眠い時に寝て、目が覚めたらなにかする、と言うまことに自由気ままな、だらしのない生活を始めて久しいのですが、そんな中でも毎日欠かさないのが内外のニュースチェックです。

当地マレーシアはもちろんのこと、祖国日本のニュースや世界のニュースなども、たっぷりある時間を贅沢に使って、毎日丹念にチェックしています。これはきっと、私の中には、まだ時流の中にどっぷり浸かっていたいとか、世間からまだ疎外されたくないと思う気持ちや未練があるのだろうと思いますが、近い将来のボケ防止には役立つに違いない、そう考えて励んでいます。(笑)

このニュースチェックですが、私の場合は紙の媒体ではなく、ほとんどがインターネット上のオンラインニュースポータルのチェックです。紙の媒体は、外出した際に分厚いフリーイングリッシュペーパー(無料英字新聞)をせっせと貰ってくるのですが、(活字が小さくて読むのが辛いと言う理由で)ほとんど読まずに、定期的に大量に出る魚の頭や内臓などの処理に使っています。でも、これはこれで大変役に立っているので、フリーペーパーカンパニーさんには本当に感謝しています。

この前、ローカルの方にそんなお話をしたところ、マレーカンポンの人たちもほとんど読まずにナシレマなどの弁当の包み紙として利用しているのだそうです。おー、マレーの村人たちもなかなかやりますなぁ。(笑)

今は便利な世の中ですね。これは私の英字新聞の速読訓練を兼ねたニュースチェックなのですが、以前は、分からない単語などが出てくると、いちいち辞書を引いてました。でも今はカーソルを乗せるだけでポップアップ辞書が瞬時に自動起動するのですね。モバイル端末でもそれと似たような機能があって、指をタッチするだけで辞書が立ち上がる。いやぁ便利な世の中になったもんです。

私の場合は、ローカルのオンラインメディアを大体6~7紙、日本とインターナショナルを数紙、定期的に巡回しているのですが、お陰で速読もかなり楽になりました。定期的に巡回チェックしていると言っても、もちろん、記事の全部を読んでいるわけではありません。

タイトルだけざっと見渡して気になる記事をピックアップし、次にその中でこれはと思うものを複数のメディアを比較しながら順にチェックするわけですが、メディアの性質や報道姿勢などの違いからか、視点や論点が180度異なるものも数多くあって大変興味深いところです。

しかし同一メディアで昨日の記事と今日の記事が180度異なるなんてあっていい訳がないと思っていたら、実は、昨日それを発見しました。

なんのことかと言うと、今、マレーシアでもシンガポールでも大変な話題になっているヘイズ(Haze)のことです。

↓10月20日(火)のクアラルンプール国際空港(klia)の様子です。

Hazy Day

↓10月21日(水)のわが家のバルコニー(ベランダ)から南方向を見た様子です。(視界は500m程度かと思います)

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結論から先に述べてしまいますけど、10月19日(月)のthe Sundailyに、このヘイズは来年3月頃まで続く見通し、とのショッキングな記事が掲載されました。もちろん私はそれをピックアップして、他のメディアもチェックしたわけですが、配信元は英国ロイター通信(Reuters UK)で、マレーシアやシンガポールの主要メディア各紙に同一記事が一斉に掲載されていました。

ところがその翌日、つまり10月20日(火)のことですけど、同じthe Sundailyに、今度は、このヘイズは11月には収束する見通しだ、との前日とはまるで異なる、と言うか前日の記事を打ち消す記事が掲載されたのです。

え?これ、一体どうなってんの?って思いますよね。もちろん、こんな迷惑なヘイズ、一日も早く去って欲しいと誰もが思っていますので、早く終わりそう、なんて言う記事は大歓迎なのですが、ホントにホントなのか?と疑いたくもなりますよね。

と言うわけで、今日は相反するそれぞれの記事の全文を紹介してみたいと思います。



先ずは10月19日(月)のthe Sundailyの記事です。

Hazy new year: Southeast Asia set to suffer for months as Indonesia fails to douse fires
ヘイジーなニューイヤー:インドネシアは火災を消火出来ず、お陰で東南アジアの苦悩は何ヶ月も収束しない

the Sundaily
Posted on 19 October 2015 - 04:32pm

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JAKARTA:Indonesian forest fires that have caused choking smoke to drift across Southeast Asia are spreading to new areas and are unlikely to be put out until next year, experts said on Monday.
ジャカルタ発:東南アジアに息の詰まるようなスモーク(ヘイズ)を漂わせているインドネシアの森林火災は新しい地域に広がっていて、来年まで消火できそうにない、と専門家が月曜日(今日)に述べた。

Indonesia has come under increased pressure from its neighbours to contain the annual "haze" crisis, which is caused by slash-and-burn agriculture practices, largely on Sumatra and Kalimantan.
インドネシアでは、主にスマトラとカリマンタンで行われている焼き畑農業に起因する毎年の「ヘイズ」危機を阻止せよ、との周辺国からの圧力が高まっている。

But it has failed to put out the fires, with "hot spots" growing in eastern parts of the country and industry officials and analysts estimating the smoke will last until early 2016.
しかし、国の東部地域で増え続ける「ホットスポット」はまだ消火できておらず、産業担当者とアナリストは、ヘイズは2016年始めまで続くとであろうと予想している。

"Maybe it will last until December and January," said Herry Purnomo, a scientist at the Center for International Forestry Research, adding that hot spots had reached Papua, a region that usually avoids widespread fires.
「多分それは12月と1月まで続くだろう」と、国際林業研究センターの科学者であるHerry Purnomo氏はこう述べ、ホットスポットはパプア(インドネシア東方域にあるニューギニア島西部の州で、通常ここまで広範囲に火災が広がることはない)に達していると付け加えた。

"It is because people are opening new agriculture areas, like palm oil," he said.
「それは、人々がパームオイルなどの新農業地域を開墾しているからだ」と、彼は述べた。

A senior official at a company active in Indonesia's forested areas said the haze could continue until March.
インドネシアの森林地域で活動する会社の幹部は、ヘイズは3月まで続く可能性があると述べた。

Indonesia usually enters its wet season in October and November, but this year the country is expected to face moderate El Nino dry conditions which could strengthen until December and may hinder efforts to control the fires.
インドネシアは、通常10月~11月に雨期に入る。しかし今年は、中程度のエルニーニョによる乾季が12月まで続き、火災の消火活動の阻害となることが予想されている。

Indonesia's national disaster management agency has made several forecasts for when the forest fires will be brought under control, many of which have now passed, but their latest target date is early November.
インドネシアの国家災害管理局は、森林火災をいつ鎮火できるかについて(その時期を)いくつか予想していたが、そのほとんどは既に通り過ぎた。彼らの最も遅い目標時期は11月上旬だ。

Indonesia has revoked the land licences of PT Mega Alam Sentosa and state-owned PT Dyera Hutan Lestari, Rasio Rido Sani, the director general for law enforcement at the forestry ministry, told reporters late on Monday.
インドネシアは、Mega Alam Sentosa社と国営のDyera Hutan Lestari社に対する土地(開発)許可を取り消した、とRasio Rido林業省法執行部長が月曜日遅くに記者発表を行った。

Both firms could not be reached for comment.
しかし両社からのコメントは得られなかった。

Last month, Indonesia ordered four companies to suspend operations for allegedly causing forest fires.
先月インドネシアは、4社に対し、森林火災を引き起こしたとして、その活動を停止するよう命令した。

On the ground, NASA satellites detected 1,729 fire alerts across Indonesia on Wednesday, a national holiday, more than any single day in the last two years.
NASAの人工衛星は、インドネシアの祝日の水曜日(10月14日)、国の全域で、1,729箇所のホットスポット(火災発生地点)を探知した。

About half of the fires during the last week have been on carbon-rich peat land areas, mostly in South Sumatra, South and Central Kalimantan, Sulawesi and Papua.
先週(10/11~10/17)の火災の約半数は、そのほとんどが南スマトラ(スマトラ島)、南・中央カリマンタン(ボルネオ島)、スラウェシ(旧セレベス島)及びパプア(ニューギニア島)の炭素が豊富に含まれるピートランド(泥炭地)地域であった。

Indonesian President Joko Widodo has increased government efforts to tackle the haze in recent weeks, making several visits to the worst-hit areas and asking other countries for help, but apparently to little avail.
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、ここ数週間、ヘイズに取り組む政府努力を増大した。最も深刻な地域を視察し、他の国への支援要請も行ったが、明らかにまったく効果を示せていない。

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"We all know that the burned areas are now widening beyond normal conditions," Widodo told reporters on Sunday. " ... the efforts to extinguish the fires are ongoing now both by land and air. We have to be patient because the burned areas is now wide."
「我々は、延焼地域が異常に広がっていることを知っている。空地からの消火の努力が現在も進行中だが、延焼地域が拡大しているので忍耐が必要だ」とウィドド大統領は日曜日に記者団に語った。




次は翌日10月20日(火)の同じthe Sundailyの記事です。

Haze will not last till March 2016
ヘイズが来年3月まで続くことはない

the Sundaily
Posted on 20 October 2015 - 08:06pm
Last updated on 20 October 2015 - 09:43pm

PETALING JAYA: The haze affecting the country currently will not last till March 2016, as claimed by certain parties.
ペタリンジャヤ発:現在国(マレーシア)に影響を及ぼしているヘイズは、どこかの誰かが主張しているような2016年3月まで続くことはないだろう。

"The current haze situation is caused by typhoon Champi and Typhoon Koppu, east of the Philippines, and when these typhoons hit landfall, the winds will change and the haze situation will improve after Oct 26," said Science, Technology and Innovation Minister Datuk Seri Madius Tangau in a statement today.
「現在のヘイズ状況は台風Champiと台風Koppuによって生じているものだ。その台風は現在(10月20日)、フィリッピンの東に位置しているが、これらの台風が陸地に接近する時、風は変わる。したがってヘイズの状況は10月26日以後改善される見通しだ」と、(マレーシア)科学技術革新担当大臣のDatuk Seri Madius Tangau氏が今日語った。

Madius said the coming northeast monsoon season from November will see a change in wind direction and will no longer carry over haze from Indonesia to Malaysia, despite the Indonesian forest fires expected to last until March.
Madius大臣は、11月に来るべき北東モンスーンシーズンが、風向の変化をもたらすだろう。そして、インドネシアの森林火災が来年3月まで収束しないとしても、もはや(緩やかな南西風が)インドネシアからマレーシアにヘイズを運んでくることはないだろう、と述べた。

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Meanwhile, rainfall is expected to decrease nationwide due to typhoon Koppu, thus making the haze situation even worse.
一方、台風Koppuが原因で全国的に降雨が減少することが予想されてる。このことはヘイズ状況を悪化させる。

According to the Meteorological Department (MetMalaysia) weather outlook, typhoon Koppu is currently 1,187km north-east of Kudat, Sabah. It will eventually head north-west towards Taiwan.
(マレーシア)気象局(MetMalaysia)の気象概況によると、台風Koppuは、現在Kudat(サバ州)の1,187kmの北東に位置していて、最終的には台湾方向に向けて北西進するであろう。

In addition, typhoon Champi located 2,942km north-east of Kudat is slowly heading north.
それに加え、台風Champiが、現在Kudatの北東2,942kmにあって、ゆっくり北進中である。

The presence of both typhoons has affected the wind patterns across the country as a result, especially rainfall due to the moderate south-westerly winds.
両方の台風の存在は、その穏やかな南西風により、(マレーシアの)全国的な風向(緩やかな南西風)と特に降雨(少ない雨)に影響を及ぼしてきた。(訳者註:これは現下の異常なヘイズはこの2つの台風によってもたらされているものだとの主張)

Separately, the Department of Environment recorded 3,534 cases of open burning detected nationwide, from the start of the year to Oct 19.
またこれとは別に、(マレーシア)環境局は、年初から10月19日までの間、マレーシア全土で探知された野焼きは3,534を記録した。

As of 6pm today, a total of 27 areas recorded unhealthy Air Pollutant Index (API) readings, with Port Klang with the highest at 179, followed by Shah Alam at 164, and Kuala Selangor at 139.
今日(10月20日)午後6時現在、合計27の地域の空気汚染度指数(API)がアンヘルシーと記録された。指数の最高は179のポートクランで指数164のシャー・アラムと指数139のクアラ・スランゴールがそれに続いている。



いかがでしたか。19日の記事は英国ロイター通信がその配信元で、翌日20日の記事は独自取材に基づくもののようです。この20日の記事と同様の記事は、このthe Sundailyの他にもAstro Awaniなどにもありました。

うーん、最初に記事のタイトルだけ読んで今回ブログのタイトルも決めてしまいましたが、この二つの記事を良く読んでみると、ロイター通信の配信記事は、ホットスポットの拡大の現状とエルニーニョがもたらす雨季の到来遅延によって、ヘイズの原因となっているインドネシアの森林火災は来年3月まで消化できない可能性があると言っている。

一方、20日の記事では、台風コップと台風チャンピの存在が、今のマレー半島におけるヘイズ被害をもたらしているのであって、この二つの台風が陸地に接近すると地域の全体的な風向が変わり、インドネシアで発生したスモークがマレー半島に襲来することはない、と言っているのですね。

さあ、どうでしょうね。科学技術革新担当大臣は10月26日になると状況が改善するとまで述べたようですが、26日って来週月曜日ですよ。しかし、そんなことは今までどこの誰も言ってなかったことだと思うので、これってやっぱり正直言って驚きですよ。

果たしてどちらの予想が当たるかどうか、どこかの誰かと掛けたいものですね。え?どっちに掛けるのかって、ですか。うーん、やっぱり私は、オッズが高いであろうこの突拍子もない大臣予想に掛けてみたいものですね。

でも大臣がこんなこと言っちゃって大丈夫なんですかねえ。これひょっとして、現下のポリティカルな重大問題から国民の関心を逸らすためのものだったりして?なんてことはないですね。失礼しっましたぁぁぁ。

それではまた。。


追記(2015.10.23):
実は11月7日の土曜日のYMCAのじじばばバスツアーの第2弾に、知り合いのじじばば軍団から是非参加してくれと言われて、いやいやながら参加しようとしてたのですが、一昨日参加費を払いに行った際、「あ、それキャンセルになったから、ヘイズで。」とあっさり言われてしまいました。

キャンセルになったことはそんなにがっかりしたことではないのですが、そうか、ツアーがキャンセルになるんだ、このヘイズで・・・・と、改めてこのヘイズの影響が大なることを思い知らされました。

だったら、この国の観光産業にも随分影響が出てるのかもしれないな、なんて余計なことまで心配してしまいましたが、ならばホントに来週からヘイズがなくなるのかちょっと真剣にチェックしてみることにしました。

先ず、日本の衛星画像を見てみよう、と昔懐かしい(※)ひまわり画像をチェックしてみました。(※昔は仕事の関係で毎日毎日衛星画像を眺めていたもんです。いや、気象をやっていたわけではないのですが、それに近いところで仕事をしていた関係でちょっとはかじっているのです)

ひまわりと言えば、今は8号ですか。確か昨年打ち上げられて今年の7月ごろから運用開始されたはずですよね。

気象庁のサイトを見てみたら直ぐに見つかりました、ひまわり8号の鮮明な衛星画像が。今はこのひまわり8号、地球環境観測衛星と銘打って、世界各国で活用されているんだそうです。なんかとても誇らしい気がしますね。

↓本日午前10時の衛星画像です。

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これ↑によると、台風コップは既に温帯低気圧となり日本の南西諸島付近、一方の台風チャンパー(チャンピではなくチャンパーと呼ばれているようです)はまだ勢力を保ちながら日本の小笠原付近に位置しているようです。

次にこの画像をマレーシア周辺地域に拡大してみます。↓

himawari04.jpg

良く見てみると、スマトラ島北部、マラッカ海峡及びマレー半島には薄い雲が見えているものの台風の影響となる反時計回りの筋雲は既に見えていません。つまり風の方向は読めません。台風の影響があるとすれば温帯低気圧に変わった台風コップだけですが、それとて遥か彼方に離れていて、もはやこの地域にまで影響を及ぼしていることは考えにくいですよね。

次に、この国マレーシア科学技術革新省発表による風向風速などの週間予報をチェックしてみました。これ↓は同省発表による南部マラッカ海峡の風向風速等の週間予報です。

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↑これによれば、南部マラッカ海峡の向こう1週間の風は東南東(東南東から吹いてくる風)のようです。もはや、台風の影響とされた西南西の風ではなく、この時期本来あるべき北東モンスーンの影響(?)による風向きの変化を予報しているものと思われます。もっともこの風向は卓越風向を指していますから、常にその方向とは限りませんがね。また、その風速は10~20km/h程度で緩やかな予報となっています。

ただ天気概況の欄には、今日だけは晴れでヘイズとあるものの、明日以降はところによっては雷雨、そしてヘイズも徐々に弱くなるような予報です。この分だと来週月曜になるとヘイズは去り、木曜にはきれいな青空が見える・・・といいですね。

いや、これってMadius大臣の言ったとおりではないですか。(もっともこれは科学技術革新省発表の資料ですから大臣説明と違っていたら大変ですけど)

しかしこの記事を冷静に読み解いてみると、インドネシアの森林火災のことについてはなにも言っていません。まあ、今年のエルニーニョ(El nino)は記録的な強さだそうですから、スマトラ島に雨が降るのはやはりかなり遅れるのでしょう。とすれば、やはり火災は直ぐには消せない。が、しかし元は絶てないが、北東モンスーンのお陰で全体的な風向きが変わる。だからマレー半島のヘイズはまもなくなくなる、こう言っているのです。

これって自分さえ良ければみたいに思えなくはないけど、正直言って、これが本当に当たったら嬉しいですね。いや、この予報が当たることを祈りましょうね。

以上、追記終わり。
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