。なお、読者コメントは、ざっと見たところ、総会参加者とは真逆で、圧倒的多数がアンチガバメント、アンチウムノ、アンチナジブです。中にはプロナジブのコメントもあるにはありますが少数です。

UMNOASSEMBLY.jpg

それでは以下、私の目線でちょっと目に付いた、アンチとプロを織り交ぜて読者コメントを紹介したいと思います。

jvc
ya.. right... i received DONATION of 2.6B and 1MBD have debt of 42B.. let's move forward.. and see who will pay for those debt!
そうだ、正しいよ、私(ナジブ首相のこと?)は26億リンギの献金を受けたし、1MDBは420億リンギの負債を抱えてるよ。前に進もうぜ。でも誰がこの借金を払うんだ?

caution!
"We as Umno members, we accept,". Hopefully, it should not be a hot issue anymore.
UMNOの党員として、我々はこれ(首相の説明?)を受け入れる。でもこれ以上面倒なことにならなければ良いが。

n1
Stealing the rakyat monies and claimed that as donation from unknown Arab arranged by JLow is certainly not acceptable.
人々の金を盗み、それを訳の分からぬアラブからの献金だなんて、ジョー・ローが仕組んだ話だろうが、とても受け入れられるものじゃない。

Worldly Wise
If it is a "political donation " where is it ?
もしそれが政治献金なら、今どこにある?

caution!
The opposition should investigate their own donors. Do not disturb UMNO. I understand if there is jealousy but kindly respect the party.
野党は、野党自身の献金者を調査すべきだ。ウムノを邪魔しないでもらいたい。(ウムノが)羨ましいのは分かる。しかしお願いだから党を尊敬してもらいたい。

Fair&Just
Why 1mdb owing 42 billions debt??? Where is the money????
1MDBはなぜ420億リンギの借金をした?カネはどこに行った?

Anonymous 2386021449726109
Don't keep on accusing UMNO's President use public money. We have to be rational. The opposition also get their own 'donations'. They also have someone funding them.
公金を使ったとしてウムノ総裁を攻め続けないでもらいたい。我々はもっと合理的にならないといけない。野党だって献金を受けてるじゃないか。彼らにだって献金者がいるじゃないか。

Dont just talk
Use your brain if you have any and even President Obama of USA, the most powerful nation in the world,is unable to obtain a single donor for US$700 million wired into his PERSONAL ACCOUNT,let alone the talk-crap PM Najib of Malaysia.
頭があるんなら使えよその頭。世界でもっとも力のある国、アメリカのオバマ大統領だって、7億米ドルもの献金を単独の献金者から彼の個人口座に入金させるなんて無理だぜ。ナジブ首相の悪口はそのままにしとこうぜ。

Rakyat Kingfisher
Why the delegates did not ask further? If the donation is from donors, can we have a breakdown of who or from which country is the donor from? Why was the donation sent to a personal account all in a lump sum?Who is the coordinator for the donation? Why was the donation needed? Why he did not immediately inform UMNO about the funds? Why it was only later when exposed that he informed UMNO about the donation? Why was the Deputy President not informed? How was the money spent? Can we review the expense report? Remaining balance and where is it?
なぜ、(総会の)代表党員はもっと質問しなかったのだろう?もしも献金が献金者によるものだとすれば、その献金者が誰か、どこの国の人かなどの細部は?なぜそんなに多額の金が個人口座に送金されたのか?誰がこの献金のお膳立てをしたのか?なぜ献金が必要だったのか?なぜ彼(ナジブ)は献金のことを直ぐに党に報告しなかったのか?なぜ、党に対する献金の報告は、それが暴露された後だったのか?なぜ、副首相(当時の)はそのことを知らされなかったのか?資金は如何に使われたのか?支出の明細はあるのか?残金はいくらで、今どこにあるのか?

Anonymous 2386021449726109
Only the opposition give negative perception about the UMNO fund - 'donations'. They need to use this issue well to get support from people.
野党はウムノの資金について否定的なことばかり推測している。彼ら(野党)はこの件を人々のサポートが得られるように扱うべきだ。

caution!
Quite funny when people who are not UMNO members so worried about the UMNO funds.
ウムノ党員でもない人たちがウムノの(活動)資金について心配しているなんて、まったくおかしな話だ。

Pahatian
These Umno delegates must be void of any mental capabilities or they have been duped by their leaders who are given monetary gains or contracts by the RM2.6 billion boss.
これらのウムノ代表(党員)には精神力がまったくないか、または26億リンギのボス(首相のこと?)から金銭的な利益を既に得たか、そのことを約束しているリーダーたちによって騙されているかのどちらかだ。

caution!
Yes there are members who are still confuse about it but there are also majority of UMNO members whom accept. No worry at all. If the UMNO members accept, why must the outsiders especially the opposition question on it.
そうだ、中にはそのこと(首相の説明)をいまだに困惑している党員たちもいる。しかしそれ(首相の説明)を受け入れている党員たちのほうが大多数だ。なにも心配はいらない。ウムノ党員が受け入れているのに、なぜ外野席の人たち、特に野党の人たちがそれに疑問を持つのか?

Hearty Malaysian
Can you imagine maggots reject a piece of meat ? Haven't we heard of political economy whereby one is paid to attend meeting and act what the paymaster ordered or one is paid off to switch course ? Can't imagine the delegates would challenge the President while staring at the huge RM 2.6 billion donation ! Just 0.01 % of RM 2.6 billion = RM 260,000 enough to pay off many . The power of money politics reigns supreme ; Donation is hence institutionalized in UMNO .
あなたは、うじ虫ども(ウムノ党員のこと?)が肉(おいしいエサ)を拒絶するなんて想像できる?政治的経済とは、(総会に)出席してボスの命令どおりに行動し代償を貰うか、そうではなくてコースを外れるかだということを聞いたことがないのか?代表(党員)が26億リンギと言う巨額な献金をじろじろ見ながら、総裁(ナジブ首相)に歯向かうなどは想像できないことだ。26億リンギのほんの0.01%の26万リンギで(代償としては)充分なのだ。金権政治の力は最高権威を支配する。献金は、それゆえにウムノで制度化されている(認められている)のだ。

Anonymous_1371477558
Surely these delegates can't be that stupid or gullible. They must be playing smart by collecting their share and saying something pleasing to Najib. I think majority of UMNO grassroots are not fooled. They simply don't have an avenue to voice their thoughts.
まさかこの代表(党員)たちはそんなにバカでもないだろうし、騙されやすくもないだろう。彼らは分け前をもらいナジブにとって心地の良いことを言う、と言う頭の良いことをやっているに違いない。ウムノの草の根党員の大多数はバカではないと思う。彼らは単に彼らの考えを声にする手段を持っていないだけなのだ。

James_3392
I wonder whether the US embassy here is observing the assembly proceedings and delegates response and statements made.... and the party president was having a round of golf with Obama in Hawaii recently. the American must be proud of theirs president to have made a strong relationship with president of such a great party in Malaysia.
しかし、ここ(KL)の米国大使館はウムノの総会の進行と代表党員たちの反応や発表を果たして見ているのだろうかちょっと疑問に思う。と言うのは、(ウムノの)総裁は最近ハワイでオバマ(米大統領)とゴルフのラウンドを共にしたのだし、アメリカ人は彼らの大統領が、マレーシアの最大政党の総裁と強力な関係を築いたことを誇りに思っているに違いないのだが・・・・

JBond
The RM2.6B Gravy Train roll on happily down the slippery slope of a FAILED NATION! Where thieves, robbers and murderer reign supreme! Welcome to Bolehland aka Zababwe of the East!
26億リンギのぼろ儲け話が落ちぶれた国の滑りやすい坂道を都合よく転がってくるのだよ。泥棒や強盗や殺人者が最高権威で統治する国なのだ。東のジンバブエとも言うべきボレランド(マレーシアボレのボレ、なんでもできるという意)にようこそ。

Kee Thuan Chye
Umno general assemblies are noted for their displays of stupidity. This current one is no different. Looking at what some of the delegates say about accepting as right that the RM2.6 went straight into Najib's personal account, I'm convinced many of them are incapable of intelligent thinking.
ウムノの一般総会はバカ丸出しだ。この直近の(総会)も例外ではない。26億リンギが直接ナジブの個人口座に入金されたことを受け入れることは正しい、などと言う代表党員たちを見ていると、ほとんどの奴らには知的な思考能力がないと確信したよ。

SusahKes
Someone once said, 'as long as a sucker's born every minute, we're in business.' So, take a good look at these responses, and judge for yourselves, just why is it that Najib, has successfully avoided a transparent, public enquiry. And why is it likely, that umno would not demand accountability from the man, who's explanation they deem good enough, to 'trust.'
誰かがかつてこう言った。騙されやすい人間が毎分生まれて来る限り、我々は仕事ができる。だから、彼らの反応をよく見て、自分で判断してもらいたい。なぜ、ナジブが透明化を回避し、人々からの質問を上手く回避できているのかを。そして、なぜ、ウムノが、彼の説明は信用に足るとしてそれ以上の説明責任を求めないのかを。

Anonymous 2336601439051901
We the Rakyat need to know the donor we want to thanks him for his kindness we also want to know why he is so generous and how rich he is so for coming G14 we can asking for his support again. I am sure he will be happy to support us again for the same purpose.
我々国民は、献金者が誰なのかを知る必要がある。我々は彼の親切さに礼が言いたいし、彼がなぜそんなに気前が良いのか、どれだけリッチなのか、なぜなら、来るG14(次期選挙)の際にも再度の献金をお願いしても良いのかどうか。きっと、同じ目的で喜んで献金してくれるとは思うけど。

Yellow Bird
so where's the money?
それで、カネはどこにあるの?

Anonymous_1401696214
Macc can start to venture into new business ...no more corruption but donation ...traffic donation, judge donation, gov depart donation , army donation ..... Name it we halal it
MACC(マレーシア汚職防止委員会)は新事業でベンチャーをスタートできるよ。汚職はなくても献金があるからね。交通献金、裁判献金、政府省庁献金、軍献金など・・・・名前つけてよ、ハラル認定するからさ。

Just a Malaysian
Never in the history of mankind has so many idiots gather together in one place.
人類史上こんなに多くのバカが一堂に会したことはない。

Alfanso
If it is not in the accounts. So be it. And the crowd agrees. Supreme council, AGM, supreme body of UMNO have decided and no other higher body to decide.Thats it folks. It is not umno's money then. Now give me my share? Now everybody not in umno must take a share.
それ(献金)が口座にないならば、それはそのままでいい。そして民衆は納得するのだ。党最高評議会、AGM(年次総会)、UMNO最高指導部はそのように決定したが、これ以外の最高意思決定機関はない。そうなのだよ、みなさん。それに、(献金は)UMNOのカネではないのだ。今、私も分け前を貰いたい。今、UMNO以外の誰でも分け前を貰わなくちゃ。




さて、いかがでしたでしょうか。総会に出席した代表党員の多数の意見と国民の意見が乖離しているように思えるのですが、これはどういうことなのでしょうか。

これは私個人の推測でしかないのですが、代表党員はマレー系の一般の人たちとイコールかと言うと、そうではない気がするのです。彼らは選ばれた人たちです。地位もあるし経済力もあるでしょう。やっぱり身の安泰のため、現状の変化を好まないのでしょうね。そんな気がしています。

上記のマレーシア・キニの読者コメントですが、アンチなコメントのすべてが非マレー系と言うことでもないと思うのです。私自身が実際に接することができるマレー系の方たちの中にも堂々とアンチな意見を述べる方も少なくないですから。



今しがた飛び込んできたニュースですが、今朝ほどマレーシア・キニの記者に対し、総会場への入場禁止命令が、UMNO党本部から発出されたと言うことだったのですが、それがさきほど解除されたそうです。

禁止命令も解除指示も一切その理由の説明がないそうですから、摩訶不思議な話です。

いずれにしても、関係者や国民の誰もが鶴首して待ち望んでいるMACCによるスキャンダル関連の調査の結論が、今月末に出ます、いや出ると思います。だって、ずっと前から首相や関係閣僚、そして当のMACCも国民にそう約束しているのですから、まさか、出ないなんてことはないでしょう。

しかし私の興味は、果たして国民が納得できる調査結論が出てくるのだろうか、と言うことです。もし出てこなかった場合、国民の怒りはどこに向かうのか、そのことのほうが心配です。

ではまた。。





昨日12月3日は、実は私が3年前、意を決して故郷庄内の地を離れた記念の日でした。

しかし、海を隔てた遥かなるこの地に渡って来た今でも、もちろんふるさとを恋慕う気持ちに変わりはありません。

それどころか、なにもかもが我が故郷とは異なるこの国に住んでいると、今まではさほど感じなかった日本の良さ、故郷庄内の素晴らしさに改めて気づかされ、ますます恋慕の気持ちが募ります。

そんな私の思いを込めて、しばらくの間、3年前の12月3日、私を見送ってくれた鳥海山の晴れ姿をトップに飾りたいと思います。

IMG_0012.jpg

さて、今回もこの国マレーシアの政界スキャンダルについてです。

昨日12月3日、大方の国民が固唾を呑んで待ち望んでいたことが見事に裏切られました。

そうです、ナジブ首相による数々の疑惑に対する国会答弁のことです。

結果を先に述べてしまいますが、首相自身による国会答弁はありませんでした。その代わりとしてアザリナ首相府大臣(女性、51歳)とザヒド副首相による簡単な関連説明があっただけでした。

なんと言うことでしょう。ナジブ首相やロスマー首相夫人、そしてナジブ政権高官たちによる数多くの黒い噂がこれでますます真実味を帯びてきました。

さらに驚くべきことに、なんと首相は昨日の国会(DEWAN RAKYAT※)には出席しなかったそうです。
(※DEWAN RAKYAT: マレーシア連邦議会下院、上院はDEWAN NEGARA)

↓ナジブ首相が出席していなかったことを伝えるニュース記事です。

Prime Minister Najib Razak is not even in the Dewan Rakyat to explain the RM2.6 billion which was channelled into his accounts prior to the 2013 general election (BERITA DAILY 3/12/2015 12.38pm)

↑驚きの記事ですが、別の記事では首相の車列が国会議事堂に入るのを見たともありましたから、恐らく議事堂内にはいたのでしょうね。なんと言うことでしょう。

昨日の国会審議における約束不履行について、早速、さまざまなメディアによる速報がでましたが、それぞれの記事に対する読者コメントもあっと言う間に溢れかえりました。

もちろん読者コメントのほとんどは、約束を守らない首相や、守れない人たちにはとても国を任せられない、と言うものでしたが、これは当然の反応だと思います。



それでは、ここでナジブ政権の約束を振り返ってみたいと思います。

Azalina: We’ll answer all questions on RM2.6b donation ‘one go’ December 3
アザリナ(大臣):我々は12月3日に26億リンギに対するすべての質問にまとめて答える
malamail online 5 Nov 2015

↓アザリナ首相府大臣(女性、51歳)

azalina20151203.jpg

KUALA LUMPUR, Nov 5 — The Najib administration has promised to answer all questions surrounding the RM2.6 billion donation channelled directly into Prime Minister Datuk Seri Najib Razak’s personal bank account on December 3, the last day of the current Dewan Rakyat session.
ナジブ政権は、12月3日(現在の国会会期最終日)に、ナジブ首相の個人口座に直接入金された26億リンギットの寄付金に絡むすべての質問に答える、と約束した。

Minister in the Prime Minister’s Department Datuk Seri Azalina Othman Said in making the announcement, said all questions will be dealt with in “one go.”
首相府大臣のDatuk Seri Azalina Othman氏は声明の中で、すべての問題がまとめて取り扱われる(答弁される)と述べた。

“The end of the session is December 3, and that is when we will answer. The Standing Order does not state that an answer must be given on the same day the question is asked, so we will collate all questions and answer at one go,” she told reporters at Parliament here.
(現)国会の会期末は12月3日、そしてその日が我々が答える時だ。議会規則は、提出された質問に当日答えることを規定してはいない。だから我々は、すべての質問を照合し、まとめて答えることする、と国会内で記者団に述べた。

The de facto parliamentary affairs minister said any minister from the Prime Minister’s Department can reply to questions from MPs on the controversy.
事実上の国会担当大臣(訳者注:アザリナ大臣のこと)は、議論に対する議員からの質問には、首相府のいかなる大臣も答弁することができる、と言った。

However, she added that it will be up to Najib to attend the Dewan Rakyat meeting on that day to answer the questions raised personally.
しかしながら、個人的な質問に答えるため、当日、ナジブ首相が国会審議に出席するかどうかは本人次第だ、と付け加えた。

Azalina was speaking to reporters in her office in the Dewan Rakyat here, 100 days after taking office.
アザリナ大臣は、(大臣職に)任命されてから100日後に、国会内の自身の事務所にて記者団に答えた。

(以下略)



え?これって良く読むと、最初からナジブ首相本人じゃなくて、なんちゃって大臣による代理答弁を匂わせてますね。これが、アザリナ大臣の発意ではなくて、首相あるいは首相側近による指示だとすれば、なんと姑息なと思ってしまいますよね。

しかし、この後、11月12日付けのマレーシアン・インサイダーの記事には、"首相がMACC(マレーシア汚職防止委員会)による事情聴取に応じることを約束"とありましたので、国民の多くは、疑惑に対する良い言い訳が見つかったのかな、と思ったようですが、これはさもありなんと感じています。

だから昨日の12月3日、国民の多くは、首相周辺に漂う数多くの疑惑に対し、いくら良い言い訳を言おうとも決して騙されないぞ、と言う思いで構えていたのです。

そしたら、なんと本人は、国会審議を欠席し、国会議事堂内のどこかに潜んでいたのでしょうか。代わりに二人のなんちゃって大臣が、肝心の疑惑に対する答弁とは程遠い、お茶濁し程度の弁明を行ったのだそうです。

アザリナ大臣は以前、答弁は国会審議の場の、質疑応答の中で行われると繰り返し述べていました。ところが、昨日、国会審議直前に発表された質疑リストには、1MDB関連質疑の2項目は、約50項目中のほぼ最後尾に位置していて、とても審議時間内には間に合わない、と言うか、もともと取り上げるつもりはなかった、そう思われて当然です。

えーっ、これってまったく詐欺みたいなものだと思いませんか?

首相の個人口座に入金された26億リンギに対する疑惑が、この7月初旬、世界の大手経済紙のWSJによって暴露されて以来5ヶ月間、ひたすら沈黙を守り続け、国民に対する信頼を急速に失ってきたナジブ首相ですが、昨日の国会審議欠席及びなんちゃって大臣による代理答弁によって、取り返しの付かない決定的なダメージを受けたであろうことは間違いありません。



次に、昨日のザヒド副首相による3分間代理答弁の記事を紹介して今日のブログを終わりにしたいと思います。

Anti-climax as DPM wraps up RM2.6b explanation in 3 mins
あっけない結末、26億リンギに対する副首相の3分間釈明
malaysiakini 3 Dec 2015 5.08pm

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Anticipation had been building over the weeks that Prime Minister Najib Abdul Razak would answer the RM2.6 billion issue in Parliament.
ここ数週間、ナジブ・アブドル・ラザク首相が国会で26億リンギの問題に対する答弁を行うとの期待が高まっていた。

However, this turned out to be an anti-climax today.
しかしながら、これはあっけない結末となった。

It was not the prime minister but rather his newly-appointed number two, Ahmad Zahid Hamidi, who addressed the matter.
それは首相ではなく、新たにナンバー2(副首相)に指名されたAhmad Zahid Hamidi氏による釈明であった。

And the deputy prime minister wrapped-up his explanation within three minutes.
そして副首相はその説明を3分間で締めくくった。

Zahid stood up about 11.30am to answer the issue and cited Standing Order 14 (1) (I).
ザヒド氏は11時30分に立ち上がり、議会規則14 (1) (I)に基づく答弁を行った。

DAP's Puchong MP Gobind Singh protested, arguing that Najib should answer the issue himself as it is a personal matter.
プチョン出身のDAP(民主行動党)のGobind Singh議員は、これは個人的事項なのでナジブ氏が答えるべきだと抗議した。

"This must be answered by Najib, not by the deputy prime minister. We should be able to ask him questions," Gobind said, and urged speaker Pandikar Amin Mulia to make a ruling.
これは、副首相ではなくナジブ首相によって答えられなければならない。我々は、彼(ナジブ)に(直接)質問をすることができるようでなければならない、とGobindは言い、そして、議長のPandikar Amin Muliaに裁決を迫った。

However, the speaker shot down his demand.
しかしながら、議長は彼(Gobind Singh議員)の要求を退けた。

Pandikar said he had given much consideration to the matter, and allowed Zahid to proceed with his statement.
パンディカル(議長)は、この問題には今まで多くの考慮を与えてきた、そしてザヒド(副首相)にその釈明を許可する。

"Other ministers can also answer because that is the House rule. The next in line is the deputy prime minister," he pointed out.
議会規則に基づき、他の大臣も(この件に関して)答弁することができる。次は副首相の番だ、と指名した。

Then, much to the chagrin of the opposition, the speaker also disallowed questions and debates, stating it was because the explanation was being delivered under Standing Order 14 (1) (I).
その後、野党にとっては極めて遺憾なことに議長はまた(この副首相による説明に対する)質議を認めなかった。そして、それは説明が議会規則14(1)(I)に基づくものだからだと彼(議長)は述べた。

Coughing repeatedly, Pandikar also signalled Mahfuz Omar(PAS-Pokok Sena) not to interrupt the proceedings.
何度も咳をして、パンディカル(議長)は、Mahfuz Omar議員(全マレーシアイスラム党)に議事進行を妨げないように注意喚起した。

The speaker then allowed Azeez Abdul Rahim (BN-Baling) to address the House and MP criticised the opposition for making noise.
議長は、それからAzeez Abdul Rahim議員(BN)に、野党はうるさいと非難することを許可した。

"If they don't want to listen to the answer, they can get out," Azeez said.
もし彼ら(野党議員)が(副首相の)答弁を聞きたくないというなら、退場すれば良い、とAzeez議員は言った。

Najib's motorcade was spotted arriving at Parliament's office tower earlier in the morning.
ナジブ首相の車列は今朝早く国会議事堂建物に入るところが目撃されている。

In his explanation, Zahid noted that the Malaysian Anti-Corruption Commission (MACC) confirmed that the RM2.6 billion was a political donation and had identified the donor.
説明の中で、ザヒド副首相は、MACC(マレーシア汚職防止委員会)が26億リンギは献金だと確認しており、献金者も特定している、と説明した。

"Malaysia has no law that says political donations must be declared or to stop them.
マレーシアには、政治献金が申告されなければならないと言う法律もなければそれをやめさせる法律もない。

"Others should not pretend that they don't need political donations," he said, adding that Najib had vowed to regulate political donations.
他人(訳者注:野党議員を指す)は政治献金が必要ないフリをすべきではないし、ナジブ首相は政治献金を規制することを約束しているのだ、と付け加えた。

Zahid also said that efforts to regulate political donations were, however, rejected by the opposition.
ザヒド副首相はまた、政治献金規制(法)は、しかしながら、(かつては)野党によって反対されたのだと述べた。



いかがでしたか。ザヒド首相によるこのラップアップは26億リンギに対する国民の疑惑にはちっとも答えていないと思いませんか。約3ヶ月前、突然首相府大臣に抜擢されたアザリナ女史のちぐはぐでまるで詐欺的釈明と合わせ、ナジブ政権の末期症状の表れだ、と各メディアの記事に投稿された数多くの読者コメントが主張しています。

それではまた。。


いや、今朝のマレーシア・キニの記事には驚きました。

何に驚いたかって言うと、今年9月に殺害されたケビン・モライス次席検事(Deputy Public Prosecuter Kevin Morais)の弟、チャールズ氏が、昨日、弁護人の付き添いの元、KL市内で宣誓供述書(※)の記者発表を行ったと言うのです。(※宣誓供述書Statutory declarationとは、あることについて立会人の面前でそのことが事実であることを供述し宣誓した文書)

このことがいかにビッグなニュースかについては、今年9月に発生した、ケビン・モライス次席検事殺害事件を知る必要がありますので、事件の概要を先ず簡単に紹介したいと思います。



ケビン・モライス次席検事(55)殺害事件とは、検察庁に勤務する次席検事が、今年9月4日、KLの自宅から車で勤務先に出勤途中に行方不明となり、家族から捜索願が出されていたが、9月6日、氏の焼け焦げた空車がぺラク州のパームプランテーションで発見、9月15日、捜査中の警察がマレーシア陸軍の軍医を含む男7人を逮捕、その翌日9月16日、ドラム缶にコンクリート詰めにされてKL近郊スバンジャヤの沼に沈められていた氏の遺体が発見された猟奇殺人事件のことです。

↓出勤途中に行方不明となり他殺体で発見されたビン・モライス次席検事

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↓ぺラク州のパーム椰子畑において、黒こげで発見された次席検事の車

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↓ドラム缶にコンクリート詰めにされた遺体は、捜索中の次席検事と判明

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そして警察・検察庁では、これを軍医の逆恨みによる殺人事件と断定、現在、殺人及び殺人教唆罪で起訴・審理中であるが、殺されたケビンモライス氏の前職務が、MACC(マレーシア汚職防止委員会)の1MDB絡みのスキャンダル調査/捜査担当者であったことから、事件発生当初から政界スキャンダルと関係があるのではないかとの噂が燻っていた。

しかしながら警察・検察などの捜査/調査関係機関は、この事件と1MDB疑惑は一切関連性がないとこれをきっぱりと否定、噂の解消に躍起になっていたが、政府機関による公式発表を信じない人たちの間では、依然として黒幕は他に居るとする疑惑が巷間に流布されていた。



以上が事件の概要です。

さて、それでは今朝のマレーシア・キニの関連記事を、全訳付きで紹介したいと思います。記事は3本構成で全部合わせると少々長文なのですが、興味のある方は是非最後まで読んで下さい。なお、訳文はこれまでどおり意訳ですが、なるべく原文に近い形で意訳していますので、日本語として少々理解し難い部分もあるかとは思いますがご了承願います。

なお、今日からこのシリーズを「マレーシア政界疑獄シリーズ」と題してグループ分けしていますので、本ブログの過去記事を参照する場合は、左側の目次(下段)からお進みください。



Kevin gave me info on probe on powerful individuals: brother
ケビンは大物の捜査情報を私に与えた、と弟が発表
Published 25 Nov 2015, 5:59 pm

↓11月25日、KL市内でSD(宣誓供述書)の記者発表を行ったチャールズ氏(故ケビン氏の弟)

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The brother of Anthony Kevin Morais has claimed to be in possession of a pen drive sent to him by the deputy public prosecutor just before he was murdered.
アンソニー・ケビン・モラリスの弟は、彼(ケビン)は殺される直前、私にペンドライブ(USBメモリ)を送り届けてくれた、と主張した。

“It is in safe custody in the US with someone who has instructions to release it publicly should anything untoward happen to me for swearing this statutory declaration,” said Charles Suresh Morais.
それ(ペンドライブ)は今、米国のある人物の保護下にあるが、私(弟)が、今日のこの宣誓供述書を(皆さんの前で)発表することによって、今後私の身に何かあった場合は、それ(ペンドライブ)を公表することになっている、と(弟の)チャールズ・スレシュ・モラリス氏が述べた。

“The contents of this pen drive clearly and unequivocally reveal the investigation Kevin had been tasked with just before his untimely death, which implicates certain personalities who currently walk the corridors of power in Malaysia,” he added in a statutory declaration today.
このペンドライブの中身は、はっきりと疑う余地なく、ケビンが早すぎる死の直前に課されていた調査の内容を明らかにするものだ。そしてそれは、このマレーシアの政治権力の中枢を歩む特定人物に関連するものだ、と彼(チャールズ)は宣誓供述書の記者発表につけ加えた。

Charles said in his statutory declaration that Kevin told him in August that he would send Charles something via courier for safekeeping.
チャールズは宣誓供述書の中で、今年8月、ケビンは安全のために宅配便を使って何かを自分に送ると言った、と述べた。

He told reporters at a press conference in Kuala Lumpur that the pen drive arrived at his home in Atlanta in late October.
彼(チャールズ)は、そのペンドライブは10月下旬にアトランタの自宅(※)に届いた、とKLの記者会見で記者たちに話した。(※弟氏は米国アトランタの在住)

Kevin was murdered sometime between Sept 4 - the date he was abducted - and Sept 16, the date when his remains were found in a cement-filled drum.
ケビンは、9月4日に誘拐されてから、ドラム缶コンクリート詰めの遺体が発見された9月16日の間に殺害されたのだ。

When asked, Charles declined to divulge the contents on the pen drive.
チャールズは(記者に)問われても、ペンドライブの内容は明らかにはしなかった。

Charles said he was convinced that Kevin knew something was going to happen to him.
ケビンは自身の身に何かが起こりそうだと知っていた、とチャールズは確信したと述べた。

"I could sense this from the conversations I had with him over the phone shortly before he was abducted.
私(チャールズ)は、ケビンが誘拐される前、電話で彼と交わした会話からこのことを察した。

"This perhaps explains why he felt it necessary to travel to London on Aug 3, 2015 and while there, to see solicitors who drew up a will for him dated Aug 13, 2015 in which he specifically bequeathed his apartment to a dear friend of his.
これは多分、彼(ケビン)が何故、今年8月3日にロンドンに旅する必要があると感じていたか、そしてそこで彼の遺言書を作成した事務弁護士と会い、彼の親愛なる友人に彼のアパートメントを遺贈するとした遺言書に2015年8月13日付けの日付を認めたのかを説明するものだ。

"Why do this when it had always been his intention to retire to London and live in that apartment?" he said.
彼は、定年後はロンドンに行ってそのアパートメントで暮らすのだといつも言っていたのに、その彼がなぜこのようなことをしたと思うか、と記者に尋ねた。

Charles disputed police's explanation that Kevin was murdered because he was prosecuting a government pathologist for corruption.
チャールズは、彼(ケビン)が政府の軍医(病理医)を汚職容疑で起訴したので(それを逆恨みした犯人によって)殺されたのだ、と言う警察の説明に反駁していた。

"This accused (doctor) is intelligent enough to realise that getting rid of the DPP prosecuting his case will not emasculate the charge he is facing for the simple reason there are many other DPPs who would take over that prosecution.
この被告人(軍医)は、自分の事件を担当している次席検事を排除(殺す)しても、彼(ケビン)に代わる他の次席検事が多く居て直ぐに引き継がれてしまうのでそんなこと(殺すこと)は効果がないと気がつくのに十分聡明だ。

"Kevin was killed for other reasons and I believe these other motives were due to the fact that he knew too much about the criminal acts of those high up in the echelons of power in Malaysia and he needed to be silenced because of that," he said.
ケビンは他の理由で殺されたのだ。そしてその殺害の動機はマレーシアの高度の権力階層にいる人物たちの犯罪を多く知りすぎたこと、そしてそのために彼の口は封じられる必要があったのだ、と述べた。

He also told reporters that had made a statutory declaration because he was being bombarded by questions from reporters about the status of Kevin's body which had been retrieved by their younger brother Richard Dilaan Morais two days ago.
彼(チャールズ)はまた、記者たちから、彼の弟のリチャード・ディララン・モライスによって二日前に(病院の遺体安置室から)持ち出されたケビンの遺体のことについての質問攻めにあったため、その件も宣誓供述書に書いてある、と述べた

This was despite the police, the Kuala Lumpur Hospital holding Kevin's body and the Attorney-General's Chambers all being given notice that he (Richard) intended to seek a second postmortem on Kevin's remains, he said.
これは、警察、ケビンの遺体を保管していたクアラルンプール国立病院、そして検察庁、すべてが彼(リチャード)がケビンの第2次検死を要求していたことを知っていたにも拘わらずだ、と彼(チャールズ)は述べた。

He said he was not comfortable with holding an impromptu press conference and therefore opted to lay out the facts surrounding Kevin's murder in his 18-page statutory declaration with the assistance of his lawyer, Americk Sidhu.
彼(チャールズ)は、準備なしに記者会見を行うことに対して不安があった、したがって弁護士(アメリック・シドゥ)の助けを借りて18ページの宣誓誓約書の中でケビンの殺人事件を取り巻く事実を列挙することを選んだのだ。

Did a '360'
ぐるりとひとまわり

Another reason to make the declaration, he told the press conference, was because he was 'puzzled' by the Attorney-General's Chambers' moves.
宣誓するもうひとつの理由は、検察庁の動きに困惑したからだ、と記者会見で述べた。

He said its officials had initially told him to go ahead and arrange the second postmortem but instead then told him in a subsequent meeting to seek a court order.
検察庁の役人は、最初は(ケビンの)第2次検死のことを、いいだろう、調整する、と言ってくれていたのに、次の会議では裁判所の命令が必要だなどと彼に要求した。

“They did a '360' on me. We quickly went to get the court order. When we had it approved, the body had been taken out,” he said.
彼ら(検察庁の役人)はぐるりとひとまわりしたのだ(回りくどいことをしたのだ)。われわれは直ちに裁判所命令を取りに行ったが、そのときすでに遺体は持ち出されてしまっていた。

Charles also questioned his brother Richard's motives for retrieving the body.
チャールズはまた、ケビンの遺体を持ち出す弟のリチャードの動きを問いただした。

He claimed that Kevin and been estranged from his two youngest brothers Richard and David Ramesh Morais, and had not spoken to them since 2004 until his death.
彼(チャールズ)は、ケビンは彼の他の二人の弟たち(リチャード及びデイビッド・ラメッシュ・モライス)とは疎遠になっていて、2004年から死ぬまで彼らと話したことはなかった、と述べた。

He said that Richard may have been instigated by 'high-ranking officials' to retrieve Kevin's body, but added that he does not know who may be behind it.
リチャードは政府高官によってケビンの遺体を運び出すように仕向けられたのかも知れない、しかし彼はその(高官の)背後に誰がいるのかは知らないだろう、と付け加えた。

With the body out of the morgue, it would be moot to track it down for a second postmortem, he said, adding that he does not know the whereabouts of Kevin's remains.
遺体が遺体安置場から外に持ち出されてしまったので、第2次検死のためそれを探し出すことには議論の余地がある(どうすればよいのか議論する必要がある)、と彼は言いそしてケビンの遺体が今どこにあるかは分かっていないと述べた。

He said he wanted a second postmortem done because the first postmortem merely stated in a single line that Kevin's cause of death was 'probable asphyxiation'.
彼(チャールズ)は、最初の検死結果が、ケビンの死因は窒息死の可能性だというただ一本の電話だけだったので、第2次検死を望んでいるのだと述べた。

“I am a layman but I am pretty sure that would be thrown out of court if that was produced as evidence,” he said.
私は(法廷闘争に関しては)素人だ。しかしそれ(第2次検死結果)が証拠を産むとしたら、それが法廷外に投げ出される(裁判の証拠としては却下される)だろうことはかなり確かなことだ。(訳者注:裁判をひっくり返すほど重要な証拠になるはずだ、と弟氏は言外に述べている)

On Sept 28, six men were charged with Kevin's murder while two others including the army pathologist were charged with abetment.
9月28日、6人がケビンの殺人罪で起訴され、軍の病理医を含む他の2人が殺人教唆罪で起訴された。



'Kevin worked on PM and wife's case, initials on charge sheet'
ケビンは首相と(首相)夫人の事件を担当していたのだ。告発状にイニシャルがある。
Published 25 Nov 2015, 6:58 pm

The alleged draft charge sheet against Prime Minister Najib Abdul Razak released by whistleblower site Sarawak Report had carried the initials of the late deputy public prosecutor Anthony Kevin Morais, claimed his brother.
ホイッスルブローアーサイト・サラワク・レポートによって露にされたナジブ・アブドル・ラザク首相に対する告発状草案と言われている書類には、死亡した次席検事アンソニー・ケビン・モラリスのイニシャルが書かれている、と彼の弟は主張した。

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In a statutory declaration (SD) today, Charles Suresh Morais said when he saw the charge sheet that appeared on the website on July 30, he recognised his brother's initials.
今日、宣誓供述書(SD)の中で、チャールズ・スレシュ・モライス氏は、彼が7月30日にウェブサイトに掲載された告発状草案を目にした時、彼は彼の兄弟のイニシャルを認めたと述べている。

“After having looked at the (two-page) draft charge sheet once again, I noticed that one of them was amended and initialled.
2枚綴りの告発状草案を再度見たとき、それらのひとつは(語句が)訂正されイニシャルが添え書きされていることに気付いた。

“After studying that particular charge sheet in detail, I noticed that the initial next to the amendment made was that of my brother, Kevin. I am familiar with his signature and his initials,” he said in the SD.
告発状を仔細に点検すると、訂正された語句の傍に認められたイニシャルは私の兄のイニシャルだと気が付いた。

Charles, who was accompanied by lawyer Americk Sidhu, revealed the SD in a press conference in Kuala Lumpur.
弁護士のアメリック・シドゥに付き添われたチャールズは、KLにおける記者会見で宣誓供述書を明らかにした。

Attorney-general Mohd Apandi Ali had previously dismissed the alleged draft charge sheet as false.
検察長官のモゥド・アパンディ・アリ(※)は、これまで告発状草案と言われている書類は偽者だと一蹴している。
(※7月末の前検察長官の突然の解任劇の後、後継としてナジブ首相に任命された現長官)

When contacted today on the statutory declaration, he replied: "I am overseas. Thank you."
この(チャールズの)宣誓供述書について(電話で)問われた際、彼(アパンディ検察長官)は、今現在私は海外に居る。ありがとう、と答えた。(訳者注:何も答えなかった、と言うこと)

Charles said in his statutory declaration that he always kept in touch with Kevin, including making two or three phone calls a month and constant e-mail correspondence.
チャールズは自身の宣誓供述書の中で、彼(チャールズ)はケビンといつも月に2、3回は電話をし、常にemailでやり取りをしていたと述べている。

He also claimed that two to three months ago before Kevin's murder in September, he said the deputy public prosecutor told him that he had been working on a case involving Najib and his wife Rosmah Mansor.
彼(チャールズ)はまた、2、3ヶ月前、つまりケビンが9月に殺される前、ケビンがチャールズに、ナジブ首相とロスマー・マンソー夫人の事件を担当しているのだ、と述べたと言う。

In the SD, the younger brother also claimed that Kevin, who was seconded to the Malaysian Anti-Corruption Commission (MACC), had described the pair in an unfavourable light.
チャールズの宣誓供述書では、(1MDBを捜査していた)MACCのナンバー2の地位にいたケビンは、弟(チャールズ)に、あのペア(ナジブ首相夫妻のこと)は誤解されていると語ったと弟(チャールズ)は述べている。(訳者注:この意味は恐らく、人々は首相夫妻に対してポジティブに誤解しているのだ、との意味であろうと思われる)

“He told me his phone might be tapped and to be careful what I said. That is why half our conversations were usually in Malayalam,” he said.
彼(ケビン)は、電話は盗聴されているかも知れない、だから私(チャールズ)に発言には注意するように言った。なので、私たちの会話の半分はマラヤーラム語(南インドで話されている言語)だったとチャールズは述べた。

The MACC has been investigating the RM2.6 billion political donation and RM42 million from SRC International which were deposited into the prime minister’s personal accounts.
MACCは、26億リンギの政治献金とSRCインターナショナル(1MDBの元の子会社)からナジブ首相の個人口座に入金された4200万リンギについて捜査/調査を受けている。

In the SD, Charles said he later approached Rewcastle-Brown about the charge sheet and it was revealed the document was sent from an e-mail called "jibby@anonymousspeech.com".
宣誓供述書の中で、チャールズは後にルーカッスル・ブラウン(サラワクリポートの創設者)に告発状の件でアプローチしたが、告発状はjibby@anonymousspeech.comと言うメールアドレスから(ルーカッスル・ブラウンに)送られたものであることが明らかになったと述べている。

Charles said he was convinced that the e-mail came from Kevin.
チャールズは、そのemailはケビンからだと確信したと述べた。

He said the name "jibby" refers to the babysitter who had cared for both Kevin and Charles.
彼(チャールズ)は、(メールアドレスのユーザーIDとして使われている)"jibby"は、(二人が幼いころ)二人を世話したベビーシッターの名前だと言った。

"Kevin was working directly under the attorney-general at that time and would have been privy to the type of information as appeared in the draft charge sheets.”
ケビンは、当時、検察長官の直轄で勤務していたため、告発状の内容にも関与していたのだろう、(と弟は述べた)。




Brother: There was conspiracy to rid of Kevin's body
ケビンの遺体を持ち出す陰謀だった
Published 25 Nov 2015, 10:16 pm

There was a conspiracy to rid of the body of murdered deputy public prosecutor Anthony Kevin Morais, claims brother Charles Suresh Morais.
殺害された次席検事のアンソニー・ケビン・モラリスの遺体を(安置場から)持ち出す陰謀があった。

In a statutory declaration (SD), Charles implicated an officer of the Attorney-General's Chambers (AG Chambers).
宣誓供述書の中で、チャールズは、検察庁の役人を(この陰謀と)関連付けている。

He highlighted a text message which he claimed was sent by the officer to another of his brothers, David Ramesh Morais, around Nov 15.
彼(チャールズ)は、その役人からもう一人の弟、デイビッド・ラメシュ・モラリス宛てに11月15日頃に発信されたテキストメッセージ(SMS)に注目した。

The message: "Dearest darling Bro David. Just received message from Bro Richard. He wants to remove Kev's (Kevin) remains and give a decent burial if time permits tomorrow. He asked me to find out from you if you would join him in getting the remains of Kev fr (from) the mortuary. Thank you".
メッセージは、「親愛なる兄弟デイビッドへ、今しがた兄弟リチャードからメッセージを受け取ったが、彼は、明日時間が許すなら、ケビンの遺体を(病院の安置所から)持ち出し、きちんと埋葬してあげたい。彼(リチャード)は私(役人)に対し、貴方(デイビッド)がこれに加わるかを聞いて欲しいとのことだった。ありがとう。」と言うものだった。

Richard is in reference to Richard Dilaan Morais. Both David and Richard are younger brothers of Charles while Kevin is the eldest of the four.
リチャードとは、リチャード・ディラアン・モライスのことで、デイビッドとリチャードは共にチャールズの弟。また、ケビンはこの4人兄弟の長男。

Charles said the message meant that there was an attempt to rid of Kevin's remains even though he had made it clear that he wanted a second post-mortem and had communicated with the AG Chambers which said it was not opposed to such a move.
チャールズは、このメッセージは、彼が第2次検死を望んでいると(他の弟たちにも)はっきり述べ、検察庁にも相談した上で、別に反対もされなかったにも関わらず、ケビンの遺体を持ち出す企みがあったことを意味している、と述べた。

"The contents of the above SMS appear to indicate that there was a conspiracy to dispose of Kevin's remains without my knowledge as no mention of my name has been made in that message.
上記SMSには、私に知られることなく、私の名前を用いずに、ケビンの遺体を持ち出して(第2次検死を妨害しようと言う)陰謀が現れている。

"This is despite the numerous letters, meetings and requests made to all concerned parties that I was intent on having a second post-mortem done.
これは、私がすべての関係者等に対し、第2次検死を望むとして送付した数多くの手紙や会議そして要求に反している。

"This was common knowledge at the AG Chambers and an understanding between us had been reached, with the filing of an application to the court as agreed.
このこと(第2次検死を行うこと)は、検察庁における共通認識であり、裁判所の承認をを得て(第2次検死を)行うことで我々が到達した理解であった。

"It is therefore very surprising that an officer of that same department appears to be trying to circumvent this understanding by clandestine means," he said.
だから、同一の役所の役人が、我々の共通理解を秘密裡に巧みに回避しているように思われ、大変驚いている、と彼(チャールズ)は述べた。

Richard had claimed Kevin's body at 11.30am on Nov 23 from the Kuala Lumpur Hospital mortuary.
リチャードは、11月23日11:30にクアラルンプール国立病院の遺体安置所からケビンの遺体を持ち出す申請を行った。

Charles questioned Richard's sudden interest in Kevin as the two had not been on good terms since 2004.
チャールズは、ケビンとリチャードの二人が2004年から疎遠になっていたので、リチャードのケビンに対する突然の興味を彼に問い質した。

Charles added that he was the only brother Kevin was close to.
チャールズは、ケビンが親しくしていた唯一の兄弟は自分だったと付け加えた。

"I was therefore surprised that Richard was apparently behaving as if he was very close to Kevin and was portraying a very unusual concern to expedite the funeral and cremation of Kevin's remains," he said.
私は、だから、リチャードがケビンととても近い関係なので、葬儀を急がせることやケビンの遺体を火葬することに執着することはごく普通のことのように振舞っていたのには驚いた、とリチャードは語った。

In the SD, Charles also said he had the impression that hospital authorities was pressuring for Kevin's remains to be removed.
宣誓供述書の中で、チャールズは病院当局がケビンの遺体を外に持ち出すことに圧力をかけていたような印象を持ったと述べている。

"I am very surprised that the authorities at Kuala Lumpur Hospital and the police appear to have been complicit in allowing Kevin's body to be removed from the mortuary by Richard when they were both fully aware that I wanted a second post-mortem to be conducted.
クアラルンプール国立病院当局や警察当局は、私(チャールズ)が第2次検死を望んでいることを十分知っているのにリチャードがケビンの遺体を持ち出すことを許すことで陰謀に加担しているように思えて、私は大変驚いている。

"I believe this clearly demonstrates mala fide on their respective parts in their efforts to prevent this second post-mortem taking place," he said.
私は、彼らがそれぞれの持ち場において、第2次検死を妨害する役割を果たしており、これは明らかに悪意を表していると彼は述べた。





以上、今朝方、マレーシア・キニに掲載されていた驚きの記事を紹介してみました。記事には上記の他に、「ならばペンドライブを見せてみろ」などと言うIGP長官(警察長官)に対する関連のインタビュー記事も載っていたのですが、長くなりすぎるので省略しました。

しかしながら時期も時期です。次なる展開はどうなるか、来週12月3日には国会におけるナジブ首相の疑惑釈明答弁が予定されていますし、緊張感が否が応にも高まりますね。

それではまた。。



昨日(11月17日)、KL日本人会のロビーに置かれていた日本語フリーペーパーの南国新聞を手に取ってみたら、その一面トップに、マレーシア警察によるマハティール元首相の事情聴取に関する記事が大きく載っていました。

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え? これ↑って随分時宜を失したのんびりニュースだなぁと思いましたけど、考えてみればこのフリーペーパーは週刊紙で、発行は毎週木曜だそうですから、編集のタイミングによっては、こうなることも仕方がないことなのでしょうね。(ちなみに私は11月6日当日夜にこのニュースをチェックしています)

そう言えば、この前のヘイズのことでもそうでした。あの忌まわしいヘイズがすっかり去って、KLにも久しぶりの青空が戻ってきたと皆が喜んで既に数日が経つと言うのに、その後目にしたこの新聞には、ヘイズは来年まで続く見通しなどと言うピンズレの記事が載っていましたからね。

ともあれ例のスキャンダルの件ですが、最近のニュースメディアをチェックしていると、今までかなり厳しくナジブ首相や首相擁護派を攻め立てていたアンチガバメントのオンラインメディアが軒並み大人しくなったと言うか、静かになったような気がします。

一番の旗振り役だったマレーシア・キニにしても、先日の突然の警察による家宅捜索を受けて以降、その論調が柔らかくなったように思えますし、それにしても、なりふり構わぬ時の権力者の力というものは凄まじいものですね。

こうなるとこの難解な謎解きの頼みの綱は、ウォールストリートジャーナルのような外国メディアや国民的人気を誇るマハティール元首相ですね。

しかし、南国新聞の記事にもありましたように、11月6日、そのマハティール元首相が、現ナジブ首相に対する名誉毀損の嫌疑により警察の事情聴取を受けたと言うのですから穏やかではありません。

マハティール氏は、ご存知のようにマレーシアの第4代首相で、歴代最長となる6期22年を勤め、この国に今の繁栄をもたらしたいわばこの国の英雄です。御年90歳ながら今なお矍鑠(かくしゃく)としていて、この国の政財界に隠然とした影響力をお持ちです。

そのマハティール氏が1MDBに由来する現ナジブ首相の諸疑惑を追及するグループの急先鋒なのですから、ナジブ氏とその周囲の方たちにとってこれほど目障りな存在はないのでしょう。できることなら、今すぐにでも強権を持ってその口を封じたい、そう考えて当然と思います。

ところがマハティール氏には数多くの支援者がいる、組織がある、そして今なお根強い国民的人気がある。なので氏を拘束でもしようものなら氏の支援組織や国民の反発は計り知れず、時の権力者と言えども安易に強権を発動できる相手ではありません。

今、多くの国民は氏の言動と、時の権力者との丁々発止のやりとりを固唾を呑んで見守っているのです。

そんな中での事情聴取と言うかたちでの時の権力者の実力行使です。この国の英雄を本気で告訴(公訴)しようとするものなのか、あるいは権力者による一連のブラフなのかは分かりませんが、今後一体どのような展開を見せるのかに注目が集まっています。

と言うことで、今日は、そんなマハティール元首相の言動を知る上で欠かせない氏のブログポストの最新版を覗いてみたいと思います。

ブログはCheDet.comと言う支援組織が運営している氏のオフィシャルブログですが、英語とマレー語で書かれた舌鋒鋭いその記事は、最近では1MDB一色に染まっていて、平均すると月に3、4稿ずつアップしておられるようですが、氏の御年齢を考えると誠に恐れ入ってしまいます。

なお、CheDetとはマハティール氏が首相現役時代から使用しているペンネームだそうです。



Blog post by Dr.Mahatir Mohamed
13 Nov 2015 | 1MDB

THE POLICE INTERVIEW
警察の事情聴取

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There were a large number of reporters waiting to interview me about the questioning by the police that the IGP and the Minister of Home Affairs had promised.
多くの記者たちが、IGP(警察長官)と内務大臣によって然諾された(私に対する)警察の事情聴取を取材しようと待機していた。

I was not sure how to handle the reporters. I know the police is a professional institution. It works for the elected Government. Still I was not quite sure why the police i.e. the Government wanted to question me. Had I committed a crime or is it that they wanted some information from me for the prosecution of others.
私はどのように記者たちを取り扱うべきかを良く分かっていなかった。私は、警察がプロフェッショナルな組織だと言うことは承知している。彼らは選挙で選ばれた政府のために働くのだ。 しかし、私は、警察すなわち政府が何故、私を事情聴取するのかをまだまったく分かっていなかった。 私が犯罪を犯したとでも言うのだろうか、または他の者の起訴のために私からなんらかの情報を引き出そうとしているのだろうか。

I had been interviewed by the police and the AG’s chambers before. They wanted to make me a Government witness. I listened to them and concluded that there was no case for the accused person to answer. So I refused to be a prosecution witness.
私は、警察と司法長官室のメンバーによって事情聴取された。彼らは私に政府の証言者になって欲しいのだと言ったが、私はそれを聞いて、答えるべき嫌疑はなにもないと結論付け、それを拒否した。

This time it is not about making me a witness. They wanted answers to questions. My lawyers advised me not to answer most of those questions. So I did not.
そうすると今度は、彼らは、私に証言者になれと言うのではない、質問に対する答えが欲しいのだと言ったが、私の弁護人たちが、ほとんどの質問には答えないように私に助言したので、私は彼らの質問には答えなかった。

Thinking it over afterwards I concluded that they were trying to make what I did or said in public before were some kind of wrong-doings, to even be some kind of criminal act. Although they did not say I would be charged, but there was just a hint that I might be charged.
結局良く考えてみると、彼らは、私のこれまでの公衆の面前での言動が、なんらかの不正行為や犯罪行為であるとしたかったのだと分かった。彼らは私が起訴(公訴)されるかについてはなにも言わなかったが、しかし私が起訴(公訴)されるかも知れないとのヒントはあった。

I re-examined the questions posed by the police and I cannot see how what I did or said can be against any law.
私は警察による(この)事情聴取を反芻(はんすう)してみたが、私の(これまでの)言動がいかなる法に抵触するのかが分からない。

I did attend a rally that had not been permitted by police. There were more than 50,000 people at that rally. If I did something wrong then 50,000 people at that rally also did something wrong.
私は確かに、警察が許可しなかった集会に参加した。 50,000人以上がその集会に参加していたが、 私のそのこと(デモに参加したこと)がなんらかの不正行為だと言うのなら、集会に参加した50,000人も不正行為を為したと言うことになる。

To be just, the law must apply to everyone equally. To single me out for the offense of attending the illegal rally would be unjust. It would be a kind of victimisation. Unless the Government wishes to be unjust, it cannot take action against me alone.
(法の)正当性を保つため、法律は誰にも平等に適用されなければならない。 違法な集会に参加したと言う罪ならば私独りを摘発するのは不当だ。それは一種の迫害と言うものだ。政府が不当を意図しない限り、私独りを相手取っての行動(訴訟)などできようもない。

Another question was about asking Najib to step down. I have urged people to overthrow Najib. I had asked the Tunku and Abdullah Badawi to step down.
事情聴取のもうひとつは、ナジブ首相に辞任を要求していることだ。私は人々にナジブ首相の打倒を訴えてきた。私はかつてTunku(初代首相)とAbdullah Badawi(第5代首相)の辞任をも要求したことがある。

I did not advocate violence. In a democracy the overthrow of a Prime Minister or a Government is a common thing. Recently the PM of Australia was overthrown by his own party. The PM of Romania resigned because a night-club caught fire and some people died. Najib himself overthrew Abdullah who was an elected PM.
私は、暴力は唱えていなかった。民主主義においては、首相や政府の打倒は普通のことだ。最近、オーストラリアの首相は、彼自身の党によって退陣させられた。ルーマニアの首相は、ナイトクラブが出火し一部の人が亡くなったことを理由に辞任した。ナジブ自身は、選挙で選ばれたAbdullah首相を打倒した。

Overthrowing a democratically elected Prime Minister through street demonstration is also normal.
ストリートデモンストレーションを通して、選挙で選ばれた首相を民主主義的に打倒することも普通のことだ。

So what is wrong with my attending a demonstration to demand that Najib be overthrown as PM. Even supporting a vote of no confidence in his leadership is not wrong except in a dictatorship.
それで、私がナジブ首相の打倒を要求するデモに参加したことの何が問題なのか。彼のリーダーシップに対する不信任投票を支持することでさえ、独裁を除いては間違ったことではない。

What would be considered wrong would be resorting to violence, to a civil war or revolution. But Najib is trying to make out that asking him to resign is undemocratic1 and against the law. The questions by the police seem to imply this.
(政権打倒のために)内戦または革命などの暴力に訴える(訴えて政権を打倒すること)ことは間違いだと判断されるだろう。 しかしナジブ氏は、彼に辞任を要求することが非民主的で違法であるかのように仕立てようとしている。警察による(私に対する)事情聴取はこのことを意味しているようだ。

I often refer to the loss of money by 1MDB and the 2.6 billion Ringgit in Najib’s private account. I openly declared I don’t believe Najib’s 2.6 billion Ringgit is a donation from an Arab. I believe it is from 1MDB. Najib has not proven it is not 1MDB money. When you take something that does not belong to you, it is a kind of stealing.
私は、しばしば1MDBの資金の損失とナジブ首相の個人口座に入った26億リンギのことに言及している。私は、ナジブ氏の26億リンギがアラブの献金によるものだとは信じないと公言した。私はそれは1MDBから入ったものだと信じている。ナジブ首相はそれが1MDBの資金ではないと未だに証明していない。何人たりとも自分のものではないなにかを手にしたら、それは泥棒と言われて当然なのだ。

When I was PM I was accused of corruption, of cronyism, of being autocratic etc. I took no action to make any accusation against me a crime. I believe it is normal for such allegations to be made. If the people really believe these things about me they could throw me out. But despite attempts to end my premiership, the people gave me strong support during five elections. They did not seem to want to be rid of me. Even when challenged by Tengku Razaleigh, I had more support than him. I revived UMNO and it won support and the next election.
私が首相の時は、横領だとか、えこ贔屓(ひいき)だとか、独裁だとかの理由で訴えられた。しかし私は、私に対する如何なる訴えもそれを犯罪に仕立てたりはしなかった。私は、そのような訴えは普通のことであると信じている。もし人々が、私に関するそれら(横領など)が真実と信じているならば彼らは私を追い落とすことができるのだ。しかし私の首相在任を終わらせようとする試みにもかかわらず、人々は5回に渡る選挙で私に強い支持を与えてくれた。人々は私が追い落とされることを望んではいなかったのだ。Tengku Razaleigh氏(氏の強力なライバル政治家)の挑戦を受けた時でさえ、私は彼よりも多くの支持を得た。私はUMNO(与党第1党)を立て直し次期選挙では勝利した。

If I were defeated I would have accepted it. That is the democratic way.
(その時)もし私が負けていたならば、私はそれを受け入れただろう。それが民主的な方法なのだから。

By saying that Najib had stolen Government money, it can only be defamation if he could prove he did not. So far he has not been able to convincingly prove that the 2.6 billion in his private account did not come from 1MDB and therefore not from the Government. He has stopped investigations on the 2.6 billion in his account. That practically proves that he feared the investigations might prove the allegations against him have substance. Appointing other people to replace the original officers is interference in the work of the investigators. The replacements do not create credibility.
ナジブ氏が政府の金を盗んだ、と言うことは、彼がそんなこと(盗んだこと)はしていないと証明できるのならば、それは中傷と言えるだろう。これまで彼は、氏の個人口座の26億リンギは1MDBから入った金ではない、つまり政府の金ではないことを(人々が)納得できるかたちで証明できていない。彼は、彼の口座の26億リンギに関する捜査を中止させたが、そのことは実質的に、彼がその捜査が彼の疑惑の実態を明らかにするかも知れないことを怖れていることの証左だ。元の担当者を別人に置き換えたことは、捜査者の業務に対する妨害だ。担当者の交代は(捜査結果の)信憑性をもたらさない(結果が信用できない)。

Defamation is only defamation if you say something that is false about a person. Prove that what I said is false then sue me for defamation. That is the way to go.
あなたが人のことを非難する時、それが誤りであるならば、中傷は中傷でしかない。私が言ったことが間違っていると言うならそれを証明して欲しい、そして名誉毀損で私を告訴すればよい。それがあるべき方法なのだ。

It seems to me and I may be wrong of course, that the kind of questions posed was to stop me from going on to do or say all those things I did. If I stop then Najib would be free from exposure of the wrong things that he has done or will do. People might then forget.
それは私にしてみれば、もちろん私が間違っているかもしれないが、私に対する(今回の)事情聴取は私の言動を止めさせる目的のものであったのだろうと思う。もし私が(私の言動を)止めたら、ナジブ首相は自分がこれまでやってきた、またはこれからやろうとする不正を曝露されずに自由になるだろう。(そして)人々はいつかそのことを忘れてしまうかもしれない。

The courts may decide that I had committed a crime for what I did or said. But until I am found guilty by the courts, I will continue to believe and say that I had done nothing wrong, nothing undemocratic.
法廷は、私の言動が犯罪であると決定するかもしれない。しかし、法廷によって有罪と判決されるまでは、私は間違ったことや非民主的なことはなにもしていないと信じ、そのことを言い続けるつもりだ。

So I will continue to ask Najib to resign, to disbelieve his explanation about how he got the 2.6 billion Ringgit, to criticise the loans taken by 1MDB and the losses incurred by it.
だから私は、彼が得た26億リンギに関する彼の説明を信じはしないし、1MDBによるローンが(1MDBと言う政府系投資会社の巨額)損失の元であると非難し、ナジブ首相の辞任を要求し続けるつもりだ。

This is my right as a citizen. To deny me of these rights would really be undemocratic.
これは、私の市民としての権利だ。これらの私の権利を否定することはまったく非民主的なことだ。



いかがでしたか、これが真に齢90歳の氏の文筆とすれば、その理路整然とした簡潔な文章は、日頃老人性脳細胞減少症などと言って自分の怠慢や勉強不足を正当化している私などは青二才過ぎて穴があったら入りたいぐらいです。

このブログの中で氏が述懐しておられるとおり、氏の長きに渡る首相時代は、その強権的な政治手法がいろいろ取り沙汰されたようで、今でもそのことを強く非難する人々もおられます。しかし氏が述べているとおり、氏の反対勢力を犯罪者として扱かったことはなかった。そこが現ナジブ首相との根本ポリシーの違いのような気がします。

ブログの中の氏の文筆はまさに誰にも分かる正論です。果たしてナジブ首相はこのことに如何に反論できるのでしょうか。

報道によれば、ナジブ首相は今国会の最終日となる12月3日に答弁に立つそうです。山と積み上げられた関連疑惑に対する首相答弁が今から楽しみですが、万が一にもこの答弁がドタキャンされてしまったり、閣僚によるなんちゃって答弁にすりかえられるようならナジブ政権の行く末は早晩見えてきそうです。

国民がみな固唾を呑んで見守っているのです。(日本のような国会中継のテレビ放送があれば良いのですが、残念ながらそんな環境にはなく、われわれはただメディアによる報道を待つしかありませんがね)

それではまた。。


今日は前回予告のとおり、ウォールストリートジャーナル(WSJ)の記事の紹介です。WSJはマレーシア国内紙などとは桁が違う世界の主要マスメディアです。当然ながら世界中に多くの読者がおられるだろうことから、掲載記事の影響は測り知れないものと思われます。

そのWSJの特集記事にマレーシアの1MDBに関わるスキャンダルが掲載されました。

マイナーな弱小オンラインメディアや厳しい検閲に晒されるこの国の主要メディアとは異なり、ニュートラルな立場で歯に衣着せぬWSJの記事をじっくりと紹介したいと思います。



Malaysian Prime Minister Najib Razak Faces No-Confidence Motion
不信任動議に直面するマレーシア、ナジブ・ラザク首相

First formal challenge in parliament to leader’s rule amid 1MDB scandal seen as unlikely to succeed
1MDBスキャンダルの最中の首相不信任動議、成功見込みのないマレーシア議会における初の挑戦

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Malaysia Prime Minister Najib Razak leaves parliament on Monday, before the opposition moved for a vote of no confidence against him. (野党の不信任動議前に議会を退出するナジブ・ラザク・マレーシア首相)

THE WALL STREET JOURNAL
Oct. 22, 2015

Malaysia’s opposition filed a no-confidence motion against Prime Minister Najib Razak, citing allegations of corruption at a state investment fund and the prime minister’s response to the investigation into possible wrongdoing.
マレーシアの野党はナジブ・ラザク首相に対する不信任動議を提出し、政府投資ファンドの汚職疑惑とその犯罪捜査に対する首相の対応を非難した。

The motion has little chance of being approved by Malaysia’s parliament, where the ruling party’s coalition holds a majority. But the filing of the motion on Thursday by Wan Azizah Wan Ismail,leader of Malaysia’s opposition coalition, marks the first formal challenge in parliament to Mr. Najib’s rule amid the scandal at 1Malaysia Development Bhd., or 1MDB.
不信任動議は、例え投票が行われたとしても与党連合が多数を占めるマレーシア議会で可決される可能性はほとんどない。 しかし、マレーシア野党連合リーダーのワン・アジザ・ワン・イスマイル(Wan Azizah Wan Ismail)氏による木曜日(本日)の動議提出は、1MDBまたは1MDBスキャンダルの最中のナジブ首相の統治信任に対するマレーシア議会初のチャレンジである。

Special Coverage: Malaysia Controversy
特別記事: マレーシア疑惑(論争)

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Mr. Najib set up 1MDB in 2009 to spur economic growth. Investigators in five countries are probing the fund amid accusations that billions of dollars are missing and that money was misused for political purposes ahead of a tight election in 2013.
ナジブ首相は、マレーシアの経済成長をスパートさせるため、2009年に1MDBを設立した。今、5カ国の調査/捜査機関が、消えた数十億ドルと、その資金が2013年に行われた(与党にとって)厳しい選挙戦の前に、政治目的のために不正使用されたのではないかと言う告発に基づき調査/捜査を行っている。

Ms. Wan Azizah said the no-confidence motion was aimed at Mr. Najib personally and not the government. “One man is the cause of the crisis of confidence in the integrity of our country’s sovereignty, independence and dignity,” she said in a news release.
ワン・アジザ女史(野党連合リーダー)は、不信任動議はナジブ首相個人を対象にしたものであって、政府全体に対するものではない。1人の人間(ナジブ首相のこと)が、我々の国の主権、独立と尊厳の健全性に関する信頼の危機の原因なのだと、彼女は記者発表で述べた。

She blamed Mr. Najib for interfering in investigations into 1MDB, including removing from office an attorney general as well as a deputy prime minister who questioned the government’s handling of the affair. Ms. Wan Azizah’s husband is former opposition leaderAnwar Ibrahim, who is in prison following a sodomy conviction that he says was politically motivated.
彼女は、1MDBの調査/捜査を妨害したとナジブ首相を非難した。それには(当時、1MDBの調査/捜査の指揮にあたっていた前の)検察長官とそれらに関する政府の対応を批判していた(前)副首相(ムフディン氏)を更迭したことが含まれる。ワン・アジザ女史の夫は、前野党連合リーダーのアンワル・イブラハム氏で、氏は現在、氏が政治陰謀だと主張しているソドミー(男性同性愛行為)の有罪判決を受けて獄中にある。(※)

※(訳者註)アンワル・イブラハム氏については、国連の関連作業部会が、マレーシア司法当局のアンワル氏に対する有罪決定と投獄は国際法に違反しており、直ちに釈放すべきとの声明を発表した、とBBCを含む国内外メディアが本日(11月2日)一斉に報じました。

Malaysian investigators have traced deposits of almost $700 million into the prime minister’s alleged personal accounts via agencies, banks and companies linked to 1MDB, The Wall Street Journal reported in July. The original source of the funds was unclear, and the government investigation didn’t detail what happened to the money that allegedly went into Mr. Najib’s accounts.
マレーシアの調査/捜査機関が、ナジブ首相の個人口座と思われる口座に、1MDBに関係する機関、銀行や会社を通じて、約7億ドルが預金されたことを追跡した、とウォールストリート・ジャーナルは7月に報じた。 資金の出所は不明で、政府の調査/捜査機関はナジブ首相の口座に入金された疑いのある資金についてなにも詳述していない。

Malaysia’s anticorruption agency has said the money was a donation from the Middle East but hasn’t named the donor. Mr. Najib has denied wrongdoing or taking any money for personal gain. 1MDB has said its investments were all proper, its finances are in good shape and it would cooperate with any investigations.
マレーシアの汚職防止委員会(MACC)は資金は中東からの寄付金だ、と発表したがその(寄付者の)名前は明らかにしていない。 ナジブ首相は、一切の不正はしていない、私益のためにいかなる(公的)資金も使用していないと否定した。 1MDBはまた、すべての投資は妥当であり(1MDBの)財政は健全だ。そして、いかなる調査/操作にも協力すると述べた。

The prime minister, at a meeting in Kuala Lumpur on Sunday, said he welcomed local and global investigations into 1MDB. The probes in Malaysia are being conducted by the central bank, an anticorruption body, the country’s auditor general and a parliamentary committee. Authorities in the U.S., Abu Dhabi, Singapore and Switzerland also are probing money flows related to 1MDB.
首相は、日曜日(10月18日)のクアラルンプールでの会議で、1MDBに対する国内外の調査/捜査を歓迎する、と述べた。マレーシア国内における調査は、マレーシア中央銀行、マレーシア汚職防止委員会、国の会計監査庁と議会の調査委員会によって行われている。 (国外においては)米国、アブダビ、シンガポールとスイスの当局も、1MDBに関連する資金の流れを精査している。

“In terms of claims of wrongdoing, there are a number of investigations, some in Malaysia, which I myself ordered, and others by international authorities, which I welcome,” Mr. Najib said, according to local media. The “strictest action” would be taken against anyone found to have done wrong, he added.
ローカルメディアによれば、ナジブ首相は「不正行為の申し立てに対してはいくつかの調査があるが、私自信が命じた国内の調査と外国当局による調査があり、私はこれを歓迎する」と述べ、「不正行為を為したことが判明した場合は、いかなる人物であっても厳しく対処する」と付け加えたと言う。

Attempts to reach Mr. Najib’s office Thursday weren't successful.
(しかし)木曜日(10月22日)のナジブ首相の事務所に対する取材は成功しなかった(取材できなかった→直接のコメントは得られなかった)

It is unclear whether the opposition’s motion will come up for debate in the current parliamentary session, which opened on Monday and ends in December. Some opposition figures said privately it was unlikely the motion would receive the simple majority needed to unseat Mr. Najib in the 222-member parliament. The opposition coalition has only 88 seats.
野党による不信任動議が、月曜日(10月20日)に開会し12月に閉会する今国会期間中に議論されるかどうかは不明である。ある野党関係者は、(不信任)動議がナジブ首相を退陣させるに必要な222席の過半数を獲得することはないだろう。なぜなら、野党連合は(222席のうちの)88席しか保有していないのだから、と述べた。、

Mr. Najib continues to appear secure at the helm of the United Malays National Organization, which has ruled the nation since independence from Britain in 1957, said Ibrahim Suffian, a program director at the Merdeka Center, a Kuala Lumpur-based think tank.
ナジブ氏は、1957年に英国から独立して以来の政権与党であるUMNO(統一マレー国民組織)の掌握については安心しているようだ、とクアラルンプールを拠点とするシンクタンク、ムルデカセンターのプログラム編成者である Ibrahim Suffian氏は言う。

“He is not under immediate threat within his own party,” Mr. Ibrahim said. “There isn’t any kind of doubt as to where the power lies at this moment in time.”
「彼は自分の党内では差し迫った脅威にさらされてはいない。今現在の権力があるところにはいかなる疑いも存在しない」とIbrahim Suffian氏は述べた。

Still, Mr. Najib’s government is facing increased pressure. Tens of thousands of Malaysians protested against the prime minister in August. The nation’s sultans, who are ceremonial heads of Malaysia’s states, this month urged a swift and transparent investigation into the 1MDB fund.
しかし依然として、ナジブ政権は高まる圧力に直面している。8月には何万ものマレーシア人が首相に抗議した。国及び各州の儀礼上の統治者であるスルタン(王)たちは、今月(10月)、1MDBに対する迅速かつ透明な調査/捜査を(政府に)せきたてた。

The 1MDB scandal has led to open sniping between different arms of the Malaysian government.
1MDBスキャンダルは、マレーシア政府内の各機関の権力間抗争を誘発した。

Malaysia’s central bank said this month it had recommended the attorney general open criminal proceedings against 1MDB for breaking foreign exchange rules in seeking to invest $1.83 billion overseas.
マレーシア中央銀行は、1MDBが18.3億ドルの海外投資を行った際に外国為替法(規則)に違反したとして、今月(10月)検察庁長官に対して刑事訴訟手続きをとるよう勧告した、と述べた。

In response, Malaysia’s new attorney general, Mohamed Apandi Ali,whom Mr. Najib brought in after replacing predecessor Abdul Gani Patail in July, said there had not been any breach of the rules and declined to pursue criminal charges. The central bank then vowed to seek administrative fines in the matter.
(ところが)マレーシアの新検察庁長官のモハメド・アパンディ・アリ( Mohamed Apandi Ali)氏(※)は、(中央銀行総裁の勧告に対し)「(1MDBには)法規則違反など何もない。刑事告訴の必要はない」と(マレーシア中央銀行の勧告を)断った。その後中央銀行は、この件に関する行政罰を求めるとしている。

※この7月にアブドル・ガーニ・パタイル(Abdul Gani Patail)長官の後任としてナジブ首相が任命した。ナジブ擁護派と言われている。




いかがでしたか、うーん、まだ分かりにくいでしょうかね。

それでは、同じウォールストリートジャーナルの翌日の記事です。引き続き全文を紹介します。

Malaysia’s 1MDB Scandal: Political Intrigue, Billions Missing and International Scrutiny
マレーシアの1MDBスキャンダル: 政治陰謀、数10億ドルの消失及び国際機関による精査

Investment fund is under investigation in five countries
投資ファンド(1MDB)は5カ国で調査中

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Malaysian Prime Minister Najib Razak in Milan earlier in October.

THE WALL STREET JOURNAL
Oct. 23, 2015

HONG KONG—A scandal involving a government investment fund in Malaysia is drawing world-wide attention and has led to calls at home for the ouster of the country’s prime minister. It is also affecting U.S. diplomacy in a strategically important part of Asia. The fund, 1Malaysia Development Bhd., or 1MDB, is under investigation in five countries.
香港発:マレーシアの政府投資会社のスキャンダルは、世界的な注目の的となり国内では首相退陣要求を引き起こしている。マレーシアは、アジア戦略上の重要な一部であるため米国の外交にも影響を及ぼしている。マレーシア政府投資会社(1マレーシア開発会社または1MDBと言う)の問題は現在、5カ国で調査が行われている。

It is a story of political intrigue, backroom politics and billions of dollars in missing money. At the center of it all is Prime MinisterNajib Razak, who founded 1MDB. A Malaysian government probe found that nearly $700 million moved through banks, agencies and companies linked to 1MDB before being deposited into Mr. Najib’s alleged private bank accounts ahead of a close election. The source of the money is unclear, though in August, Malaysia’s anticorruption body said the funds were a donation from the Middle East. The donor wasn’t specified.
それは、政治陰謀、密室政治と数十億ドルの消失についての物語である。この物語の中心(人物)は、1MDBの創設者であるナジブ・ラザク首相だ。マレーシア政府の調査では、前回選挙(2013年総選挙)の前に、約7億ドルの資金が、1MDBと関係のある銀行、機関や会社を通じて動き、ナジブ首相の個人口座と疑いのある口座に預金されたことが判明している。資金の出所は不明であったが、この8月、マレーシア汚職追放委員会(MACC)はその資金は中東からの献金だと発表した。献金者は特定されていない。

Here’s a primer on Malaysia, 1MDB and the scandal that has drawn the interest of investigators from around the world.
世界中の調査機関が注目するマレーシア、1MDB及びそのスキャンダルに関する手引きはこれだ。

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The 1MDB logo on a billboard in Kuala Lumpur.

The Scandal
スキャンダル

Mr. Najib set up 1MDB in 2009 and almost immediately, the fund caused controversy. It was supposed to borrow money so it could attract investment and stimulate Malaysia’s economy. Instead, it amassed $11 billion in debt, invested in overseas energy ventures, bought power plants and laid plans for big real-estate projects that didn’t get off the ground.
ナジブ氏は2009年に1MDBを設立したが、ほとんど直ぐに投資会社は論争の元となった。投資会社は(内外からの)投資を呼び込み、資金を集めてマレーシア経済を刺激する予定だった。ところがそうではなくて、(あっという間に)110億ドルもの借金を作り、それを海外エネルギーベンチャー企業に投資したり、発電所を買ってみたり、なかなか軌道に乗らなかった巨大不動産プロジェクトを計画したりした。

The fund faces accusations about billions of dollars in missing money and that it was indirectly used to boost the ruling party’s campaign during a tight election in the spring of 2013. Mr. Najib’s office didn’t respond to specific questions about the fund’s activities and a senior official from the ruling party didn’t reply to a request for comment. 1MDB didn’t respond to a request for comment.
投資会社(1MDB)は、数十億ドルの資金消失とその資金が2013年春の厳しい総選挙のキャンペーン促進資金に間接的に使用されたのではないかと言う申し立てに直面している。ナジブ氏の事務所は投資会社の活動に関する(当方の)特定の質問には答えず、与党幹部はコメントの要請にも応じなかった。1MDBもコメント要請には応じなかった。

Special Coverage: Malaysia Controversy
特別記事: マレーシア疑惑(論争)

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Wall Street bank Goldman Sachs Group Inc. reaped hundreds of millions in fees for its work with 1MDB, according to fund documents and people familiar with the matter, leading critics to say the fund overpaid for the bank’s services.
ウォールストリートバンク・ゴールドマン・サックス・グループ社は、投資会社(1MDB)の資料とこの件を良く知る人物によると、銀行取引手数料の過払いを批評家に指摘させ、(結果として)1MDBとの業務に関し何億ドルもの手数料を得た、と言う。

The Gulf emirate of Abu Dhabi has been deeply involved with 1MDB. It guaranteed 1MDB-issued bonds in 2012 and more recently, it helped to shore up the fund’s finances. Abu Dhabi officials recently said they haven’t received roughly $2.4 billion in payments that 1MDB said it sent to them. 1MDB didn’t respond to requests for comment.
湾岸(中東)のアブ・ダビ首長国は、1MDBと深い関わりを持っていた。2012年には1MDB発行による債券を保証し、最近では1MDBの財政をてこ入れしていた。アブ・ダビ首長国の高官は最近になって、1MDBが送金すると言った凡そ24億ドルの支払いをまだ受け取っていない、と述べた。1MDBはコメントの要請には応じなかった。

No one has been charged by investigators looking into the scandal. Mr. Najib has denied wrongdoing or taking money for personal gain. He says the accusations are an attempt by political opponents to unseat him. The original source of the funds that allegedly went into Mr. Najib’s accounts was unclear, and the government investigation didn’t detail what happened to the money.
(これまで)誰ひとり、スキャンダルを調べている調査/捜査機関によって責めを負わされてはいない。(誰も逮捕者が出ていない)ナジブ氏は(自身の)不正行為や資金の私的使用を否定している。彼は、(疑惑の)申し立ては、彼を退陣させようとする政治的反対派による企みだと言い、ナジブ氏の口座に入金されたとの疑惑のある資金の出所は不明のままだ。そして、政府の調査機関は(1MDBやナジブ氏の口座に入金された)資金に何が起きたのかの詳細を明らかにしていない。

1MDB has said its investments were all proper, its finances are in good shape and it would cooperate with any investigations. Goldman has said its fees were higher than usual to compensate for the risks it took to execute the deal quickly and sell three bonds totaling $6.5 billion.
1MDBは、その投資のすべてが妥当だった、1MDBの財政状況は良好であり、いかなる調査/捜査にも協力する、と述べた。ゴールドマン(サックス)は、確かに(1MDBとの)取引手数料は通常よりも高額だったが、それは取引を素早く実行して総額65億ドルにも上る3つの債権を売却するリスクに対する補償料だった、と述べた。

Now, 1MDB is trying to dig itself out of debt by selling off assets.
現在1MDBは、資産を売却することによって、負債から立ち直ろうとしている。

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The Petronas Twin Towers in Kuala Lumpur.

The Country
国(マレーシア)

Malaysia is located just north of the equator and sits adjacent to the Strait of Malacca, the main shipping channel between the Indian and Pacific oceans. The former British colony has a population of 30 million, which is divided among an ethnic Malay majority and significant Chinese and Indian minorities.
マレーシアは赤道から僅かに北側に位置しており、インド洋と太平洋の主要な海上輸送路であるマラッカ海峡に隣接している。 旧英国の植民地は3000万の人口を有し、(国民は)多数を占めるマレー系人種と重要な中国系とインド系の少数派人種からなる。

Malaysia has been dominated by a single party since independence, though it lost the popular vote in the last national election in 2013. The party, however, managed to cobble together a majority in parliament.
マレーシアは独立以来1党(UMNO)によって支配されてきたが、2013年の前回国政選挙においては得票数を大きく減じたものの、党はなんとか議会で大多数(を占める連立政権)を急いで作ることができた。(訳者註:小党を多数集めて与党連合(BN)を構成しなんとか連立政権を維持し今に至っている)

The country is a major producer of natural resources and it exports oil, natural gas, palm oil and rubber. Malaysia is also a major exporter of electronics, with global companies such as Intel Corp. and Texas Instruments Inc.manufacturing in the country. Economic growth has averaged nearly 6% a year for the past five years.
マレーシアは天然資源の主要な生産国であり、そしてそれは油、天然ガス、パーム油とゴムを輸出している。マレーシアはまた、エレクトロニクス(製品)の主要な輸出国でもあり、グローバル企業としてはIntel Corp(インテルマレーシア)やTexas Instruments Inc(テキサスインスツルメンツマレーシア)などがある。経済成長は過去5年間ほぼ6%を平均している。

But a recent world-wide fall in commodity prices and rise in debt levels in the country have hit the economy. Malaysia’s currency, the ringgit, has fallen more than 20% this year, making it the worst performer in Asia. The uncertainty around the 1MDB scandal has contributed to the decline, which has put additional pressure on Mr. Najib.
しかし、最近の世界的な物価の下落と国の債務レベルの上昇が経済を圧迫し、マレーシアの通貨(リンギット)は、今年20%以上下落して、アジアでは最悪のパフォーマーとなった。 1MDBスキャンダルに絡む(政治の)不確実性が(経済や通貨の)下落に影響を及ぼし、そして、それはナジブ氏へのさらなる圧力となっている。

Malaysia is now stuck in what economists call the “middle income trap.” Its wages are higher than in neighboring countries like Vietnam, making it hard to attract investment in lower-end electronics. It has failed to grow higher-end industries and service businesses. Gross domestic product per capita, a typical measure of wealth, stands at $10,000.
マレーシアは、経済学者が「ミドル・インカム・トラップ(中所得国の罠)」と呼ぶ経済状態から抜け出せずにいる。賃金がベトナムなどの近隣国よりも高いため、ローワーエンド(より低価格・低性能)の電子製品(の生産拠点)に対する投資の呼び込みが難しくなっている。(訳者註:インテルマレーシアもベトナムに一部の生産拠点を移すと先日発表しました)マレーシアは、ハイアーエンド(より高価格・高性能)な産業やサービス産業(への転換)に失敗し、一人当たりのGDP(豊かさの度合いを示すバロメータ)は1万ドルに止まっている。

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Malaysian Prime Minister Najib Razak on Aug. 30 in Kuala Lumpur.

The Prime Minister
首相

Mr. Najib, 62, became prime minister in 2009 and started 1MDB to fuel new industries like information technology, renewable energy and high-value services. It was also designed to wind down a system where ethnic Malays got preferential treatment over Chinese and Indians. The name 1Malaysia was meant to bring the country’s ethnic groups together by creating jobs and raising living standards.
ナジブ氏(62)は、2009年に首相の座に就き、情報テクノロジー、再生可能エネルギーと高価値サービスのような新産業を活気づけるために、1MDBを設立した。 それは、マレー系民族を中国系やインド系より優遇する(社会)システムを段階的に縮小するようにも設計されていた。その名前、1つのMalaysia投資会社は、仕事を創出し、生活水準を上げることによって国の民族集団をまとめるはずであった。

Mr. Najib’s family played an outsize role in the days after Malaysia gained independence in 1957. His father became Malaysia’s second prime minister and an uncle was its third. When his father died in 1976, Mr. Najib took his seat in parliament.
マレーシアが1957年に独立を得たあと、ナジブ氏の家族は当時最大の役割を演じた。彼の父はマレーシア第2代首相となり、そして、叔父は第3代の首相だった。彼の父が1976年に他界した後、ナジブ氏はマレーシア議会の議員となった。

By the time Mr. Najib came to power, minority communities of Chinese and Indians, complaining of discrimination, had started to gravitate to the opposition. Critics say the ethnic-preferences system—which was established to help ethnic Malays catch up with ethnic Chinese and Indians in areas such as wealth and education—had become a font of corruption. The ruling party’s coalition had scored its worst-ever showing at elections in 2008.
ナジブ氏が権力を握る頃には、中国系とインド系の少数派コミュニティは、(人種間)差別について不満を言い、野党に引きつけられて行った。批評家は、マレー系民族優遇施策はマレー系が中華系とインド系に追いつくことを容易にするための富と教育の場における(社会)システムであるが、それが汚職を生む温床になってきた、と言う。

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U.S. President Barack Obama and Mr. Najib in Kuala Lumpur in April 2014.

Why Does This Matter?
なぜこれが大切なことか?

Malaysia plays an important role in Asia as a moderate Muslim country with strong economic, diplomatic and cultural ties to the broader region and the Middle East. When U.S. President Barack Obama made a pitch early in his administration to “pivot” the U.S. toward Asia, he focused on Malaysia as a counterbalance to China’s rise in the region.
マレーシアは、アジアの中で、強い経済力を持つ穏健なイスラム国として、より幅広い地域と中東地域との外交的かつ文化的な関係を保ちながら、重要な役割を果たしている。バラク・オバマ米大統領が、アジアにおける中国の台頭に対抗するために米国(の立ち位置)をアジアにシフトさせた時、彼はマレーシアに焦点を当てた。

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Mr. Obama played golf with Mr. Najib in Hawaii in December.

At the same time, Mr. Najib talked of building a more inclusive country and made efforts to reach out to the West. Mr. Obama responded and in 2014, he became the first U.S. president since the 1960s to visit Malaysia. Last Christmas, the two leaders played golf in Hawaii. Mr. Obama will visit Malaysia again in November during a meeting of Southeast Asian nations.
同時に、ナジブ氏はさらなる包括的(※)な国家建設について話し、西側(国家)に追いつくための努力をしてきた、と述べた。オバマ氏はそれに応え、2014年には米大統領として1960年代以来初めてマレーシアを訪問したこと、昨年のクリスマスにはハワイで二人がゴルフをしたことなどを話した。オバマ氏はこの11月、東南アジア諸国会議の間に、再びマレーシアを訪問する予定である。

※包括的国家(inclusive country)とは:国家の繁栄及び成熟度を判定する様々な要素、例えば、GDP growth、Percent of GDP spent on social program、Civil rights、Civil society participation、Enrollment in secondary schools、Political rights、Percent living on more than $4 per day、Personal empowerment、Government responsiveness、Percent access to formal job、Access to adequate housingなどを考慮し総合的に上位と判定される国家のこと。

One risk is that the 1MDB scandal destabilizes the Malaysian government, leading to a revival of the ethnic strife that plagued the country in its early years. Another is if the government fails to deal with the economic challenges facing the country, including low commodity prices, high debt levels and slowing economic growth.
1つのリスクは、1MDBのスキャンダルがマレーシア政府を不安定にするということだ。そしてそのことがマレーシア独立初期のころに国を悩ませた民族争いを再燃させるかも知れないことだ。もう一つは、政府が国が直面している物価の下落、高い債務レベルそして経済成長の減速などの経済的なチャレンジに(上手く)対処することができるかどうかと言うことだ。




以上、米国の経済紙、ウォールストリートジャーナルによる2日連続の「マレーシアの疑惑(論争)」の全文を紹介しました。

なお、記事の冒頭に出てきたナジブ首相に対する不信任動議ですが、目下のところ議長預かりとなっている模様です。今日(11月3日)は、BERSIH2.0の代表が議長(代理)に面会し、全国の選挙区から集めた31,000通に及ぶ不信任投票を促す選挙民の請願はがきとオンライン請願書を提出したそうです。

でも、議長采配によって例え投票が行われたとしても、今のままでは数の力で否決されるのは見えています。それでも野党やBERSIH2.0がこだわるのはどうやら、BNやUMNOからの多数の造反者を期待してのことのようです。

文中でも書きましたが、獄中にあって身の潔白を一貫して主張しているアン・ワル元副首相(野党連合のリーダー)ですが、国連の作業部会で審査したところ、ソドミー(男性同性愛行為)による有罪判決と投獄は国際法に違反するとの結論が出されたのだそうです。

アン・ワル氏のソドミーが嘘か真かは別にして、国連機関もたまにはまともなことをやるじゃないですか。しかしこれによってマレーシア当局が氏を直ちに釈放することは恐らくないのでしょうが、このマレーシアの1MDBがらみの疑惑の数々、何が本当で何が嘘なのか、いろいろな要素が益々複雑に絡んできて、謎解きも容易ではなくなりました。

今日は、国内の各メディアが、先日のマレーシアクロニクルに対する政府のサイトブロックが影響しているのかどうか、急に随分大人しくなったこともあり、ならば国外メディアの代表選手としてWSJをピックアップしてみましたがいかがでしたでしょうか。

日本でもかつてはロッキード事件やリクルート事件などと言う戦後政治史に残る疑獄事件がありました。現代の日本はそんな時代に比べれば余程クリーンな社会なのでしょうが、ここマレーシアにおいてはまだまだのようです。さらに人種間差別をもたらすプミプトラの存在が背景に根深く絡んでいて、なかなか一朝一夕の解決は望むべくもありません。

しかしながら今この国で何が起きつつあるのかに興味を持つことは必要なことだと思っています。第2の祖国と思う国のあり様に思いを致し、日々眼を凝らしていたいものです。

ではまた。。

追記:WSJ関連記事のリンク(お断り:下記はWSJの過去関連記事へのダイレクトリンクですが残念ながら有料購読会員でないと全文の閲覧は無理なようです)

Malaysia’s Najib Razak Played Key Role at Troubled 1MDB Investment Fund

U.S. Examines Goldman Sachs Role in 1MDB Transactions

Investigators Believe Money Flowed to Malaysian Leader Najib’s Accounts Amid 1MDB Probe


昨日、10月28日の水曜日、久しぶり、本当に久しぶりに青空が見えました。と言ってもスカイクリアーとまでは行かないのですが、夕方にはヘイズもすっきり晴れて視界良好、南のミッドバリー方向にはTMの三日月ビルがくっきりと見えていました。

この分ではKLの明日の木曜日はマレーシア気象局の予報どおり、多分朝から晴れることでしょう。オンライン上の天気図をチェックしてみましたが、マラッカ海峡からマレー半島にかけての風向が全体的に東北東に変化しつつあるようなので、これがこの季節特有の北東モンスーンによるものだとすれば、今後はこの地域のヘイズは次第に解消されるのだろうと思います。

これは、前回記事で紹介したマレーシア科学技術革新省の大臣発表に軍配と言うことになりますかね。でも、多くの方がロイター配信による前日の記事(ヘイズが来年まで続くだろうと言う記事)にすっかり騙された(読者が誤解した?)らしく、いろんなアウトドアイベントがキャンセルになったと聞きました。

例のYMCAのじじばばバスツアーも、このヘイズでキャンセルになり、一旦は支払った参加費の払い戻しまで受けていたのですが、なんとびっくりこれが復活したのです。 Alamak!(マレー語ですが日本語の"あらまぁ!"と同義です)

昨日夕方に担当者からの電話で知りましたが、流石はじじばば軍団、一度死んでも生き返るとは、まるでゾンビのようですね。(笑)

なんて馬鹿言っていないで、今日の本題に入ります。

さて、これ↓なんの画面かお分かりですか?(実はこの質問はこれで2回目です)

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そうです。この国マレーシア政府(Malaysian Communications and Multimedia Commission)にアクセスをブロックされたインターネットウェブサイトの画面です。この国の、メディアに対するインターネットアクセスブロックはこれで2例目です。1例目は、このシリーズを書くきっかけになったサラワクリポート。英国をペースに意欲的にメディア活動を続けるサラワクリポートは、今年の7月に、関係法令に抵触するとしてそのアクセスを突然ブロックされて今に至っています。

関係者の間では、表現の自由や報道の自由が侵されているとして政府に対する強い非難の声が止んでいませんが、そんな中、2例目のアクセススブロックです。今度はマレーシアクロニクル(Malaysia chronicle)と言うオンラインメディアです。

実はこのマレーシアクロニクルは、マレーシアキニやマレーシアインサイダーとともに私の毎日の巡回ニュースチェックの対象メディアでした。ところが先週の金曜日(10月23日)のことですが、突然アクセスできなくなってしまったのです。そして、1例目のサラワクリポートのブロック画面にはどの法律に抵触しているのかが誰にも解るようにリンクが貼ってあるのですが、今回はそんなリンクも見当たりません。まるで問答無用とお上が言ってるようです。

一体何の法律に抵触していると言うのでしょうか。確かにこのマレーシアクロニクルと言うオンラインメディアは、現下の1MDBなどのポリティカルスキャンダルなどについてかなり厳しい、政府にとっては耳が痛い記事のオンパレードでした。でも、だからと言って理由の説明もなく(信じられないことですが、MCMCに問い合わせても未だに何の説明も得られないとい言うことです)突然メディアをブロックするとは凄いですね。

こんなことは日本ではありえないことだし、もしあったらそれこそ国中が大騒ぎになっていることでしょう。でもここは日本ではありません、マレーシアです。折しもマレーシア国会では、2016年予算の政府案の提示直前だったので、SNS上には、政府は国民になにか隠そうとしているのではないかなどの非難が沸き起こっていますが、世間では思ったほどの騒ぎにもならずに今に至っているようです。(主要メディアはこの件を一切記事にはしていないので、国民や在住日本人の中にはまったく知らない・気付かない方たちも多くおられるのではないかと思います)

私の周囲にいる生身のマレーシア国民は一体このことをどう感じているのか、何人かの方に質問してみました。

期待に違わず中華系・インド系はかなり憤っておられるようです。このままではこの国の将来はない、とまで語る方もいらっしゃいました。一方マレー系の方々は、これも期待に違わずですが、言い難そうに、政府が悪い、でも仕方がない、と小声で仰る方がほとんどでした。

外国人である私は、この国のことについて私の考えを主張する権利も責任もないわけですが、例え一時的にせよ、住まわせてもらっている立場で物申すとすれば、やはり、これは民主的ではないでしょ。民主国家としてはちょっと横暴じゃないかと感じてしまいます。

しかしながら、いくら政府が要注意と考えるメディアを、国民の目や耳から遠ざけようとしても、インターネットアクセスブロックには、実はブロックをかいくぐる方法があるのです。それはDNS(ドメインネームシステム)を操作する方法なのですがSNS上でも広く紹介されていますし、誰もが簡単にできます。

これ↓は、既にブロックされているはずのマレーシアクロニクルの昨日(10月28日)の記事ですが、このようにいとも簡単にブロックを回避できるのです。と言うことは、政府が国民に知らせたくない、見せたくないウェブサイトをいくらブロックしようが、実質的な効果はないと言うことなのですね。

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と言うより、完全に逆効果だと思うのですがどうなんでしょうね。人間誰しも隠されれば見たくなります。政府がブロックしたら、そのサイトのアクセスが逆に増えたなんてシャレにもなりませんよね。

しかし、政府もそんなことは承知のはず。ではなんのためのアクセスブロックなのか?ひょっとしたら他のメディアに対する見せしめや脅しとしての効果はあるのかも知れませんね。うーん、そのせいか、ここ数日のマレーシアキニやマレーシアインサイダー、マレーメールオンラインなど、普段はアンチガバメント色の強いメディアの論調がかなり柔らかくなってきたような、そんな感じを受けています。

私はもちろんそんなアンチなメディアだけでなく、ザ・サンディリーやザ・スター、ニューストレイツタイムズなど、まるっきりの御用メディアではないかと思えるようなプロガバメントのメディアもチェックしているわけですが、ニュートラルな立場の私からすれば、このままでは真実が見えなくなってしまうのではないかと危惧しています。

でも、マレーシアの今のこの問題については、国内だけでなく多くの外国関係機関やメディアが注目しています。中でも、今の1MDBに絡む問題をこの7月にすっぱ抜き、多くの国民の愁眉の元となった米国の大手経済紙のウォールストリートジャーナル(WSJ)は、依然としてこの問題の追っかけ記事を書いていますし、先週は2日連続(10月22日、23日)で、今のマレーシアのポリティカルスキャンダルについて分かりやすい解説記事を掲載しました。

私たちのような門外漢にはなかなか理解しにくいこのマレーシアのポリティカルスキャンダルを、誰もが容易に理解できるようにと掲載されたもののようですが、なかなか説得力のある、また信憑性もある記事ではないかと感じながら私は読みました。

今日は、実はその2つの記事をここで紹介しようと思っていたのですが、既にここまで十分長く書いてしまいましたので、WSJの記事の紹介は次回に譲ることにしたいと思います。



↓今朝の自宅バルコニーからの撮影画像です。

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前回の写真と比べてもらえば、今までのヘイズがどれほどのものだったかはお分かりかと思います。これ↑は、自宅から南方向、ミッドバリー方向を眺めたまだ日の出前の写真です。地平線上にTM(テレコムマレーシア)の三日月ビルが見えています。

そしてこれ↓は、カメラを左に振って東側を見ています。太陽が建築中のビルの陰から顔を出そうとしているところです。

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本当に久しぶりです、こんなにいい天気。私がキナバル山に出かけた9月初めからですからおよそ2か月ぶりでしょうか。今朝は、すっきりした眺めだなあと嬉しくなりましたが、でもよくよく見ると、まだちょっとモヤっているような気がします。

しかし病気して初めて健康の有難さに気付くと同様、透明でなんの臭いもしないきれいな空気のなんと有難いことかをつくづく感じた今日、2015年10月29日の朝でした。

次回はWSJによる"良く解るマレーシアのポリティカルスキャンダル"についてです。

ではまた。。







前回記事で、マレーシア国民の最近の鬱屈した思いに少し触れましたが、この頃、特に生活費が急激に高騰していることなどについて、大多数の国民が政府や国の行政に不満を感じているようです。(新聞のコメント欄やラジオのトーク番組などからそのように感じます)

例えば、先週の10月15日に、突然値上げされた高速道路料金のことでもそうです。今では完全な車社会のこの国において車は既に庶民の足です。なのに、しっかりした事前説明もなく突然、高速道路料金が一斉に値上げとなった。

ならば高速道路など、使わなければ良いだろうと思われるかも知れませんが、ここクアラルンプールの道路はなかなか複雑怪奇にできていて、そうもいかないのです。例えば私なんか、モントキアラからワンウタマショッピングモールなどのあるダマンサラ地区に進出するためには、必ずペンチャラリンクと言う高速道路を使用しなければいけません。

なぜって、その方向への下道(したみち)がないからです。距離はたかだか6、7kmしかないのですが、その間にはトールゲート(料金所)があって、行きも帰りもしっかり高速料金を支払わされます。

それが今までは2リンギだったのが3リンギになった。往復で2リンギの値上げです。それから、少なくとも週に4日は出向く日本人会のミッドバリー方面へは、ケリンチリンクを通るのですが、これも1.5リンギから2.5リンギになった。ここも往復で2リンギ、週に最低5回は高速道路を使うとして、これだけで毎月10リンギの出費増ですよ。(遠出しないフツーの月で100~120リンギの高速道路代です。決してバカにはできません)

いやいや、なにケチ臭いことを言ってるの?なんて仰るあなた、これがどっこいなかなか侮れないのですよ。最近の生活費高騰はこれに限らず多岐に渡っているのです。この春にGSTが導入されて、生活必需品は値上げしないと言いながらも、なんでもかんでも高くなってる。タクシー代は40%ほども高くなったし、電気代にしても水道代にしてもテレビやインターネット代、その他もろもろが明らかに高くなってる。しかも来月にはバスや電車の運賃値上げも予定されている。

しかしですよ、半年前のこのGSTの導入に際しては、このままでは近い将来の国家財政が持たないから、歳入を増やさなければいけないと言う首相や関係大臣の説明だったのに、どうやら政府が公金の運用(投資)に失敗して巨額の損失を出しているらしいことや、公金が一部の政治家などに不正使用されていて今ではその行方もわからないものもあるらしい。

そんな杜撰な財政管理や汚職疑惑などに関するニュースがこの7月のWSJのすっぱ抜き報道以来、連日各種の紙面を賑わしているし、SNS上にはいろいろな噂が飛び交っている。さらにはそのことを追求したり非難しようとすると、当局に不当に拘束されたり、尋問されたり、罷免されたりするらしく、まるで民主主義国家のようでない。

それでいて国民にはその疑惑の経緯や理由の説明を一切しようとせず、単に、悪いことは一切していない、首相や政府を信用しろ、と言うだけじゃ、いくら無知で善良な市民と言えども、政府は何か重大なことを隠しているに違いないと思われて当然です。

インターネット上の各種オンラインメディアの読者コメント欄や、テレビ・ラジオのトーク番組などを見たり聞いたりする限り、WSJの報道以来約3ヶ月半を経た今、首相以下、現政権与党幹部や政府要人に対する国民の憤りや苛立ちは、もはや中華系やインド系のみならずマレー系に至るまで、人種という垣根を越えて確実に広がってきているように思えます。

一方、疑惑や非難の中心にいるナジブ首相や一部の与党幹部の人たちの心中はいかがなものでしょう。紙面に現れる記者発表の声明文や談話などを読む限りはまだまだ強気の姿勢を崩していないようにも見えるのですが、一部では年末までには決着が着くだろうとの見方もあるようで、ますます目も耳も離せない状況なのです。

今日は、そんな現下のマレーシア事情を、本日(10月18日)付けのマレーシアクロニクルと言うオンラインニュースポータルに掲載された関係記事(タイトルのみ)を一覧で紹介し、併せてその記事の背景などを少し説明してみたいと思います。(なお、記事に対する説明は私個人の私見ではなく、すべて内外メディアからの引用であること、記事の掲載順はランダムと言うことをお断りしておきます)



Malaysia Chronicle
18 Oct 2015

DESPERATE NAJIB, RUTHLESS ROSMAH: WILL MOST UNPOPULAR HENCHMAN - IGP KHALID - BE SACKED TO PLACATE ANGRY M'SIANS?
自暴自棄のナジブ首相と無慈悲なロスマー夫人:怒る国民をなだめるために最も不人気な部下であるKHALI警察長官を解任か?

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これ、とんでもない皮肉ですよね。目下のところKHALI氏は、邪魔者を片っ端から捕まえて口封じをしてくれる最も信頼できる部下ですよ。ただ、そのせいか国民にはとても不人気のようですが、彼を首になどしたらそれこそ大変なことになることはご両人が一番ご存知の筈だ、と言う記事。



NAJIB'S BLACK SATIRE ON MALAYSIA HAS BACKFIRED ON HIMSELF & FAMILY
ナジブ首相のブラックジョークは首相本人とその家族に跳ね返りつつある。

ナジブ首相のブラックジョークと言うのは、何も悪いことはしていない、国民の金を自分の利益のために使ったことなんて一度もないと、繰り返し述べていることなどを指しています。

サラワクリポート、ニューヨークタイムズ、ウォールストリートジャーナル、エッジパブリケーションなどの内外メディアを通じ何トンにも及ぶ大量の捜査(調査)漏洩資料が継続的に世に出ているというのに、この期に及んでまだ平然としらをきるナジブ首相を痛烈に非難している記事です。



MALAYSIA'S NO. 1 BANK MAYBANK NEXT TO BE DRAGGED DOWN THE 1MDB DRAIN? TIME'S UP, NAJIB - HAS THE RM2 BIL LOAN BEEN REPAID?
次に1MDBの溝に引き摺り込まれるのはマレーシアNo.1銀行のメイバンク:返済期限だよ、ナジブさん、20億リンギのローンは返済できたのかい?

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これはメイバンクから20億リンギの貸付を受けた1MDBと貸し付けた側のメイバンクを皮肉る記事です。1MDBの現状ではローン返済どころではないだろう。そのうちメイバンクも引き摺り込まれるよ、と言う警告の記事です。



THE ROYAL HEADACHE NAJIB WON'T BE ABLE TO SHAKE OFF
王家の頭痛、ナジブ首相には治せません

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10月6日に発表されたマレー王族会議の異例の声明文は、ナジブ首相と現政権に対し強烈なプレッシャーをかけています。一部の与党政治家の中には、これを自分たちに都合よく解釈している向きもありますが、特に王家を崇拝して止まないマレー系民族の間からはとんでもないことだとの非難が噴出しているようです。

何人も妨害や介入を行うことなく、公平・公正かつ透明性のある捜査・調査を促進し、迅速にその結果を出すこと、またその結果については広く国民に分かり易く知らしめること、そしてその結果、法に違反する行為を探知した場合には関係者を厳罰に処すること、その過程や結果が国民の不信を招くものであってはならない、などとする声明文はまことに時宜に適っていて素晴らしい。

ただし、ナジブ首相や現政権がこれに応えるのは至難のことで、王家の頭痛はいつまでも癒えないだろうという記事です。



NAJIB SINKS LIKE A STONE: SHOCK 4 OUT OF 5 MALAYSIANS UNHAPPY WITH HIM - SURVEY
ナジブは石のように沈む:マレーシア人の5人に4人が彼を良しとしていないのはショックだ

national poll

8月に実施されたムルデカセンターによる世論調査の結果、今年1月には52%だったマレー系国民による内閣支持率は31%に落ち込んだ。中国系による内閣支持率は11%から5%、人種全体でみても38%から23%と二桁の急激な落ち込みである。これは、既に国民の5人に4人が現内閣を支持していないと言うことだ、とのお隣シンガポールストレイツタイムズ紙からの転載記事。



JOHOR'S SECESSION THREAT WAKES UP M'SIANS & WORLD COMMUNITY: NEW ECONOMIC POWERHOUSE IN THE MAKING?
ジョホールバル州の独立の脅威はマレーシアと世界の人々を目覚めさせる:新経済大国の誕生か?

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これは以前から1MDBの対応に関し、ナジブ首相やプトラジャヤ(現政府)に一貫して批判的な発言を繰り返してきたジョホールバル州の王家とプトラジャヤとの非難の応酬の後で、王家のTunku Ismail皇太子が昨日、プトラジャヤが連邦結成時の約束を反故にすると言うならジョホールバル州はマレーシアから分離独立する権利を有する、と発言したことを受けての記事。

ジョホール州は独立しても生き残れるが、マレーシアは(ジョホール州に独立されてしまったら)生きて行けないだろう、だから、そうならないようプトラジャヤは1MDBの問題を早く善処しろ、つまりナジブ首相を退陣させろと迫っているもの。マレーシア各州の中で唯一独自の軍隊の保持を認められているほど有力な州だけにプトラジャヤとしては、マハティール元首相に劣らぬ手強い相手と言える。



NO ESCAPE FOR NAJIB, ROSMAH: 1MDB'S MONEY TRAIL UNRAVELS, NAJIB 'PLAYED A KEY ROLE' - US MEDIA
ナジブ首相、ロスマー夫人、もう逃げられない:1MDBの不正資金操作、ナジブ首相の中心的役割が明るみに

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これは米国の主要経済紙であるWSJの記事の引用です。この7月に爆弾報道を行ったWSJはその後もその報道姿勢を変えておらず、一貫してナジブ首相とその夫人を含む関係者への疑惑追及に余念がありません。この記事は夫人の散財振りや首相の1MDBにおける立場や役割を取り上げて、もう逃げられない、観念しろ、と言っています。

ナジブ首相とその弁護士グループは、虚偽の報道を行うWSJに対して断固たる法的措置をとると意気込んでいたものの、結局WSJ側に軽くいなされて不発に終わっている模様です。



NAJIB'S CORRUPTION SCANDAL HITS WSJ'S TOP 10: M'SIA DRAGGED THROUGH 1MDB MUD
ナジブ首相の汚職スキャンダル、WSJの(ニュース)トップ10に(ランクイン):マレーシア、1MDBの泥の中を引き摺られる

これもWSJに関する内容です。ナジブ首相の汚職スキャンダルが、WSJの今年の世界のニューストップ10にランク入りしたと言う不名誉な記事です。



SPOOKED BY NAJIB SCANDAL: MALAYSIA NOW THE CHAMPION IN PLUNGING FOREX RESERVES
ナジブ首相のスキャンダルに怯えるマレーシア:今では外貨準備高の急激な落ち込みのチャンピオン

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一時は対米ドル4.48リンギにまで下がったマレーシアリンギットの買い支え介入などにより、マレーシア中央銀行の保有する外貨準備高は前年同期の20%近くも急激に落ち込んでいるが、これは東南アジアの新興市場国では最悪だと言うニュース。マレーシア通貨安の原因はいろいろ考えられるが、中でもナジブ首相の汚職スキャンダルが投資家の不信を招いていることが大きいと記事は述べています。



UMNO EXODUS BEGINS IN EARNEST, SAIFUDDIN THE SYMPTOM & SIGNAL
真面目で熱心な政治家はUMNO離党を開始する:SAIFUDDINの例はその予兆と警告だ

SAIFUDDIN氏とは、元のUMNO最高評議会メンバーで高等教育省副大臣も務めた若手のホープ。以前から1MDBの件では、ナジブ首相や党に批判的であったが、このたびもう我慢出来ないとして与党第1党のUMNOから野党PKR(人民公正党)に入党し大きな波紋を呼んでいる。記事は氏の積極的かつ勇気ある行動が他の意欲的な若手政治家をも動かすだろうと述べている。



INVESTIGATE ZETI WITHIN 7 DAYS... OR ELSE: Pro-Najib group claims Bank Negara chief revoked '1MDB’s privileges' in bad faith
7日以内にゼティマレーシア国立銀行総裁の調査を行わなければ、ナジブ擁護派は総裁が、悪意で1MDBに対する特権を取り消したと主張するだろう

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これはどういうことかと言うと、ゼティ総裁が司法長官に対し、1MDBを起訴せよ、なぜなら1MDBの資金操作に関して当時、虚偽や不正確な情報の提出があったことが判明したので、国立銀行としては3件の外国投資に関する許可を遡って取り消した、と最近2度にわたって強く勧告した。だが、司法長官はすでに何の不正もないことを確認しているとしてこれを拒否しており、さまざまな批判を浴びている。

なお、現在の司法長官の Mohamed Apandi Ali氏は、この7月末になんの予告も理由もなく突然罷免されたAbdul Gani Patail氏の後任の長官で、ナジブ氏に近いとされている人物。

記事は、当局にゼティ国立銀行総裁が言っていることが正しいかどうか調べてみろとの意見を述べている。なお、ゼティ女史はマレーシア初めての女性国立銀行総裁で国民的人気も極めて高い。




NAJIB'S DISHONESTY INFECTS AGENCIES: Saifuddin doubts anyone would believe Auditor-General’s findings on 1MDB
ナジブ首相の不正直が行政組織にも感染しているのだ:Saifuddin氏は年末までに終了する予定の1MDBの会計検査報告を誰が信じようかと疑っている

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これは、元UMNO最高評議会メンバーのSaifuddin氏が、マレーシアンインサイダーとのインタビューに応えて語った内容の転載記事。

要するに、検査、調査、捜査は一連の繋がり中で行われないといけないが、1MDBに対するこれらは、1MDBに批判的であった2人の閣僚(Muhyiddin Yassin氏:前副首相とShafie Apdal氏:地域開発大臣)の更迭、突然の前司法長官Abdul Gani Patail氏の罷免、マレーシア汚職防止委員会(MACC)の2人の高官への突然の異動命令などの例をみれば、妨害や嫌がらせや介入のない透明で真っ当な検査等が行われなかったことは明らかだ。

Saifuddin氏はまた、首相や政府方針に批判的な元UMNOリーダーのKhairuddin Abu Hassan氏とMatthias Chang弁護士の逮捕・拘留のことにも言及し、単に平和的な政府の批判者に対して、テロ封じのために準備した法律を強引に適用しようとすることは許せない暴挙だと述べ、このような中で例え如何なる検査報告が出ようともそれを誰が信じようかと、厳しく語っている。




いかがでしたでしょうか。刻一刻と変化するマレーシア情勢ですが、目下の焦点はジョホールバル州の皇太子とUMNO要人とのバトルの様相です。どちらも譲れない立場にある方たちですから、今後急速な展開は望めないでしょうが、これで元首相のマハティール氏を中心とする有力な反政府グループに加えて、マレー系民族が崇拝する王家を敵にまわしているのですから、首相と現政権側の方たちの分がかなり悪くなってきたのではと、無知で善良なだけの私などは感じています。

以上、今日は現下のマレーシア事情と題して、マレーシアクロニクルと言うオンラインメディアの記事を一覧で紹介してみました。

ではまた。。



みなさん、おはようございます。

9月13日(日)にボルネオ島から帰って来て直ぐに、ブログのトップ画像を"キナバル山"に替えたところまでは順調だったのですが、それからが不覚でした。

どうしたことかまた喉風邪を引いてしまい、頭痛に咳、それに夕べは熱まで出る始末。情けないことに気力も体力も失せて、ただひたすら寝てました。

でも今日は、9月16日、マレーシアデーです。赤シャツラリーの日です。いつまでもこうしてはいられません。幸いなことに喉の痛みが少し和らいできたようなので、今日はマスクをして街に出てこようと思います。(喉のことを思ってのことです。もちろん一向に良くならないヘイズ対策を兼ねてです)

山(キナバル山)の話は後回しです。とにかく無事に帰って来たことだけを皆さんにお伝えして、山ほどある"山"の話は次回以降に取っておきたいと思います。

ところで昨日も、在マレーシア日本大使館から注意喚起のサーキュラーが出てましたね。本日正午から深夜までのデモだそうです。ブキッ・ビンタンやペタリン・ストリートなどに集合し、ムルボク広場に向けて行進する予定とのことです。

しかし思いますね、先の集会は、Bersih4と書かれた黄色シャツを着ているだけで検挙されかねない違法な集会。しかし今日の集会はどうでしょう。DBKL(KL市役所)がムルボク広場の使用を許可したそうですし、お揃いの赤シャツを着用することにも当局はなんの警告も発していないもようです。

Bersih4が、自由かつ公平な選挙、クリーンな政府、議会制民主主義の強化を訴えた平和集会だったのに、今日の赤シャツラリーは、Kebangkitan Maruah Melayu(マレー人の偉大さを示せ)をスローガンとした武闘派中心の集会で、どこから見ても、非マレー系中心のBersih4に対抗する不穏な集会のように思えます。

The Malaysian Insiderの8月13日付け記事(Published: 13 September 2015 5:58 PM)には、

Shocking that former Umno leader mastermind of ‘red shirt’ rally,

ショッキングなことに赤シャツラリーの首謀者は前Umno(与党第一党)リーダーだ

とする、野党民主行動党(DAP)党首のKit Siang氏へのインタビュー記事が掲載されています。

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記事全文はこれ↓です。

It is shocking that a former top Umno leader is the main organiser of the controversial red-shirt rally on September 16, said Lim Kit Siang, who claimed that the Malay party is sponsoring the gathering.

The DAP parliamentary leader questioned how former Malacca Chief Minister Senator Tan Sri Mohd Ali Mohd Rustam could be the mastermind of the rally, whose critics say has sparked fears it could create communal tensions.

“It is simply shocking and outrageous that a former top vote-getter as Umno Vice President, one-time aspirant for Prime Minister ... could be so insensitive as to be the mastermind behind the Sept. 16 rally, repudiating the very import and meaning of Malaysia Day.”

Lim said the rally in Kuala Lumpur would seriously undermine the unity, integrity and cause of Malaysia at such a fragile period in the country’s history.

“In fact, rally by Umno or to be more exact the forces (of Prime Minister Datuk Seri Najib Razak) may be the first step to cause the disintegration of Malaysia,” Lim said in a statement today.

Najib, who is Umno president, said the party did not endorse the rally, but it won’t stop party members from attending. Some of the rally’s organisers are also Umno grassroots leaders at the division level.

The “red shirt” rally or “Himpunan Rakyat Bersatu” is said to be held to counter last month's Bersih 4 rally, which had called for Najib's resignation over alleged financial scandals.

The gathering is also being held to express anger over footage of Bersih 4 participants stomping on pictures of Najib and PAS president Datuk Seri Abdul Hadi Awang.

Lim said, unlike the racial overtones of the red shirt rally, Bersih 4 only had political demands such as free and fair elections, a transparent government and strengthening parliamentary democracy.

“One was a peaceful rally to celebrate diversity and to dream of a better Malaysia for all Malaysians, regardless of race, religion, region, age, gender or politics,” Lim said.

“The other was a provocative rally to threaten racial confrontation and divide Malaysians, when it was actually a gross abuse of the name of Malays as it was not intended to protect the “maruah” (honour) of Malays, but only to protect Umno or to be more exact, Najib himself!”

The rally’s organisers claim it is not a racist get-together, but critics have pointed out that they use slogans such as “Kebangkitan maruah melayu” (rise of Malay honour), which have communal sentiments.

The rally is also supposed to march through Bukit Bintang and Petaling Street, two well known and busy Chinese business enclaves popular with tourists.

Lim said if the organisers truly wanted the rally to not be racist, they could have used the slogan “Kebangkitan maruah Malaysia”, (rise of Malaysia’s honour).

上記記事の全文和訳は割愛しますが、要するに、赤シャツラリーの目的は、マレー系の力を非マレー系に誇示することで、与党第一党のUmnoを擁護し、ひいてはナジブ首相本人を擁護することなのだろうが、それではマレーシアの民族対立を煽るだけで国の分断と言う危険を招くものだとの意見です。

私はこの意見は至極真っ当だろうと思います。

しかし、政府も政府です。ご存知のとおり、マレーシアデーは、1963年9月16日、ボルネオ島のサバ・サラワク両州を含め、マレーシアとして国家を制定したその記念日です。

まさに多民族融合の記念の日なのに、その分断を煽るかのようなデモに見てみぬ振りをする。いや見てみぬ振りをするどころか、裏でなにやら画策している気配すら感じる、さらに当日、首相始め多くの要人が半島を離れサバ・サラワク州に出かけ、まるで対岸の高みから火事を見物するかのような有様では、とても真っ当な民主主義国家とは言えないでしょう。



ここで突然ですが、こんなマレーシアの今を我が祖国日本の今とちょっと比べてみたいと思います。

折しも、昨日9月15日(火)、参院平和安全法制特別委員会の中央公聴会において、公述人として意見を述べていた若い大学生をユーチューブで見ました。聞くところによると、この大学生は、先日の国会議事堂前の大集会を共催したSEALDsと言うグループの代表だそうで、この中央公聴会には民主党が招待したのだそうです。

あの大舞台であれだけ落ち着き払った態度と穏やかな口調はたいしたものだと思いましたが、全文を聞き終えてみて、なんと空々しい中味のない意見なのかと、正直言って落胆でした。

政府案に反対することが良くないとは決して思いませんが、単に反対するだけではだめです。日本を取り囲む現状や情勢の変化を正しく認識し、それを分析したうえで問題点を整理し、対策案を考察、そしてそれらを比較・評価して最良の結論を得るのです。

彼の意見には、少なくともあの場で公述した中には、これらの一連の思考過程がまったく見えていません。よしんば彼が自身の結論だけを述べたのだとすればそれでは説得力が皆無です。

よく、対案を示せ、と言う人がいますが、そのとおりです。同じ現状認識のもと、正しい分析を行い、比較・評価をして導き出された結論なら、議論の余地は大ありです。

いつだったか、テレビの識者討論会で、"中国が攻めてくるなんてそんなの妄想ですよ"と言い放ったジャーナリスト(元テレビキャスター)がいましたが、識者といわれる彼の非常識な現状認識には呆れました。状況判断のファーストステップである現状認識が間違っているのです。

この識者に限らず、今、政府が示している安全保障法案に反対している人たちはすべからく、現状認識を異にしているのだと思います。現状を見誤れば当然正しい結論が出て来るはずもありません。賛成論者も反対論者も、自分たちの現状認識が正しいのかどうかを最初に議論すべきだし、いつまで経っても説明責任を果たしていないと言われている政府・役人は、先ずこのことを国民に明確に諭すべきなのです。

私は、もちろん、政府案に賛成です。賛成どころか現状ではこれを置いて他に日本の歩むべき道はないと考えています。解釈改憲が許せないだとか、卑怯だとか騙しの手法だとか、いろいろ仰る方がいますが、ではどうすれば良いのかの対案とそれに至る思考過程をきっちり示していただきたいものです。

(この法案には)国民の過半数が反対しているだとか、全国で100万人もの大集会を無視するなだとか、政治家には任せておけないなどと、参院の中央公聴会で公述した大学生が述べていましたが、私は大いに違和感を覚えました。

国民の過半数が賛成とする世論調査(産経・FNN合同世論調査)結果と矛盾していること、全国で100万人、えっ?国会前の10万人だって明らかな水増しでしょう。それに、政治家に任せられないと言うのは議会制民主主義の完全否定ですよ。

それに、あの国会前の集会だって、ただ、戦争反対、人殺し反対、安倍辞めろなどなどのプラカードのみ。大体、一国の首相に向かって"安倍"と呼び捨てにするなどもってのほか。あの集会の参加者の構成がどんなふうだったかは知らないが、罵詈雑言のオンパレードで、これで真剣に祖国日本を良くしようと思っての行動なのだろうかと疑いたくもなります。

それになぜこの法案が、徴兵制に結びつくのかがまったく解らない。テレビのインタビューでこれも識者が述べていたことですけど、自衛隊員が戦場に行けば後方が手薄になるから徴兵制が必然となるですって、、

そんなことがある訳ないじゃないですか。今議論しているのは集団的自衛権の限定容認の話ですよ。本来の防衛任務が手薄になるほどの限定行使なぞまったく想定されていません。安倍首相も、そんなことはあり得ないと断言しているではないですか。

集団的自衛権など行使しなくても、個別的自衛権だけで我が国防衛は十分だとまで言い切った識者もいたようですが、これなど頭の中を見てみたいものですね。それこそ、そのためには中国に匹敵するほどの強大な軍事力が必要だし、それこそ徴兵制だって考えなくてはならない。と言うか、個別的自衛権を発動しなければならない事態であれば、自身の身を呈してでも自身や家族の命や財産を護らなくてはならないはずですよね。

いずれにしても、このような見解の相違は、すべて現状認識の相違から生起するものと思われますが、正しい現状認識に基づく問題の認識、そしてその分析に基づく対策案の案出、それにそれぞれの案の比較・評価と言うような正しい思考過程を踏まえれば、誰しも正しい状況判断が可能なはずです。

デモンストレーションとは、抗議や要求の主張を掲げて集会や行進を行い、団結の威力を示すことですが、これは、集会の自由や表現の自由などの、憲法で保障された人権としての自由権です。

しかし、その抗議や要求は、議論に応じうるものでなくてはなりません。むやみに相手を罵ったり、理由の説明もなく、ただただ反対、反対と言うだけではまったく意味をなしません。



さて、話を元に戻しましょう。

私が先週キナバル山の山行に出かける前の週、9月の始めの週(9月2日~4日)のことですが、第16回汚職撲滅国際会議(International Anti-Corruption Conference)なる会議が、奇しくもプトラジャヤの国際会議場(PICC)で開催されました。

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これは、政治家や官僚の汚職防止を監視している国際的非政府組織のT.I(トランスペアレンシーインターナショナル)が、毎年この時期に世界各地の主要都市で開催している国際会議なのですが、今年のホスト国、議長国はマレーシアでした。

そしてこの会議の当初計画では、初日にナジブ首相のオープニングスピーチが予定されていたのです。私はこのことを知り、少々驚きました。今まさに汚職疑惑の真っ只中にいて、四方八方から矢のような追求を受けているナジブ氏がどのようなスピーチをするのだろうかと興味津々でした。

ところが、期待は見事に裏切られました。そうです、またしてもドタキャンです。いつかの国民対話集会のときもそうでした。曰く、警察から、出席を見合わせるようにとの助言があったと言うのです。

しかし、本人が言うようにやましいことは一切ない、と言うなら堂々と釈明したらどうですか。身の危険を感じるからと言って逃げ回ってばかりいたら、この状況は決して好転しませんよね。

8月29日と30日のBersih4のデモは、そんな疑惑にきっちり答えて欲しいと言う国民の切実な訴えです。汚職や公金横領などの犯罪は決して許さない、透明な政府が欲しいのだとの黄シャツ軍団の願いは、外国人で門外漢の私にも非常に良く分かります。

このBersih4のデモは、日本の国会議事堂前のデモとはまったく違います。日本のように、口汚く罵ることもまったくありませんが、こっちは汚職や公金横領という悪質で不可解な犯罪がらみを前提とした首相の辞任要求です。そして7月以降、止まることを知らない自国通貨(リンギット)の急落、消費税導入も加わった生活費の高騰、政治不安定、経済低迷による外国資本の逃避などを不安に思う国民の声なのです。

日本の法案反対デモのように"戦争に行きたくない"、"戦争に行かせたくない"、"人殺しをしたくない"、"9条を壊すな"などと言う論拠が不明かつ短絡的で情緒的な要求や抗議ではありません。要求は至ってシンプルで明快なのです。まさにここが違っています。

今、この国では何かが起ころうとしています。私たち外国人であってもこの国に住む以上、この国の政治、経済、社会状況の変化による影響は避けるべくもありませんが、正しい現状認識のもと、変化による悪影響を局限すべく不断の努力が必要なのだと感じています。

それでは、これから今日の赤シャツラリーの集合地の一つであるブキッ・ビンタンに行ってきます。このラリーがどんなものであったかについては、帰って来てから追記にて綴りたいと思っています。

それではまた。。



追記(2015.9.16 19.45)

ブキッ・ビンタン地区でのデモ隊の集合状況と、そこからジャランインビとジャランラジャチュランを通ってパビリオンの裏手でジャランコンレイに至るところまでのデモ行進にお付き合いしながらじっくりと赤シャツ軍団を観察してきました。

私は車をブリックフィールズのYMCAに置いて、KLセントラルからモノレールでブキッビンタンに進出したのですが、そのモノレール駅の自動券売機の前に赤シャツ姿の人だかりです。何をしてるんだろうと後から覗いてみると、どうやら券売機の操作方法が分からず困っている様子です。

ちょっと黙って観察してましたが、いつまで経っても埒があかないので、どこまで行くの?と聞くとブキッビンタンと言う。私もそうだから教えてあげるよと言って、その場にいた8人分の切符購入を手伝ってあげました。

全員が大人しそうな若者たちだったので、モノレールの車内で、どこから来たの?と尋ねてみました。ネグリ・センビラン州からと言ってましたが全員モノレールは初めてとの。ついでに、今日はなんのイベント?と聞いたところ、良く分からないとの答えでした。

↓ブキビンタンのパークロイヤルホテル前です。

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一体どれぐらいの数なのでしょうか。大雑把にみてまあ2000人と言うところでしょうか。

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デモ行進を開始する前の態勢です。ジャウイ文字で書かれた横断幕を先頭にして、これもジャウイ文字の赤旗が続きます。

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後でニュースを読むと、このブキビンタンでの集合人数は5000とのことでしたが、うーんどうでしょうね。ちょっと水増しかなと思いますね。

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パークロイヤルの角を左折して、ジャランインビを行進していきます。しかし、このデモ行進は随分大人しいですね。先頭集団からはスローガンのチャンティングやブブゼラ(南アフリカの楽器)の甲高い音も少し聞こえてきていますが・・・・・

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後方グループではこれこの↓とおり、なんのチャンティングもなくただ黙々と歩いて行くだけ。いや、周囲と談笑しながら歩くだけ。これじゃ、まるで健康ウォーキング大会のようです。。。

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一緒になって歩きながら、近くにいた若者に、私は日本人でよく分からないのだけど、これはなんのためのデモ行進なの?と尋ねてみました。

彼曰く、「マレーシアを良くするためだよ。マレー人だってできるんだってことを見せてやるデモだよ」とのこと。併せて非マレー系主体のBersih4のことをどう思うか聞いたところ、「彼らもこの国を良くしたいためだろ、力を併せて一緒に頑張りたいよ」だって。。

私はこの若者の言葉を聞き、正直言って安堵しました。この赤シャツラリーの主催者の思惑はどうあれ、参加している若者たちの思いは単純明快。国を良くしたい、豊かになって生活をより良くしたい、だけなのです。

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この赤シャツラリーの主催者が描いたスローガンは、Himpunan Maruah Melayu(Dignity of Malay)、Hidup Melayu(Long lives Malay) です。これは、Bersih4ラリーに象徴されるように近年益々劣勢が意識されだした与党第一党Umnoの危機感の表れではないかと私は思っています。

長年のブミプトラ政策の恩恵を忘れるな、次の選挙で与野党が逆転したら、非マレー系の政党に政権をとられてしまったら、今までマレー系のみが享受してきた数々の優遇施策がなくなってしまうぞと、選挙民を煽っているように思えます。

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しかし、一部の極右暴力的グループが事前に散々言っていたようなそんな暴力的な光景はまったく見ませんでした。(後でニュース報道を確認したところ、ペタリンストリートの方はデモ隊と警官隊との小競り合いがあり、放水車による放水もあったとのことです)

しかし、黄シャツのデモと異なり、今日の赤シャツのデモはマレー系と言う特定のレースを際立たせ、その力を誇示し、黄シャツに対抗させるかのような主催者側の思惑は果たして成功したのかどうか、結果はまだまだ分からないのだろうと思います。

最後に動画も撮ってきましたのでどうぞ。



以上。





今日から、ブログのトップ画像を替えました。これは先月訪れたKLIA近くの三井アウトレットモールです。最近鳴り物入りで正式オープンしたこのモールの中味のことはさておき、私はモールの正面に翩翻(へんぽん)と翻る日の丸を目にして、なにがしか感ずるところがありました。

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左に日章旗、真中にマレーシア国旗、そして右にはセランゴール州旗が翻っています。マレーシア移住以来、我が日本とはちょっと違うなぁと感じることの一つに国旗や州旗のことがあります。とにかくこちらでは、国旗や州旗が至るところで目立ちます。ことある時だけでなく普段からありとあらゆるところに国旗や州旗が掲げられているのです。

我が日本ではそうではないですよね。日章旗が掲げられるのは国民の祝日などごく一部の限られた日のみ、それもほんの一部の建物や場所だけ。昔はもっともっと多かったような気がしますが、今では遠い昔のことです。ところがここマレーシアは普段から国旗や州旗がありとあらゆるところに翻っている。

日本はほぼ完成された国、マレーシアは今まさに発展しつつある国、だからなのでしょうか?

毎年8月31日はこの国の独立記念日です。街には国旗が溢れ、老いも若きも小さな子供たちも、みんな千切れんばかりに国旗を振り、声高らかに国歌を謳う。そんな光景を眼にして早や3年、日本に生まれ育ち、長年日本に暮してきた私としては、こんなところにも大いに感ずることがあるわけです。

我が日本には学校の入学式や卒業式でさえ国旗・国歌を拒否する人たちがいる。でもこの国にそんな人たちはいない、いや私の眼には少なくともそう写ります。先月30日の日曜日、たまたま私が日本語を教えている語学学校の授業がある日だったので、近くで行われた夥しい数のBersih4のデモを目の当たりにしてきましたが、私はそこでもたくさんのマレーシア国旗を目にしました。

一方、時を同じくして、我が日本でも安全保障関連法案反対デモが東京始め各地で行われたようですが、不思議なことにあれだけの数のデモ隊の中に日章旗はゼロです。逆に、賛成派のデモの方は日の丸が林立しているのです。これって変と思いませんか?反対派も賛成派も、国や国民のことを思ってデモに参加している筈なのに、これだと外国人がみたら、反対派は愛国心のない偏狭的、自己中心的な集団、そしてたくさんの日の丸を掲げる賛成派はこの国を良くしたいと願う愛国者の集団、そう見られてしまうのではないかと思うのは私だけでしょうか?

今の日本で日の丸を振ると、まるで右翼か進歩的でない保守派のレッテルが貼られてしまうようですが、国旗を振るのが右翼だなんて、こんな不思議な国は世界にも類を見ないでしょうね。

さて、本題に入ります。

8月30日(日)午後3時、語学学校があるパタマモールの前の通りは、私の予想に反してデモ隊などの影もなく静まり返っていましたので、授業開始までまだ時間があると判断した私は、デモの主会場のムルデカ広場周辺まで歩いて行ってみることにしました。

ここで、いつもの私であれば途中経過の写真(静止画)を何枚か連ねて、様子を説明するところなのですが、今日はちょっと時間の余裕がありません。(実は明日から1週間の予定で出かけるキナバル山とその周辺での山篭りの準備がまだ終わらなくて、ちょっと焦っているのです)

なので、そごうデパート前からメイン会場まで(Jalan Abdul Tuanku Rahman)の様子と、ムルデカ広場前(マスジットジャメ付近)でのデモの様子を撮った動画をご覧いただきたいと思います。



車の交通が完全に遮断され、まるで歩行者天国のようなジャラン・トァンク・アブドゥル・ラーマン通り(Jalan Abdul Tuanku Rahman)は、いつもの喧騒さはなく静かなものでした。

ムルデカ広場に近づくにつれ行き交う黄色のTシャツがどんどん多くなってきました。まだまだデモの最中のはずなのに、まるでデモ帰りのようなグループも大勢いて、これはどうしたことだろうと、その中の一人に聞いてみたところ、長時間(34時間)に及ぶデモに備え交代で一時戦列を離れ、食事をしたり休憩をしたりしていると言うことでした。

なるほどね、昨日からの夜通しデモだから、食事や休養などの兵站も大変なのだろうと納得です。

ところでこのデモ隊のことを、ナジブ首相が独立記念日のメッセージの中で、"the rally was unwise, shallow-minded and showed a lack of national spirit(愚かで、浅はかで、愛国心が欠如している)"と述べたそうですが、果たしてそうなのでしょうか。

早速、G25と言うマレー系著名知識人グループのヌーア・ファリダ(Noor Farida)女史がマレーシアン・インサイダーの取材に応えて、首相のこのメッセージを、"民衆の声を聞かないなんて、悲しく哀れ(pathetic)だ"と評していましたが、私も同感です。

Bersih4の人たちに恐る恐る近づき、ついには紛れ込み、そしてじっくりとこの眼で、この耳で四周を観察してみましたが、彼らの主張はまとめてみれば唯一つ、この国から汚職(corruption)を無くそう、と言うことです。現首相や首相擁護派の有力政治家が声高に批判しているような、政権を転覆させることなどと言うオドロオドロしいことを端からの目的にしているわけではないのです。

この国マレーシアのため、自分たちマレーシア人のため、汚職に塗れた(疑惑の絶えない)政権や政治家はもう要らない、と主張しているだけなのです。確かに参加者を良く観察してみると、トドン姿のムスリム女性はほとんど見かけないし、参加者の大部分は中華系マレーシア人のようです。

この点を捉えて、ナジブ首相や周囲の一部政治家は、これはレース(人種)の戦いだ、マレー系に対抗する中華系の挑戦だ、などと述べているようです。

しかし、彼ら(Bersih4)の主張は、レース(人種)間の対立を煽るものではなく、各レースが一緒になってこの国を良くしようと言うものなのです。実はこのことは、デモの最中、唯一見かけたトドン姿のデモ参加者(ムスリム女性)に、私が門外漢の日本人であることを説明した上で、直接質問し、答えを聞きだしたものです。まだ若い彼女の主張は、これはけっしてレースの戦いではない、政治家の汚職と言う犯罪をこの国から無くし、もっともっと平和で豊かな国にしたいから、レースを問わずみんなで共に戦う、というものでした。

このデモに参加したくても参加できないマレー人は多い、との彼女の言もまた非常に意味深なものでしたが、いずれにしても一部政治家の言う主張は決して正しくはない、私はそう感じました。

ところで、途中こんな光景を眼にしました。

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これは見ての通りゴミの分別と持ち帰りです。日本ならば当たり前のことかも知れませんが、ここはマレーシアです。驚きましたが、このBersih4のデモ、名前のとおりクリーンなデモなのですね。(Bersihとはマレー語でクリーンの意味です)

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ゴミの分別だけでなく、この群集、驚くほど大人しいと言うか、きちんと統制が取れています。中に入ってみてそう感じました。もっと激しく暴力的な群集を想像していた私は少々拍子抜けしましたが、各グループに恐らくリーダーのような人がいるのでしょうね。暴力的な行為はおろか、殺気だって口汚く罵りあうようなことも私が見た限りではなさそうでした。

主にブルシ(Bersih)、ブルシ、ブルシと連呼するだけ。他にもいくつかのチャンティングがあるようでしたが、良く聞き取れませんでした。反政府デモというよりまるでお祭りかコンサートみたい、と誰かが評していましたが言い得て妙だと思います。

デモ参加者は主催者発表で8万人だそうです。新聞などでは数万人(Tens of thousand)と言うことでした。

これ↓を見て下さい。私が紛れ込んだマスジット・ジャメ付近のデモ隊の空撮写真です。(オンラインメディアに掲載されたものです)

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そしてこれはデモ隊の全体数が推定できそうな夜間空撮写真2枚です。(いずれもオンラインメディアから借用しました)

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しかし夥しい数ですよね。果たしてどれぐらいの数なのでしょうか。デモはムルデカ広場が使用できないため、その周辺に広がっています。

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我が日本でも、時を同じくして国会議事堂前に主催者発表10万人(SEALDsの発表は35万人)、警察発表で3万人と言うデモがありましたが、写真で見る限りこのマレーシアのデモの方が参加者が多いような気がします。

そして、この日8月30日の深夜24時、予定どおりにBersih4は終了したわけですが、34時間と言う長時間に及ぶデモにしては、極めて平和的かつクリーンなデモであった、と翌日の新聞各紙は一斉に報じていました。

私はこの後、同じ道を歩いてパタマに戻りましたが、この黄シャツの人々、なんと私が良く行くメナラマラのMcDonald'sにも大勢いて食事をとっていました。私は、デモ会場からは結構遠い(歩いて2、30分)のに、なるほどこの辺りまでが彼らの戦いの「後方地域」なのかと、一人で納得したりしてました。

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と言うことで今日の記事はここで終わりにします。少々尻切れトンボの感が否めませんが、続きは、キナバル山から無事に帰った後(8月13日)、このデモと時を同じくした我が国のデモのこと、そして首相の不正資金疑惑のその後など、いろいろ私の興味の尽きないことを、巷のニュース記事を読み解きながら若干の私見を交えて綴ってみたいと思っています。

それではまた。。