しばらく続いたklia2の追っかけシリーズもこの5月で無事に終了しましたので、以前も書いたと思うのですが、次なるターゲットはMAS(マレーシア航空)と定め、毎日、その動向を私なりにウォッチしています。

もちろん私のその視点は決してNegativeなものではなく、航空史上最大かつ最悪の不幸に遭遇したMASの再起を心から願うものです。

MH370の件も、MH17の件も未だ解決に至るどころか目下現在進行形で、国際的な捜索・捜査活動が行われています。(注:MH370の捜索活動は9月末にも、インド洋のこれまでよりも南方域で再開されると、豪政府が発表しています)

そんな中、当事者たるMASに対する世間の風当たりはどのようなものかは推して知るべしです。しかし、客離れが加速している中で、航空会社の命脈とも言える運航乗員の削減を含め、あの手この手の施策により必死に生き残りを賭けて闘うMASの姿がMediaでも垣間見え、私は概して好感を抱いています。

ところが、先日、いつものようにMASのキーワードでインターネット検索をしていたら、突然、今回ブログのタイトルの記事に遭遇したのです。

それは衝撃的な見出しと内容の記事でした。私は、食い入るように記事の全文を読み終えましたが、とりあえずその全文を掲載写真付きでそのまま紹介します。(これまでどおり、和訳は筆者、訳文は必要に応じ意訳しています)



Malaysia Airline Flight Forced Into Emergency Landing After Flying Over Icelandic Volcano
(マレーシア航空機、アイスランドの火山上空を飛行し、緊急着陸を強いられる)

Worldnewsdailyreport, September 15th, 2014

Reykjavik: A flight of the now infamous Malaysia Airlines was forced to land in Iceland, after their plane’s navigation systems were damaged by the heat and debris erupting from the volcano over which it was flying.
レイキャビク(訳者註アイスランド共和国の首都)発: 現在悪名高いマレーシア航空機は、(アイスランドの)火山上空を飛行中に航空機の航法システムが火山から噴出している熱と火山砕によってダメージを受け、アイスランドに着陸することを強いられました。

The company’s flight MH131 going from Paris to New York reportedly went through a zone of “heavy turbulence” with “very low visibility” for a few minutes, before many of the navigation equipment simply stopped working, forcing the pilots to land the plane manually.
伝えられるところでは、パリからニューヨークに向け飛行中のMAS131便は、機上航法機器の多くが動作を停止する前の数分間、低視程と激しい乱気流域を通過しており、パイロットは手動操縦により着陸しなければなりませんでした。

The pilots were directed to fly the Boeing 777 almost directly over the active Bardarbunga volcano, despite many warnings from the International Civil Aviation Organization.
国際民間航空機関から発出されている多くの警告にもかかわらず、パイロットは、ボーイング777を、Bardarbunga活火山のほぼ直上を飛行させるように(会社から)指示されました。

The extreme heat and the large quantity of sediments projected in the sky by the volcanic eruption have made the flight path extremely dangerous, as the damage to the plane shows.
航空機のダメージが示すとおり、火山噴火によって上空に吹き上げられた高高熱と大量の火山砕は飛行経路を極めて危険なものにしていました。

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Trying desperately to cut its prices to bring back lost customers, the Malaysian company has decided to ignore all warnings and fly over the active volcano.
失った顧客を戻すためにその航空運賃を下げようと必死な思いで、MASはすべての警告を無視し、活火山上空を飛ぶことを決めました。(注:上の写真の説明文)

“There was lots of smoke and flying embers, it looked like hell!” says, Mohamed Teuku, one of the survivors. “The plane was shaking and trembling, I thought it was going fall apart! I thought the company had learned their lesson and that they would stop putting people’s life in danger, but it looks like I was wrong… That’s it, I’m never flying with them again!”
「大量の煙と燃え残る火山砕の中、それは地獄のようでした!」と、 生存者の一人であるMohamed Teuku氏は言いました。 「飛行機は揺さぶられ震えていました。私は飛行機が粉々になって墜落するのだと思いました! 私はMAS社は教訓を学び、(今後は)人々(乗客)の命を危険にさらすことはしないと思っていました、しかし、私が間違っていたようです … そうです、私は決して二度と彼らと共には飛行しません!」

The company’s regional senior vice president PK Lee, explained that the company had “thoroughly evaluated the risks” before choosing that flight path and that the passengers’ lives were “never really at risk“.
MAS社の地域上席副社長 PK Lee氏は、同社はその飛行経路を選定する前に「完全なリスク評価を行った」、そして、乗客の命は「決して真に危険な状態ではなかった」と説明しました。

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The Boeing 777-200ER airplane was carrying 171 passengers and 11 crew members when it was forced to proceed to an emergency landing.
緊急着陸を強いられた時、ボーイング777-200ERには、171人の乗客と11人の乗員が搭乗していました。(注:上の写真の説明文)

Malaysia Airlines has been implicated in a series of incidents recently that has led many travellers away from the company. Flight MH370 from Kuala Lumpur to Beijing, completely vanished on 8 March 2014. There has been no confirmation of any flight debris, and no crash site has been found. Flight MH17 crashed on 17 July 2014, presumably shot down over eastern Ukraine by a surface-to-air missile thought to have been fired by pro-Russian rebels, killing all 283 passengers and 15 crew on board.
MASは、多くの旅行者が(MASを)離れる原因となった一連の事件に最近関係しました。 クアラルンプールから北京へのMH370は、2014年3月8日に完全に消失しました。 (まだ)一片の破片の確認もできていないし事故現場も見つかっていません。MH17は2014年7月17日に墜落しました。そして、おそらく、プロ・ロシア反乱軍によって発射されたと考えられる地対空ミサイルで東部ウクライナ上空で撃墜されました。そして、搭乗していた全283人の乗客と15人の乗員が殺害されました。

Combined with an already poor financial situation, some aviation and economic experts believed these tragic events could spell the end for Malaysia Airlines.
一部の航空や経済の専門家たちは、(MASが)すでに困窮的な財政状況にあったことに加え、これらの悲劇的な出来事はMASの終焉を告げるものだと信じていました。

An ill-conceived promotional campaign asking passengers to nominate what they wanted to do before they died, did not help, following a series of people posting pictures of near empty planes on social media.
人々がほぼ空席の機内写真をSNSに投稿するシリーズの後、乗客に対し死ぬ前に何がしたいのかを問いかける(ようなMAS社の)とんでもない発想の販促キャンペーン(※)は功を奏しませんでした。(※MAS社がオーストラリアとニュージーランドで行ったMy Ultimate Bucket listキャンペーンのこと)

But the airline is fighting back, promising “best value airfares for UK and European dream holidays”, a policy that had brought a few passengers back. This new incident could however destroy much of their efforts.
しかしMASは、「英国とヨーロッパの人々の夢の休日のためのベストバリューの航空運賃」を約束して、(たった)数人の乗客を連れ戻したに過ぎないこの施策にて応戦しています。 しかし、今回のこの新しい事件は、彼らの努力の多くを打ち壊すことになるでしょう。



いかがでしたか?いやはや、なんとも衝撃的なニュースですよね。普通ならあり得ない話です。

私は直ぐに読者コメント欄にも目を通しましたが、案の定、「MASにはもう決して乗らない、まだ分からないなんてとんでもない会社だ、人の命をなんと考えているのか、所詮アジアの航空会社だ、もう信用しない」など、ほとんどがNegativeなコメントです。

確かにこれが事実なら、許せないと言うか、それこそとんでもないMASと言うことになり終わりを意味するものかも知れません。

なので、これって本当に本当なのか?と、他のメディアも探してみましたが、ん?なぜか見当たりません。マレーシア国内メディアにも、BBCなどの国際メディアにもどこにも見当たらないのです。

これひょっとっして、FAKE NEWS(ウソニュース)かも知れないと思い、発信源である「Worldnewsdailyreport」をwikiでチェックしたみたところ、なんとぞくぞく出てきましたね、フェイクニュースサイトが計19サイトあまり。

ここです、ウソニュースのサイトが分かるところ。→A Guide to Fake News Websites

しかし、ワールドニュースデイリーリポートなんてもっともらしい名前のサイトだし、タブロイド版のような紙面構成もそれなりだし、記事の内容も最初は特に違和感を感じるものではなかったしで、この私もすっかり騙されました。

よく読めば、確かにこのウェブサイトのDisclaimer(断り書き)のページには、「このニュースはほとんどフィクションであり登場人物などの固有名詞も実在しないものである」と記述されています。

しかし、誰がそんなところを先に読みますか?

調べたところ、MASは現在米国に直行便を飛ばしていないしパリからニューヨークの便なんてある訳ない、さらにMAS131便はKLからオークランド(ニュージーランド)の便のコードナンバだし、KLからパリに飛行しているのはB777ではなくA380だと言うことも分かり、易々と引っかかった私がバカでした。

しかし、これってたちの悪い冗談だと思いませんか。MAS社もこのあとこのフェイクニュースの打ち消しや公的機関にこれをブロックするように依頼するなど躍起になっているようですが、どこぞの国の慰安婦問題や南京大虐殺の大嘘と同じように、一度世間に流布された情報は、たとえそれが事実ではなくても独り歩きしているうちに、いつの間にかまことしやかになってしまうのです。

世界に数あるフェイクサイトの中には、政治・経済や社会問題などを風刺し、結果として世の中に役立つ情報として認められているものもあるようですが、ワールドニュースデイリーリポートを冠し、いかにも事実であるかのようなフィクションを世間に流布するサイトはとんでもない、これはもう情報操作の犯罪ではないですか。

どうやら、このサイトの著者はテルアビブに本拠を置く米国系ユダヤ人のようですが、当事者や関係者の気持ちを逆撫でするかのごとくのフェイクニュースは、誰のため、なんのためのものなのかと不思議でならず、怒りさえ覚えます。



さらに、これもMAS機に関する最近のフェイクニュースの代表例ですが、先月(8月)、あるオーストラリアのニュースポータル(www.news.com.au)がロンドン~KL間のMAS機の搭乗率のことに触れ、ほぼ空席状態の写真を掲載して、中にはこのようにほぼ空席のまま運航しているフライトもあり、とんでもないことだと報じていました。

これに対し、MAS社は記者会見を開き、そんな事実はない。掲載された写真はまだ全員搭乗前に撮影されたものだ。ロンドン~KL間の平均搭乗率は90%を維持していると反論しました。

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(注:この掲載写真のなかの人物が、掲載したニュースポータルに対し、「ほぼ空席のまま飛行したという記事は事実ではない。私たち家族は幼児連れのために優先搭乗させてもらったもので、この後直ぐに満席状態になったのだ。」と指摘しています。)

しかしながら、掲載された写真はSNSにてツィートされ瞬く間に大量に流布されてしまいました。これとて、世間の事実誤認を解くのに膨大な時間と労力が必要です。

しかしつくづく思いますね。現代は科学の時代、インターネットを経由して、世界中のありとあらゆる情報が即時簡単に入手でき、伝達できるほか、誰もが自ら簡単に発信することができる時代です。

政府組織でも企業でもメディアでも個人でも、意図的か意図的でないかは知らず、簡単にフェイクニュースを流布することができる時代なのです。簡単に情報操作されてしまう、こんな時代に生きる私たちは、これに対抗できる知恵と技を持たなければならないと大いなる危機感を感じています。

次回のMASシリーズではMH370の捜索再開について書く予定です。

ではまた。。
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